43 / 75
43話 安里翔
しおりを挟む
魔王は猛烈な勢いで襲い掛かって来た。
俺は防戦一方で、反撃をする余裕など一切無かった。
それでも魔王は攻撃の手を緩めようとしない。
このままでは防ぎ切れない。
何か手は無いのか?
もしかすれば・・・
ここで、一発逆転の考えが閃いた。
俺がこの世界に来て彼是3年以上も経っているんだから、無自覚の内に魔法が使える様になっている筈だ。
そもそもこの戦いは魔王が一方的に仕掛けて来たんだから、剣に拘る魔王の戦い方に合わせる必要は無いんだ。
魔王には悪いが、俺は遠慮無く魔法を使わせて貰う。
そうして俺は、手を正面に翳して力強く叫んだ。
「ファイヤー!!!」
「まさか!?魔法が使えるとは・・・」
魔王が攻撃の手を止め、瞬時に後ろに下がり間合いを取った。
魔王は遠隔魔法を警戒し、どこから魔法が飛び出すか一切見当が付かず、周囲を見回した。
しかし、火属性の魔法が魔王を襲う事は無かった。
「何の茶番だ?」
「クソッ!駄目か!」
いや、待てよ。もしかすると・・・
俺は燃え滾る炎の様な熱いハートを持ってるから、てっきり自分は火属性であると思い込んでた。
危うく先入観に支配される所だった。俺は別の属性だったんだ。
そうだ。きっとそうに違いない。
「ウォーター!!!」
「ウィンド!!!」
「ソイル!!!」
さっきよりも大きな声で、立て続けに、残りの水・風・土の魔法も叫んだ。
これに驚いた鳥達が一斉に羽ばたいて逃げて行った。
俺は魔法の効果を固唾を呑んで待ったが、鳥が逃げて行った以外に、何も変わった変化は起こらなかった。
しかし、魔法には失敗してしまったが、魔王に与えた影響は大きかった様だ。
意外にも、魔王は俺の魔法を警戒し、不用意に近付けないでいたのだ。
この隙に、アリシアに別の剣を頼もう。
「アリシアお願いだ!急いで別の剣を持って来てくれ!」
「今使ってる剣じゃダメなの?」
「これじゃダメなんだ!訳は後で説明するから急いでくれ!」
アリシアが再び剣を取りに家へと急いだ。
アリシアが戻るまで、何とか時間を稼がなければ。
「とんだ虚仮威しだったな。さあ、ここから仕切り直しだ。」
魔王が再び剣を構え向かって来た。
今は兎に角、魔王の剣を防ぐ事だけを考えよう。
魔王が強烈な一撃を放った。
俺は飛ばされながらも何とか間一髪、その攻撃防ぐ事が出来た。
「まさか、私の渾身の一撃を防ぐとは・・・」
魔王は立て続けに攻撃を放ったが、その剣には、どこか迷いがある印象を受けた。
もしかして、魔王は最初から本気で俺の命を奪う気は無いんじゃないか?
しかし、魔王の攻撃は全く止む事無く続いた。
「どうした?反応速度が遅れているぞ!相手の体重移動をよく見て、次の攻撃の予測を立てるんだ!」
「そんな余裕ねえよ!」
「これが出来なければ、この先、生き残れないぞ!しっかりと体に叩き込む事だ!」
魔王はどうして戦いの最中にも関わらず、俺にアドバイスしてくれるんだろう。
あれ?段々と魔王の動きが見える様になった気がする・・・
次の攻撃を予測して動いた分、防御に遅れる事が無くなった。
それに、さっきより後退もしていない。
「翔!剣を持って来たわよ!」
少し離れた所から、アリシアの叫ぶ声が聞こえた。
「ありがとう!そこに剣を置いて、アリシアは危ないから、その場から離れてくれ!」
俺は勇者の剣を置き、アリシアが持って来てくれた剣を取りに必死に走った。
ここで、武器を放り出して、敵に背中を見せた末、斬られたとあっては武人としては恥ずべきだろう。
だけど俺は武人では無いし、普通の高校生だ。そんな事言ってられない。
今は魔王に追い付かれない事を祈ろう。
俺は素早く剣を取り、後ろを振り返った。
魔王は背を向けた俺を攻撃する事は考えて無かったらしく、ゆっくりと、こちらに向かって歩いている所だった。
「剣を変えた事で、君の太刀捌きがどれ程変わるか、非常に楽しみだ。」
魔王は余裕のある笑みを浮かべた。
「ああ、こっからが本番だ!」
その後、勝負が決するまでは早かった。
数秒後。俺は、膝を突いた魔王を上から見下ろしていた・・・
俺は防戦一方で、反撃をする余裕など一切無かった。
それでも魔王は攻撃の手を緩めようとしない。
このままでは防ぎ切れない。
何か手は無いのか?
もしかすれば・・・
ここで、一発逆転の考えが閃いた。
俺がこの世界に来て彼是3年以上も経っているんだから、無自覚の内に魔法が使える様になっている筈だ。
そもそもこの戦いは魔王が一方的に仕掛けて来たんだから、剣に拘る魔王の戦い方に合わせる必要は無いんだ。
魔王には悪いが、俺は遠慮無く魔法を使わせて貰う。
そうして俺は、手を正面に翳して力強く叫んだ。
「ファイヤー!!!」
「まさか!?魔法が使えるとは・・・」
魔王が攻撃の手を止め、瞬時に後ろに下がり間合いを取った。
魔王は遠隔魔法を警戒し、どこから魔法が飛び出すか一切見当が付かず、周囲を見回した。
しかし、火属性の魔法が魔王を襲う事は無かった。
「何の茶番だ?」
「クソッ!駄目か!」
いや、待てよ。もしかすると・・・
俺は燃え滾る炎の様な熱いハートを持ってるから、てっきり自分は火属性であると思い込んでた。
危うく先入観に支配される所だった。俺は別の属性だったんだ。
そうだ。きっとそうに違いない。
「ウォーター!!!」
「ウィンド!!!」
「ソイル!!!」
さっきよりも大きな声で、立て続けに、残りの水・風・土の魔法も叫んだ。
これに驚いた鳥達が一斉に羽ばたいて逃げて行った。
俺は魔法の効果を固唾を呑んで待ったが、鳥が逃げて行った以外に、何も変わった変化は起こらなかった。
しかし、魔法には失敗してしまったが、魔王に与えた影響は大きかった様だ。
意外にも、魔王は俺の魔法を警戒し、不用意に近付けないでいたのだ。
この隙に、アリシアに別の剣を頼もう。
「アリシアお願いだ!急いで別の剣を持って来てくれ!」
「今使ってる剣じゃダメなの?」
「これじゃダメなんだ!訳は後で説明するから急いでくれ!」
アリシアが再び剣を取りに家へと急いだ。
アリシアが戻るまで、何とか時間を稼がなければ。
「とんだ虚仮威しだったな。さあ、ここから仕切り直しだ。」
魔王が再び剣を構え向かって来た。
今は兎に角、魔王の剣を防ぐ事だけを考えよう。
魔王が強烈な一撃を放った。
俺は飛ばされながらも何とか間一髪、その攻撃防ぐ事が出来た。
「まさか、私の渾身の一撃を防ぐとは・・・」
魔王は立て続けに攻撃を放ったが、その剣には、どこか迷いがある印象を受けた。
もしかして、魔王は最初から本気で俺の命を奪う気は無いんじゃないか?
しかし、魔王の攻撃は全く止む事無く続いた。
「どうした?反応速度が遅れているぞ!相手の体重移動をよく見て、次の攻撃の予測を立てるんだ!」
「そんな余裕ねえよ!」
「これが出来なければ、この先、生き残れないぞ!しっかりと体に叩き込む事だ!」
魔王はどうして戦いの最中にも関わらず、俺にアドバイスしてくれるんだろう。
あれ?段々と魔王の動きが見える様になった気がする・・・
次の攻撃を予測して動いた分、防御に遅れる事が無くなった。
それに、さっきより後退もしていない。
「翔!剣を持って来たわよ!」
少し離れた所から、アリシアの叫ぶ声が聞こえた。
「ありがとう!そこに剣を置いて、アリシアは危ないから、その場から離れてくれ!」
俺は勇者の剣を置き、アリシアが持って来てくれた剣を取りに必死に走った。
ここで、武器を放り出して、敵に背中を見せた末、斬られたとあっては武人としては恥ずべきだろう。
だけど俺は武人では無いし、普通の高校生だ。そんな事言ってられない。
今は魔王に追い付かれない事を祈ろう。
俺は素早く剣を取り、後ろを振り返った。
魔王は背を向けた俺を攻撃する事は考えて無かったらしく、ゆっくりと、こちらに向かって歩いている所だった。
「剣を変えた事で、君の太刀捌きがどれ程変わるか、非常に楽しみだ。」
魔王は余裕のある笑みを浮かべた。
「ああ、こっからが本番だ!」
その後、勝負が決するまでは早かった。
数秒後。俺は、膝を突いた魔王を上から見下ろしていた・・・
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
魔力ゼロの俺だけが、呪いの装備を『代償なし』で使い放題 ~命を削る魔剣も、俺が持てば『ただのよく切れる剣』~
仙道
ファンタジー
現代日本で天才研究者だった相模登(さがみ のぼる)は、ある日突然、異世界へ転移した。 そこは『スキル』と『魔力』が全てを決める世界。
しかし登には、ステータス画面もなければ、魔力も、スキルも一切存在しなかった。
ただの一般人として迷宮に放り出された彼は、瀕死の女騎士と出会う。彼女の前には、使う者の命を瞬時に吸い尽くす『呪いの魔剣』が落ちていた。
武器はそれしかない。女騎士は絶望していたが、登は平然と魔剣を握りしめる。 「なぜ……生きていられるの?」 登には、剣が対価として要求する魔力は存在しない。故に、魔剣はデメリットなしの『ただのよく切れる剣』として機能した。
これは、世界で唯一「対価」を支払う必要がない登が、呪われた武具を次々と使いこなし、その副作用に苦しむ女騎士やエルフ、聖女を救い出し、無自覚に溺愛されていく物語。
エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~
シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。
主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。
追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。
さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。
疫病? これ飲めば治りますよ?
これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。
レオナルド先生創世記
ポルネス・フリューゲル
ファンタジー
ビッグバーンを皮切りに宇宙が誕生し、やがて展開された宇宙の背景をユーモアたっぷりにとてもこっけいなジャック・レオナルド氏のサプライズの幕開け、幕開け!
200万年後 軽トラで未来にやってきた勇者たち
半道海豚
SF
本稿は、生きていくために、文明の痕跡さえない200万年後の未来に旅立ったヒトたちの奮闘を描いています。
最近は温暖化による環境の悪化が話題になっています。温暖化が進行すれば、多くの生物種が絶滅するでしょう。実際、新生代第四紀完新世(現在の地質年代)は生物の大量絶滅の真っ最中だとされています。生物の大量絶滅は地球史上何度も起きていますが、特に大規模なものが“ビッグファイブ”と呼ばれています。5番目が皆さんよくご存じの恐竜絶滅です。そして、現在が6番目で絶賛進行中。しかも理由はヒトの存在。それも産業革命以後とかではなく、何万年も前から。
本稿は、2015年に書き始めましたが、温暖化よりはスーパープルームのほうが衝撃的だろうと考えて北米でのマントル噴出を破局的環境破壊の惹起としました。
第1章と第2章は未来での生き残りをかけた挑戦、第3章以降は競争排除則(ガウゼの法則)がテーマに加わります。第6章以降は大量絶滅は収束したのかがテーマになっています。
どうぞ、お楽しみください。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
うちの冷蔵庫がダンジョンになった
空志戸レミ
ファンタジー
一二三大賞3:コミカライズ賞受賞
ある日の事、突然世界中にモンスターの跋扈するダンジョンが現れたことで人々は戦慄。
そんななかしがないサラリーマンの住むアパートに置かれた古びた2ドア冷蔵庫もまた、なぜかダンジョンと繋がってしまう。部屋の借主である男は酷く困惑しつつもその魔性に惹かれ、このひとりしか知らないダンジョンの攻略に乗り出すのだった…。
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる