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11 魔法の言葉
165 愛
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覚悟を決めたんだから、恐怖心に打ち勝たなくちゃいけない。そんなことは最初からわかっている。
なにより、ケントニスはもう魔力が暴発することはないと言ってくれた。だけど、それでも、僕はほんの少しの心の綻びを治すことすら出来ずにいる。こんなんじゃ、本当の意味で覚悟を決めたとは言えない。人を傷つけない……僕の覚悟はそれだけのためじゃなかったはずだ。
自分の力を恐れるばかりの僕は自分に怒りすら感じていた。
「何が覚悟だ……こんなんじゃ、失敗を恐れてばかりいたら、妹を守るなんて到底無理だ!」
その言葉を口にした瞬間、心の奥底から何かが溢れてくるのを感じた。
それは単なる怒りの感情ではなく、どこか暑苦しくてそれでいて心温まるようなそんな感情だ。それなのに心は穏やかで、そして冷静でもあった。
「うん。それが愛の魔法。言ったでしょ? 重要なのは『愛』だって……愛なくして、言葉の魔法は語れない。ケン君、それが普通の魔物にはない物で、そして獣人のほとんどすべてが持っている感情だよ! 言葉の魔法の代価は、愛と覚悟なんだ。それさえ覚えていれば、失敗することはない」
愛の魔法、言われてみればメリーのことを守りたいと考えた時には、いつもよりも魔力量が多くなった気がする。メリー以外はどうでもいいなんて口にしていたけど、それはアニーと一緒に戦っていたときだってそうだったし、アルタが僕を助けるために瀕死になったって聞いた時もそうだった。
僕は誰かに助けられて生きていて、それは僕が守っているつもりのメリーだって同じだ。僕は誰かを守っていて、その誰かも僕を守っている。それは何も家族愛や恋愛、友愛だけじゃなくて、隣人愛だってそうだ。僕は人知れず、誰かを思い、そして心の奥底では愛していたんだ。
――父だって、兄だって、母だって、妹だって……そして親友だって、そこに何ら違いはない。
僕が勝手に理不尽だと思い、そして嫌っているつもりだった。
だけどそれは幻想だった。今ではもう、前世のことを知ることは出来ない。それでも、理解しようとすることは出来る。僕は本当に不幸だったのだろうか? たぶんそうじゃない。勝手に不幸だと思い込んで、そして家族を僕が捨てたんだ。理解しようともせずに。
それを無視して、僕はメリーだけを家族だと思い。そして、守るべき存在だと勝手に思い込んで無理やり守って来たんだ。メリーの意志は無視して。だけどそれは間違っていた。ただそれだけの話だ。
なにより、ケントニスはもう魔力が暴発することはないと言ってくれた。だけど、それでも、僕はほんの少しの心の綻びを治すことすら出来ずにいる。こんなんじゃ、本当の意味で覚悟を決めたとは言えない。人を傷つけない……僕の覚悟はそれだけのためじゃなかったはずだ。
自分の力を恐れるばかりの僕は自分に怒りすら感じていた。
「何が覚悟だ……こんなんじゃ、失敗を恐れてばかりいたら、妹を守るなんて到底無理だ!」
その言葉を口にした瞬間、心の奥底から何かが溢れてくるのを感じた。
それは単なる怒りの感情ではなく、どこか暑苦しくてそれでいて心温まるようなそんな感情だ。それなのに心は穏やかで、そして冷静でもあった。
「うん。それが愛の魔法。言ったでしょ? 重要なのは『愛』だって……愛なくして、言葉の魔法は語れない。ケン君、それが普通の魔物にはない物で、そして獣人のほとんどすべてが持っている感情だよ! 言葉の魔法の代価は、愛と覚悟なんだ。それさえ覚えていれば、失敗することはない」
愛の魔法、言われてみればメリーのことを守りたいと考えた時には、いつもよりも魔力量が多くなった気がする。メリー以外はどうでもいいなんて口にしていたけど、それはアニーと一緒に戦っていたときだってそうだったし、アルタが僕を助けるために瀕死になったって聞いた時もそうだった。
僕は誰かに助けられて生きていて、それは僕が守っているつもりのメリーだって同じだ。僕は誰かを守っていて、その誰かも僕を守っている。それは何も家族愛や恋愛、友愛だけじゃなくて、隣人愛だってそうだ。僕は人知れず、誰かを思い、そして心の奥底では愛していたんだ。
――父だって、兄だって、母だって、妹だって……そして親友だって、そこに何ら違いはない。
僕が勝手に理不尽だと思い、そして嫌っているつもりだった。
だけどそれは幻想だった。今ではもう、前世のことを知ることは出来ない。それでも、理解しようとすることは出来る。僕は本当に不幸だったのだろうか? たぶんそうじゃない。勝手に不幸だと思い込んで、そして家族を僕が捨てたんだ。理解しようともせずに。
それを無視して、僕はメリーだけを家族だと思い。そして、守るべき存在だと勝手に思い込んで無理やり守って来たんだ。メリーの意志は無視して。だけどそれは間違っていた。ただそれだけの話だ。
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