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天ぷらの戦い 開幕
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天丼を二つ作り持って行く。
天丼を持って行く最中にとらさん達以外の声が聞こえてきた。
声の主はりゅうさんと時次さんだった。
先程まで和やかな雰囲気が、今はピリついている。
「えーっと、お待たせしました。天丼お二つです…。」
「あぁ、悪いね。」
とらさんは私から天丼を受け取るが、りゅうさんから目線を外さない。
次郎さんはというと天丼を私から受け取ると食べながら時次さんから目を離さない。
とても…気まずいんだが…。
「菜、あの人達が食べているは天ぷらだよね。下はお米かな…。私が知らない料理をあいつが食べているのはちょっと許せないかな。」
りゅうさんは満面の笑みで私を見た。
いつもはイケメンだ~と思う所だが今は背中がゾっとした。
時次さんはいつもの優しい声で話しかけてくれるのでホッとする。
「菜さん、お手数ですが天丼二つお願いします。」
「わかりました。」
私にとっての救いは時次さんだ。
尊敬の眼差しで時次さんを見る。
時次さんと私のやり取りを無言で見ていた次郎さんだったが、何か気に入らなかったらしく舌打ちをされた。
「チッ、優男が…。その女のどこが良いんだか。」
「はい?今何と…。」
あっ時次さん怒った、怖い…。
時次さんは笑顔の顔のまま次郎さんを見た。
今の会話を聞いてなぜ私が出て来るかが疑問なんだけど。
あっちでもこっちでもバチバチの睨み合いが繰り広げられる。
私はそーっとその場を離れて天丼二つをまた作りに行った。
あっちに持って行くのは気が引けるけどこれも仕事だ、と自分を鼓舞してりゅうさん達の元へ天丼を届けた。
私がをりゅうさん達に天丼を運ぶ頃には睨み合いは無くなってはいたけど、違う事で言い争っていた。
「天ぷらは山菜だろう。次郎はこの味深さがわからないか。」
「私も山菜派だね。時次も私と同じ意見だと思っていたのに残念でならないよ。」
「「よりにもよって…意見が合うのが…。」」
よりにもよって意見が合うのがこいつとは…と私には聞こえたような気がした。
りゅうさんととらさんはどうやら山菜の天ぷらがお気に召したみたい。
一方の次郎さんと時次さんはというと…。
「わからないですね。俺はこのとり天が食べ応えもあって好きなんです。」
「山菜も好きなんですが、どちらかと言うととり天が好きですね。この衣と良く合っていると思います。」
うん、どっちでもいい。
美味しいならどちらでもいいじゃない。
これは絶対に終わらない戦いのような気がする。
彼らの決着のつかない戦いを傍観している私だったが、遂に矛先が私に向いてしまった。
「お嬢さんはどっちが好きだ?」
私を巻き込んできたのはとらさんだった。
恐らくこのままでは決着はつかないから私の意見を聞こうという事になったのだろうとさっする。
どちらかと言えば山菜だけど…天ぷらと言ったらあれよね。
「この二択で言ったら山菜が好きです。」
私の一言に時次さんはわかりやすくしょんぼりし、次郎さんは軽く舌打ちした。
りゅうさんととらさんは私の言葉に何か引っかかったのか私を真剣な目で見つめたまま。
「天ぷらって山菜とお肉だけじゃなくて他にも魚とか卵とか色々な具があるんですよ。その中で私が好きな具はやっぱり海老ですね。衣の中のプリッとした食感とかたまらないです。」
天ぷらと言えば忘れてはならないのは海老だ。
大人からお年寄りまで皆が好きな海老。
「海老か…。」
「海老ねぇ。」
「「海老…。」」
時次さんと次郎さんがはもる。
もしや二人意外と仲が良いのでは。
「おい、お前…今何考えた…。」
「何でもないです!」
次郎さん、その察知能力怖いよ!!
その後四人の頭の中が海老天で支配されたまま解散する事になった。
そういえばとらさんに満足したか聞いてない。
帰ろうとしているとらさんに声をかける。
「あのっ、お料理どうでしたか?」
今まで落ち着いていた心臓が早まる。
「あぁ、満足したよ。美味しかった。実はお金が足りないというのは嘘だ。騙してすまなかった。君の実力を知りたくてな…。噂の美人料理人の腕前をね。結婚は無しになってしまって残念だが、君との約束は守るよ。」
「はぁ、あんたこいつと結婚するつもりだったのかよ。何か企んでるとは思ったが…。」
次郎さんはこの賭けについては知らなかったらしい。
話を聞いてとても驚いている様子だった。
とらさんは私の頭を優しくひとなでして去って行った。
とにかく、結婚じゃなくて良かったと心を撫でおろす。
後ろから両肩に手が乗った。
「へぇー、結婚…ね。時次知ってた?」
「いいえ、何も…。菜さん、中でお話しましょうか。」
「…はい。」
私はこれ以上二人を怒らせまいと正直に包み隠さずに話した。
二人から優しいお説教を貰った。
その優しさが恐ろしく怖かったので今度から気を付けようと思うのだった。
そしてそこに仕事を終えたよしさんも加わりまた酷く心配されてしまった。
夜遅くに帰る事になってしまった二人を店の前まで見送る。
「菜、いいくれぐれもあいつに何かされたら私か時次に連絡もしくは話して。いい?」
「はい…。」
りゅうさんのこの言葉何十回目だろう。
私は言い返せないのでただ返事をする。
「一人で決めないで相談してください。特にあの人が関わって来る時は絶対です。」
「はい…。」
時次さんのこの言葉も何十回目だろうか。
私は大人しく返事をする。
二人が凄く心配してくれているのが伝わって、ちょっと嬉しかった。
後日…。
とらさんとりゅうさんから大量の海老が送られてくる。
次郎さん、時次さん何とかしてください。
天丼を持って行く最中にとらさん達以外の声が聞こえてきた。
声の主はりゅうさんと時次さんだった。
先程まで和やかな雰囲気が、今はピリついている。
「えーっと、お待たせしました。天丼お二つです…。」
「あぁ、悪いね。」
とらさんは私から天丼を受け取るが、りゅうさんから目線を外さない。
次郎さんはというと天丼を私から受け取ると食べながら時次さんから目を離さない。
とても…気まずいんだが…。
「菜、あの人達が食べているは天ぷらだよね。下はお米かな…。私が知らない料理をあいつが食べているのはちょっと許せないかな。」
りゅうさんは満面の笑みで私を見た。
いつもはイケメンだ~と思う所だが今は背中がゾっとした。
時次さんはいつもの優しい声で話しかけてくれるのでホッとする。
「菜さん、お手数ですが天丼二つお願いします。」
「わかりました。」
私にとっての救いは時次さんだ。
尊敬の眼差しで時次さんを見る。
時次さんと私のやり取りを無言で見ていた次郎さんだったが、何か気に入らなかったらしく舌打ちをされた。
「チッ、優男が…。その女のどこが良いんだか。」
「はい?今何と…。」
あっ時次さん怒った、怖い…。
時次さんは笑顔の顔のまま次郎さんを見た。
今の会話を聞いてなぜ私が出て来るかが疑問なんだけど。
あっちでもこっちでもバチバチの睨み合いが繰り広げられる。
私はそーっとその場を離れて天丼二つをまた作りに行った。
あっちに持って行くのは気が引けるけどこれも仕事だ、と自分を鼓舞してりゅうさん達の元へ天丼を届けた。
私がをりゅうさん達に天丼を運ぶ頃には睨み合いは無くなってはいたけど、違う事で言い争っていた。
「天ぷらは山菜だろう。次郎はこの味深さがわからないか。」
「私も山菜派だね。時次も私と同じ意見だと思っていたのに残念でならないよ。」
「「よりにもよって…意見が合うのが…。」」
よりにもよって意見が合うのがこいつとは…と私には聞こえたような気がした。
りゅうさんととらさんはどうやら山菜の天ぷらがお気に召したみたい。
一方の次郎さんと時次さんはというと…。
「わからないですね。俺はこのとり天が食べ応えもあって好きなんです。」
「山菜も好きなんですが、どちらかと言うととり天が好きですね。この衣と良く合っていると思います。」
うん、どっちでもいい。
美味しいならどちらでもいいじゃない。
これは絶対に終わらない戦いのような気がする。
彼らの決着のつかない戦いを傍観している私だったが、遂に矛先が私に向いてしまった。
「お嬢さんはどっちが好きだ?」
私を巻き込んできたのはとらさんだった。
恐らくこのままでは決着はつかないから私の意見を聞こうという事になったのだろうとさっする。
どちらかと言えば山菜だけど…天ぷらと言ったらあれよね。
「この二択で言ったら山菜が好きです。」
私の一言に時次さんはわかりやすくしょんぼりし、次郎さんは軽く舌打ちした。
りゅうさんととらさんは私の言葉に何か引っかかったのか私を真剣な目で見つめたまま。
「天ぷらって山菜とお肉だけじゃなくて他にも魚とか卵とか色々な具があるんですよ。その中で私が好きな具はやっぱり海老ですね。衣の中のプリッとした食感とかたまらないです。」
天ぷらと言えば忘れてはならないのは海老だ。
大人からお年寄りまで皆が好きな海老。
「海老か…。」
「海老ねぇ。」
「「海老…。」」
時次さんと次郎さんがはもる。
もしや二人意外と仲が良いのでは。
「おい、お前…今何考えた…。」
「何でもないです!」
次郎さん、その察知能力怖いよ!!
その後四人の頭の中が海老天で支配されたまま解散する事になった。
そういえばとらさんに満足したか聞いてない。
帰ろうとしているとらさんに声をかける。
「あのっ、お料理どうでしたか?」
今まで落ち着いていた心臓が早まる。
「あぁ、満足したよ。美味しかった。実はお金が足りないというのは嘘だ。騙してすまなかった。君の実力を知りたくてな…。噂の美人料理人の腕前をね。結婚は無しになってしまって残念だが、君との約束は守るよ。」
「はぁ、あんたこいつと結婚するつもりだったのかよ。何か企んでるとは思ったが…。」
次郎さんはこの賭けについては知らなかったらしい。
話を聞いてとても驚いている様子だった。
とらさんは私の頭を優しくひとなでして去って行った。
とにかく、結婚じゃなくて良かったと心を撫でおろす。
後ろから両肩に手が乗った。
「へぇー、結婚…ね。時次知ってた?」
「いいえ、何も…。菜さん、中でお話しましょうか。」
「…はい。」
私はこれ以上二人を怒らせまいと正直に包み隠さずに話した。
二人から優しいお説教を貰った。
その優しさが恐ろしく怖かったので今度から気を付けようと思うのだった。
そしてそこに仕事を終えたよしさんも加わりまた酷く心配されてしまった。
夜遅くに帰る事になってしまった二人を店の前まで見送る。
「菜、いいくれぐれもあいつに何かされたら私か時次に連絡もしくは話して。いい?」
「はい…。」
りゅうさんのこの言葉何十回目だろう。
私は言い返せないのでただ返事をする。
「一人で決めないで相談してください。特にあの人が関わって来る時は絶対です。」
「はい…。」
時次さんのこの言葉も何十回目だろうか。
私は大人しく返事をする。
二人が凄く心配してくれているのが伝わって、ちょっと嬉しかった。
後日…。
とらさんとりゅうさんから大量の海老が送られてくる。
次郎さん、時次さん何とかしてください。
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