7 / 12
第七話 なんか増えた奴の固有スキル? 恥ずか死ぬ
しおりを挟む
【ケイケンニンズウ:0】
「……はあああ!? ちょっと待って! わかったからその表示やめて!?」
【貴女の頭の中にだけ聞こえている言葉です】
あ、そうなん?
もし公衆の面前でこれ聞こえてたらと思うと……羞恥の晒し者コース一直線やん……
【それにしても貴女のエナジーは極上の喉ごしだ】
……なんじゃそりゃ!?
人をスポドリ感覚で言うなや!
【私は清らかなものしか食しません。それとは別に人間の魂も頂きますが】
はあああ!?
「それとは別って何!? 魂って、食べていいもんちゃうやろ!? それ、完全に人喰いやん!」
【肉食だなどと……なんたる侮辱。魂は清らかかどうかは関係ありません。魂は魂です】
いや、魂ってお一人様一点限りだからね?
「それ精神的か肉体的かの違いだけで、どっちにしろ捕食やん!」
「乱暴な見解ですね」
──と、そこに筆頭補佐官の低い声。
どうやら見回りから戻ってきたようだ。
いやいやいや、しれっと会話に混ざってくんな。
聞かれてた!? もしかして今まで全部!?
「今までの会話……全部聞いてた……? おい、ユニコーン! 話が違うぞ」
じわじわと近付いてきていて、今では焚き火と鍋を物珍しそうに見ているユニコーンが言った。
【どうやら彼の魔力総量は私より上。聞かれても仕方ありません。ケイケンニンズウも彼のは測定不能です】
……あーもう……!
「……どこから聞いていた? 筆頭補佐官」
「殿下と精を交わしたい、と言う戯言辺りからでしょうか。ユニコーンの肉は食したことが無いのですが、一度殺ってみますか。……それにしても、肉を求めに離れたら途端にこれだ……」
そう言って、見回りのついでに獲ってきたらしき、解体済み一角獣ウサギの肉を鍋に入れ、シチューを作り始めた。
本当に筆頭補佐官、エプロン姿だけど超万能。
塊肉になっているのに、何故一角獣ウサギだと分かったかというと、筆頭補佐官が小さい角(と付近の付属物)をぺいっと遠くに投げたからだ。
かなり遠くに落下したようだが、その瞬間森の木々がザザザと音を立てて揺らぐとすぐ静かになった。
何があった。まあいいか。
これも魔素で通常のウサギから一角獣ウサギへ変化したということなんだろうか。そんなことを考えていると、ユニコーンが明らかに怯えて立ち竦んでいる。
良かったな。解体されなくて。
いやそれより……全部聞かれていたってことは……
皇宮でも彼に言い寄る者は数知れず。さすがあらゆる侍女やメイドをばっさばっさと百人斬りしている、という噂の筆頭補佐官である。
私がそう思ったことに気がついたのか、筆頭補佐官が怪しげな色気をプンプン振りまきながら言った。
「数字を増やしたいのであれば、いつでもこの私めがお手伝いさせて頂きます。私以外は絶対に許しません。このように煮込んで隠滅します。専属にして下さい」
鍋をお玉でかき混ぜつつ、頬を染めてもじもじしながら言うことか!
やっぱ聞かれてたー!
「なんてことを垂れ流すんじゃ! この処女厨のエナジーチューチュードリンク野郎!」
「ご安心を。こんなですが、ユニコーンは上位種。他の者にほぼ聞かれることはございません」
それは安心。でも筆頭補佐官は聞いたよね? 私の。
なんか不公平……!
と思った途端、公平にすべく爆弾発言が飛んできた。
「私めも0です。殿下に捧げるため未使用を貫いております故」
要らん……! そんな公平感、誰も求めてない……!
百人斬りの噂当てにならない。
「あれは全部、私に興味を持った者を牽制するための偽情報ですから」
……あっそう。ふーん。
ため息が止まらんわ。
「共にケイケンニンズウ:1になろうではありませんか」
【共に精を交し合いましょう】
──こいつら、ぶん殴っていい?
「……はあああ!? ちょっと待って! わかったからその表示やめて!?」
【貴女の頭の中にだけ聞こえている言葉です】
あ、そうなん?
もし公衆の面前でこれ聞こえてたらと思うと……羞恥の晒し者コース一直線やん……
【それにしても貴女のエナジーは極上の喉ごしだ】
……なんじゃそりゃ!?
人をスポドリ感覚で言うなや!
【私は清らかなものしか食しません。それとは別に人間の魂も頂きますが】
はあああ!?
「それとは別って何!? 魂って、食べていいもんちゃうやろ!? それ、完全に人喰いやん!」
【肉食だなどと……なんたる侮辱。魂は清らかかどうかは関係ありません。魂は魂です】
いや、魂ってお一人様一点限りだからね?
「それ精神的か肉体的かの違いだけで、どっちにしろ捕食やん!」
「乱暴な見解ですね」
──と、そこに筆頭補佐官の低い声。
どうやら見回りから戻ってきたようだ。
いやいやいや、しれっと会話に混ざってくんな。
聞かれてた!? もしかして今まで全部!?
「今までの会話……全部聞いてた……? おい、ユニコーン! 話が違うぞ」
じわじわと近付いてきていて、今では焚き火と鍋を物珍しそうに見ているユニコーンが言った。
【どうやら彼の魔力総量は私より上。聞かれても仕方ありません。ケイケンニンズウも彼のは測定不能です】
……あーもう……!
「……どこから聞いていた? 筆頭補佐官」
「殿下と精を交わしたい、と言う戯言辺りからでしょうか。ユニコーンの肉は食したことが無いのですが、一度殺ってみますか。……それにしても、肉を求めに離れたら途端にこれだ……」
そう言って、見回りのついでに獲ってきたらしき、解体済み一角獣ウサギの肉を鍋に入れ、シチューを作り始めた。
本当に筆頭補佐官、エプロン姿だけど超万能。
塊肉になっているのに、何故一角獣ウサギだと分かったかというと、筆頭補佐官が小さい角(と付近の付属物)をぺいっと遠くに投げたからだ。
かなり遠くに落下したようだが、その瞬間森の木々がザザザと音を立てて揺らぐとすぐ静かになった。
何があった。まあいいか。
これも魔素で通常のウサギから一角獣ウサギへ変化したということなんだろうか。そんなことを考えていると、ユニコーンが明らかに怯えて立ち竦んでいる。
良かったな。解体されなくて。
いやそれより……全部聞かれていたってことは……
皇宮でも彼に言い寄る者は数知れず。さすがあらゆる侍女やメイドをばっさばっさと百人斬りしている、という噂の筆頭補佐官である。
私がそう思ったことに気がついたのか、筆頭補佐官が怪しげな色気をプンプン振りまきながら言った。
「数字を増やしたいのであれば、いつでもこの私めがお手伝いさせて頂きます。私以外は絶対に許しません。このように煮込んで隠滅します。専属にして下さい」
鍋をお玉でかき混ぜつつ、頬を染めてもじもじしながら言うことか!
やっぱ聞かれてたー!
「なんてことを垂れ流すんじゃ! この処女厨のエナジーチューチュードリンク野郎!」
「ご安心を。こんなですが、ユニコーンは上位種。他の者にほぼ聞かれることはございません」
それは安心。でも筆頭補佐官は聞いたよね? 私の。
なんか不公平……!
と思った途端、公平にすべく爆弾発言が飛んできた。
「私めも0です。殿下に捧げるため未使用を貫いております故」
要らん……! そんな公平感、誰も求めてない……!
百人斬りの噂当てにならない。
「あれは全部、私に興味を持った者を牽制するための偽情報ですから」
……あっそう。ふーん。
ため息が止まらんわ。
「共にケイケンニンズウ:1になろうではありませんか」
【共に精を交し合いましょう】
──こいつら、ぶん殴っていい?
62
あなたにおすすめの小説
拾った年上侯爵が甘え上手すぎて、よしよししてたら婚約することになりました
星乃和花
恋愛
⭐︎火木土21:00更新ー本編8話・後日談8話⭐︎
王都の市場で花屋をしているリナは、ある朝――
路地裏で倒れている“美形の年上男性”を拾ってしまう。
熱で弱っているだけ……のはずが、彼はなぜか距離が近い。
「行かないで」「撫でて」「君がいると回復する」
甘えが上手すぎるうえに、褒め方までずるい。
よしよし看病してあげていたら、いつの間にか毎日市場に現れるようになり、
気づけば花屋は貴族の面会所(?)になっていて――
しかも彼の正体は、王都を支える侯爵家の当主だった!?
「君は国のために必要だ(※僕が倒れるから)」
年上当主の“甘え策略”に、花屋の心臓は今日ももたない。
ほのぼの王都日常コメディ×甘やかし捕獲ラブ、開幕です。
異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?
来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。
そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった!
亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。
「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」
「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」
おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。
現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。
お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、
美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!
犬の散歩中に異世界召喚されました
おばあ
ファンタジー
そろそろ定年後とか終活とか考えなきゃいけないというくらいの歳になって飼い犬と一緒に異世界とやらへ飛ばされました。
何勝手なことをしてくれてんだいと腹が立ちましたので好き勝手やらせてもらいます。
カミサマの許可はもらいました。
追放された味噌カス第7王子の異種族たちと,のんびり辺境地開発
ハーフのクロエ
ファンタジー
アテナ王国の末っ子の第7王子に産まれたルーファスは魔力が0で無能者と言われ、大陸の妖精族や亜人やモンスターの多い大陸から離れた無人島に追放される。だが前世は万能スキル持ちで魔王を倒し英雄と呼ばれていたのを隠し生まれ変わってスローライフを送る為に無能者を装っていたのだ。そんなルーファスはスローライフを送るつもりが、無人島には人間族以外の種族の独自に進化した先住民がおり、周りの人たちが勝手に動いて気が付けば豊かで平和な強国を起こしていく物語です。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
辺境ギルドの受付嬢ですが、冒険者の嘘は帳簿でぜんぶバレます
蒼月よる
ファンタジー
素材の重さが申告と合わない。鑑定書の書式がおかしい。冒険者が持ち込む報告書には、いつもどこかに嘘がある。
辺境の小さなギルド支部で、受付嬢ナタリアは今日も一人、帳簿を武器に冒険者たちの嘘と向き合っている。剣も魔法も使えない。でも素材を見る目と、数字の辻褄を見抜く勘だけは、誰にも負けない。
持ち込まれた棘鱗の産地が違う。新人冒険者の目が妙に鋭い。腕のいい薬師が素性を隠している。書類を処理するだけの毎日のはずが、カウンターの向こうには不思議な人々と、小さな謎が絶えない。
一話完結の日常謎解き。辺境の受付カウンターから覗く、冒険者たちの嘘と真実の物語。
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
莫大な遺産を相続したら異世界でスローライフを楽しむ
翔千
ファンタジー
小鳥遊 紅音は働く28歳OL
十八歳の時に両親を事故で亡くし、引き取り手がなく天涯孤独に。
高校卒業後就職し、仕事に明け暮れる日々。
そんなある日、1人の弁護士が紅音の元を訪ねて来た。
要件は、紅音の母方の曾祖叔父が亡くなったと言うものだった。
曾祖叔父は若い頃に単身外国で会社を立ち上げ生涯独身を貫いき、血縁者が紅音だけだと知り、曾祖叔父の遺産を一部を紅音に譲ると遺言を遺した。
その額なんと、50億円。
あまりの巨額に驚くがなんとか手続きを終える事が出来たが、巨額な遺産の事を何処からか聞きつけ、金の無心に来る輩が次々に紅音の元を訪れ、疲弊した紅音は、誰も知らない土地で一人暮らしをすると決意。
だが、引っ越しを決めた直後、突然、異世界に召喚されてしまった。
だが、持っていた遺産はそのまま異世界でも使えたので、遺産を使って、スローライフを楽しむことにしました。
腹違いの妹にすべてを奪われた薄幸の令嬢が、義理の母に殴られた瞬間、前世のインテリヤクザなおっさんがぶちギレた場合。
灯乃
ファンタジー
十二歳のときに母が病で亡くなった途端、父は後妻と一歳年下の妹を新たな『家族』として迎え入れた。
彼らの築く『家族』の輪から弾き出されたアニエスは、ある日義母の私室に呼び出され――。
タイトル通りのおっさんコメディーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる