「あんの愚弟ども!」次期皇帝は言った。~魔の森に飛ばされ城に戻る頃には、変な奴らばかり周りにいるんだが~

鈴白理人

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第七話 なんか増えた奴の固有スキル? 恥ずか死ぬ

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【ケイケンニンズウ:0】
「……はあああ!? ちょっと待って! わかったからその表示やめて!?」

【貴女の頭の中にだけ聞こえている言葉です】

 あ、そうなん?
 もし公衆の面前でこれ聞こえてたらと思うと……羞恥の晒し者コース一直線やん……

【それにしても貴女のエナジーは極上の喉ごしだ】

 ……なんじゃそりゃ!?
 人をスポドリ感覚で言うなや!

【私は清らかなものしか食しません。それとは別に人間の魂も頂きますが】

 はあああ!? 
「それとは別って何!? 魂って、食べていいもんちゃうやろ!? それ、完全に人喰いやん!」
 
【肉食だなどと……なんたる侮辱。魂は清らかかどうかは関係ありません。魂は魂です】
 
 いや、魂ってお一人様一点限りだからね?
「それ精神的か肉体的かの違いだけで、どっちにしろ捕食やん!」

「乱暴な見解ですね」

 ──と、そこに筆頭補佐官の低い声。
 どうやら見回りから戻ってきたようだ。

 いやいやいや、しれっと会話に混ざってくんな。
 聞かれてた!? もしかして今まで全部!?

「今までの会話……全部聞いてた……? おい、ユニコーン! 話が違うぞ」

 じわじわと近付いてきていて、今では焚き火と鍋を物珍しそうに見ているユニコーンが言った。

【どうやら彼の魔力総量は私より上。聞かれても仕方ありません。ケイケンニンズウも彼のは測定不能です】

 ……あーもう……!

「……どこから聞いていた? 筆頭補佐官」 

「殿下と精を交わしたい、と言う戯言辺りからでしょうか。ユニコーンの肉は食したことが無いのですが、一度ってみますか。……それにしても、肉を求めに離れたら途端にこれだ……」

 そう言って、見回りのついでに獲ってきたらしき、解体済み一角獣ウサギの肉を鍋に入れ、シチューを作り始めた。

 本当に筆頭補佐官、エプロン姿だけど超万能。
 
 塊肉になっているのに、何故一角獣ウサギだと分かったかというと、筆頭補佐官が小さい角(と付近の付属物)をぺいっと遠くに投げたからだ。

 かなり遠くに落下したようだが、その瞬間森の木々がザザザと音を立てて揺らぐとすぐ静かになった。

 何があった。まあいいか。

 これも魔素で通常のウサギから一角獣ウサギへ変化したということなんだろうか。そんなことを考えていると、ユニコーンが明らかに怯えて立ち竦んでいる。
 良かったな。解体されなくて。

 いやそれより……全部聞かれていたってことは……

 皇宮でも彼に言い寄る者は数知れず。さすがあらゆる侍女やメイドをばっさばっさと百人斬りしている、という噂の筆頭補佐官である。
 私がそう思ったことに気がついたのか、筆頭補佐官が怪しげな色気をプンプン振りまきながら言った。

「数字を増やしたいのであれば、いつでもこの私めがお手伝いさせて頂きます。私以外は絶対に許しません。このように煮込んで隠滅します。専属にして下さい」

 鍋をお玉でかき混ぜつつ、頬を染めてもじもじしながら言うことか!


 やっぱ聞かれてたー!

「なんてことを垂れ流すんじゃ! この処女厨のエナジーチューチュードリンク野郎!」

「ご安心を。こんなですが、ユニコーンは上位種。他の者にほぼ聞かれることはございません」

 それは安心。でも筆頭補佐官は聞いたよね? 私の。
 なんか不公平……!

 と思った途端、公平にすべく爆弾発言が飛んできた。

「私めも0です。殿下に捧げるため未使用を貫いております故」 
 
 要らん……! そんな公平感、誰も求めてない……!
 百人斬りの噂当てにならない。

「あれは全部、私に興味を持った者を牽制するための偽情報ですから」

 ……あっそう。ふーん。
 ため息が止まらんわ。

「共にケイケンニンズウ:1になろうではありませんか」

【共に精を交し合いましょう】 

 ──こいつら、ぶん殴っていい?


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