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微笑み62
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グレイさんが馬車を操縦しながら1時間後、アルスタの森にたどり着いた。
「あれ?ちょっとおかしくない?」
森の入口に着くと、王国の兵士達が簡易陣地を作って入口を監視していた。
「………シオンお嬢様。嫌な予感がするのですが?」
「止めて!言わないで!ここは初心者向けの狩り場だもん!変なトラブルなんてないはずだもん!」
シオンは頭を抱えた。
「と、取りあえず事情を聞いてきます」
グレイさんが兵士の所へ向かった。事情を聞いている間はリンとカイに冒険者にはイレギュラーな事が起こるから気を付けるよう再度、冒険者の心得の話をした。
少ししてグレイさんが戻ってきた。
「お待たせしました。どうやらネームドの魔物が現れたようで、冒険者ランクの低い冒険者の立入を制限しているようです。我々のランクであればこのまま入れるようですが、いかが致しましょう?」
いきなりイレギュラーな出来事がありましたからね。このまま素人のリンちゃんとカイ君を連れて入って大丈夫だろうか?
「どうしようか?危険そうだし、今回は断念して別の日に──」
「嫌です!私達はもうすぐ領地に帰らないといけないんですよ!今回を逃したら次はいつになるかわかりません!
うぐっ、確かに。
シオンはすがる様にグレイさんに視線を向けた。
「………確かにそうですね。ここは我々が全力で御守りしますので、日輪草の採集クエストを続行しましょう。リン様とカイ様の良い経験になると思います」
グレイさんが希望の言葉を言ってくれたのでシオンはそのまま同意した。
「わかったよ。でも絶対に私の指示に従ってね?」
「ありがとう!お姉様♪」
こうしてシオン達は危険な森へと足を踏み入れるのだった。
「アルカ、ナイカ、周囲の警戒は最大限に上げて置いてね」
「了解しました!」
シーフ系のジョブの戦闘メイドの二人はグレイさんより索敵能力が高いのだ。
少し森を歩くとすぐに異変に気付いた。
「確かに少しヤバいかも」
シオンの呟きにリンは首を傾げた。
「どうしてですか?そんなに深い森でも無いし、今歩いている所も道が整備されていて見通しもいいですよ?」
カイも同意見のようだが、Sランクパーティのメンバーはより緊張した雰囲気で前を歩いていた。
「森の動植物の音がしないの」
「音ですか?」
カイも聞き返した。
「そう。これは強力な魔物が出現したため、小さな動植物達が息を殺して静かにしている言うこと」
「なるほど」
リンも意識を集中して歩きだした。
!?
「この先で誰か戦っています!」
先の方から剣戟音などの音が聴こえてきた。
「加勢しましょう」
そのまま走り出した。そのまま進んで行くと森を抜け、目的地の日輪草の自生している丘に出た。
「あれは!?」
王国騎士団が戦っていたのは、地面から飛び出てくる巨大な【ワーム】と呼ばれるミミズのような魔物だった。
周囲には多くの騎士達が倒れていた。
「アルカ、ナイカ!騎士達の傷の具合をみて!グレイさんは後ろから牽制を!私も応戦します!」
「「はい!!!」」
「リン、カイ!思った以上に危険のよう。私の側を離れないで!絶対に勝手な行動をしないように!」
いつもはちゃん付けにしているが緊急事態のため、強い口調で命令した。
「加勢する!」
グレイさんが後ろから巨大ワームに斬り掛かった。
後ろにしっかりと斬り傷を付けたが、ワームはそのまま雄叫びを上げると地面に潜ってしまった。
「すまない!助かった───って、シオン嬢!?」
「あ、隊長さん?よく会いますね」
いや、本当に偶然ですね。
「いや、そんな事よりこの魔物は危険なんだ!すぐに逃げるだ!」
「できません。騎士達も大勢やられている状況で、このまま逃げるなんて出来ません!」
隊長は言葉に詰まったが、言い直した。
「……わかった。この魔物は音に反応しているようだ。下手に歩き回ると下から襲ってくる!気を付けてくれ」
「わかりました!」
『地面にいる状態だと攻撃できない』
なるほど。そのせいで騎士団の皆さんが苦戦していたのか。
「シオンお嬢様。私が囮になります。でてきた所を魔法でお願いします」
「わかったわ。気を付けて」
アルカとナイカも忍び足を使い静かに移動していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「う~ん?」
シオン
「どうしたんですの?」
愚者の声
「これって恋愛小説だよね?」
シオン
「ええ、ジャンル詐欺の小説ですわね」
愚者の声
「酷い!」
シオン
「だってなかなか進展しないんですもの~」
愚者の声
「恋愛経験が皆無の自分には難しいんだよ~~~」
シオン
「これはもうファンタジー小説に変更しましょう♪」
愚者の声
「そ、それは………」
~~真剣に悩み中~~
「あれ?ちょっとおかしくない?」
森の入口に着くと、王国の兵士達が簡易陣地を作って入口を監視していた。
「………シオンお嬢様。嫌な予感がするのですが?」
「止めて!言わないで!ここは初心者向けの狩り場だもん!変なトラブルなんてないはずだもん!」
シオンは頭を抱えた。
「と、取りあえず事情を聞いてきます」
グレイさんが兵士の所へ向かった。事情を聞いている間はリンとカイに冒険者にはイレギュラーな事が起こるから気を付けるよう再度、冒険者の心得の話をした。
少ししてグレイさんが戻ってきた。
「お待たせしました。どうやらネームドの魔物が現れたようで、冒険者ランクの低い冒険者の立入を制限しているようです。我々のランクであればこのまま入れるようですが、いかが致しましょう?」
いきなりイレギュラーな出来事がありましたからね。このまま素人のリンちゃんとカイ君を連れて入って大丈夫だろうか?
「どうしようか?危険そうだし、今回は断念して別の日に──」
「嫌です!私達はもうすぐ領地に帰らないといけないんですよ!今回を逃したら次はいつになるかわかりません!
うぐっ、確かに。
シオンはすがる様にグレイさんに視線を向けた。
「………確かにそうですね。ここは我々が全力で御守りしますので、日輪草の採集クエストを続行しましょう。リン様とカイ様の良い経験になると思います」
グレイさんが希望の言葉を言ってくれたのでシオンはそのまま同意した。
「わかったよ。でも絶対に私の指示に従ってね?」
「ありがとう!お姉様♪」
こうしてシオン達は危険な森へと足を踏み入れるのだった。
「アルカ、ナイカ、周囲の警戒は最大限に上げて置いてね」
「了解しました!」
シーフ系のジョブの戦闘メイドの二人はグレイさんより索敵能力が高いのだ。
少し森を歩くとすぐに異変に気付いた。
「確かに少しヤバいかも」
シオンの呟きにリンは首を傾げた。
「どうしてですか?そんなに深い森でも無いし、今歩いている所も道が整備されていて見通しもいいですよ?」
カイも同意見のようだが、Sランクパーティのメンバーはより緊張した雰囲気で前を歩いていた。
「森の動植物の音がしないの」
「音ですか?」
カイも聞き返した。
「そう。これは強力な魔物が出現したため、小さな動植物達が息を殺して静かにしている言うこと」
「なるほど」
リンも意識を集中して歩きだした。
!?
「この先で誰か戦っています!」
先の方から剣戟音などの音が聴こえてきた。
「加勢しましょう」
そのまま走り出した。そのまま進んで行くと森を抜け、目的地の日輪草の自生している丘に出た。
「あれは!?」
王国騎士団が戦っていたのは、地面から飛び出てくる巨大な【ワーム】と呼ばれるミミズのような魔物だった。
周囲には多くの騎士達が倒れていた。
「アルカ、ナイカ!騎士達の傷の具合をみて!グレイさんは後ろから牽制を!私も応戦します!」
「「はい!!!」」
「リン、カイ!思った以上に危険のよう。私の側を離れないで!絶対に勝手な行動をしないように!」
いつもはちゃん付けにしているが緊急事態のため、強い口調で命令した。
「加勢する!」
グレイさんが後ろから巨大ワームに斬り掛かった。
後ろにしっかりと斬り傷を付けたが、ワームはそのまま雄叫びを上げると地面に潜ってしまった。
「すまない!助かった───って、シオン嬢!?」
「あ、隊長さん?よく会いますね」
いや、本当に偶然ですね。
「いや、そんな事よりこの魔物は危険なんだ!すぐに逃げるだ!」
「できません。騎士達も大勢やられている状況で、このまま逃げるなんて出来ません!」
隊長は言葉に詰まったが、言い直した。
「……わかった。この魔物は音に反応しているようだ。下手に歩き回ると下から襲ってくる!気を付けてくれ」
「わかりました!」
『地面にいる状態だと攻撃できない』
なるほど。そのせいで騎士団の皆さんが苦戦していたのか。
「シオンお嬢様。私が囮になります。でてきた所を魔法でお願いします」
「わかったわ。気を付けて」
アルカとナイカも忍び足を使い静かに移動していた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
【後書き】
愚者の声
「う~ん?」
シオン
「どうしたんですの?」
愚者の声
「これって恋愛小説だよね?」
シオン
「ええ、ジャンル詐欺の小説ですわね」
愚者の声
「酷い!」
シオン
「だってなかなか進展しないんですもの~」
愚者の声
「恋愛経験が皆無の自分には難しいんだよ~~~」
シオン
「これはもうファンタジー小説に変更しましょう♪」
愚者の声
「そ、それは………」
~~真剣に悩み中~~
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