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ルクレア・ボレアという女
エンジェ・ルーチェを騙る悪魔3
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「――フェロモン魔法という魔法があるのを、お前は知ってるか?」
知りません。初耳です。なんすか、そのエロ同人に出てきそうな卑猥な魔法は。
「まぁ、普通はインキュバスやサキュバスのような、人の精を主食にする淫魔しか使えねぇ魔法だから、余程細かく魔法について学んでねぇかぎりは知らねぇだろうな。だが、ごくごく稀に、人間でも使える特異体質の奴が現れるんだ。……おそらく純粋な人間じゃなくて、どっかで淫魔の血を引いていて先祖がえりしているだけな気がするけどな」
へー。そういや、エンジェちゃん、実は正体がサキュバスだったってエンドあったね。なんか関係しているのかしら? もしかしてルーチェ家は、淫魔交じりの血筋? そういうオチ?
「フェロモン魔法の一般的効果は性的欲求を引き出す【催淫】。だが、使いようによっては、放出物質の成分を変えてターゲットに別の効果をもたらすことが出来る。……例えば、アルコール成分の含まれてフェロモンを放出して相手を酔わせたり、催眠成分が含んだフェロモンで相手を眠らせたりとかな」
へーへーへー。なんかあれだね。フェロモンっていうか、植物系の魔物や精霊が使う、胞子とか花粉とかっぽいね。いるもんね。眠らせたり、麻痺させたり、混乱させたり、エロエロにさせたりする物質をまき散らす、魔物。なんてか、人間離れした魔法使えんのね、エンジェちゃん。淫魔交じりとかじゃなくて、本当に半分魔物なんじゃないのかい。さすが、極上イケメン片っ端から落とす魔性の女。
……ところで、さっきから聞こえる声が徐々に大きくなっているのは、気のせいでしょうか。今なんか、すぐ後ろから声がしたような気がするんですが、きっと気のせいだよね。
あ、そういえば私、未だトイレの床に転がったままなんですが、立ってもいいですよね?そうだよね? 立ちますよ?
「……っむがっ!」
立とうとした瞬間、背中に感じた衝撃に、私は再び床とお友達になる。
ぎりぎりと、私の背を圧迫するこれは、これは、もしや……。
私はおそるおそる、首を捻って上を見上げる。
「――よぉ、糞女チャン。てめぇとは一回ゆ~っくり二人きりで話合いてぇな、と思っていたんだよな。てめぇが自分でこういう機会作ってくれて嬉しいぜ。なぁ?」
見上げるとそこには、私の背をぎりぎりと踏みつけながら、笑顔で見下ろす悪魔がおりました。
ふぎゃぁぁぁぁ!!! 怖い、怖すぎる! なんすか、その黒笑!
しかも、凄んでいるのに、上半身裸で、下はスカートという変態ちっくな格好なのが、猶更恐怖を煽るんですが!
変質者ですよ! 変質者が女子トイレにいますよ、誰か、来てくださいっ!
そうだ、助けを、助けを呼ばねば……っ。
「……おいおい、まさか悲鳴上げて、助けを呼ぼうとか面倒な真似しようと考えてやしねぇだろうな…?」
なんか低い声で言ってやがるが、当然考えているに決まっているだろうがぁ!
女装して女子トイレに潜入して、美少女(私)を踏みつけているお前は、間違いなく変質者じゃあ! 誰か来たら一発で御用だよっ、ざまあ!
……しかし悲鳴をあげようにも衝撃と恐怖のあまり、喉が詰まって声が出ない。ーーなんちゅうこったい!
出ろ、出ろ、私の声! 今すぐに、出てくれっ!
「っち……面倒臭ぇな、先に済ませちまうか」
不意に背中の圧迫が無くなったかと思うと、腕を掴んで上へと引き上げられる。
訳も分からぬまま、とりあえず立ち上がれたことにホッとしている私に近づく、エンジェちゃんの顔。
あらまぁ、近くで見ても髭一つ生えていない、綺麗な女顔なのね。アップに耐えられる顔っていいね。眼福だわ~。
てか、え、近い、近過ぎ、え、え、え、え
――そのまま、私とエンジェちゃんの唇が、重なった。
…えぇーっ! 何ゆえ、ここでマウス・トゥ・マウス!?
知りません。初耳です。なんすか、そのエロ同人に出てきそうな卑猥な魔法は。
「まぁ、普通はインキュバスやサキュバスのような、人の精を主食にする淫魔しか使えねぇ魔法だから、余程細かく魔法について学んでねぇかぎりは知らねぇだろうな。だが、ごくごく稀に、人間でも使える特異体質の奴が現れるんだ。……おそらく純粋な人間じゃなくて、どっかで淫魔の血を引いていて先祖がえりしているだけな気がするけどな」
へー。そういや、エンジェちゃん、実は正体がサキュバスだったってエンドあったね。なんか関係しているのかしら? もしかしてルーチェ家は、淫魔交じりの血筋? そういうオチ?
「フェロモン魔法の一般的効果は性的欲求を引き出す【催淫】。だが、使いようによっては、放出物質の成分を変えてターゲットに別の効果をもたらすことが出来る。……例えば、アルコール成分の含まれてフェロモンを放出して相手を酔わせたり、催眠成分が含んだフェロモンで相手を眠らせたりとかな」
へーへーへー。なんかあれだね。フェロモンっていうか、植物系の魔物や精霊が使う、胞子とか花粉とかっぽいね。いるもんね。眠らせたり、麻痺させたり、混乱させたり、エロエロにさせたりする物質をまき散らす、魔物。なんてか、人間離れした魔法使えんのね、エンジェちゃん。淫魔交じりとかじゃなくて、本当に半分魔物なんじゃないのかい。さすが、極上イケメン片っ端から落とす魔性の女。
……ところで、さっきから聞こえる声が徐々に大きくなっているのは、気のせいでしょうか。今なんか、すぐ後ろから声がしたような気がするんですが、きっと気のせいだよね。
あ、そういえば私、未だトイレの床に転がったままなんですが、立ってもいいですよね?そうだよね? 立ちますよ?
「……っむがっ!」
立とうとした瞬間、背中に感じた衝撃に、私は再び床とお友達になる。
ぎりぎりと、私の背を圧迫するこれは、これは、もしや……。
私はおそるおそる、首を捻って上を見上げる。
「――よぉ、糞女チャン。てめぇとは一回ゆ~っくり二人きりで話合いてぇな、と思っていたんだよな。てめぇが自分でこういう機会作ってくれて嬉しいぜ。なぁ?」
見上げるとそこには、私の背をぎりぎりと踏みつけながら、笑顔で見下ろす悪魔がおりました。
ふぎゃぁぁぁぁ!!! 怖い、怖すぎる! なんすか、その黒笑!
しかも、凄んでいるのに、上半身裸で、下はスカートという変態ちっくな格好なのが、猶更恐怖を煽るんですが!
変質者ですよ! 変質者が女子トイレにいますよ、誰か、来てくださいっ!
そうだ、助けを、助けを呼ばねば……っ。
「……おいおい、まさか悲鳴上げて、助けを呼ぼうとか面倒な真似しようと考えてやしねぇだろうな…?」
なんか低い声で言ってやがるが、当然考えているに決まっているだろうがぁ!
女装して女子トイレに潜入して、美少女(私)を踏みつけているお前は、間違いなく変質者じゃあ! 誰か来たら一発で御用だよっ、ざまあ!
……しかし悲鳴をあげようにも衝撃と恐怖のあまり、喉が詰まって声が出ない。ーーなんちゅうこったい!
出ろ、出ろ、私の声! 今すぐに、出てくれっ!
「っち……面倒臭ぇな、先に済ませちまうか」
不意に背中の圧迫が無くなったかと思うと、腕を掴んで上へと引き上げられる。
訳も分からぬまま、とりあえず立ち上がれたことにホッとしている私に近づく、エンジェちゃんの顔。
あらまぁ、近くで見ても髭一つ生えていない、綺麗な女顔なのね。アップに耐えられる顔っていいね。眼福だわ~。
てか、え、近い、近過ぎ、え、え、え、え
――そのまま、私とエンジェちゃんの唇が、重なった。
…えぇーっ! 何ゆえ、ここでマウス・トゥ・マウス!?
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