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連載2
対決16
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その理由がなんであれ、私の目にはユーリアが【厄】の固まりのように見え、可能な限りの聖女の力を注いでみたら、ユーリア本人も【厄】と同じ様に結晶化することできた。その事実が、全てだ。
私の勝利が覆ることがないのなら、理由なんて何だって構わない。
唇を噛んで悔しがって震えるユーリアに微笑みかけながら、さらに追い打ちをかけることにした。
「ねえ、ユーリア。私はアシュリナ以外の前世の記憶はないけれど、あなたは今までの【災厄の魔女】の記憶を全て持っているのよね」
「だから、そうだと言っているでしょ! 一つ前の前世の記憶しか持っていないあんたと違って、私は特別な存在なんだから!」
「その長い年月の中で、今のあなたみたいに、聖女の力で結晶化されたことってあった?」
「そんなのあるわけ……っ!?」
私の言おうとしていることを察したのか、さあっとユーリアの顔から血の気が引いた。
「あなたの言うことが本当なら、私とあなたは転生を繰り返して何百年も敵対してきたようだけど……聖女の力によって結晶化した場合でも、あなたは同じようにまた転生することができるのかな?」
一瞬の沈黙。
次の瞬間、ユーリアは吠えるような悲鳴が、その場に響いた。
「嘘、嘘でしょ、そんなはずない! もう二度と転生できないなんて、そんなはず!」
がくがくと震えながら、ユーリアはかろうじて動く首を必死に横に振る。
「う、嘘よ……ようやく、ここまで来たのに……何百年も死と生まれ変わりを繰り返して、ようやくこんなに近くまで来ることができたのにっ……それなのに、これでおしまいなんてあんまりよっ……!」
顔をくしゃくしゃにしながら、ユーリアは子どものように啜り泣いた。
「いやだ……まだ終わりたくない……石になんか、なりたくないよお……私はまだ、十分にあの方の役に立てていないのに……これで終わりなんて嫌……っ!」
泣いている間も、少しずつ体の結晶化が進行しているユーリアの姿を、私は複雑な気持ちで眺めていた。
笑いながら、アシュリナを火刑に追いやったユーリアが憎かった。
だから、ユーリアがみっともない最期を迎えればきっとすっきりすると思っていたし、実際さっきまでは良い気分だった。
けれどユーリアの嘆きの慟哭が、何故かアシュリナの断末魔の声に重なって。
何故だかひどく、胸が痛む。
ユーリアを倒すと決めてから、ずっとこの瞬間を待ち望んでいたはずなのに。
「ーー何よ、その目は」
私の勝利が覆ることがないのなら、理由なんて何だって構わない。
唇を噛んで悔しがって震えるユーリアに微笑みかけながら、さらに追い打ちをかけることにした。
「ねえ、ユーリア。私はアシュリナ以外の前世の記憶はないけれど、あなたは今までの【災厄の魔女】の記憶を全て持っているのよね」
「だから、そうだと言っているでしょ! 一つ前の前世の記憶しか持っていないあんたと違って、私は特別な存在なんだから!」
「その長い年月の中で、今のあなたみたいに、聖女の力で結晶化されたことってあった?」
「そんなのあるわけ……っ!?」
私の言おうとしていることを察したのか、さあっとユーリアの顔から血の気が引いた。
「あなたの言うことが本当なら、私とあなたは転生を繰り返して何百年も敵対してきたようだけど……聖女の力によって結晶化した場合でも、あなたは同じようにまた転生することができるのかな?」
一瞬の沈黙。
次の瞬間、ユーリアは吠えるような悲鳴が、その場に響いた。
「嘘、嘘でしょ、そんなはずない! もう二度と転生できないなんて、そんなはず!」
がくがくと震えながら、ユーリアはかろうじて動く首を必死に横に振る。
「う、嘘よ……ようやく、ここまで来たのに……何百年も死と生まれ変わりを繰り返して、ようやくこんなに近くまで来ることができたのにっ……それなのに、これでおしまいなんてあんまりよっ……!」
顔をくしゃくしゃにしながら、ユーリアは子どものように啜り泣いた。
「いやだ……まだ終わりたくない……石になんか、なりたくないよお……私はまだ、十分にあの方の役に立てていないのに……これで終わりなんて嫌……っ!」
泣いている間も、少しずつ体の結晶化が進行しているユーリアの姿を、私は複雑な気持ちで眺めていた。
笑いながら、アシュリナを火刑に追いやったユーリアが憎かった。
だから、ユーリアがみっともない最期を迎えればきっとすっきりすると思っていたし、実際さっきまでは良い気分だった。
けれどユーリアの嘆きの慟哭が、何故かアシュリナの断末魔の声に重なって。
何故だかひどく、胸が痛む。
ユーリアを倒すと決めてから、ずっとこの瞬間を待ち望んでいたはずなのに。
「ーー何よ、その目は」
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