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第1章
③スライム・触手凌辱ものは苦手だ
あれはいつだっただろう。
「もう最低よ。川で洗濯してたらスライムがいつの間にか洗濯物の中に入ってきてたのよ。おかげでお気に入りの服も溶けちゃったわ」
「あらぁそれはツイてませんねぇ。でもあれ殴るとスッキリしますよねぇ」
「・・・・えっ?あっ、あの・・・そうなんだ・・・」
家の外から何気なく聞いたママとママ友との会話を思い出す。ちなみに殴るとスッキリする方が母だ。若干引いたママ友の相槌にママの日頃のストレスと狂気を感じたので記憶を封印しておいたのに…。
僕は取りあえずゆっくりと後ろに下がった。スライムとの距離をあける。
ありがたいことにキッチンがある。僕の0に近い握力でも木製のペーパーナイフなら持てる。もちろんスライムが来る前に椅子を使い、キッチンをよじ登るという難題はあるが。
「ゆっくりでいい。ゆっくr」
「キシャー!」
スライムが勢いよく跳ねて僕へと突っ込む。僕は初めての後ろ歩きに思わずコケてしまう。でもそれが間一髪スライムの攻撃を避けることへと繋がった。
「つーぅー」『転んでお尻が痛い。いつもの僕なら間違いなく小一時間は泣いているだろう。』
「びゅーびゅ」『こんなにも速いのか。スライムって』
スライムの動きは1歳児より速い。いやまあそりゃそうなんだが。それにしても想像よりも速い。
待てよ。こいつ瀕死って女神が言っていたな。もしかして死にかけで、しかも突然こんなところに連れてこられて、生への渇望から普段以上のパワーを発揮してるパターンじゃないのか?
「キ?シャ?」
スライムは突っ込んだ台所でフラフラしている。耐久力もある。もちろん僕と比べてだけど。
僕は意を決する。これしかないのだ。
自身にとっての最終形態を繰り出す。前傾の姿勢、思わず両腕に力がこもる。
「ハイハイ」『ハイハイ』
僕は手と足の力をフルに使い、全力で距離を取り逃げる。11日前はじめて立って歩いて、ママにめちゃくちゃ褒められた時から、この【ハイハイスタイル】は封印してきた。立って歩くことに早く慣れたかったし、母のもとまで歩いていくだけで超撫でられて心地よかったのも理由の一つだ。
しかしこのハイハイこそ幼児における最高のスピードフォルムであり、スライムの俊敏性に唯一対抗できる手段なのである。
「キシャ~」
スライムがこちらに気づいたようだ。僕は必死にドアに近づく。狙うは寝室。上手く扉を閉めることが出来れば籠城作戦が可能だ。ブルースライムめ!しばらく経って帰ってきたママのストレス解消の肥やしになるが良い。
僕は全力で立ち上がり、ドアノブに自重をかける。ドアが開くと同時に中へ駆け込む。
「は~の」『早くドアを閉めないと』
僕が扉を閉めようとした瞬間スライムが突進してきた。スライムは自らドアに当たりその勢いで僕は飛ばされる。ゴロゴロと後ろに転がった僕は壁へと頭をぶつけた。
「びえーばmだlあぁあぁぁ」『痛い!死ぬ!ママぁ』
上手く扉が閉まっていることを確認することなく、僕は号泣し、泣き叫んだ。
20分程たっただろうか。
泣き疲れたお陰で僕の涙は止まった。人生で一番の疲労感を感じる。
「せーね」『これで取りあえず安全だ。スライムもさすがに扉は溶かせないだろう』
《でも倒さないとアイテムは手に入らないよ?》
「めっめ!めーよ!」『女神っ!?あんたかっ!?死ぬところだったぞ!』
《そりゃ奇跡を起こすなら試練は必要よ。しかもSSSのハードモード人生にプラスアルファを望んだのはあんたでしょ?そもそもあんたの顔を美形に転生させるだけでも常人の6倍は試練の多い人生になるってもんよ》
『あぁやっぱ僕、美形だよね?そこはありがとう。正直母親美人すぎるからそれは期待してたんだ。デメリットが予想の遥か上だけど、まあそこは将来のメリットに期待…あぁ今はそれ所じゃなかった。やっぱり倒さないとダメか』
《まあね。そこは重要。赤子がスライムを倒すという前代未聞の奇跡のリターンとして、片田舎に不釣り合いな本が贈られるんだから。あっちなみにスライムももしあなたを殺さないと瀕死になっていた現場に戻すって解らせてるから、文字通り必死よ》
『あぁ…だからか。想像のスライムと動きが違うもの』
《じゃあまあ。死んだらそれも人生ってことで。ばいばい♪》
女神の声が消える。僕は覚悟を決める。この年で勉強出来るのはやっぱりかなりデカい事らしい。この後の人生を鑑みても、ママの為にも、いつかあの女神を含んでのハーレムエンドの為にも、やるしかないのだ。
僕はベッドによじ登り、ママの枕元を探す。護身用のアイスピックのようなもの。夜盗対策で父が母に渡したものだと、前世の記憶が戻る前の僕にママが嬉しそうに話していた。
こんなプレゼントに喜ぶ時点で父親にゾッコンなのがわかるし、父親が不器用タイプなのがわかる。
「ふんす!」『やってやる!』
「しょー」『言ってもスライム。そして僕は転生者!余裕だこの野郎!!』
僕はアイスピックを持つ。僕の手にはかなり重い。長くは持っていられないだろう。でも上手く刺せばスライムにダメージを与えることもできるはずだ。心を落ち着かせる。目を見開く。僕はゆっくりと歩き、スライムの待つ隣の部屋へと近づいていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今一部書き直し投稿してます。新作第2章は予定通り夜の21時に投稿します。
お気に入り登録していただけると有難いです。是非とも。是非とも。
感想を頂けるとさらに有難いです。シチュエーション希望もあれば特別篇で書いたりします。
「もう最低よ。川で洗濯してたらスライムがいつの間にか洗濯物の中に入ってきてたのよ。おかげでお気に入りの服も溶けちゃったわ」
「あらぁそれはツイてませんねぇ。でもあれ殴るとスッキリしますよねぇ」
「・・・・えっ?あっ、あの・・・そうなんだ・・・」
家の外から何気なく聞いたママとママ友との会話を思い出す。ちなみに殴るとスッキリする方が母だ。若干引いたママ友の相槌にママの日頃のストレスと狂気を感じたので記憶を封印しておいたのに…。
僕は取りあえずゆっくりと後ろに下がった。スライムとの距離をあける。
ありがたいことにキッチンがある。僕の0に近い握力でも木製のペーパーナイフなら持てる。もちろんスライムが来る前に椅子を使い、キッチンをよじ登るという難題はあるが。
「ゆっくりでいい。ゆっくr」
「キシャー!」
スライムが勢いよく跳ねて僕へと突っ込む。僕は初めての後ろ歩きに思わずコケてしまう。でもそれが間一髪スライムの攻撃を避けることへと繋がった。
「つーぅー」『転んでお尻が痛い。いつもの僕なら間違いなく小一時間は泣いているだろう。』
「びゅーびゅ」『こんなにも速いのか。スライムって』
スライムの動きは1歳児より速い。いやまあそりゃそうなんだが。それにしても想像よりも速い。
待てよ。こいつ瀕死って女神が言っていたな。もしかして死にかけで、しかも突然こんなところに連れてこられて、生への渇望から普段以上のパワーを発揮してるパターンじゃないのか?
「キ?シャ?」
スライムは突っ込んだ台所でフラフラしている。耐久力もある。もちろん僕と比べてだけど。
僕は意を決する。これしかないのだ。
自身にとっての最終形態を繰り出す。前傾の姿勢、思わず両腕に力がこもる。
「ハイハイ」『ハイハイ』
僕は手と足の力をフルに使い、全力で距離を取り逃げる。11日前はじめて立って歩いて、ママにめちゃくちゃ褒められた時から、この【ハイハイスタイル】は封印してきた。立って歩くことに早く慣れたかったし、母のもとまで歩いていくだけで超撫でられて心地よかったのも理由の一つだ。
しかしこのハイハイこそ幼児における最高のスピードフォルムであり、スライムの俊敏性に唯一対抗できる手段なのである。
「キシャ~」
スライムがこちらに気づいたようだ。僕は必死にドアに近づく。狙うは寝室。上手く扉を閉めることが出来れば籠城作戦が可能だ。ブルースライムめ!しばらく経って帰ってきたママのストレス解消の肥やしになるが良い。
僕は全力で立ち上がり、ドアノブに自重をかける。ドアが開くと同時に中へ駆け込む。
「は~の」『早くドアを閉めないと』
僕が扉を閉めようとした瞬間スライムが突進してきた。スライムは自らドアに当たりその勢いで僕は飛ばされる。ゴロゴロと後ろに転がった僕は壁へと頭をぶつけた。
「びえーばmだlあぁあぁぁ」『痛い!死ぬ!ママぁ』
上手く扉が閉まっていることを確認することなく、僕は号泣し、泣き叫んだ。
20分程たっただろうか。
泣き疲れたお陰で僕の涙は止まった。人生で一番の疲労感を感じる。
「せーね」『これで取りあえず安全だ。スライムもさすがに扉は溶かせないだろう』
《でも倒さないとアイテムは手に入らないよ?》
「めっめ!めーよ!」『女神っ!?あんたかっ!?死ぬところだったぞ!』
《そりゃ奇跡を起こすなら試練は必要よ。しかもSSSのハードモード人生にプラスアルファを望んだのはあんたでしょ?そもそもあんたの顔を美形に転生させるだけでも常人の6倍は試練の多い人生になるってもんよ》
『あぁやっぱ僕、美形だよね?そこはありがとう。正直母親美人すぎるからそれは期待してたんだ。デメリットが予想の遥か上だけど、まあそこは将来のメリットに期待…あぁ今はそれ所じゃなかった。やっぱり倒さないとダメか』
《まあね。そこは重要。赤子がスライムを倒すという前代未聞の奇跡のリターンとして、片田舎に不釣り合いな本が贈られるんだから。あっちなみにスライムももしあなたを殺さないと瀕死になっていた現場に戻すって解らせてるから、文字通り必死よ》
『あぁ…だからか。想像のスライムと動きが違うもの』
《じゃあまあ。死んだらそれも人生ってことで。ばいばい♪》
女神の声が消える。僕は覚悟を決める。この年で勉強出来るのはやっぱりかなりデカい事らしい。この後の人生を鑑みても、ママの為にも、いつかあの女神を含んでのハーレムエンドの為にも、やるしかないのだ。
僕はベッドによじ登り、ママの枕元を探す。護身用のアイスピックのようなもの。夜盗対策で父が母に渡したものだと、前世の記憶が戻る前の僕にママが嬉しそうに話していた。
こんなプレゼントに喜ぶ時点で父親にゾッコンなのがわかるし、父親が不器用タイプなのがわかる。
「ふんす!」『やってやる!』
「しょー」『言ってもスライム。そして僕は転生者!余裕だこの野郎!!』
僕はアイスピックを持つ。僕の手にはかなり重い。長くは持っていられないだろう。でも上手く刺せばスライムにダメージを与えることもできるはずだ。心を落ち着かせる。目を見開く。僕はゆっくりと歩き、スライムの待つ隣の部屋へと近づいていった。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今一部書き直し投稿してます。新作第2章は予定通り夜の21時に投稿します。
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感想 6
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