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聖女の日々4
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「……父様。今日大丈夫だった?」
「大丈夫って、何がだ?」
「その……昔の、部下だった人と再会して……」
私の問いかけに、父様は小さく笑った。
「……嬉しかったよ。懐かしい部下が、ディアナに救われる姿がみれて」
「……でも……」
……痛みを感じないはずが、ないと思う。
かつて、生死を共にした仲間が、あんな風に自分を責めている姿を見たのに。
「苦い感情を全く抱かなかったと言えば嘘になるが……そもそもそれは、私が負わないといけない咎なんだ。いつか、その咎と向き合わない時が来ることは
、最初から知っていた。知っていながら、それでも私は、大切な家族と生きるために祖国を捨てる道を選んだんだ。だからこそ、私は今、その結果を受け止める義務がある」
父様は自嘲するようにそう言って、痛みに耐えるかのように目を伏せた。
「ディアナ……ルイス陛下の命令で出向いた、アニリドとの紛争の最前線は、まさに地獄だったよ。あそこは、死と苦痛と恐怖に満ちていて……世界中のどこを探したって、これ以上の地獄なんてないと、当時の私は思っていた」
「…………」
「だけど、ずっと戻りたいと切望し続けた末に、ようやく戻って来られた懐かしい祖国は……あの最前線なんかより、ずっと地獄だった」
父様の視線が、セーヌヴェットの方向へと向けられた。
私達の家がある広大なマーナアルハの森を抜けた先に、かつて父様や母様ーーそして幼い兄様と、「アシュリナ」が生きた、セーヌヴェットの土地が広がっている。
その現状をこの目で直視するには遠く、所詮は他国と割り切るには、あまりに近過ぎる距離だ。
「……セーヌヴェットを今もなお生き続ける国民は……今もまた、あの地獄の中にいるのだな」
「…………」
「ディアナ。……お前には申し訳ないが、これからも【災厄の魔女の呪い】に侵されたセーヌヴェットの民がやって来た時には、ルシトリアの民同様に治癒してやって欲しい。セーヌヴェットに裏切られた記憶を持つお前に、そんなことを頼めた義理ではないのは分かっているが……それでも私は、かつてセーヌヴェットに仕えた騎士として、セーヌヴェットの民を無視することはできないんだ」
「大丈夫って、何がだ?」
「その……昔の、部下だった人と再会して……」
私の問いかけに、父様は小さく笑った。
「……嬉しかったよ。懐かしい部下が、ディアナに救われる姿がみれて」
「……でも……」
……痛みを感じないはずが、ないと思う。
かつて、生死を共にした仲間が、あんな風に自分を責めている姿を見たのに。
「苦い感情を全く抱かなかったと言えば嘘になるが……そもそもそれは、私が負わないといけない咎なんだ。いつか、その咎と向き合わない時が来ることは
、最初から知っていた。知っていながら、それでも私は、大切な家族と生きるために祖国を捨てる道を選んだんだ。だからこそ、私は今、その結果を受け止める義務がある」
父様は自嘲するようにそう言って、痛みに耐えるかのように目を伏せた。
「ディアナ……ルイス陛下の命令で出向いた、アニリドとの紛争の最前線は、まさに地獄だったよ。あそこは、死と苦痛と恐怖に満ちていて……世界中のどこを探したって、これ以上の地獄なんてないと、当時の私は思っていた」
「…………」
「だけど、ずっと戻りたいと切望し続けた末に、ようやく戻って来られた懐かしい祖国は……あの最前線なんかより、ずっと地獄だった」
父様の視線が、セーヌヴェットの方向へと向けられた。
私達の家がある広大なマーナアルハの森を抜けた先に、かつて父様や母様ーーそして幼い兄様と、「アシュリナ」が生きた、セーヌヴェットの土地が広がっている。
その現状をこの目で直視するには遠く、所詮は他国と割り切るには、あまりに近過ぎる距離だ。
「……セーヌヴェットを今もなお生き続ける国民は……今もまた、あの地獄の中にいるのだな」
「…………」
「ディアナ。……お前には申し訳ないが、これからも【災厄の魔女の呪い】に侵されたセーヌヴェットの民がやって来た時には、ルシトリアの民同様に治癒してやって欲しい。セーヌヴェットに裏切られた記憶を持つお前に、そんなことを頼めた義理ではないのは分かっているが……それでも私は、かつてセーヌヴェットに仕えた騎士として、セーヌヴェットの民を無視することはできないんだ」
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