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10 伝説の魔法
99 伝説の魔法使い 4
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「ニス……突然来てもらって悪いんだが、早く話を進めてやってもらっていいか?」
一人で爆走する伝説の魔法使いケントニスを止めるべく、イチゴが口を挟む。
「そうですね。確かにそうです! 私はロットワイラー氏の依頼をうけてここに来たんでした」
「どうしてやつの依頼を?」
ハッとするケントニスに対して、イチゴが疑問を投げかけた。
聞かれたケントニスは少しだけ考えると、事情を語り始める。
「確かに彼とは色々ありましたし今も思うところがあるのは事実ですが、それでもいつまでも過去を引きずってばかりはいられないことも事実です! なんて偉そうなことを言っていますが、本当のところはロットワイラー氏の依頼だからではなく、ケン君に会っておきたかったというわけなんですがね!」
聞いてみれば理由は些細なものだ。
ただ、その理由の理由が僕には気になった。
「どうして僕に?」
特に有名でもない僕に会いたくなる要素がないという事はもちろんのこと、そもそも僕の名前や人物像を会ったこともない人物が知っているというのは不自然だ。
それに対してはケントニスもあらかた理解しているらしい。
「そう思うのは当然のことだね! 普通、会ったこともない知らない人に会いたいだなんてことを考えることがないからね。芸能人とかの有名人ならまだしもね」
「はい、僕は丁度そのことが気になっていました」
『芸能人』という言葉には少し引っかかった。この世界にはテレビとか演劇だとそういう演じたり、何かを魅せたりするような職業が存在していない。芸術や音楽は存在しているが、それらの人々を『芸能人』と呼ぶ人はいないからだ。
だがそこに突っ込んでばかりいると話はまるで進まないだろうという事で、僕はそのことは一度スルーすることにした。スル―する……いい言葉だ。
「簡単なことなのだよ。ケン君。仕事で関わるであろう人物のことはあらかた調べるのが当たり前のことというだけのことだね! なんてね。依頼を受けるときにロットワイラー氏からあらかたのあらましは聞いていたという事さ」
「な、なるほど……」
ものすごい気おされようだ。というより、聞きたいことは大体先んじて教えてくれるから、僕から質問するようなことがほとんどない。
まるで言葉でサンドバックにされているような感覚だ。だけどそこにおおよそ不快感と呼ばれる者はない。なぜなら、そこに彼女の優しさが感じられるからだ。イチゴの言う『誰よりも優しい』という評価はそういったところによるのだろう。
「そういう事! だからね――」
「――おい! 1から10までを説明してやるのもいいが、そろそろ本題に入らないといつまでも終わらないぞ?」
僕の疑問を解決した後に生まれた新たな疑問を解決するべく、続けて説明しようとした彼女をイチゴが止める。
全く持ってイチゴの言うとおりで、彼女と会ってから10数分が経っているにも関わらず、いまだに彼女が僕に会いたかった理由くらいしか聞けていない。
「そうですね。イザベラさんの言うとおりですね! いやぁ、つい時間が有限だってことを忘れてしまうんですよ! 私にとっては『無限』みたいなものですから――」
「んんっ!! そうだな二ス! 早く本題に入ってもらえるかな!?」
イチゴの咳払いでかき消されたしまったが、明らかにケントニスが気になる単語を言った。
もちろん、今の雰囲気でそれを掘り返すのはやめた方がいいことぐらいは理解できる。
「無限?」
ダメだ。やっぱり気になって仕方がない。
イチゴの反応からして、さっきの『無限』という発言は彼女の失言なのだろうが、その発言をした当の本人はそれほど慌てていない。
「人生とは短いようで長いですからね! 楽しい時間は無限に感じられるように努力しているんですよ」
そんな風に軽くはぐらかせるほどには余裕綽々だ。
一人で爆走する伝説の魔法使いケントニスを止めるべく、イチゴが口を挟む。
「そうですね。確かにそうです! 私はロットワイラー氏の依頼をうけてここに来たんでした」
「どうしてやつの依頼を?」
ハッとするケントニスに対して、イチゴが疑問を投げかけた。
聞かれたケントニスは少しだけ考えると、事情を語り始める。
「確かに彼とは色々ありましたし今も思うところがあるのは事実ですが、それでもいつまでも過去を引きずってばかりはいられないことも事実です! なんて偉そうなことを言っていますが、本当のところはロットワイラー氏の依頼だからではなく、ケン君に会っておきたかったというわけなんですがね!」
聞いてみれば理由は些細なものだ。
ただ、その理由の理由が僕には気になった。
「どうして僕に?」
特に有名でもない僕に会いたくなる要素がないという事はもちろんのこと、そもそも僕の名前や人物像を会ったこともない人物が知っているというのは不自然だ。
それに対してはケントニスもあらかた理解しているらしい。
「そう思うのは当然のことだね! 普通、会ったこともない知らない人に会いたいだなんてことを考えることがないからね。芸能人とかの有名人ならまだしもね」
「はい、僕は丁度そのことが気になっていました」
『芸能人』という言葉には少し引っかかった。この世界にはテレビとか演劇だとそういう演じたり、何かを魅せたりするような職業が存在していない。芸術や音楽は存在しているが、それらの人々を『芸能人』と呼ぶ人はいないからだ。
だがそこに突っ込んでばかりいると話はまるで進まないだろうという事で、僕はそのことは一度スルーすることにした。スル―する……いい言葉だ。
「簡単なことなのだよ。ケン君。仕事で関わるであろう人物のことはあらかた調べるのが当たり前のことというだけのことだね! なんてね。依頼を受けるときにロットワイラー氏からあらかたのあらましは聞いていたという事さ」
「な、なるほど……」
ものすごい気おされようだ。というより、聞きたいことは大体先んじて教えてくれるから、僕から質問するようなことがほとんどない。
まるで言葉でサンドバックにされているような感覚だ。だけどそこにおおよそ不快感と呼ばれる者はない。なぜなら、そこに彼女の優しさが感じられるからだ。イチゴの言う『誰よりも優しい』という評価はそういったところによるのだろう。
「そういう事! だからね――」
「――おい! 1から10までを説明してやるのもいいが、そろそろ本題に入らないといつまでも終わらないぞ?」
僕の疑問を解決した後に生まれた新たな疑問を解決するべく、続けて説明しようとした彼女をイチゴが止める。
全く持ってイチゴの言うとおりで、彼女と会ってから10数分が経っているにも関わらず、いまだに彼女が僕に会いたかった理由くらいしか聞けていない。
「そうですね。イザベラさんの言うとおりですね! いやぁ、つい時間が有限だってことを忘れてしまうんですよ! 私にとっては『無限』みたいなものですから――」
「んんっ!! そうだな二ス! 早く本題に入ってもらえるかな!?」
イチゴの咳払いでかき消されたしまったが、明らかにケントニスが気になる単語を言った。
もちろん、今の雰囲気でそれを掘り返すのはやめた方がいいことぐらいは理解できる。
「無限?」
ダメだ。やっぱり気になって仕方がない。
イチゴの反応からして、さっきの『無限』という発言は彼女の失言なのだろうが、その発言をした当の本人はそれほど慌てていない。
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そんな風に軽くはぐらかせるほどには余裕綽々だ。
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