最強騎士は料理が作りたい

菁 犬兎

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第一章

ティファは一緒にご飯が食べたい

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「ふぁ!?」

朝です!皆さんおはようございます!
今日も朝から私は元気です!
さて、いつもの様にサッサと起きて料理の仕込みを・・・・。

「あ。要らないんでした」

・・・・・ん?なんでしょう?今何故か変な気持ちに?

とにかく起きて朝の支度をしましょう。
皆さんは留守ですがヨシュアさんが居ますからね?
仕事はちゃんとありますよ!

「おう!ティファおはよ」

「あ、ヨシュアさんおはようございます!」

ん?ヨシュアさんどうしました?私の顔をジッと見て?
ちゃんと顔洗いましたよ?なんか付いてますか?

「ごめんティファ。俺ちょっと宮廷まで行かないといけないんだ。すぐ帰って来るけど、外には出ないでくれるか?」

「呼び出しですね?大丈夫です!じゃあ、朝ごはんは」

「昼前には帰って来るから昼に食べるよ!悪いな」

「分かりました!じゃあお昼用意しておきますね?」

ありゃ。じゃあ今日は料理は殆ど作れませんね。
下ごしらえは殆ど済んでいますしね。
どうしましょう。
スタスタスタスタ。

あ。ベロニカ発見。
スタスタスタスタスタスタ・・・ガシッ!!

「ひ!な、何よ!!」

「・・・ベロニカ。一緒にご飯を食べましょう?」

「は?嫌よ。一人で食べたら?」

冷たい。ベロニカ冷たい。この子こんなに冷たい子でしたっけ?
氷の女王。

「酷いベロニカ。ケチ、ドケチニカ」

「ちょっと!変な呼び名付けないでくれる!?一体何なのよ!前だって一人で食べてたでしょ?何でわざわざ?」

「・・・・あれ?そういえば、そうでしたっけ?」

確かに。
騎士時代、誰かと一緒にご飯を和やかに食べる事、なかったですね。それが当たり前で気にしてませんでした。

「ええ。あと、手を離してくれる?」

「え?嫌です?ドケチニカは私とご飯を食べます」

「あんたねぇ!何で私には容赦なく我儘なのよ!子供かぁ!」

同じ釜の飯を食べた仲じゃないですかぁ?
そんなに恥ずかしがらなくても、いいんですよ?

「あんた、また見当違いな事考えてるでしょ?とにかく離して!服が伸びるでしょ!」

「うにゅぅぅぅぅ」

「気持ち悪い声出さないで!」

「朝っぱらから大きな声で何を騒いでいるのです?おはようございますティファ?」

あ!アイラさん!こんな朝早くからどうしたんでしょう?もしや私のご飯ですか?ご飯を食べたいのですか?ワクワク。

「ティファ今日から一人で寂しいかと思いまして様子を見に来ましたわ」

「そうなんですね?あ、じゃあ朝御飯は食べて来ちゃいました?もし、良かったらお昼に何か作りましょうか?挽肉を用意してあるのでミートソースのパスタかハンバーグなら作れますよ?」

分かってます。分かってますよ?
ちゃんと蕩けるチーズも用意してありますからね?

「あら。嬉しい。じゃあパスタを頂こうかしら?」

「・・・・・はい。じゃあ準備しますね?」

キュッキュ。

「・・・・・じゃあ。私は朝御飯を食べてくるわ。ティファ」

「はい。ベロニカ行ってらっしゃい」

さて。じゃあ私達も食堂に向かいますか?
色々準備しなくてはいけないですからね。

「所でティファ?護衛はどこに行ったのかしら?」

「ああ。彼は少しだけ外に出てます。直ぐに帰って来るので大丈夫ですよ?」

「そうなの。それは・・・・残念だな!!」

あ。男の方でしたか?
魔術で姿を変えていたんですね?でも、どうしてアイラさんの姿をしているのでしょう?

「ティファ!!」

お?ナイスですベロニカ!ん?コレは・・・まさしくデッキブラシですね?他に武器らしき物が無かったんですね?
でも、いただきです!

「やっぱりお前らグルだったか!コソコソこんな所に隠れやがって!」

え?コソコソはしてないですよ?堂々と暮らしてましたよ?だって隠れる必要ないですからね?

「あの。もう私この国の人間になったのでほっといて貰えませんか?」

あんまりしつこいと、このデッキブラシでその顔をゴシゴシしちゃいますよ?

「は!何言ってる。お前はナシェス様の物だと何度言えば分かるんだ?あの方がお前を望んだ瞬間からお前に選択権なんてない」

相変わらずのパワハラ乙です。
やっぱり話が通じないですねぇ。同じ人間の筈なんですがねぇ?頭のおかしい人の下で働いてると同じ様に残念な人間が出来上がってしまうんでしょうね。可哀想。

「でも。もう、こちらの国で住民権を得たので、彼は私とは何の関係もない赤の他人ですよ?」

「ナシェス様自らお前を迎えに来て下さってるんだ。俺は絶対にお前を連れて行ぐえ!?」

どうしましょう?とりあえずヨシュアさんが来るまでこの男をこのままふん縛っておきましょうか?

ミシリッ・・・・・・ん?

「はーい?そこまでよ?ティファちゃん?」

振り向きたくはなかったんですけど。見ざるを得ないですね。あーーアイラさん。捕まっちゃってますぅ。
やっぱり刺客。一人では無かったんですね?

「ティ、ティファ・・・」

「大人しく捕まりなさい?可愛いお嬢さんの首が胴体から離れちゃうわよ?」

「だ、駄目ですわ、ティファ」

はぁ。しょうがないですね。
出来ればもう二度と会いたくなかったんですけど。

「ベロニカ。無駄な抵抗はやめなさい?邪魔をしなければ見逃してあげるわよ?」

「ベロニカ。大丈夫ですよ?言う通りにして下さい」

何故か私めっちゃ睨まれてます!
ベロニカそんな顔ばかりしてると顔が皺だらけになっちゃいますよ?
でもベロニカを見逃してくれそうで何よりです。

それにしても、結構私、粘りましたよね?
あのキチガイ王子から随分長い間離れる事が出来ました!

「本当に忌々しい。手を煩わせやがって」

氷冷庫に、まだ沢山の食材が残ってるんですけど、私が居なくなって大丈夫でしょうか?また、使い切らず捨てたりしないでしょうか?心配はつきませんが。

ガンッ!

「ティ・・・・・・!」

皆さん。どうか無事に帰って来てくださいね。
私、ここに来て毎日とっても楽しかったですよ?

だって。

「あーーーティファ!お腹すいたぁ。今日のご飯何?」

私ここに来て夢が叶いましたからね?
・・・・・・・・とても満足です!
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