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夜の時間
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その日も、いつも通り食事を終えて、今日あった事をお互い話して楽しい時間を過ごした。
まだ9時過ぎだったが、ベッドに行きませんかと林さんを誘った。
「え……と。ちょっとくすぐったいかな」
林さんは優の額に手を置き軽く押しのけるようにガードした。
いつものように腕枕され、林さんの首筋に顔を埋めていた優だったが、今日は息を吹きかけ抱きつきながら、たくさん鎖骨のあたりにキスをしていた。
「くすぐったいですか?」
「そうだね……なんか……犬みたい……」
優はひどく落ち込んだ……犬って……。
「……い……ぬ……」
「あ、え……と、かわいい方のいぬ?」
冗談で言っているのか、優は悔しくて涙目になったので、くるんと反対を向いて、背中を向けた。
林さんはくすくす笑うと、優の肩を持ってもう一度自分の方を向かせた。
「今日は、もしよければ、少し君を触ってみたいんだけれどいいかな?」
優はウンと頷くと、期待を込めた目で林さんを見つめた。
触りたいって正直な気持ちなんだけど、なんか変態みたいに聞こえるね。と笑いながら優のおでこに唇を寄せた。
「キスもしたい。君にいろんなことをしたいけれど、この間みたいではなく、君は黙って僕にされるがままになっていて欲しい。頑張って気持ちよくさせるから」
優しい目で髪を撫でながら、林さんは優に了解を求めた。
「僕も勉強したんです。ちゃんとを上手にできるように、友達にサイト教えてもらって……実践できるようにテクニックを頭の中に入れたので、頑張れると思います」
「……そっか……そうなんだ。楽しみだよ。でも……今日は僕に任せてもらってもいいかな?」
林さんが笑って、ぎゅっと優を抱きしめた。
そしてキスが始まった。
優しく、甘く、ねっとりと、そして彼の唇はとても美味しかった。
もっともっとと、ねだってしまい優の口からは甘い息が漏れる。Ω特有の甘いフェロモンが充満している。
林さんはゆっくりと優の服を脱がし、体中、手と口を使って優しく、くまなく愛した。
特に優の下腹部に集中すると、これ以上はもう無理だと思うほど執拗に吸い上げた。
驚きと戸惑いと、今まで味わったことのない感覚に翻弄され、いつのまにか優の腰は反り返り、両腕はシーツを強く掴み、自分のものとは思えない声を出し、優は達したのだった。
優は少しの間、意識が飛んでいた。
気が付くと、林さんが横で微笑みながら、優の顔をじっと見つめていた。
「気持ちよかった?」
そう聞かれて、途端に顔が赤くなり、恥ずかしくなったのでシーツで顔を隠した。
それから一週間。毎晩のように林さんは優を天国に連れて行ってくれた。
時には指を入れられ、そこを何度も刺激する。優は恥ずかしいのに我慢できず、喘ぎ声を出すのだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「ないはー、ない、ないありえない……」
学校の友達、律香(りっか)と昼のお弁当を食べている時、少し林さんのことを話してみた。
一緒のベッドで寝るようになって一週間が過ぎる。優はあの日から、必ず夜になると林さんのベッドに潜り込み、寄り添って寝ていた。
それはとても安心できて、心地よい時間だった。なにより彼から発せられるフェロモンがたまらない。呑み込みたいというか食べてしまいというか、朝になって林さんにへばりついている事があるくらい優にとって好ましい香りだった。
「彼氏と二人で一緒の布団で寝ているのに、全く手を出さないなんてありえない」
律香は驚いたように、首をふる。
そして律香も優と同じようにΩの看護学生だった。
バースを言わなければ人には分からないといわれているが、見た目である程度判断されてしまう。
希少種という事もあり、下手に巻き込まれたり、トラブルになったりするのを避けたい人は近づいてこない。
それ故に、自ずと学校でもΩはΩ同士でかたまってしまう。
「その人もしかして何か病気とか持ってるとか?性的に興奮しないとか?いわゆる ED 」
優は、苦笑いするしかなかった。
「それか、性の対象として見られていないか、のどちらかじゃない?」
「……」
「1回襲っちゃいなよ、あんたを拒否れる男なんてそういないから……これ褒め言葉だから」
結構毒舌で、思ったことを何でも口に出してしまう友人律香は、お世辞や嘘がないので、信用できる。優はそう思っている。たまにグサッと心臓に刺さってしまって凹むけど……
林さんが ED でないことは確認済み。初めての時は一応反応していた。優から襲ってしまったようなものだったけど、ちゃんと達した。
けれどその後、そういう関係を拒絶されたので、正直もう一度自分から求めることはなかなか難しい。
『したいのか』と言われればよく分からない。『しないのか』と言われれば『したいかも』と思う。
優は何も言えなかった。
何故優とそういう行為をしないのか考えた。あるとすれば子供扱いされていて、大人として見られていないということだろうか。
ただこの一週間、優は添い寝するだけで満たされて幸せだった。けれど林さんは一体どう思っていたのか急に不安になってきた。
今日は金曜で林さんは早く帰れると言っていた。明日は休みなので、少しセクシーに攻めてみようかと優は昼のお弁当を食べながら考えていた。
「あのさ、おせっかいだったらあれだけど、よかったら教えてあげる。どうすれば相手がその気になるかとか、上級者のテクニック。任せてよ!いいサイト知ってるから」
持つべきものは頼りになる友人だ。優は教えてもらったサイトを、穴が開くほど何度も見返し、男性が喜ぶプロフェッショナルなやり方を頭に叩き込んだ。
まだ9時過ぎだったが、ベッドに行きませんかと林さんを誘った。
「え……と。ちょっとくすぐったいかな」
林さんは優の額に手を置き軽く押しのけるようにガードした。
いつものように腕枕され、林さんの首筋に顔を埋めていた優だったが、今日は息を吹きかけ抱きつきながら、たくさん鎖骨のあたりにキスをしていた。
「くすぐったいですか?」
「そうだね……なんか……犬みたい……」
優はひどく落ち込んだ……犬って……。
「……い……ぬ……」
「あ、え……と、かわいい方のいぬ?」
冗談で言っているのか、優は悔しくて涙目になったので、くるんと反対を向いて、背中を向けた。
林さんはくすくす笑うと、優の肩を持ってもう一度自分の方を向かせた。
「今日は、もしよければ、少し君を触ってみたいんだけれどいいかな?」
優はウンと頷くと、期待を込めた目で林さんを見つめた。
触りたいって正直な気持ちなんだけど、なんか変態みたいに聞こえるね。と笑いながら優のおでこに唇を寄せた。
「キスもしたい。君にいろんなことをしたいけれど、この間みたいではなく、君は黙って僕にされるがままになっていて欲しい。頑張って気持ちよくさせるから」
優しい目で髪を撫でながら、林さんは優に了解を求めた。
「僕も勉強したんです。ちゃんとを上手にできるように、友達にサイト教えてもらって……実践できるようにテクニックを頭の中に入れたので、頑張れると思います」
「……そっか……そうなんだ。楽しみだよ。でも……今日は僕に任せてもらってもいいかな?」
林さんが笑って、ぎゅっと優を抱きしめた。
そしてキスが始まった。
優しく、甘く、ねっとりと、そして彼の唇はとても美味しかった。
もっともっとと、ねだってしまい優の口からは甘い息が漏れる。Ω特有の甘いフェロモンが充満している。
林さんはゆっくりと優の服を脱がし、体中、手と口を使って優しく、くまなく愛した。
特に優の下腹部に集中すると、これ以上はもう無理だと思うほど執拗に吸い上げた。
驚きと戸惑いと、今まで味わったことのない感覚に翻弄され、いつのまにか優の腰は反り返り、両腕はシーツを強く掴み、自分のものとは思えない声を出し、優は達したのだった。
優は少しの間、意識が飛んでいた。
気が付くと、林さんが横で微笑みながら、優の顔をじっと見つめていた。
「気持ちよかった?」
そう聞かれて、途端に顔が赤くなり、恥ずかしくなったのでシーツで顔を隠した。
それから一週間。毎晩のように林さんは優を天国に連れて行ってくれた。
時には指を入れられ、そこを何度も刺激する。優は恥ずかしいのに我慢できず、喘ぎ声を出すのだった。
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「ないはー、ない、ないありえない……」
学校の友達、律香(りっか)と昼のお弁当を食べている時、少し林さんのことを話してみた。
一緒のベッドで寝るようになって一週間が過ぎる。優はあの日から、必ず夜になると林さんのベッドに潜り込み、寄り添って寝ていた。
それはとても安心できて、心地よい時間だった。なにより彼から発せられるフェロモンがたまらない。呑み込みたいというか食べてしまいというか、朝になって林さんにへばりついている事があるくらい優にとって好ましい香りだった。
「彼氏と二人で一緒の布団で寝ているのに、全く手を出さないなんてありえない」
律香は驚いたように、首をふる。
そして律香も優と同じようにΩの看護学生だった。
バースを言わなければ人には分からないといわれているが、見た目である程度判断されてしまう。
希少種という事もあり、下手に巻き込まれたり、トラブルになったりするのを避けたい人は近づいてこない。
それ故に、自ずと学校でもΩはΩ同士でかたまってしまう。
「その人もしかして何か病気とか持ってるとか?性的に興奮しないとか?いわゆる ED 」
優は、苦笑いするしかなかった。
「それか、性の対象として見られていないか、のどちらかじゃない?」
「……」
「1回襲っちゃいなよ、あんたを拒否れる男なんてそういないから……これ褒め言葉だから」
結構毒舌で、思ったことを何でも口に出してしまう友人律香は、お世辞や嘘がないので、信用できる。優はそう思っている。たまにグサッと心臓に刺さってしまって凹むけど……
林さんが ED でないことは確認済み。初めての時は一応反応していた。優から襲ってしまったようなものだったけど、ちゃんと達した。
けれどその後、そういう関係を拒絶されたので、正直もう一度自分から求めることはなかなか難しい。
『したいのか』と言われればよく分からない。『しないのか』と言われれば『したいかも』と思う。
優は何も言えなかった。
何故優とそういう行為をしないのか考えた。あるとすれば子供扱いされていて、大人として見られていないということだろうか。
ただこの一週間、優は添い寝するだけで満たされて幸せだった。けれど林さんは一体どう思っていたのか急に不安になってきた。
今日は金曜で林さんは早く帰れると言っていた。明日は休みなので、少しセクシーに攻めてみようかと優は昼のお弁当を食べながら考えていた。
「あのさ、おせっかいだったらあれだけど、よかったら教えてあげる。どうすれば相手がその気になるかとか、上級者のテクニック。任せてよ!いいサイト知ってるから」
持つべきものは頼りになる友人だ。優は教えてもらったサイトを、穴が開くほど何度も見返し、男性が喜ぶプロフェッショナルなやり方を頭に叩き込んだ。
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