最強騎士は料理が作りたい

菁 犬兎

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第二章

デズロはティファを見つけたい

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「おーーい!デズロ!」

ありゃ?僕にこんな口利く人間はあの子しかいないねぇ?

「何?ラット。エリスもいるの?」

「ああ、さっきササラに会ってよ?連れてかれた」

あちゃー。目を離した隙にやられたね。まぁ、いっか?
もしかしたら少しくらい心境の変化があるかもしれないしね?それよりもラットは何の用なのかな?遊びに来た?

「あとティファから伝言。デズロの本当の娘を見つけたから迎えに行って来るってよ?アンタ一体ティファにどんな話し方したんだ?」

・・・・・はい?
ごめんラット。僕君の言ってる事理解出来てない。
ティファが僕の本当の娘を見つけた?え?どゆこと?

「何でも、心当たりがある人間がいたらしい。って事はカスバールに行くって事か?よくわかんねぇな?」

ちょっと冗談はやめてよティファ!!
何であの話でそんな展開に?流石僕の娘!奇想天外すぎる!!

「あ!デズロ様!いたいたー!」

「セルシス。僕今忙しいからまた後で」

「あ、そう?俺今日から帝位を継いでこの国の皇帝になったから宜しく!じゃ!」

「ちょっと待とうか?僕大混乱なんだけど?今日?」

エルハドさん?
僕、何も聞いてないんだけどな?そういえば今日、エルハド見てないけど何処?ハッ!

「ーーーーちょっ!エルハドは!!」

「俺に冠渡した瞬間、光輝かんばかりの笑顔で出てった!いや~外に出たかったんだね?お父様」

「ちょっとーー!!ナニソレェ!何で僕を置いてくの!」

酷いよ!遊びに行くなら僕も連れて行こうよ!と、いうかアイツの暴走誰が止めるの?あ、いや、今はそれどころじゃ・・・・・ふんぬぅーん!!ピコーン!

「よし!僕エルハゲ追いかける!」

「デズロ。名前間違えてっぞ?」

「大丈夫、この人わざとだから」

「あ、そうなん?えーと、新しい皇帝様?」

こうなったら速攻でエルハドと合流してティファを回収しよう!!そうしよう!!そうと決まればシュワッチ!!

「デズロ様!!窓から飛び降りないで下さいって何度も申し上げておるでしょうがーーー!!コラーー!!」

「・・・・あーあ。まんまとティファに嵌められたな」

「え?何それ?面白そうだから俺にも教えてよ?」

「はは!それが・・・・・」



えーと?エルハドに付けてるマーキングは何処かなぁ?
あ、見っけ!アレ?そっちは西の国境付近じゃない?
何やってんの?そんな所で。

「なんだ、もう終わりか?歯応えのない」

「ひゃ、ひゃすけへ・・・」

「エルハド様。もうその位で。殺したらコイツらを操ってた奴が分からなくなってしまいますから」

「つまらんなぁ。私も魔物と戦いたかった」

若い子達の仕事、奪うのやめてあげたら?
君が動くと必ず足元に血溜まりが出来るんだから汚くてしょうがないよ。僕平和主義者だからそういうのは勘弁して下さい。え?そんな訳ないだろって?本当だよ?
前回だってちょっと山に穴開けただけで許してあげたでしょ?僕って本当に、凄く優しいよね?

「エルハゲーー!!抜け駆けはズルいぞー!」

「誰がハゲだアホウ!!寧ろお前がハゲてしまえ!!」

ナイスキャッチ!流石エルハドわかってるぅ。
あの速度で落ちてきた僕を軽々とキャッチ出来るのは君ぐらいしかいないと思うよ?

「・・・・・お二人とも、無駄に元気ですね?デズロ様はササラ様の一件で少しやつれていたと伺ってましたが?」

「え?何それ?僕はいつでも絶・好・調!お肌ツルツルだよ?」

「いや、そうではなく。・・・それで?デズロ様もコイツらをつけて来たんですか?」

ベロニカは本当に表情筋が動かないね?
君はもっと笑った方がいいよ?その方がティファも喜ぶしね?ん?つけてきた?

「・・・・・・エルハドさん?」

「いや。偶々見かけたんだ、偶然な?城を飛び出したら目の前にいたから、ついな?」

ついな?じゃないよ。
君ね?どんだけ我慢してたの?
まぁ気持ちは痛い程わかるけど?

「ふぅん?じゃあコイツらを取り敢えず街まで運ぼうか?あ!後さぁ?ティファがまた変な暴走スイッチ入っちゃったみたいでさぁ?」

ベロニカも縛るの手伝ってくれるの?ありがとうね?
もうコイツら血まみれで顔もよくわからないんだけど?
エルハドはしゃぎ過ぎだよ!うわーベタベター!

「僕の娘を見つけたから迎えに行くって言ってたらしいんだけど、どういうことだろうね?」

「なんだそれは?お前の実の娘はティファだろう?」

「え?じゃあ・・・」

何だろう。物凄い目つきでベロニカに睨まれてるんだけど?なんでかな?僕君に何かしたかな?

「・・・・・・なるほどね。じゃあ、ティファにはその事言ってないのね?最低」

グサリ。
こんな若い子にまた怒られちゃった。
これがティファだったと想像したら大ダメージ受けちゃったよ。しょんぼり。

「ティファ。本当に貴方の娘を連れて来るつもりらしいわよ?早く迎えに行かないとカスバールに入ってしまうかも。ここは私がやっておくのでサッサと行って下さい。あ、エルハド様もデズロ様から離れないで下さいね?お二人ともこの国の重要人物には変わりないんですから」

そんな冷たい目で僕達を見ないでよ?
はい。駄目な大人でスミマセン。でも反省はしない。
だって、その方が楽しいし面白いから!

久々にエルハドの走る姿見たけど、なんかスピード早くなってない?怖いよ?普通年取って少しは体力落ちるでしょ?何で年々ギャド化してるの?まさか変な薬服用してないよね?僕心配。

「わっ!え?陛下?」

「あ、フィクス?ティファ見なかった?」

「いえ、皆、今はベロニカを探していて・・・」

何それ。ほんの数分前一緒にいたけど?
皆んなで探し合いっこしてるの?新しい遊び?

「ベロニカはこの先の国境沿いの林の中にいる。捕らえた罪人を見張っているが?」

「ありがとうございます!ティファに会ったらベロニカを見つけたと伝えてもらえますか?」

「いいよー!じゃあ急いでるから!あ、ついでに罪人引き渡しておいてねー?」

それにしてもフィクス顔色悪かったねぇ?エルハドの事も驚かなかったし。それどころじゃない感じだったような?
あ、もしかして皆気付いたのかな?

「アレはベロニカの事、知ったのではないか?しかし、一体どうやって知ったんだ?その事は私とお前しか知らんだろう?」

本人が誰にも言うなって言ってたからねぇ?
それに、言ってもどうにもならない事だしねぇ?

「ティファ泣くかなぁ?こればかりは、僕にはどうにも出来ないからなぁ」

今回のことで治療魔法がどれ程難しいか身に染みてわかったからね。まぁ、少しは、あいつの事を認めてやらんでもない。

「テゼールなら、何とか出来たかも知れないがな」

ちょっと?その名前出さないでくれる?ティファが聞いたらビックリするでしょ?それに、ティファが僕じゃなくてアイツを頼るのは、なんかヤダ!!むかつく!!

「お前もう大人なんだから、もう少し大人を装え」

「無理!僕一生子供だから!!」

早くティファに会おう!そしてティファに癒されよう!
あーーアイツの顔思い出しちゃったじゃん!オゲェ!
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