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セルドアイベント?10

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「……大丈夫です」

 セルドアは私の内心の葛藤を見透かすように、微笑みながらそう言った。

「貴女が打ち明ける秘密がどんなものであろうと、私は信じますし、受け入れます。……かつて貴女が、私のこの瞳に対して、そうしてくれたように」

「っ………」

「だから、リッカ。……リッカも私を信じてください。私が貴女を信じ受け入れることを、どうか信じてください」

 そんな風に言われたら……信じないわけにはいかないじゃないか。

 乾いた唇を舌で舐めて、潤して、まっすぐにセルドアを見据える。
 セルドアは、どこまでも真剣な表情で私を見つめた。

「……セルドアにとっては、とんでもなく荒唐無稽な話だと思うけど」



 それから、私はセルドアに全部打ち明けた。

 前世の記憶があること。
 前世の家族と、家族と過ごした最後の日の出来事。
 セルドアと出会ってから見える謎の選択肢。
 ドラゴンが話した「定めの君」の話。
 前世における「ゲーム」の概念。

 さすがにハートの色に関してだけは言えなかったけど、それ以外は全部事細かに打ち明けた。
 私がセルドアなら、とても信じられないようなことばかりだろうに、セルドアは一度も否定の言葉を口にすることなく、真剣な表情で聞いていた。

「……これで、私の話は全部、です」

 ずっと黙って私の話を聞いてくれていたセルドアが、開口一番なんていうのかが怖くて、思わず目を伏せる。
 今までの反応を見る限り、セルドアは私が傷つくようなことは、けして言わないだろう。
 けれども、本当に私の言うことを全部信じて受け入れてくれるとは、どうしても思えなかった。

 セルドアが大きく息を吐く音が聞こえて、びくりと体が跳ねた。

 い、今のはやっぱりため息? それは、どういうため息?

 けれども、身を硬くする私にかけられたセルドアの言葉は、意外なものだった。

「……もっと早く打ち明けてくださればよかったのに」
 
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