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三章 王都オリーブ編1 王都オリーブ
103 発動した呪い
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ベットで横になっているマーガレットに、回復魔法を使うと、血の気が引いていた顔色が少し良くなり、呼吸が少し安定してきた。
目を覚ましたマーガレットに、アキレアがゆっくりと少しずつ、薬を飲ませた。
すると顔に赤みがさし、血色が良くなった。
カズはもう一度状態を確認した。
「《分析》(容態と病状)」(ボソッ)
名前: マーガレット・オリーブ・モチヅキ【呪】
性別: 女
年齢: 32歳
種族: 人
容態: 健康
容態も健康になってるから、もう大丈夫…んっ! 【呪】?
「うっ……ぐがぁ!」
「奥様!」
「急にどうしたんですか? アキレアさん」
「モ、モルトさん。分かりません。顔色がよくなったと思ったら、急に苦しみだして」
カズはすぐに【万物ノ眼】で、ステータスに出た【呪】の意味を《分析》した!
【呪】: 対象の人や物または場所などに呪いが掛かると、ステータスやマップに呪いのマーク(髑髏が心臓を噛んでいる)が表示される。
・ステータスに表示された場合は、呪詛魔法をかれられたか、身に付けている物に、呪いが掛かっているか、あるいは、呪われた場所に居るか。
・呪われたアイテムや物を破壊する事で、呪いを無効に出来る事もあるが、逆に呪いの効果を強力にする事もある。
・呪いの解除に失敗すると、呪いが暴走し、周りに影響を及ぼす事もある。
・呪いは進行するにつれて、呪いマークにある髑髏が、心臓を噛み潰していく。
なんだこれ、たちが悪い魔法だな!
髑髏の歯も、半分くらい心臓に食い込んでるよ!
呪詛魔法なのか、物に掛けられた呪いなのか、分からないのにどうしたら……。
いや、最初にステータスを見たときは、【呪】なんて無かったから、どこかに呪われた物があるはずだ!
対象を『呪われた物』で、範囲はこの屋敷全てにして。
「〈サーチ〉」
【マップ】を見ても反応がない? 違うのか?
いや……建物の中と外に、なんか気持ち悪い感じのする場所があるのは確かだ。
あと上……屋根か? でもサーチに反応しなかったし……?
魔法が駄目なら、スキルの《探索 調査》だ。
「……! 反応があった!」
「カズ君。何か分かったんですか?」
「呪いの原因だと思われる反応が、全部で三ヶ所あります。建物内に一ヶ所と、外に二ヶ所あり、一つは上に反応があるので屋根かと」
「呪いですって! どうして?」
「それは分かりませんが、それのせいで苦しんでるはずですから、探しだして処理しないと。モルトさんは、分かりませんか?」
「儂もサーチの魔法で探したが、何も反応しなかったですよ」
「俺も最初はサーチで探しましたけど、反応しなかったので、スキルの探索に切り替えたら反応したんです」
「なんと! それではどこにあるか、儂には分かりませんぞ」
「それじゃあ、俺が行って来るしか」
「待ってください。今カズさんに回復魔法を止められたら、奥様が…」
そうなんだよ。
回復魔法を解いたら呪いが進行して、危険なのは分かる。
しかしこのままでは…どしする……呪いを解く…浄化 …どれもやった事ないし……そうだ!
カズはアイテムボックスに入ってる物のリストを表示させて、その中から元の世界から持ってきた『トレカ(トレーディングカードゲーム)』を、数枚取り出した。
「カズ君。何をするんですか?」
使えるどうか分からないけど、想像して魔力を込めれば、きっと使えるはずだ!
「上手くいくか分かりませんが、試してみます」
カズは先ず『プロテクション』と書いてあるトレカを使い、そのあと『浄化』のトレカを使用した。
一枚目に使ったプロテクションのトレカで、マーガレットが外部から受けている、呪いを無効にした。
二枚目に使った浄化のトレカで、既に受けている呪いを解いた。
すると苦しんでいたマーガレットが、落ち着き安らかな顔になった。
「よし! 上手くいった!」
「うっ…あぁぁぁー!」
「えっ?」
「えっ?」
「落ち着いて。どうしたの?」
「な、なに?」
呪いの対象がなくなった事で、室内に居たメイドの一人に、呪いが降りかかった。
「皆さんこちらに集まってください(呪いの元をなんとかしないと、失敗と認識されて、対象が他に移るのか! 厄介だな)」
メイド達は、どうしたらいいのか分からずに、おろおろとしている。
「みんな落ち着いて、私とモルトさんの所に集まって! カズさんこれで良いですか?」
「はい。助かります。皆さんにも呪いが掛からないように、魔法をかけます」
室内に居たメイドは、アキレアとモルトの所に集まってきた。
苦しんでいるメイドの一人も、一緒につれてきてもらった。
集まってる全員に、先程と同じように、プロテクションのトレカを使い、苦しんでいるメイドには浄化のトレカを使い、呪いを解いた。
「俺は元凶を片付けに行きます」
「カズ君、待ってください。儂も行きます」
「しかしモルトさんは……分かりました。これを渡しますので、使ってみてください」
モルトに『見えざる物の探索』と『解呪』のトレカを渡した。
渡す前にトレカには、カズは自分の魔力を込めて渡した。
「最初にこのカード(見えざる物の探索)に魔力を流して、使用してみてください。上手く効果が作用すれば、モルトさんにも呪いの原因となる場所が、分かると思います」
「分かりました。使ってみます」
モルトが言われたトレカに魔力を流すと、モルトの目に、黒い靄(もや)が漂ってるのが見えた。
「なんか嫌な気配のする、黒い靄が見えます」
「上手くいったようですね。ではその…靄が濃くなっている方に、呪いの原因になってる場所があるはずです」
カズは【マップ】に表示されて分かるが、一応『見えざる物の探索』と書かれたトレカを使った。
「それでは、儂とカズ君は、呪いの原因を突き止めてきますので、皆さんはこちらで待っていてください。決して部屋から出ませんように。カズ君行きましょう」
「はい」
カズとモルトは、マーガレットの寝室から出て、靄が濃くなっている部屋に入った。
そこには、薬を調合する道具が置いてあり、その内の一つからどす黒い靄が出ていた。
カズは原因の道具を《分析》をすると、これにも【呪】と表示されていた。
「どうやら、あれのようですね」
「モルトさん。さっき渡したカードを、使ってみてください」
「このカード(解呪)ですね」
「はい。あの原因になってる物に、カードを向けて、魔力を流してみてください」
「分かりました」
モルトがトレカに魔力を流すと、道具から出ていた靄が消え、呪いを消し去る事が出来た。
「上手くいきましたね」
「あと二ヶ所ですか」
「残りは俺が片付けてきますから、モルトさんは、皆さんの居る部屋に、戻っていてください」
「しかし、カズ君一人に任せては」
「お願いします。もしかしたら、残り二ヶ所の呪いを除去したら、それが切っ掛けで、何か起きるかも知れないですし、カードの効果も、いつ切れるか分かりませんから」
「なるほど……分かりました。気を付けてください」
「ええ。急いで片付けてきます」
カズはモルトと別れて、残りの二ヶ所にある呪いの原因を片付ける為に走っていった。
先に向かったのは、上に反応があった場所だ。
近くの窓を開け〈フライ〉を使い、屋根の上へと上がる。
屋根の上で、どす黒い靄を出している物に近付き、解呪のトレカを使い、呪いを消し去った。
屋根に刺さっていたのは、一本の小さなナイフだった。
ナイフを抜いて、最後の一ヶ所に向かおうとしたら、嫌な感じが更に高まり、その方向を見ると、どす黒い靄が、辺りを埋め尽くすほど出ていた。
その靄が狙ったように、屋敷の一ヶ所を目指して、向かってきた。
どうやら他の呪いを解いた事によって、最後の一つが、最大限に効果を発する仕掛けになっていたようだ。
カズは屋根から思いっきり跳躍して、どす黒い靄の中に入り、呪いわれた物を土の中から掘り出し、解呪のトレカを使用した。
すると辺りを多い尽くすほどの、どす黒い靄は消え、そこにあったのは、10㎝ほどの人形だった。
カズは屋敷にあったナイフと、土の中から掘り出した人形を【アイテムボックス】に入れて、皆の居るマーガレットの寝室に戻る事にした。
《トレーディングカード説明》
・今回使用したトレカ。
・実際に書かれているレア度と名前と効果。
N【プロテクション】 : あなたは任意で対象と属性を1つずつ選ぶ。
・あなたのターンの間は、あなたが選んだ対象は、選んだ属性からの効果を受けない。
R【浄化】 : このターン、黒いカードから受けている効果を無効にする。
・この効果は『闇 呪い 穢れ』の文字が入るカードから受けている効果に対しても有効。
N+【解呪】 : 対象のカードに付いているカードの効果を、無効にして取り除く。
N【見えざる物の探索】 : あなたは属性を1つ選び、裏返っているカード1枚を見る。
・見たカードが、選んだ属性だった場合は、カードを表にする。
・このカードの効果で表になったカードは、表になった際に発動する効果は、使用出来ない。
目を覚ましたマーガレットに、アキレアがゆっくりと少しずつ、薬を飲ませた。
すると顔に赤みがさし、血色が良くなった。
カズはもう一度状態を確認した。
「《分析》(容態と病状)」(ボソッ)
名前: マーガレット・オリーブ・モチヅキ【呪】
性別: 女
年齢: 32歳
種族: 人
容態: 健康
容態も健康になってるから、もう大丈夫…んっ! 【呪】?
「うっ……ぐがぁ!」
「奥様!」
「急にどうしたんですか? アキレアさん」
「モ、モルトさん。分かりません。顔色がよくなったと思ったら、急に苦しみだして」
カズはすぐに【万物ノ眼】で、ステータスに出た【呪】の意味を《分析》した!
【呪】: 対象の人や物または場所などに呪いが掛かると、ステータスやマップに呪いのマーク(髑髏が心臓を噛んでいる)が表示される。
・ステータスに表示された場合は、呪詛魔法をかれられたか、身に付けている物に、呪いが掛かっているか、あるいは、呪われた場所に居るか。
・呪われたアイテムや物を破壊する事で、呪いを無効に出来る事もあるが、逆に呪いの効果を強力にする事もある。
・呪いの解除に失敗すると、呪いが暴走し、周りに影響を及ぼす事もある。
・呪いは進行するにつれて、呪いマークにある髑髏が、心臓を噛み潰していく。
なんだこれ、たちが悪い魔法だな!
髑髏の歯も、半分くらい心臓に食い込んでるよ!
呪詛魔法なのか、物に掛けられた呪いなのか、分からないのにどうしたら……。
いや、最初にステータスを見たときは、【呪】なんて無かったから、どこかに呪われた物があるはずだ!
対象を『呪われた物』で、範囲はこの屋敷全てにして。
「〈サーチ〉」
【マップ】を見ても反応がない? 違うのか?
いや……建物の中と外に、なんか気持ち悪い感じのする場所があるのは確かだ。
あと上……屋根か? でもサーチに反応しなかったし……?
魔法が駄目なら、スキルの《探索 調査》だ。
「……! 反応があった!」
「カズ君。何か分かったんですか?」
「呪いの原因だと思われる反応が、全部で三ヶ所あります。建物内に一ヶ所と、外に二ヶ所あり、一つは上に反応があるので屋根かと」
「呪いですって! どうして?」
「それは分かりませんが、それのせいで苦しんでるはずですから、探しだして処理しないと。モルトさんは、分かりませんか?」
「儂もサーチの魔法で探したが、何も反応しなかったですよ」
「俺も最初はサーチで探しましたけど、反応しなかったので、スキルの探索に切り替えたら反応したんです」
「なんと! それではどこにあるか、儂には分かりませんぞ」
「それじゃあ、俺が行って来るしか」
「待ってください。今カズさんに回復魔法を止められたら、奥様が…」
そうなんだよ。
回復魔法を解いたら呪いが進行して、危険なのは分かる。
しかしこのままでは…どしする……呪いを解く…浄化 …どれもやった事ないし……そうだ!
カズはアイテムボックスに入ってる物のリストを表示させて、その中から元の世界から持ってきた『トレカ(トレーディングカードゲーム)』を、数枚取り出した。
「カズ君。何をするんですか?」
使えるどうか分からないけど、想像して魔力を込めれば、きっと使えるはずだ!
「上手くいくか分かりませんが、試してみます」
カズは先ず『プロテクション』と書いてあるトレカを使い、そのあと『浄化』のトレカを使用した。
一枚目に使ったプロテクションのトレカで、マーガレットが外部から受けている、呪いを無効にした。
二枚目に使った浄化のトレカで、既に受けている呪いを解いた。
すると苦しんでいたマーガレットが、落ち着き安らかな顔になった。
「よし! 上手くいった!」
「うっ…あぁぁぁー!」
「えっ?」
「えっ?」
「落ち着いて。どうしたの?」
「な、なに?」
呪いの対象がなくなった事で、室内に居たメイドの一人に、呪いが降りかかった。
「皆さんこちらに集まってください(呪いの元をなんとかしないと、失敗と認識されて、対象が他に移るのか! 厄介だな)」
メイド達は、どうしたらいいのか分からずに、おろおろとしている。
「みんな落ち着いて、私とモルトさんの所に集まって! カズさんこれで良いですか?」
「はい。助かります。皆さんにも呪いが掛からないように、魔法をかけます」
室内に居たメイドは、アキレアとモルトの所に集まってきた。
苦しんでいるメイドの一人も、一緒につれてきてもらった。
集まってる全員に、先程と同じように、プロテクションのトレカを使い、苦しんでいるメイドには浄化のトレカを使い、呪いを解いた。
「俺は元凶を片付けに行きます」
「カズ君、待ってください。儂も行きます」
「しかしモルトさんは……分かりました。これを渡しますので、使ってみてください」
モルトに『見えざる物の探索』と『解呪』のトレカを渡した。
渡す前にトレカには、カズは自分の魔力を込めて渡した。
「最初にこのカード(見えざる物の探索)に魔力を流して、使用してみてください。上手く効果が作用すれば、モルトさんにも呪いの原因となる場所が、分かると思います」
「分かりました。使ってみます」
モルトが言われたトレカに魔力を流すと、モルトの目に、黒い靄(もや)が漂ってるのが見えた。
「なんか嫌な気配のする、黒い靄が見えます」
「上手くいったようですね。ではその…靄が濃くなっている方に、呪いの原因になってる場所があるはずです」
カズは【マップ】に表示されて分かるが、一応『見えざる物の探索』と書かれたトレカを使った。
「それでは、儂とカズ君は、呪いの原因を突き止めてきますので、皆さんはこちらで待っていてください。決して部屋から出ませんように。カズ君行きましょう」
「はい」
カズとモルトは、マーガレットの寝室から出て、靄が濃くなっている部屋に入った。
そこには、薬を調合する道具が置いてあり、その内の一つからどす黒い靄が出ていた。
カズは原因の道具を《分析》をすると、これにも【呪】と表示されていた。
「どうやら、あれのようですね」
「モルトさん。さっき渡したカードを、使ってみてください」
「このカード(解呪)ですね」
「はい。あの原因になってる物に、カードを向けて、魔力を流してみてください」
「分かりました」
モルトがトレカに魔力を流すと、道具から出ていた靄が消え、呪いを消し去る事が出来た。
「上手くいきましたね」
「あと二ヶ所ですか」
「残りは俺が片付けてきますから、モルトさんは、皆さんの居る部屋に、戻っていてください」
「しかし、カズ君一人に任せては」
「お願いします。もしかしたら、残り二ヶ所の呪いを除去したら、それが切っ掛けで、何か起きるかも知れないですし、カードの効果も、いつ切れるか分かりませんから」
「なるほど……分かりました。気を付けてください」
「ええ。急いで片付けてきます」
カズはモルトと別れて、残りの二ヶ所にある呪いの原因を片付ける為に走っていった。
先に向かったのは、上に反応があった場所だ。
近くの窓を開け〈フライ〉を使い、屋根の上へと上がる。
屋根の上で、どす黒い靄を出している物に近付き、解呪のトレカを使い、呪いを消し去った。
屋根に刺さっていたのは、一本の小さなナイフだった。
ナイフを抜いて、最後の一ヶ所に向かおうとしたら、嫌な感じが更に高まり、その方向を見ると、どす黒い靄が、辺りを埋め尽くすほど出ていた。
その靄が狙ったように、屋敷の一ヶ所を目指して、向かってきた。
どうやら他の呪いを解いた事によって、最後の一つが、最大限に効果を発する仕掛けになっていたようだ。
カズは屋根から思いっきり跳躍して、どす黒い靄の中に入り、呪いわれた物を土の中から掘り出し、解呪のトレカを使用した。
すると辺りを多い尽くすほどの、どす黒い靄は消え、そこにあったのは、10㎝ほどの人形だった。
カズは屋敷にあったナイフと、土の中から掘り出した人形を【アイテムボックス】に入れて、皆の居るマーガレットの寝室に戻る事にした。
《トレーディングカード説明》
・今回使用したトレカ。
・実際に書かれているレア度と名前と効果。
N【プロテクション】 : あなたは任意で対象と属性を1つずつ選ぶ。
・あなたのターンの間は、あなたが選んだ対象は、選んだ属性からの効果を受けない。
R【浄化】 : このターン、黒いカードから受けている効果を無効にする。
・この効果は『闇 呪い 穢れ』の文字が入るカードから受けている効果に対しても有効。
N+【解呪】 : 対象のカードに付いているカードの効果を、無効にして取り除く。
N【見えざる物の探索】 : あなたは属性を1つ選び、裏返っているカード1枚を見る。
・見たカードが、選んだ属性だった場合は、カードを表にする。
・このカードの効果で表になったカードは、表になった際に発動する効果は、使用出来ない。
応援ありがとうございます!
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