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7.偽者

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新入生歓迎会が終わってから、オレは毎日放課後になると高坂さんの手によって風紀室に拉致されていた。


最初、拒んだら姫抱きにされて校舎内を歩かれたのでそれ以降はおとなしく従っている。



この人がこんなに強引だとは思っていなかった。



「相良、今日はこれを頼む・・」

「はい、パソコンに入力したらいいんですよね?」

「ああ・・」



お陰で毎日毎日、パソコンと睨めっこだ。



「今日中に作業を終わらせろっ」

「は~い。了解です・・」



来週からテストが始まるため風紀室も生徒会室も閉鎖になるからだ。


「相良、テスト勉強はしているのか?」

「あーはい、問題ないです」

「本当か・・?」

「ええ、こう見えてもオレ頭はいいですから・・」

「・・・ほお~」


何だよそのバカにしたような気のない返事は・・?


「何ですか、オレがウソついているとでも・・?」

「いや・・別に・・」


信じてねえな?


もくもくと作業をしながら、流れ作業のような返事にちょっとイラついた。

たぶん、無理やり風紀委員にされたことにストレスが溜まっていたのかもしれない。


「じゃあ、賭けますか?」

「賭け・・?」


「あー、お金はかけませんよ。」

「じゃあなんだ?」

「そうですね・・もしオレがトップになったら、食堂のスペシャルスイーツを奢ってください」



ここの食堂のごはんは凄く美味しくて人気がある。

中でも一日数食しかないスペシャルスイーツは大人気でオレもまだありつけていない。

最高級のバニラアイスに生クリームとイチゴは輝くようにキラキラしていて一度でいいから食べてみたかった。


「なんだ、お前甘党か?」

「いえ、そういうわけではないですけど・・」


そう、オレは甘党ではない。でもあれは甘党でなくても食べてみたいのだ。


「まあ、いいだろう・・テスト結果の出る日に予約しておいてやる」

「やったっ!よ~し、全力でがんばりますっ!」

「それで・・」

「え・・」

「それでトップでなかったらどうするんだ?」

「う~ん・・そうですね」



トップ以外なんて考えてなかった。


「じゃあ、トップでなかったらなんでも言うことを聞いてもらうぞ・・」

「いいですよ、でもこの賭けはオレの勝ちに決まってますから・・」



自信満々でそう言い切ったのだが、


この後オレは死ぬほど後悔するとは思っていなかった。
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