悪役令嬢転生物語〜正直ヒロインになりたかった〜

みぃぷ

文字の大きさ
9 / 22
私、ストーリーをぶち壊す。

要は可愛い人だった。

しおりを挟む




お、お仕置きだなんて...。


いや、なんか言い方がとっても乙女ゲームチックだけど。



こんなにんまり顔で周りに花を散らしたまま言われても可愛いだけなんだけど。





隼人もこっちを見て目玉が落ちそうな程目をひん剥いてるし、千捺なんて自分の席にいるくせにこっちガン見してるし、ほかの女子の目は痛いしでもういろんなことに勘弁してくれ...。










「か、要。もうそろそろHRが始まると思うから席に着いた方がいいと思う。」



とにかく私から要を離そう。
あながちHRが始まるのは嘘じゃないし。
先生来てないけど。





「...。そうだな。また来る、」





残念そうに私の手を離すと隼人を連れて自分の席の方へ向かった。





それにしても良かった…。よくある席が隣とかじゃなくて。










ここの世界の要は乙女ゲームの要とは違うところばかりある。


可愛いかったり、クールじゃなかったり、さっきの曲がり角で一目惚れしてなかった(?)り、色々と違うようだ。


考えふけっているとドアから先生らしき男の人が入ってきた。



「皆さん。初めまして。このクラスの担任を受け持つことになりました。星 雅博といいます。1年間よろしくお願いします。」





少しくせっ毛のある茶髪に丸メガネという少し冴えなさそうなこの担任。
実は隠しキャラその1だ。







メガネを外すとそれはもう凄いイケメンになる。主人公が最初から要ルートではなく、生徒会長の紫原晴人のルートの途中で出てくキャラだ。
担任である星雅博は生徒会の顧問でもありそこで主人公は知り合うのだ。





「えーっと、今日は入学式だけで解散となります。この後クラブ体験や見学がありますので興味のある方は席を立たずその場で待機してください。10分後に説明を開始します。」





クラブ体験か...。
要達攻略キャラは生徒会に入るだろうからクラブには強制的に入れない。
ヒロインもそれに当たる。


私は生徒会に入るつもりはないからクラブに入ってもいいかもしれない。




クラスの大半が入らないのか、皆席を立って移動し始めていた。






千捺はどうするのだろうか...。
ゲームの中ではモブ中のモブだったから千捺の行動については全くわからない。
まぁ、本人が転生者な時点でシナリオ通りにはならないのだけど。






「美咲。」



気づけば要が私の前に立っていた。




「要?なんですか?」



「...座りっぱなしだがクラブに入るつもりなのか?」




あぁ、そういうことですか。


「どうしようか迷っているの。興味はあるのだけれど...。」


「美咲。俺と一緒に生徒会に入らないか?」

「え?」

生徒会に入る?私が?


「俺は生徒会に勧誘を貰っていて入るつもりでいるんだが、是非美咲にも生徒会の活動を手伝って欲しいと思っている。」





まさかのお誘い来ました。




















けれどよく考えてみれば1年で生徒会に入れる人数は決まっている。

原作通りヒロインである花園凛と、要、隼人の3人までだ。


そこにイレギュラーな私が入ったらそれこそ原作がひっちゃかめっちゃかになってしまう。

ここは断っておくのがいいと思う。
あくまで私は悪役令嬢だし、婚約破棄される運命だし...。


「要、私...」




「いいな。やったらどうだ?」


「え、」



私が断ろうとしたら急に横から入ってくるなんて...!!!

何考えてんだ隼人!!!




「隼人様?でも、生徒会に入れる人数は3人までと決まっておりますよ?」



「あぁ、だからいいんじゃないか。
俺だろ?要に美咲な。」


ほら、丁度3人!と言わんばかりに指を3の形にしてニコニコと笑う。

くぅ、かわいい。




私と千捺以外生徒会にヒロインが入ってくることを知らないからこう言うんだ...。

「でもほら、他にもやりたい人がいるかもしれないでしょう?そしたら特にやろうとも思っていなかった私は厄介者ですわ。」



「別に勝手に競わせとけばいいだろ。」

要はふんっと鼻を鳴らすと私の鞄を取って歩き出す。




「あ、要待ってっ」


また私の鞄を人質にとってる!!
さっさとヒロインのところに行けばいいのになんで私にずっと構ってくれるんだろ...。










「か、要?ほんとに、鞄持たなくても大丈夫よ?私自分で持てるわ。」


「いいんだ。俺に持たせろ。」


鞄は絶対に離すまいと要はぎゅうっと私の鞄を掴む。か、かわいい...!


「じゃあ、宜しくね、ありがとう。」


お礼を言った途端ぱぁっと要の周りに花が咲く。これぞ2次元パワー...!!!


にしてもほんとに要は可愛いな...。

ゲームとは似ても似つかない性格をしてる。




ここがただのゲームの世界じゃなく、現実の世界なんだと思い知らされた気がした。
しおりを挟む
感想 3

あなたにおすすめの小説

すべてを思い出したのが、王太子と結婚した後でした

珠宮さくら
恋愛
ペチュニアが、乙女ゲームの世界に転生したと気づいた時には、すべてが終わっていた。 色々と始まらなさ過ぎて、同じ名前の令嬢が騒ぐのを見聞きして、ようやく思い出した時には王太子と結婚した後。 バグったせいか、ヒロインがヒロインらしくなかったせいか。ゲーム通りに何一ついかなかったが、ペチュニアは前世では出来なかったことをこの世界で満喫することになる。 ※全4話。

妾の子だからといって、公爵家の令嬢を侮辱してただで済むと思っていたんですか?

木山楽斗
恋愛
公爵家の妾の子であるクラリアは、とある舞踏会にて二人の令嬢に詰められていた。 彼女達は、公爵家の汚点ともいえるクラリアのことを蔑み馬鹿にしていたのである。 公爵家の一員を侮辱するなど、本来であれば許されることではない。 しかし彼女達は、妾の子のことでムキになることはないと高を括っていた。 だが公爵家は彼女達に対して厳正なる抗議をしてきた。 二人が公爵家を侮辱したとして、糾弾したのである。 彼女達は何もわかっていなかったのだ。例え妾の子であろうとも、公爵家の一員であるクラリアを侮辱してただで済む訳がないということを。 ※HOTランキング1位、小説、恋愛24hポイントランキング1位(2024/10/04) 皆さまの応援のおかげです。誠にありがとうございます。

ナイスミドルな国王に生まれ変わったことを利用してヒロインを成敗する

ぴぴみ
恋愛
少し前まで普通のアラサーOLだった莉乃。ある時目を覚ますとなんだか身体が重いことに気がついて…。声は低いバリトン。鏡に写るはナイスミドルなおじ様。 皆畏れるような眼差しで私を陛下と呼ぶ。 ヒロインが悪役令嬢からの被害を訴える。元女として前世の記憶持ちとしてこの状況違和感しかないのですが…。 なんとか成敗してみたい。

妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢

岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか? 「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」 「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」 マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

英雄の番が名乗るまで

長野 雪
恋愛
突然発生した魔物の大侵攻。西の果てから始まったそれは、いくつもの集落どころか国すら飲みこみ、世界中の国々が人種・宗教を越えて協力し、とうとう終息を迎えた。魔物の駆逐・殲滅に目覚ましい活躍を見せた5人は吟遊詩人によって「五英傑」と謳われ、これから彼らの活躍は英雄譚として広く知られていくのであろう。 大侵攻の終息を祝う宴の最中、己の番《つがい》の気配を感じた五英傑の一人、竜人フィルは見つけ出した途端、気を失ってしまった彼女に対し、番の誓約を行おうとするが失敗に終わる。番と己の寿命を等しくするため、何より番を手元に置き続けるためにフィルにとっては重要な誓約がどうして失敗したのか分からないものの、とにかく庇護したいフィルと、ぐいぐい溺愛モードに入ろうとする彼に一歩距離を置いてしまう番の女性との一進一退のおはなし。 ※小説家になろうにも投稿

【完結】前提が間違っています

蛇姫
恋愛
【転生悪役令嬢】は乙女ゲームをしたことがなかった 【転生ヒロイン】は乙女ゲームと同じ世界だと思っていた 【転生辺境伯爵令嬢】は乙女ゲームを熟知していた 彼女たちそれぞれの視点で紡ぐ物語 ※不定期更新です。長編になりそうな予感しかしないので念の為に変更いたしました。【完結】と明記されない限り気が付けば増えています。尚、話の内容が気に入らないと何度でも書き直す悪癖がございます。 ご注意ください 読んでくださって誠に有難うございます。

悪役令嬢に転生したら手遅れだったけど悪くない

おこめ
恋愛
アイリーン・バルケスは断罪の場で記憶を取り戻した。 どうせならもっと早く思い出せたら良かったのに! あれ、でも意外と悪くないかも! 断罪され婚約破棄された令嬢のその後の日常。 ※うりぼう名義の「悪役令嬢婚約破棄諸々」に掲載していたものと同じものです。

モブ転生とはこんなもの

詩森さよ(さよ吉)
恋愛
あたしはナナ。貧乏伯爵令嬢で転生者です。 乙女ゲームのプロローグで死んじゃうモブに転生したけど、奇跡的に助かったおかげで現在元気で幸せです。 今ゲームのラスト近くの婚約破棄の現場にいるんだけど、なんだか様子がおかしいの。 いったいどうしたらいいのかしら……。 現在筆者の時間的かつ体力的に感想などを受け付けない設定にしております。 どうぞよろしくお願いいたします。 他サイトでも公開しています。

処理中です...