【連載版】婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪

naturalsoft

文字の大きさ
8 / 44

☆聖女

しおりを挟む
襲撃者を全て倒したジークは突然現れたシオンに声をかけた。

「もう!馬車のところに行ったら居なかったから探したよ~」
「それは悪かったよ。でもどこから現れたんだ?」

シオンは指を上に向けた。↑

「空から飛んで来ちゃったの」

ジークはそうだった。シオンは飛べるんだったと天を仰いだ。

「そういえばこの子は?」
「森から悲鳴が聞こえてきたから、駆け付けると賊に襲われていたんだよ。でもこの子、結界を張って身を守っていたよ」

「ふむふむ、それで明るかったのね。結界の灯りのおかげで見つけられたよ」

震えている少女にシオンは手を差し伸べた。

「ねぇ、大丈夫?もう安心だからね?」

座り込んで震えていた少女に優しく声を掛けた。

『こんなに震えて可哀想に』

ジークも男の自分より同じ女の子のシオンの方が良いだろうと思い見守っていた。

「お・・・」
「うん?なに?落ち着いて喋ってね」

少女が落ち着くまでゆっくり待つつもりだったが───




「お姉様ーーーーーー!!!!!!!!!」

!?

少女はシオンに飛び付くと胸に顔を押し付けて左右に振りながら怒涛の勢いで喋り出した。

「すごいデス!素晴らしいデス!カッコいいデス!美しいデス!命の恩人デス!大好きデス!」

おおぅ!?

「え、あ、うん?ちょ、ちょっと落ち着いて・・・」

なに!?この子!??
思っていた反応と違い戸惑うシオンと、なにが起きたのか頭がついていかないジークは固まっていた。

「お姉様の張った結界!私より密度が高く、洗練されていました。歴代最強の聖女と呼ばれていた自分が情けないデス!上には上がいると思い知りました!お姉様が最強の『大聖女』と呼ぶに相応しいお方デス!お姉様に比べたら、私なんて見習い聖女デス!」

なに言っているか戸惑ったけど、あの一瞬でシオンの張った結界の構築を見抜いたのか。
しかも気になるワードが出てきたな。

「君が現在のオラクル聖王国の『聖女』だって?」
「私とあんまり変わらないね」
「お姉様は何歳デスか?」

「私はもうすぐ14歳だよ」
「私は今年で13歳になったばかりです。やっぱりお姉様で間違いないデス♪」

どうやらお姉様は確定らしい。

「それでどうして聖女様がこんな森にいて襲われていたんだ?」

ジークが聞くと聖女ちゃんはプイッと横を向いて拒否した。

「男は嫌いデス!すぐに裏切るし。むさ苦しいし、話しかけないで下さいデス!」

イラっとしたがシオンが叱った。

「こらっ!命を助けてくれた人にその態度はダメだよ?ちゃんとお礼を言いなさい!」
「ううぅ、お姉様が言うなら・・・助けてくれてありがとう」

少し涙目でお礼を言うと、ジークは軽くため息を吐いてから言った。

「はぁ、もういいよ。それで詳しい話を聞かせて欲しいんだけど?自己紹介からしよっか。俺はジークだ」
「私はシオンっていうの。よろしくね♪」

「シオンお姉様・・・♪」

目をハートにさせて祈る少女にシオンは手を振った。

「それは良いから帰っておいで~」

気を取り直して

「私はヒジリと申します。改めて助けて頂きありがとうございます」
「ヒジリちゃんね。それで、なにがどうなっているの?」

ジークが周りに魔物の気配を感じて制した。

「ごめん。血の匂いで魔物が集まってきた。取り敢えず馬車に戻ろう」
「了解。その前にジーク、襲撃者の服や荷物を調べるよ」

!?

「敵の手がかりを探すのか。手早くやろう」

こうしてシオン達は森の入口まで戻ってきて馬車でその場を後にした。
馬車で移動中に話を聞いた。

なんでも、近隣の村の魔物避けの結界が壊されたので、緊急で向かう事になり護衛をつけて急いで向かったのだが、気付けば森の中で、馬車から無理矢理降ろされると、そのまま殺される所だったそうだ。

「昨日、女神像が光って、その場に私と同じくらいの少女も光ったそうなんです。多分ですが、私は教皇様と一緒に神官達の不正を調べていて、私を殺して、その新しい聖女を担ぎ上げるつもりなんだと思います」


!?

シオンとジークはお互いに顔を合わせた。

コソッ
「これって私のせいなの?」
「う~ん?直接ではないけれど、間接的にはそう言えるかも」

2人は急に罪悪感が襲ってきた。

「そ、それでどうしよっか?」

これから何処に行こうか迷った。
シオン達は戻る訳にはいかなかったからだ。

「それなら魔物避けの壊されたと言う村に行ってもらえますか?」
「えっ、でもそれは貴女を殺す為のウソなんじゃ?」

「それでも私は聖女です。本当かどうか確かめなければなりません」

初めてシオン達はヒジリの聖女としての覚悟に触れたような気がした。

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

【完結】出来の悪い王太子殿下の婚約者ですって? 私達は承諾しておりません!

綾雅(りょうが)要らない悪役令嬢
恋愛
真実の愛は策略で生まれる ~王太子殿下の婚約者なんて絶対に嫌ですわ~  勉強は出来ず、実技も酷い。顔だけしか取り柄のない一番最初に生まれた王子というだけで、王太子の地位に就いた方。王国を支える3つの公爵家の令嬢達は、他国にも名の知れた淑女であり、王太子レオポルドの婚約者候補に名を連ねた。 「絶対にお断りだわ」 「全員一緒に断りましょうよ」  ちょうど流行している物語の主人公のように演出し、道化を演じて退場していただきましょう。王家も貴族のひとつ、慣習や礼儀作法は守っていただかないと困ります。公爵令嬢3人の策略が花開く!   ハッピーエンド確定、6話完結 【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ、ノベルアップ+ ※2022/05/25、小説家になろう 恋愛日間20位 ※2022/05/25、カクヨム 恋愛週間27位 ※2022/05/24、小説家になろう 恋愛日間19位 ※2022/05/24、カクヨム 恋愛週間29位 ※2022/05/23、小説家になろう 恋愛日間27位  ※2022/05/21、完結(全6話) ※2022/05/21、カクヨム 恋愛週間41位 ※2022/05/20、アルファポリス HOT21位 ※2022/05/19、エブリスタ 恋愛トレンド28位

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

悪役令嬢に転生しましたが、行いを変えるつもりはありません

れぐまき
恋愛
公爵令嬢セシリアは皇太子との婚約発表舞踏会で、とある男爵令嬢を見かけたことをきっかけに、自分が『宝石の絆』という乙女ゲームのライバルキャラであることを知る。 「…私、間違ってませんわね」 曲がったことが大嫌いなオーバースペック公爵令嬢が自分の信念を貫き通す話 …だったはずが最近はどこか天然の主人公と勘違い王子のすれ違い(勘違い)恋愛話になってきている… 5/13 ちょっとお話が長くなってきたので一旦全話非公開にして纏めたり加筆したりと大幅に修正していきます 5/22 修正完了しました。明日から通常更新に戻ります 9/21 完結しました また気が向いたら番外編として二人のその後をアップしていきたいと思います

婚約破棄された令嬢、気づけば王族総出で奪い合われています

ゆっこ
恋愛
 「――よって、リリアーナ・セレスト嬢との婚約は破棄する!」  王城の大広間に王太子アレクシスの声が響いた瞬間、私は静かにスカートをつまみ上げて一礼した。  「かしこまりました、殿下。どうか末永くお幸せに」  本心ではない。けれど、こう言うしかなかった。  王太子は私を見下ろし、勝ち誇ったように笑った。  「お前のような地味で役に立たない女より、フローラの方が相応しい。彼女は聖女として覚醒したのだ!」

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

今、目の前で娘が婚約破棄されていますが、夫が盛大にブチ切れているようです

シアノ
恋愛
「アンナレーナ・エリアルト公爵令嬢、僕は君との婚約を破棄する!」  卒業パーティーで王太子ソルタンからそう告げられたのは──わたくしの娘!?  娘のアンナレーナはとてもいい子で、婚約破棄されるような非などないはずだ。  しかし、ソルタンの意味ありげな視線が、何故かわたくしに向けられていて……。  婚約破棄されている令嬢のお母様視点。  サクッと読める短編です。細かいことは気にしない人向け。  過激なざまぁ描写はありません。因果応報レベルです。

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

追放された悪役令嬢、規格外魔力でもふもふ聖獣を手懐け隣国の王子に溺愛される

黒崎隼人
ファンタジー
「ようやく、この息苦しい生活から解放される!」 無実の罪で婚約破棄され、国外追放を言い渡された公爵令嬢エレオノーラ。しかし彼女は、悲しむどころか心の中で歓喜の声をあげていた。完璧な淑女の仮面の下に隠していたのは、国一番と謳われた祖母譲りの規格外な魔力。追放先の「魔の森」で力を解放した彼女の周りには、伝説の聖獣グリフォンをはじめ、可愛いもふもふ達が次々と集まってきて……!? 自由気ままなスローライフを満喫する元悪役令嬢と、彼女のありのままの姿に惹かれた「氷の王子」。二人の出会いが、やがて二つの国の運命を大きく動かすことになる。 窮屈な世界から解き放たれた少女が、本当の自分と最高の幸せを見つける、溺愛と逆転の異世界ファンタジー、ここに開幕!

処理中です...