16 / 144
第一章
ハイトはなんだか納得出来ない
しおりを挟む
最悪だ。
オーブンが出来るまでの数日間。僕がどれだけ我慢したか皆さんには想像出来ますでしょうか?出来ないでしょうね?
あの数日間、僕は彼女の食事への雑念を抑えるべく、ありとあらゆるお店にティファを連れて行き、そして逆に彼女に美味しい食べ方を説明されるという何とも有り難い時間を過ごしましたが、それは一時の幸せに過ぎませんでした。
食事を口に運ぶたびにティファのご飯を思い出して溜息が出る始末。食も細くなりその期間だけで5キロ痩せました。
そして、やっと改装修繕が終わった厨房でティファは見たこともないような料理をこれでもかという程、作ってくれたんです!!やっとその数日間の苦しみから解放され至福の時が帰って来たというのに・・・・こんな事になり。果たして彼女の料理のクオリティは保っていけるのでしょうか?僕は最近心配で夜もまともに眠れません。
ええ、どうせ僕はフィクスに言わせれば食の異常者、変質者ですよ!・・・・どう言われようと構わないんだ!!僕はあの素晴らしいティファの料理を思う存分堪能出来るのであれば満足さ!!!
「あ。いや、スマン。俺、色々と誤解してたわ。ガチでヤバイわお前」
キルト達に詰め寄られたので僕の熱い思いを伝えたら何故か逆に謝られました。
何なんだよ。そんな軽い気持ちでティファの料理を食べてるんじゃないんだよ。全力でぶつかって来いよ!(熱気)
「それで?結局、雇うんじゃなくて食費を渡す事にしたのか?でも、それじゃあティファに悪いだろ?」
ところでフィクス。君はどうして肝心な時いなかったんだろうね?いつも変に勘が働きますからね、この人。さては気付いて隠れてたな?いつの間にか食堂に居たしね。裏切り者め。
そんな事よりもそう、とうとう宿舎の皆んなにティファの料理の事がバレてしまい本格的に皆んなに料理を作ることが決定してしまったのです。
そしてそれは僕の想定していた通り、本来の食堂形式になるらしいです。つまり、あらかじめ決まった料理を大鍋でティファが用意して各自で配膳して行くというものです。
ティファが作る家庭料理感が良かったのに・・・・・まぁ仕方ないのですが・・・・・。くすん。
「そうだね。何か、ティファに還元出来る方法を考えないと。でもティファってお金が大好きなんだよね」
「・・・・・・あーやっぱり?」
「っていうかあの女。単に貯蓄が趣味なんじゃね?」
ここに来てティファが料理の食材以外を買っている所を見かけた事がありません。この前も服の事を尋ねたら微妙な空気になりましたしね。何故か背中がヒヤリとしました。
「自分でお金を使うのを嫌がるなら、こちらからプレゼントしたらどうかな?それなら普段渡している生活費を貯蓄出来るから喜ぶんじゃないかな?」
「ああ。良いんじゃないか?そろそろ服も買わないと。あったかくなって来たしね?」
そう言えば、彼女何か清潔さに拘りを持っていたっぽかったですね?お風呂に入ったとか、ちゃんと洗ってるとかいうワードがよく出てきます。
「でもさ、ティファの服のサイズどうやって調べるんだよ?そして誰が服を買いに行くんだ?」
「え?ティファと一緒に衣料店に行けばいいんじゃないの?」
ここまで言っておいて、僕やっと問題点に気が付きました。そもそも僕達この国の騎士で名が知れています。
そんな僕等が食材ならまだしも彼女の服などを一緒に買いに行ったならあっという間に変な噂が立ってしまうでしょう。それは、いただけない。
「フィクスはこういうの慣れてるよね?」
「ああ。そうだな?でも無理だ!」
え?何故?君、気が付けばいつも女性に取り囲まれてるよね?夜の灯りに群がる蛾のごとく。そしてそんな彼女達を難なくエスコートしてるよね?ケッ!リア充が!
「ティファ。俺の事、視界の端にすら入れてないから。いや、寧ろ俺、彼女の中では透明人間なんじゃないかな?目の前にいるのに見えてないって言う・・・・・」
「・・・フィクス。ちょっと君が何言ってるのか理解出来ないんだけど?」
「せめて人として認識してくれないかな!!切実に!」
あれかな?中々名前を覚えて貰えないから悩んでるんですかね?最近は騎士さんって呼ばれてたし。
ティファって人の名前覚えるの苦手みたいなんですよね。あれ?でも、ギャドと僕はなんで一度で覚えたんでしょうか?
「別に名前なんて覚えられなくたっていいよ。どうせ敵国の人間だし」
「・・・ヨシュア。それ、そのまんまティファに言っていい?」
「やだなぁ?ちょっと口が滑ったたけじゃん?本気にすんなよ?・・・・・絶対言うな?」
チッ。
さり気なく頭数減らそうとしたのがバレたかな?
目の奥がマジだから止めておこう。
コイツ馬鹿だから何しでかすかわからないですからね?
「もうハイトが一緒に行けばいいだろ?何か言われたら仕事だって言えよ。間違ってないんだし」
そうです。そうなんですけど。なんか、何でだか納得出来ないんですよ。
「っていうか。僕いつ迄ティファを見張ってなきゃならないのかな?」
「「あ。」」
君達。その問題に今気づいたでしょう?
他人事だと思って忘れてましたね?薄情者どもが!!
オーブンが出来るまでの数日間。僕がどれだけ我慢したか皆さんには想像出来ますでしょうか?出来ないでしょうね?
あの数日間、僕は彼女の食事への雑念を抑えるべく、ありとあらゆるお店にティファを連れて行き、そして逆に彼女に美味しい食べ方を説明されるという何とも有り難い時間を過ごしましたが、それは一時の幸せに過ぎませんでした。
食事を口に運ぶたびにティファのご飯を思い出して溜息が出る始末。食も細くなりその期間だけで5キロ痩せました。
そして、やっと改装修繕が終わった厨房でティファは見たこともないような料理をこれでもかという程、作ってくれたんです!!やっとその数日間の苦しみから解放され至福の時が帰って来たというのに・・・・こんな事になり。果たして彼女の料理のクオリティは保っていけるのでしょうか?僕は最近心配で夜もまともに眠れません。
ええ、どうせ僕はフィクスに言わせれば食の異常者、変質者ですよ!・・・・どう言われようと構わないんだ!!僕はあの素晴らしいティファの料理を思う存分堪能出来るのであれば満足さ!!!
「あ。いや、スマン。俺、色々と誤解してたわ。ガチでヤバイわお前」
キルト達に詰め寄られたので僕の熱い思いを伝えたら何故か逆に謝られました。
何なんだよ。そんな軽い気持ちでティファの料理を食べてるんじゃないんだよ。全力でぶつかって来いよ!(熱気)
「それで?結局、雇うんじゃなくて食費を渡す事にしたのか?でも、それじゃあティファに悪いだろ?」
ところでフィクス。君はどうして肝心な時いなかったんだろうね?いつも変に勘が働きますからね、この人。さては気付いて隠れてたな?いつの間にか食堂に居たしね。裏切り者め。
そんな事よりもそう、とうとう宿舎の皆んなにティファの料理の事がバレてしまい本格的に皆んなに料理を作ることが決定してしまったのです。
そしてそれは僕の想定していた通り、本来の食堂形式になるらしいです。つまり、あらかじめ決まった料理を大鍋でティファが用意して各自で配膳して行くというものです。
ティファが作る家庭料理感が良かったのに・・・・・まぁ仕方ないのですが・・・・・。くすん。
「そうだね。何か、ティファに還元出来る方法を考えないと。でもティファってお金が大好きなんだよね」
「・・・・・・あーやっぱり?」
「っていうかあの女。単に貯蓄が趣味なんじゃね?」
ここに来てティファが料理の食材以外を買っている所を見かけた事がありません。この前も服の事を尋ねたら微妙な空気になりましたしね。何故か背中がヒヤリとしました。
「自分でお金を使うのを嫌がるなら、こちらからプレゼントしたらどうかな?それなら普段渡している生活費を貯蓄出来るから喜ぶんじゃないかな?」
「ああ。良いんじゃないか?そろそろ服も買わないと。あったかくなって来たしね?」
そう言えば、彼女何か清潔さに拘りを持っていたっぽかったですね?お風呂に入ったとか、ちゃんと洗ってるとかいうワードがよく出てきます。
「でもさ、ティファの服のサイズどうやって調べるんだよ?そして誰が服を買いに行くんだ?」
「え?ティファと一緒に衣料店に行けばいいんじゃないの?」
ここまで言っておいて、僕やっと問題点に気が付きました。そもそも僕達この国の騎士で名が知れています。
そんな僕等が食材ならまだしも彼女の服などを一緒に買いに行ったならあっという間に変な噂が立ってしまうでしょう。それは、いただけない。
「フィクスはこういうの慣れてるよね?」
「ああ。そうだな?でも無理だ!」
え?何故?君、気が付けばいつも女性に取り囲まれてるよね?夜の灯りに群がる蛾のごとく。そしてそんな彼女達を難なくエスコートしてるよね?ケッ!リア充が!
「ティファ。俺の事、視界の端にすら入れてないから。いや、寧ろ俺、彼女の中では透明人間なんじゃないかな?目の前にいるのに見えてないって言う・・・・・」
「・・・フィクス。ちょっと君が何言ってるのか理解出来ないんだけど?」
「せめて人として認識してくれないかな!!切実に!」
あれかな?中々名前を覚えて貰えないから悩んでるんですかね?最近は騎士さんって呼ばれてたし。
ティファって人の名前覚えるの苦手みたいなんですよね。あれ?でも、ギャドと僕はなんで一度で覚えたんでしょうか?
「別に名前なんて覚えられなくたっていいよ。どうせ敵国の人間だし」
「・・・ヨシュア。それ、そのまんまティファに言っていい?」
「やだなぁ?ちょっと口が滑ったたけじゃん?本気にすんなよ?・・・・・絶対言うな?」
チッ。
さり気なく頭数減らそうとしたのがバレたかな?
目の奥がマジだから止めておこう。
コイツ馬鹿だから何しでかすかわからないですからね?
「もうハイトが一緒に行けばいいだろ?何か言われたら仕事だって言えよ。間違ってないんだし」
そうです。そうなんですけど。なんか、何でだか納得出来ないんですよ。
「っていうか。僕いつ迄ティファを見張ってなきゃならないのかな?」
「「あ。」」
君達。その問題に今気づいたでしょう?
他人事だと思って忘れてましたね?薄情者どもが!!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
田舎農家の俺、拾ったトカゲが『始祖竜』だった件〜女神がくれたスキル【絶対飼育】で育てたら、魔王がコスメ欲しさに竜王が胃薬借りに通い詰めだした
月神世一
ファンタジー
「くそっ、魔王はまたトカゲの抜け殻を美容液にしようとしてるし、女神は酒のつまみばかり要求してくる! 俺はただ静かに農業がしたいだけなのに!」
ブラック企業で過労死した日本人、カイト。
彼の願いはただ一つ、「誰にも邪魔されない静かな場所で農業をすること」。
女神ルチアナからチートスキル【絶対飼育】を貰い、異世界マンルシア大陸の辺境で念願の農場を開いたカイトだったが、ある日、庭から虹色の卵を発掘してしまう。
孵化したのは、可愛らしいトカゲ……ではなく、神話の時代に世界を滅亡させた『始祖竜』の幼体だった!
しかし、カイトはスキル【絶対飼育】のおかげで、その破壊神を「ポチ」と名付けたペットとして完璧に飼い慣らしてしまう。
ポチのくしゃみ一発で、敵の軍勢は老衰で塵に!?
ポチの抜け殻は、魔王が喉から手が出るほど欲しがる究極の美容成分に!?
世界を滅ぼすほどの力を持つポチと、その魔素を浴びて育った規格外の農作物を求め、理知的で美人の魔王、疲労困憊の竜王、いい加減な女神が次々にカイトの家に押しかけてくる!
「世界の管理者」すら手が出せない最強の農場主、カイト。
これは、世界の運命と、美味しい野菜と、ペットの散歩に追われる、史上最も騒がしいスローライフ物語である!
人質5歳の生存戦略! ―悪役王子はなんとか死ぬ気で生き延びたい!冤罪処刑はほんとムリぃ!―
ほしみ
ファンタジー
「え! ぼく、死ぬの!?」
前世、15歳で人生を終えたぼく。
目が覚めたら異世界の、5歳の王子様!
けど、人質として大国に送られた危ない身分。
そして、夢で思い出してしまった最悪な事実。
「ぼく、このお話知ってる!!」
生まれ変わった先は、小説の中の悪役王子様!?
このままだと、10年後に無実の罪であっさり処刑されちゃう!!
「むりむりむりむり、ぜったいにムリ!!」
生き延びるには、なんとか好感度を稼ぐしかない。
とにかく周りに気を使いまくって!
王子様たちは全力尊重!
侍女さんたちには迷惑かけない!
ひたすら頑張れ、ぼく!
――猶予は後10年。
原作のお話は知ってる――でも、5歳の頭と体じゃうまくいかない!
お菓子に惑わされて、勘違いで空回りして、毎回ドタバタのアタフタのアワアワ。
それでも、ぼくは諦めない。
だって、絶対の絶対に死にたくないからっ!
原作とはちょっと違う王子様たち、なんかびっくりな王様。
健気に奮闘する(ポンコツ)王子と、見守る人たち。
どうにか生き延びたい5才の、ほのぼのコミカル可愛いふわふわ物語。
(全年齢/ほのぼの/男性キャラ中心/嫌なキャラなし/1エピソード完結型/ほぼ毎日更新中)
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
幼女はリペア(修復魔法)で無双……しない
しろこねこ
ファンタジー
田舎の小さな村・セデル村に生まれた貧乏貴族のリナ5歳はある日魔法にめざめる。それは貧乏村にとって最強の魔法、リペア、修復の魔法だった。ちょっと説明がつかないでたらめチートな魔法でリナは覇王を目指……さない。だって平凡が1番だもん。騙され上手な父ヘンリーと脳筋な兄カイル、スーパー執事のゴフじいさんと乙女なおかんマール婆さんとの平和で凹凸な日々の話。
【完結】姉は聖女? ええ、でも私は白魔導士なので支援するぐらいしか取り柄がありません。
猫屋敷 むぎ
ファンタジー
誰もが憧れる勇者と最強の騎士が恋したのは聖女。それは私ではなく、姉でした。
復活した魔王に侯爵領を奪われ没落した私たち姉妹。そして、誰からも愛される姉アリシアは神の祝福を受け聖女となり、私セレナは支援魔法しか取り柄のない白魔導士のまま。
やがてヴァルミエール国王の王命により結成された勇者パーティは、
勇者、騎士、聖女、エルフの弓使い――そして“おまけ”の私。
過去の恋、未来の恋、政略婚に揺れ動く姉を見つめながら、ようやく私の役割を自覚し始めた頃――。
魔王城へと北上する魔王討伐軍と共に歩む勇者パーティは、
四人の魔将との邂逅、秘められた真実、そしてそれぞれの試練を迎え――。
輝く三人の恋と友情を“すぐ隣で見つめるだけ”の「聖女の妹」でしかなかった私。
けれど魔王討伐の旅路の中で、“仲間を支えるとは何か”に気付き、
やがて――“本当の自分”を見つけていく――。
そんな、ちょっぴり切ない恋と友情と姉妹愛、そして私の成長の物語です。
※本作の章構成:
第一章:アカデミー&聖女覚醒編
第二章:勇者パーティ結成&魔王討伐軍北上編
第三章:帰郷&魔将・魔王決戦編
※「小説家になろう」にも掲載(異世界転生・恋愛12位)
※ アルファポリス完結ファンタジー8位。応援ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる