303 / 336
セルドアイベント?2
しおりを挟む
私の不安を肯定するかのように、その時背後の通信機から発信が。
……これ、絶対家族からだよね。うん、多分、きっと間違いないよね。
出、出たくない。でも、このまま無視し続けるのも、それはそれで怖い。
「--ええい、ままよ!」
大きく深呼吸して、受話器をとる。
姉さんか?
母さんか?
それとも、父さんか?
けれど、受話器から聞こえてきた声は、ちょっとだけ意外な人のものだった。
『--すまない。リッカちゃん』
「……ハミルさん?」
家族と言えば家族なんだから、おかしくないけど。うちの家族はみんな、こういう話は直接したい人だから、ハミルさんを挟むのは正直予想していなかった。
『リッカちゃん。……俺は、すでに騎士団は脱退してはいるが。ドラゴンに懐かれやすい体質なので、有事の際は招集を受ける契約を王と交わしているから、今もまだ完全に部外者というわけじゃないんだ』
「え? ……あ、はい。そうですよね」
ドラゴンの様子見に王宮に来てたもんね。そりゃそうか。
『ドラゴンの育成事業に君が関わっていると知ってからは、家族として情報共有させるように要請したし、王からもそのことは承諾を受けている』
「……つ、つまり?」
嫌な予感がする。
とても、続きが聞きたくない。
『つまり--俺は、君の居場所を正確に把握している』
「っ」
『そして、俺はこれ以上、妻に嫌われたくはない。……すまない』
「--リッカ! いるんでしょう! 家から出て来て、この結界から出て来なさい!!!」
……家の外から、姉さんの声がする。
病弱でお淑やかな姉さんには似合わない、怒りに満ちた大声が。
……やばい。姉さんが牧場に来ちゃったよ!?
行きたくない。
切実に行きたくない、けど。
「出て来ないなら、いいわよ! 何時間でも、何十時間でも、ここで待つから!」
「行くよ、姉さん! すぐ、行くから!」
--病弱な姉さんをずっと外に放置なんて、できるはずがない!!
……これ、絶対家族からだよね。うん、多分、きっと間違いないよね。
出、出たくない。でも、このまま無視し続けるのも、それはそれで怖い。
「--ええい、ままよ!」
大きく深呼吸して、受話器をとる。
姉さんか?
母さんか?
それとも、父さんか?
けれど、受話器から聞こえてきた声は、ちょっとだけ意外な人のものだった。
『--すまない。リッカちゃん』
「……ハミルさん?」
家族と言えば家族なんだから、おかしくないけど。うちの家族はみんな、こういう話は直接したい人だから、ハミルさんを挟むのは正直予想していなかった。
『リッカちゃん。……俺は、すでに騎士団は脱退してはいるが。ドラゴンに懐かれやすい体質なので、有事の際は招集を受ける契約を王と交わしているから、今もまだ完全に部外者というわけじゃないんだ』
「え? ……あ、はい。そうですよね」
ドラゴンの様子見に王宮に来てたもんね。そりゃそうか。
『ドラゴンの育成事業に君が関わっていると知ってからは、家族として情報共有させるように要請したし、王からもそのことは承諾を受けている』
「……つ、つまり?」
嫌な予感がする。
とても、続きが聞きたくない。
『つまり--俺は、君の居場所を正確に把握している』
「っ」
『そして、俺はこれ以上、妻に嫌われたくはない。……すまない』
「--リッカ! いるんでしょう! 家から出て来て、この結界から出て来なさい!!!」
……家の外から、姉さんの声がする。
病弱でお淑やかな姉さんには似合わない、怒りに満ちた大声が。
……やばい。姉さんが牧場に来ちゃったよ!?
行きたくない。
切実に行きたくない、けど。
「出て来ないなら、いいわよ! 何時間でも、何十時間でも、ここで待つから!」
「行くよ、姉さん! すぐ、行くから!」
--病弱な姉さんをずっと外に放置なんて、できるはずがない!!
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,455
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる