【改稿版】微笑みの悪役令嬢!~微笑むだけで上手くいくものですわ~

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微笑み25

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ジャーン!

お城に到着です!

スケジュールとしては王の謁見の間にて、王様などのありがたいお話を聞いた後、お城の裏手にある歴代の王のお墓参りを行います。はぁ、めんどくさいですね。

馬車がお城の門をくぐり抜け、入口で止まりました。すでに大勢の貴族達がやって来ています。

「あら?お父様、少し遅れましたか?」
「いや、我々はこの時間で大丈夫なんだよ。一応、高位の公爵の地位であるからね。余り早く着くと、他の貴族達の顔が立たないんだ。例に上げると、高位貴族が先に来ているのに下位貴族が遅いとは何事か!みたいな感じでね」

「私達は余り気にしないけど、名家の貴族では気にする人が多いのよね。まぁ、貴族の嗜みと思ってね」

色々とあるんだなーと関心しながらお話を聞いて、馬車を降りました。


ざわざわ!ざわざわ!


何やら騒がしいですわね。いつもと違い黒に近いドレスを着ているので動き憎いのですが……
お母様がドヤ顔で満足そうに微笑みを浮かべています。何かあったのでしょうか?

「ふふふっ、流石はシオンね。注目の的よ♪」
「みんな我が娘にみとれているね。仕方がない」

お父様とお母様は当然と言う感じですが、視線が気になって落ち着かないのですよ!?

その頃、屋敷の侍女達は自分達の仕事にガッツポーズをしているのでした。







お城に入り、謁見の間に行きますとフレイム・ハート家御家族御入場されまーす!と、騎士の方が言うので大きな扉から入ると既に入場していた貴族の方々の視線がまたまた突き刺さりました。

………これってどんな嫌がらせでしょうか?


コソコソッ

「あれが微笑みの令嬢か?」
「なんて綺麗なんでしょう!?」
「学園に通っているならうちの息子にもチャンスが?」
「息子に限らず娘でも御近づきにさせないと!」

色々な貴族達の話し声をよそに、お父様とお母様は前にと進んで行きます。私は別に端っこでも良いですよ?

「王との謁見では高位貴族が前から順番にと決まっているんだよ?」

お父様、マジですか!?早く言って下さいよ~
こうして私は後ろからの視線に耐えないといけないのですね………

フレイム・ハート家が最後の方だったお陰で、並んだらすぐに王様がやってきました。王様から労いの言葉を頂き、各自で裏庭の王家のお墓に献花しに行くのでした。王家お墓はとても大きく、階段を登り、大きな石板のような墓石の前に献花しました。


『お婆様、安らかにお休み下さい』


さて、イベントも終わった事だし帰りますか。
と、思ったら誰1人帰りませんね。どうしてでしょう?

「献花が終わったらお城の中庭で簡単な立食パーティーがあるんだよ。まだお昼だし、パーティー参加は自由だ。だけど、他の貴族の顔繋ぎや派閥の情報共有など、貴族にとっての最重要なイベントはこれからだね」
「そうね。シオンにはまだ早いけど慣れておくに越したことは無いかしら?」

おおう!貴族の腹の探り合いですか………嫌だなぁ~
シオンは顔には出さずにこくりっと頷いた。




◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
一方、王の謁見から献花まで─


「なんて綺麗なんだ。シオン嬢は……」
「本当に、お兄様に同意しますわ!」
「前みたいに心構えのない状態で間近で見ると同性でも、はうわって!なっちゃうよね」

レオン王子とセーラ王女そして側には侍女の格好をしたユーリがいた。

「さぁ!王様の挨拶が終わりましたわ!裏庭へ一緒に行きましょうと誘うのです!」
「えっ!?いや………いきなりは……」

セーラ王女とユーリはなにいってんだこいつはと目を見張る。

【キング・オブ・ヘタレ】の称号はダテではないようだ。

セーラ王女、私がシオンを連れて来ますね!
ユーリの行動は早かった。すぐにシオンの側にやって来ると話掛けた。

「シオン、ちょっと良いかな?」
「あれ!?ユーリ!どうしたのその格好は!」
「えへへっ、ちょっとバイト中なんだ。あっそうだ!これから献花しに行くよね?一緒にいかない?」
「うん、良いよ」

お父様とお母様に挨拶をしてユーリと一緒に行きました。やっと解放されました。ユーリには感謝です!

「今日は気合い入っているねー!どうしたの?」

いや、まぁ………かくかくしかじかで、ありまして……

「お疲れ様でした」

ユーリはシオンの想いを汲み取ってくれた。ユーリはさりげなくセーラ王女の元へと連れてきた。まず第1ミッションクリアです。次のミッションに移行します!

「シオン様、お疲れ様でしたね」

「あっ、セーラ王女様こんにちはです」

セーラ王女は綺麗なシオンに内心ドキマギしながら、平常心を装い会話した。ちなみに、隣にいるレオンは完全に固まってしまっていた。

「大分、貴族の方々が移動したので私達も行きましょう」

セーラ王女はさりげなくレオン王子に肘鉄を脇腹に喰らわせて、エスコートするように催促した。

「す、すぐそこまで案内致します!」
「よろしくお願い致しますね」

シオンの手を取り、王家の墓まで一緒に行きました。

レオン王子の手と足が同時に出ていたのは無視しときましょう。って、ゆーか!会話しなさいよ!【キング・オブ・ヘタレ】の称号は【末期】のようだ。

仕方がないので会話を振るセーラ王女。

「シオン様、本日はいつも以上に綺麗です!何か気合いの入れる理由でもありました?」

「いえ、侍女達が頑張ってくれまして。朝の5時からお風呂に入って全身磨かれましたよ……」

ふと、遠い目をするシオン。そして羨ましい!と嫉妬するセーラ王女とユーリ。さらに、シオンの裸体を想像して前屈みになるレオン王子と、なかなかのカオスになっていました。


こうしてお墓参りまで、レオンの好感度を上げる作戦は忘れ去られてしまうのでした。











◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】

愚者の声
「青春だねぇ~」

シオン
「そうですわね~」

愚者の声
「今時、純情そうで珍しいね!」

シオン
「そうですわね~」

愚者の声
「あれ?シオンさん???」

シオン
「そうですわね~」

愚者の声
!?

「いかん!熱中症だ!あれ?昔は日射病って言ってたけどいつから変わったんだろうか?」


バタンッ!


Σ(*゚д゚ノ)ノ早く水をーーーー!!!!


『みなさまも注意して水分補給はマメにしてくださいね!』
m(_ _)m

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