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第三章
ギャドは言い出せない
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「すまねぇな。でも、あの状態じゃ話にならないんでな?あと、言葉使いが悪いが許してくれ。どうも丁寧に話すの苦手なんだ」
「構わない。こちらもいきなり来て怒鳴ってしまって申し訳なかった」
「サウジスカルに入国する迄に色々ありまして、ティファの顔を見た瞬間気が緩んでしまったのね?ごめんなさい」
・・・・なんだろう。
話してみると、ティファがあそこまで拒絶する程、話が通じない相手には思えないんだが。
確かに父親の方は一方的に怒ってはいたが。
「それで、ティファに会ってどうするつもりなんだ?連れて帰りたいのか?」
なんだ?微妙な顔だな?もしかして連れて帰りたい訳じゃないのか?
「・・・いや、実は。そもそもティファが家を出て兵士になると言い出した時、私はティファの言葉を真に受けず、流してしまったんだ。また思いつきで言っているのだと」
「しかもあの子、それを出て行く直前にテゼールだけに伝え、そのまま家を出て行ってしまったんです。本気だったと気付いた時には手遅れで・・・私達は訳あって宮廷には近づけないので、結局そのままティファを連れ戻すことが出来ませんでした」
・・・・何だそれ。盛大なすれ違いだな?
それで、そのままティファは最強騎士になっちまったって?そりゃ、大変だったろうな?
「・・・・ティファが姿を消し、それを調べる内に、サウジスカルに囚われ、ナシェス皇子がティファを取り返そうとしているという情報を掴み、私達はカスバールを旅立ちました。しかし、こちらの国に入国するのは、中々簡単ではなく」
「そりゃそうだな。しかも、タイミングが悪い。戦争中に敵国に入国なんて出来ねぇからな?それで、和平が結ばれて、やっとこちらに来たと?」
「はい。しかし、あの様子。きっとあの子は私達と一緒に帰りはしないでしょうね。デズロの養子になったと言ってましたし。帰りましょうか?」
「・・・・いや、しかし」
おいおい。せめて仲直りぐらいして行けよ。
「まぁ来たばかりなんだし?ティファも見つかったんだからゆっくりして行けよ。もしかしたらデズロ様達も帰って来るかも知れないし」
お、ナイスフォローヨシュア!
そうだよ!デズロ様この弟を探して来るって言ってたな。
「そういえば、何故アイツはカスバールに?アイツはエルハドの許可が無ければ、この国から出れない筈だが?」
「え?テゼールさんエルハド様のこと知ってんのか?」
「ああ。あの人の事は子供の頃から知っている。よく、こちらの国にお忍びでやって来ては、デズロと好き勝手に暴れていたからな」
え?あの二人ってそんな昔からの付き合いなのか?
じゃあ親友だってのも強ち間違ってないんだな?俺絶対エルハド様が振り回されてるだけだと思ってたわ。
「実はアンタの娘さん、メリルだっけか?その子がティファ用に作った秘薬をティファが死にそうになった別の人間に使っちまったみたいで、その子が今、その副作用か何かで死にそうなんだよ。だから、メリルに会いに行ってる。あとアンタも探しに行ったみたいなんだけど・・・・」
「なんだって?全く!その秘薬を使った子は?ここにいるのか?」
「ああ、居るけど。診てくれんのか?」
「そうだな。薬はメリルが作ったから本人にその配合を聞かないと、どうにもならないが。治せるものかどうかはわかるかもしれん」
そりゃ助かる!最近益々ベロニカの顔色が優れないからな。フィクス、心配であまり眠れてないみたいだったしな。
「え?何?なんなの?今日の処置は終わったって・・・」
「私達は薬師だ。少しだけ君の体を診せてもらいたい」
「テゼール、私が薬を配合するから、配合式を」
そういや、俺達の国には薬師ってあまりいねぇよな?
直接魔法で治すか薬草を自分で調合する奴はいるけど、本格的に魔法と薬を調合できる奴なんて殆どいねぇよ。
だから、どうやって作られるのか始めて見るかもな。
「少しおでこに触れるぞ。体に変化が起こっても気にするな。私の魔力が少し君の中を通るだけだ」
「え、ええ」
フォン!
お?なんだあの白いオーラみたいなの。みるみる内にベロニカの体を覆っていくな?ん?あれは、何かの文字?
「・・・・流石メリル。よくまぁこんな物作り出したわね。テゼール、もういいわ」
「なんか、紙にビッシリ書き込んでたけど、これは?」
「この子の体の中にある薬の成分と足りない成分を書き出して、不必要な薬をどうやって中和させるかを私達が考える。これは難解ね。やはり、メリルが直接作らないと駄目だわ。ただ、完全には治せなくても生活に支障がない程度であれば私達でもなんとかなりそうね?ここに地下室はある?」
「有ります。何故ですか?」
「薬を作るなら地下がいいからよ。今すぐコレを作るわ。用意して!」
おお?なんだ?さっきまで大人しかったのに急にきびきび動き出したぞ?別人みたいだな?どういう事だ?
「すまない。マリオーネは、仕事の事になると人が変わるんだ。その、周りが見えなくなる」
「テゼール!!貴方は薬が出来上がるまで、その子の体に組み込まれてるヘンテコな薬の羅列式を元に戻しておいて!それじゃ明日にでも死んじゃうわよ?」
え!?やっぱりそうだったのか?うちの国の医療班よ?もっと頑張れよ。
「あの?まさか貴方達は、ティファの?」
「うちの娘の所為で迷惑をかけた様だな?暫くは君の体をまともに戻す手伝いをさせてもらう」
それにしてもハイトとティファ、降りて来ねぇな?
そろそろ晩御飯の時間だし、ベロニカをダシにしてティファになんとか厨房に向かってもらわないとな。
明日速攻でササラの所に行かないと。
解決しないといけない問題がいくつかあるんだよなぁ。
とりあえず。デズロ様がこの人達の村の山に穴を開けた事いつ伝えたらいいのか、俺は今とても悩んでいる。
「構わない。こちらもいきなり来て怒鳴ってしまって申し訳なかった」
「サウジスカルに入国する迄に色々ありまして、ティファの顔を見た瞬間気が緩んでしまったのね?ごめんなさい」
・・・・なんだろう。
話してみると、ティファがあそこまで拒絶する程、話が通じない相手には思えないんだが。
確かに父親の方は一方的に怒ってはいたが。
「それで、ティファに会ってどうするつもりなんだ?連れて帰りたいのか?」
なんだ?微妙な顔だな?もしかして連れて帰りたい訳じゃないのか?
「・・・いや、実は。そもそもティファが家を出て兵士になると言い出した時、私はティファの言葉を真に受けず、流してしまったんだ。また思いつきで言っているのだと」
「しかもあの子、それを出て行く直前にテゼールだけに伝え、そのまま家を出て行ってしまったんです。本気だったと気付いた時には手遅れで・・・私達は訳あって宮廷には近づけないので、結局そのままティファを連れ戻すことが出来ませんでした」
・・・・何だそれ。盛大なすれ違いだな?
それで、そのままティファは最強騎士になっちまったって?そりゃ、大変だったろうな?
「・・・・ティファが姿を消し、それを調べる内に、サウジスカルに囚われ、ナシェス皇子がティファを取り返そうとしているという情報を掴み、私達はカスバールを旅立ちました。しかし、こちらの国に入国するのは、中々簡単ではなく」
「そりゃそうだな。しかも、タイミングが悪い。戦争中に敵国に入国なんて出来ねぇからな?それで、和平が結ばれて、やっとこちらに来たと?」
「はい。しかし、あの様子。きっとあの子は私達と一緒に帰りはしないでしょうね。デズロの養子になったと言ってましたし。帰りましょうか?」
「・・・・いや、しかし」
おいおい。せめて仲直りぐらいして行けよ。
「まぁ来たばかりなんだし?ティファも見つかったんだからゆっくりして行けよ。もしかしたらデズロ様達も帰って来るかも知れないし」
お、ナイスフォローヨシュア!
そうだよ!デズロ様この弟を探して来るって言ってたな。
「そういえば、何故アイツはカスバールに?アイツはエルハドの許可が無ければ、この国から出れない筈だが?」
「え?テゼールさんエルハド様のこと知ってんのか?」
「ああ。あの人の事は子供の頃から知っている。よく、こちらの国にお忍びでやって来ては、デズロと好き勝手に暴れていたからな」
え?あの二人ってそんな昔からの付き合いなのか?
じゃあ親友だってのも強ち間違ってないんだな?俺絶対エルハド様が振り回されてるだけだと思ってたわ。
「実はアンタの娘さん、メリルだっけか?その子がティファ用に作った秘薬をティファが死にそうになった別の人間に使っちまったみたいで、その子が今、その副作用か何かで死にそうなんだよ。だから、メリルに会いに行ってる。あとアンタも探しに行ったみたいなんだけど・・・・」
「なんだって?全く!その秘薬を使った子は?ここにいるのか?」
「ああ、居るけど。診てくれんのか?」
「そうだな。薬はメリルが作ったから本人にその配合を聞かないと、どうにもならないが。治せるものかどうかはわかるかもしれん」
そりゃ助かる!最近益々ベロニカの顔色が優れないからな。フィクス、心配であまり眠れてないみたいだったしな。
「え?何?なんなの?今日の処置は終わったって・・・」
「私達は薬師だ。少しだけ君の体を診せてもらいたい」
「テゼール、私が薬を配合するから、配合式を」
そういや、俺達の国には薬師ってあまりいねぇよな?
直接魔法で治すか薬草を自分で調合する奴はいるけど、本格的に魔法と薬を調合できる奴なんて殆どいねぇよ。
だから、どうやって作られるのか始めて見るかもな。
「少しおでこに触れるぞ。体に変化が起こっても気にするな。私の魔力が少し君の中を通るだけだ」
「え、ええ」
フォン!
お?なんだあの白いオーラみたいなの。みるみる内にベロニカの体を覆っていくな?ん?あれは、何かの文字?
「・・・・流石メリル。よくまぁこんな物作り出したわね。テゼール、もういいわ」
「なんか、紙にビッシリ書き込んでたけど、これは?」
「この子の体の中にある薬の成分と足りない成分を書き出して、不必要な薬をどうやって中和させるかを私達が考える。これは難解ね。やはり、メリルが直接作らないと駄目だわ。ただ、完全には治せなくても生活に支障がない程度であれば私達でもなんとかなりそうね?ここに地下室はある?」
「有ります。何故ですか?」
「薬を作るなら地下がいいからよ。今すぐコレを作るわ。用意して!」
おお?なんだ?さっきまで大人しかったのに急にきびきび動き出したぞ?別人みたいだな?どういう事だ?
「すまない。マリオーネは、仕事の事になると人が変わるんだ。その、周りが見えなくなる」
「テゼール!!貴方は薬が出来上がるまで、その子の体に組み込まれてるヘンテコな薬の羅列式を元に戻しておいて!それじゃ明日にでも死んじゃうわよ?」
え!?やっぱりそうだったのか?うちの国の医療班よ?もっと頑張れよ。
「あの?まさか貴方達は、ティファの?」
「うちの娘の所為で迷惑をかけた様だな?暫くは君の体をまともに戻す手伝いをさせてもらう」
それにしてもハイトとティファ、降りて来ねぇな?
そろそろ晩御飯の時間だし、ベロニカをダシにしてティファになんとか厨房に向かってもらわないとな。
明日速攻でササラの所に行かないと。
解決しないといけない問題がいくつかあるんだよなぁ。
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