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第一章
後日談エピソード3
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「戻って来るんですか?あの愚か者が」
「お前そんなハッキリ言うな。仮にもお前の血の繋がった兄だろう?」
「てっきり向こうで殺されたのかと思っていましたが。しかし、どうするおつもりで?」
お初にお目にかかる。
私はカスバール国第2王子のリディ。
あのトチ狂ったナシェスの弟だ。認め難いがな。
「どうするもこうするも。予定通りアイツに後を継がせる。生きて帰って来るのであればな」
どいつもこいつも愚か者ばかりだと思わないか?
あんな奴にこの国を任せたら、たちまち滅びてしまうだろう。陛下もどうかしている。
「あちらで大分矯正されたようだから、まぁ、多少は扱い易くなるだろう。アイツはあの性格さえどうにかすれば優秀なんだ。何故あんな馬鹿に育ったのだろう?」
貴方の所為ですよ、間違いなく。
散々甘やかして持ち上げて勘違いさせて。
あの人が母親似で可愛かったんでしょうが全ての元凶は貴方です。
土下座して謝罪して下さい。無様なものを皆に晒した謝罪を!
「こんな事なら、ティファを見つけるんじゃなかったですね。まさか彼女がデズロ様の実の娘だったとは」
なんて運が悪いのか。
一目見て彼女の才能を見出し騎士にしたのは私だ。
まさか、ティファをあの変態が気に入るなどとは、思いもしなかった。あらゆる手段を使って妨害したが、とうとう彼女は我慢出来なくなり逃げだした。
「彼の魔力は僅かだがこちらにも流れている。それを止められなかっただけマシだったな」
そうなのだ。
デズロは元々カスバール国の人間だった。
そしてこの宮廷の魔術師だったが、当時揉めて国外追放となっている。
だが、彼は手放してはならない存在だった。
彼がいなくなった途端この国はまともに機能しなくなっていった。当時はまだ分からなかったが彼の魔力はこの土地に大きな影響を与えていたのだ。
そもそも隣の国との戦争も毎回デズロ様をこちらに連れ戻す為のものだ。
現在、彼の代わりに成り得る存在はこちらの国にはいないのだ。
「デズロ様も相当お怒りのようですし、彼を連れ戻すのは諦めますか?」
「だから奴を王にするのだ。私はもう諦めた」
今、この男、なんて言ったんだろうな?
私の聞き間違いだろうか?
「諦めるのなら私にください。兄ではなく私に」
「・・・・いいのか?お前に後始末をさせる事になるが」
どいつもこいつも頭の中が空っぽなのか?
それならその南瓜頭に挽肉目一杯詰め込んでやろうか?
ん?何故か美味そうな表現になってしまったな?
「構いませんよ。その代わり兄は隔離してください。」
「そうか。すまないな、リディ」
パタン
「・・・・・・・」
概ね計画通りだな。
早急に父から王位を継いでこの事態を何とかしなければいけない。ここがギリギリのラインだ。
そしてデズロ様の代わりを探さなければならない。
「きゃん!!」
「・・・・・・ん?」
なんだこの娘は?何処から現れた?
「イタタタ・・・・ハッ!!」
ん?この顔は、確か先日ここへ連れて来たティファの妹では?何故こんな所に?
「あ、あの。出口はどこでしょう?私、迷ってしまって」
ん?まさかコイツ。
「お前の実家はもう人が住める場所ではなくなったぞ?何処へ帰るつもりだ?」
しかしデズロ様もいくらお怒りだからと言って自分の兄弟の山に風穴を開けてしまうとは・・・・。容赦ないな。
「えぅ・・・そんなぁ・・・・」
おい、待て。お前まさかここで泣くつもりじゃないだろうな?
「私の研究室・・・長年大事に育てた薬草たちがぁ」
待て待てここでは本当にまずい!まだ陛下が部屋にいるんだ!
「びぇー・・・・・むぐぅ?!」
ええい!本当にティファなど見つけるんじゃなかった!!面倒この上ない。どうして私が全ての後始末をしなければいけないんだ!とにかく何処かの部屋へ入るぞ!もうここでいい!
「な、何するんですか!!い、いきなり口を塞いだりして」
「近くに陛下が居たんだ。あんな所で泣いたら大騒ぎになるだろう。もっと考えて行動しろ」
それにしてもコイツ、当たり前だがティファに全然似てないな?
背も低く色白でモヤシみたいにヒョロヒョロだ。
「こ、この部屋なんです?なんか凄く変な感じが」
「お前も少しは魔力があるんだな?この部屋は魔力を貯めるクリスタルが置いてある。お前達が暮らしていくのに必要なものだ」
デズロ様が作ったこの魔力の貯蔵庫も底を尽きそうだ。
これをせめてもう少し増やさないと大変な事になる。
「へ、へぇ。人がここに魔力を貯めるんですか?」
「そうだ。だが、魔力があっても向き不向きがあってな。
誰でもここに魔力を注げるわけではない」
あの変態野郎が帰って来る前になんとしても地盤だけでも固めておかなければ、無駄に人を惹きつける力だけはあるからなあの変態。ん?
「へぇ?中も見えるんですねぇ?」
「おい!勝手に触るな!」
「え?」
ブォン!
そう、私は運が良いのか悪いのか。
何故かいつも見つけてしまうんだ。
「え?え?なんですかコレェェェ!!手が離れませぇん!」
よりにもよって、デズロ様の代わりになるのがティファの義理の妹などとは、思いもしないだろう?
「呪われてるのだな。私は」
とりあえず、干からびる前にあの娘をはがさねば。
さて、どうやって説得するかな、コレ。
「お前そんなハッキリ言うな。仮にもお前の血の繋がった兄だろう?」
「てっきり向こうで殺されたのかと思っていましたが。しかし、どうするおつもりで?」
お初にお目にかかる。
私はカスバール国第2王子のリディ。
あのトチ狂ったナシェスの弟だ。認め難いがな。
「どうするもこうするも。予定通りアイツに後を継がせる。生きて帰って来るのであればな」
どいつもこいつも愚か者ばかりだと思わないか?
あんな奴にこの国を任せたら、たちまち滅びてしまうだろう。陛下もどうかしている。
「あちらで大分矯正されたようだから、まぁ、多少は扱い易くなるだろう。アイツはあの性格さえどうにかすれば優秀なんだ。何故あんな馬鹿に育ったのだろう?」
貴方の所為ですよ、間違いなく。
散々甘やかして持ち上げて勘違いさせて。
あの人が母親似で可愛かったんでしょうが全ての元凶は貴方です。
土下座して謝罪して下さい。無様なものを皆に晒した謝罪を!
「こんな事なら、ティファを見つけるんじゃなかったですね。まさか彼女がデズロ様の実の娘だったとは」
なんて運が悪いのか。
一目見て彼女の才能を見出し騎士にしたのは私だ。
まさか、ティファをあの変態が気に入るなどとは、思いもしなかった。あらゆる手段を使って妨害したが、とうとう彼女は我慢出来なくなり逃げだした。
「彼の魔力は僅かだがこちらにも流れている。それを止められなかっただけマシだったな」
そうなのだ。
デズロは元々カスバール国の人間だった。
そしてこの宮廷の魔術師だったが、当時揉めて国外追放となっている。
だが、彼は手放してはならない存在だった。
彼がいなくなった途端この国はまともに機能しなくなっていった。当時はまだ分からなかったが彼の魔力はこの土地に大きな影響を与えていたのだ。
そもそも隣の国との戦争も毎回デズロ様をこちらに連れ戻す為のものだ。
現在、彼の代わりに成り得る存在はこちらの国にはいないのだ。
「デズロ様も相当お怒りのようですし、彼を連れ戻すのは諦めますか?」
「だから奴を王にするのだ。私はもう諦めた」
今、この男、なんて言ったんだろうな?
私の聞き間違いだろうか?
「諦めるのなら私にください。兄ではなく私に」
「・・・・いいのか?お前に後始末をさせる事になるが」
どいつもこいつも頭の中が空っぽなのか?
それならその南瓜頭に挽肉目一杯詰め込んでやろうか?
ん?何故か美味そうな表現になってしまったな?
「構いませんよ。その代わり兄は隔離してください。」
「そうか。すまないな、リディ」
パタン
「・・・・・・・」
概ね計画通りだな。
早急に父から王位を継いでこの事態を何とかしなければいけない。ここがギリギリのラインだ。
そしてデズロ様の代わりを探さなければならない。
「きゃん!!」
「・・・・・・ん?」
なんだこの娘は?何処から現れた?
「イタタタ・・・・ハッ!!」
ん?この顔は、確か先日ここへ連れて来たティファの妹では?何故こんな所に?
「あ、あの。出口はどこでしょう?私、迷ってしまって」
ん?まさかコイツ。
「お前の実家はもう人が住める場所ではなくなったぞ?何処へ帰るつもりだ?」
しかしデズロ様もいくらお怒りだからと言って自分の兄弟の山に風穴を開けてしまうとは・・・・。容赦ないな。
「えぅ・・・そんなぁ・・・・」
おい、待て。お前まさかここで泣くつもりじゃないだろうな?
「私の研究室・・・長年大事に育てた薬草たちがぁ」
待て待てここでは本当にまずい!まだ陛下が部屋にいるんだ!
「びぇー・・・・・むぐぅ?!」
ええい!本当にティファなど見つけるんじゃなかった!!面倒この上ない。どうして私が全ての後始末をしなければいけないんだ!とにかく何処かの部屋へ入るぞ!もうここでいい!
「な、何するんですか!!い、いきなり口を塞いだりして」
「近くに陛下が居たんだ。あんな所で泣いたら大騒ぎになるだろう。もっと考えて行動しろ」
それにしてもコイツ、当たり前だがティファに全然似てないな?
背も低く色白でモヤシみたいにヒョロヒョロだ。
「こ、この部屋なんです?なんか凄く変な感じが」
「お前も少しは魔力があるんだな?この部屋は魔力を貯めるクリスタルが置いてある。お前達が暮らしていくのに必要なものだ」
デズロ様が作ったこの魔力の貯蔵庫も底を尽きそうだ。
これをせめてもう少し増やさないと大変な事になる。
「へ、へぇ。人がここに魔力を貯めるんですか?」
「そうだ。だが、魔力があっても向き不向きがあってな。
誰でもここに魔力を注げるわけではない」
あの変態野郎が帰って来る前になんとしても地盤だけでも固めておかなければ、無駄に人を惹きつける力だけはあるからなあの変態。ん?
「へぇ?中も見えるんですねぇ?」
「おい!勝手に触るな!」
「え?」
ブォン!
そう、私は運が良いのか悪いのか。
何故かいつも見つけてしまうんだ。
「え?え?なんですかコレェェェ!!手が離れませぇん!」
よりにもよって、デズロ様の代わりになるのがティファの義理の妹などとは、思いもしないだろう?
「呪われてるのだな。私は」
とりあえず、干からびる前にあの娘をはがさねば。
さて、どうやって説得するかな、コレ。
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