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連載2
対決13
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けれどその槍が、私を貫くことはなかった。
「……どうして、私の【厄】が弾かれるの!?」
驚愕の眼差しで目を見開くユーリアを、冷静に見据える。
「あなたが得意げに話している間に、私が何もしてないと思った? ちゃんと力を練って、対策をしてたんだよ」
私は逃げ回る【厄】を、いつも網状に張り巡らせた聖女の力で捕らえ、結晶化している。
ならば、その網を私自身の全身に張り巡らせれば、【厄】は私の中に入ることはできないはずだ。
ユーリアと話している間、ひそかに力を操って、体中に力を張り巡らせていた。
いつ【厄】を解き放たれても、対応ができるように。
「なんでそんな結界みたいな真似ができるのよ!? 今までそんなことができる聖女は誰もいなかったわ! 歴代全ての聖女の記憶があるわけでもないあなたが、どうして!」
「だって私は、今までの聖女とは違うもの」
そう、私は今までの聖女とは違う。
ずば抜けた特別な力を持っているわけじゃない。
アシュリナの記憶と比較しても、与えられた力そのものは、さして変わらないだろう。
けれど、私と歴代の聖女達とは決定的に違う所がある。
「歴代の聖女達は、あらゆる傷病に対して平等に力を行使続けたけど、私は【災厄の魔女の呪い】の解呪に専念させてもらってきたの。ルシトリアに来てからずっと、【厄】の結晶化に集中してきた。だから私は、歴代のどの聖女よりも【厄】の扱いには詳しいの!」
歴代の聖女は、【災厄の魔女の呪い】を解呪する傍らで、呪いと関係のない人々の傷病も癒し続けてきた。
むしろ【厄】の結晶化し、【災厄の魔女】を打ち倒すことよりも、傷病を治癒することこそを使命に思っていた聖女もいるはすだ。
過去の聖女達はきっと、救う力があるのに、救わない道を選ぶことはできなかった。その結果、力の使い方は本来の目的から逸れ、【厄】に対して十分に力を発揮することはできなかったのだろう。
けれど私は違う。私には、私が治癒できない代わりに動いてくれるマナエさんがいて、力の行使を【災厄の魔女の呪い】に専念する許可を与えてくれたライオネル陛下がいた。
私はきっと歴代のどの聖女よりも、ユーリアの力に対抗することだけを考えてきた。それができる環境を与えてもらった。
だからこそ、私は今、こうしてユーリアと戦うことができる。
「……どうして、私の【厄】が弾かれるの!?」
驚愕の眼差しで目を見開くユーリアを、冷静に見据える。
「あなたが得意げに話している間に、私が何もしてないと思った? ちゃんと力を練って、対策をしてたんだよ」
私は逃げ回る【厄】を、いつも網状に張り巡らせた聖女の力で捕らえ、結晶化している。
ならば、その網を私自身の全身に張り巡らせれば、【厄】は私の中に入ることはできないはずだ。
ユーリアと話している間、ひそかに力を操って、体中に力を張り巡らせていた。
いつ【厄】を解き放たれても、対応ができるように。
「なんでそんな結界みたいな真似ができるのよ!? 今までそんなことができる聖女は誰もいなかったわ! 歴代全ての聖女の記憶があるわけでもないあなたが、どうして!」
「だって私は、今までの聖女とは違うもの」
そう、私は今までの聖女とは違う。
ずば抜けた特別な力を持っているわけじゃない。
アシュリナの記憶と比較しても、与えられた力そのものは、さして変わらないだろう。
けれど、私と歴代の聖女達とは決定的に違う所がある。
「歴代の聖女達は、あらゆる傷病に対して平等に力を行使続けたけど、私は【災厄の魔女の呪い】の解呪に専念させてもらってきたの。ルシトリアに来てからずっと、【厄】の結晶化に集中してきた。だから私は、歴代のどの聖女よりも【厄】の扱いには詳しいの!」
歴代の聖女は、【災厄の魔女の呪い】を解呪する傍らで、呪いと関係のない人々の傷病も癒し続けてきた。
むしろ【厄】の結晶化し、【災厄の魔女】を打ち倒すことよりも、傷病を治癒することこそを使命に思っていた聖女もいるはすだ。
過去の聖女達はきっと、救う力があるのに、救わない道を選ぶことはできなかった。その結果、力の使い方は本来の目的から逸れ、【厄】に対して十分に力を発揮することはできなかったのだろう。
けれど私は違う。私には、私が治癒できない代わりに動いてくれるマナエさんがいて、力の行使を【災厄の魔女の呪い】に専念する許可を与えてくれたライオネル陛下がいた。
私はきっと歴代のどの聖女よりも、ユーリアの力に対抗することだけを考えてきた。それができる環境を与えてもらった。
だからこそ、私は今、こうしてユーリアと戦うことができる。
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