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あれから数年経ちました。

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色々とありまして、あれから数年の月日が流れました。
そしてシオンは幸せに暮らしたのでした。(まる)







「勝手に終わらせないでよ!」

フィーネはシオンに握られてグェッと声を出した。

「ギブギブッ!?」

ジタバタしたフィーネを放すとプンプンッと怒ってきた。

「ちょっと何するのよ!」
「それはこっちのセリフよ!何を勝手に終わらせようとしているのよ!?」

「何の話しよ!?私はただ定期的に報告書を書いて送っているだけなんだけど?」

うん?

「これが報告書………?」
「うん!」

ただの読書感想文じゃん!
こんな報告書を送られる上司に同情して、可哀想な子を見る目になるシオンだった。

「うわぁ~~ん!!!?言いたい事があるなら何か言いなさいよ!」

ポカポカッとシオンを叩くフィーネであった。
う~ん、実に仲の良い二人である。

「コホンッ!取り敢えず見てよ!明日から通う学園の制服よ♪」

シオンは13歳になっていた。
この国では13歳から18歳まで貴族は『王立イースト魔法学園』に通わなければならないのである。

ここで、将来の貴族としての派閥を作ったり、上位貴族とのコネを作ったりするのがメインである。家を継げない次男、三男などは剣術などに励み、騎士団の入団を目指したりする。

「おっ♪良いじゃん!可愛いよ♪」
「ありがとう♪」

シオンは制服を着てくるりと廻った。

「流石は乙女ゲームね!中世ヨーロッパの世界観をぶち壊しにする現代版のブレザー制服とはねw」
「こらっ!よけいな事は言わないでよ!ってか、忘れてたよ!私は悪役令嬢だった!?」


あっ………作者も今まで忘れてました。
この子、悪役令嬢の枠で転生したんでした。

どうしましょう!?

アワアワするシオンと作者を置いてフィーネが腹を抱えて大笑いしました。

「あはははっ!笑わせないでよwシオンが悪役令嬢だなんてあり得ないわw」
「どういうことよ?」

あんたが神様クジで当ったて、言ってたじゃない!

「ふふふっ、そうなんだけど、すでにシオンは原作をぶち壊しているから心配ないわよ♪」
「なにそれ!?」

フィーネはシオンの肩を叩いて心配しないでと言ったが、シオンは釈然としなかった。

『まったく、攻略対象の好感度がほぼMAXな状態でゲームスタートなんて、どんな周回プレイなのよ』

恋愛に疎いシオンは気付いてないが、王道のストーリーでは、すでに攻略済みと言って良いだろう。
問題は攻略を1人に搾るのか、逆ハーを狙うかが課題である。

あの日、ジークは1度戻り国王である父親と話し合った。
流石に隣国の王子を長期で預かるには問題があり、人質として見られる可能性があった。
そこで、バーニングハート公爵家の、ルークか、レインを隣国へ寄越すように言われて、一悶着ありました。

結果としてレインがジークと交換で隣国へ行くことになりました。ランちゃんと一緒にね!
(ランちゃんはメイドとして着いて行きました)

………そして一週間に1度は、風魔法で空を飛んで帰ってきましたとさ。

これだから魔法の天才はっ!!!?
はぁはぁ、なんの話だっけ?


あ、ジーク王子は住み込みで、古龍の紅さんと蒼さんから勉学と剣術の訓練などに励みました。ライバルのライト王子がいるから、意識してバリバリ強くなったよ♪

そして今回、レベルMAX状態で魔法学園に入学するのです!

うん?私?
私は御存じの通り天才画家として、その地位を確立しましたよ?


何か?


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