最強騎士は料理が作りたい

菁 犬兎

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第二章

ティファはササラを助けたい

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「なんて瘴気が濃いの。最悪だわ」

「それだけ沢山の人間が犠牲になっている可能性がありますね。入り口には居ないので少し先に進みますよ?」

さて、困りました。
やはりセラさん動いちゃってましたね。
進んだ先で倒れちゃってる可能性大です。

「ティファ。下に宝石が落ちてるわ」

「セラさんですね。ナイスです!途中までこれで追えます。行きましょう」

ビリビリーーッ
スカートだと動き難いので少し破いておきましょう。
勿体無いですが、事情を話してデズロさんあたりに甘えたら新しいのくれるかもしれないです!ササラさんが言ってました!早速帰ったら試してみます!!テヘ?

「きゃあああああああああああ!!!」

「!!」

「行きますよ!ベロニカ!!」

確かにセラさんの声でした!良かった一応まだ生きていたようです!そうと分かればサッサと退散・・・・・。

「ティ、ティファ・・・あれ・・・・」

「あーーーーーーっ」

まずいです。
これはひょっとして、私達大ピンチかも知れません。
何故、ですか?今セラさんを掴みあげてるこの魔物、危険度MAXレベルの魔物なんです。

まず、まともに剣が通りません。皮膚が馬鹿みたいに丈夫なんです。そして魔法もピンポイントで当てられないと弾かれます。そして勿論、力も強いですし、スピードも速いです。体は無駄にでかい癖にぃ。

「ベロニカ。私が注意を引きつけて、セラさんを解放したら、おぶって入り口に向かって下さい」

「・・・・わかったわ」

ハイトさん。お借りした剣、欠けちゃったらごめんなさい。後でちゃんと弁償しますので。

(ティファ、敵を前にしたら迷うな。お前は狩人。敵を狩れ)

はい!族長!!私、迷いません!!

「はぁああああああああああ!!!」

「ガァアア!」

たとえどんなに硬い皮膚だとしても同じ場所を攻撃し続ければ綻びが生じます!狙うは一箇所!その腕のみ!

ガキィイイイン!

「ベロニカ!!」

「わかってる!!」

思ったより早くセラさんを離して下さいました!!助かります!!後はもっと注意を引きつけて、二人に逃げ道を与えないと。セラさんひどい怪我はなさそうですが、もう限界を超えている筈。

「ティファ!!横!」

「ーーーーっ!!」

おっと危ないー!ちょっと爪が肩に当たっちゃったじゃないですか~?もーう。上着も替えを所望しましょう。

「グルルルルルル!」

「そう。こっちですよ?貴方の獲物は私です」

どうでしょう。私この子倒せますかね?
カスバールでは一度も倒せず何度も諦めました。
そもそも助ける相手が手遅れでしたし。でも、今回は諦める訳にはいきませんね?とりあえず、二人が出口まで辿り着くまでは。

「す、すご、い。あれが、ティファ、様?」

「セラ嬢?良かった。まだちゃんと自我が保ててるわね?さぁ逃げるわよ」

「え?で、でも。ティファ様・・・・」

ガキィーーーーーン!!
硬っ!!硬い!でも、着実にヒビが入ってますね?
この調子で・・・・・。

(人殺し)

「ーーーーーーーー!?」

メリッ

「え?」

あ。しまった。
モロに攻撃もらっちゃいました。
これは、骨が数本折れましたね?

「ベロニカ!!!走って!!」

「待っ、て。ベロニカ、さま」

「行くわよ!セラ嬢!舌噛まないでね!」

流石です!ベロニカなら私の希望通り動いてくれると信じてました!だってあの子には散々仕込みましたからね?
命の、優先順位。

「げほっ!」

ありゃ?内臓いっちゃってます?
でも、まだ大丈夫。まだ生きてますよ?
まだ、足止め出来ますから!!

(ティファ。どんな生き物にも弱点が必ずある。それを見極める目を持て。そして、どんな窮地でも冷静であれ。お前は、そうでなければならない。なぜかわかるか?)

次の攻撃で最後。
刺し違えてでも・・・・。

「ーーっティファ!」

「!!ササラさん!?」

なんで?駄目です!!そのタイミングでは!

「ガァアアアアアアアアアアア!!」

「はぁあああああ!!」

ザシュ。
・・・・・・・・・ドサッ。

「ハア、ハア、ハア・・・・ゲホゲホ」

・・・・何で?何でササラさんがいきなり目の前に?

「サ、ササラ、さん?どう、して、ここに?」

「・・・ティ、ファ・・・怪我を、してる、ね?こっちに、おいで?」

いや、そうじゃなくてですね?
魔物は今の隙を見て何とか倒しましたが、ササラさん致命傷受けましたよね?これ助かるんでしょうか?

「しゃ、べらないで、下さい。傷から血が」

「大丈夫、ティファ。先に、行って、助けを呼んで来てくれないかい?」

え?嫌です。絶対嫌です。お断りします。断固拒否。

「私、とても力持ちなので、抱えて行けます。回復魔法で少し楽になりました」

嘘です。この中魔法はまともに使えません。実証済みなんです。でも、知らないフリしますから。

「そう?良かった。じゃあ、そのまま、一人で歩いて行きなさい。入り口でデズロ様が待ってるからね?」

なんでしょう。前にもこんな事、あった気がします。
ちゃんと思い出せませんが、今ここに一人置いて行ったら二度と会えない気がします。

それは駄目です。だってこの人ギャドさんの親友で、私の、義理兄ですよね?どうしよう。

「嫌です。ベロニカが、入り口に、辿りついている筈、ですから、私は、ササラさん、といます」

「・・・・・ティファ?」

「どうして、こんな、危険な事。ササラさんに、何かあったら、悲しむ人が、沢山います」

あ、駄目です。目から水が。何故?

「君が、それを言う、んだねぇ?君、は、皆、がどんな気持ちで、君を待ってるのか、わかってないんだね?」

ササラさん。あまり喋らない方がいいです。
さっきから全く血が止まりません。私、魔力はあっても魔法使えないんです!出来ない子ですみません。

「君が、死んだら、あの人が、悲しむ。刺し違え、ようなんて・・・二度と、思っては、いけない・・・・」

ササラさん?ササラさん!!
ど、ど、ど、どうしましょう!!
本当に死んじゃいそうです!でも、でもーーー!!

[そこのお嬢さん?お困りかな?]

「え?誰です?」

[その御仁と一緒にここを脱出、出来ればいいのかい?もし宜しければ、私が出口をここに作ってあげよう。その代わり私のお願いを聞いてくれたら、ですがね?]

えーーーと。・・・・・・すみません。
今物凄い重低音の、例えるならダンディで紳士な雰囲気の声音で話しかけられたのですが?その発信源がこの小さな生き物で間違いないでしょうか?

「えっと、お願いとは?」

[簡単な事です。私が無事大人になるまで、私を守って頂きたい。私一人では故郷に帰れないのでね?]

「あ、いいですよ?じゃあ出口下さい」

[約束だよ?では]

なんかよくわかりませんがラッキー!
きっとこの子も異空間に吸い込まれて困ってたんですね?
助け合い精神大事です!あ、安心したら、なんだか、お腹が空いて・・・・。バタン、キュー!
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