夏休みの山奥に洋館でタイムスリップしたら、死体が転がってた。

lavie800

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第二話

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乱暴に入り口のドアが破られて開き、クラスメイトの二人も駆けつけてきた。
田口が吉川に声をかける。「部屋の中は暗闇よ。どうしたの。何が起きたのよ?」

大内も「洋館の入り口のドアが開かないし、中から叫び声が聞こえたから体当たりしてドアを開けたんだ」

美鶴がクラスメイトだちに話しかける。
「顧問が倒れているの!
誰か、すぐに警察と救急車を呼ばないと!
誰かスマホ持っている?」

大内が慌てて「顧問から、合宿は対局の不正防止のためスマホ厳禁と言われたよな。それに、この洋館の部屋の扉は密室のように閉まっていたぞ。」

美鶴の顔が青ざめる。
「つまり、誰も出入りしていないってことは、犯人はまだ洋館の中にいるということ……」

洋館の外から、物凄い大きな雷鳴が聞こえる。
次の瞬間、洋館全体の建物が揺れるほど大きな音がした。
美鶴が声を出した。「近くに雷が落ちたようね。」
吉川が洋館の外から橋を見ると、吊り橋が消えていた。

洋館の外へ飛び出した吉川たちは茫然と消失した吊り橋を見ていた。田口と大内が橋が落ちた方向を見てどうしようと叫んでいる。この二人は従兄妹同士である。令和であの八大タイトルを取った中学生棋士に憧れてこの二人の従兄妹も将棋に興味を持ったらしい。

大きな稲光が再び上空で光りすぐに大きな雷鳴がした。
空一面が不思議な緑色の雲に覆われている。雨が肩に落ちてきたようだ。
洋館の中に戻ろうとした美鶴は吉川を見て不思議そうな顔をしていた。

「ほら吉川君、洋館の壁が古びていないわ。緑の壁がまだ新しい。さっき着いた時は、壁が古びていて灰色がかっていたような気がするの」

確かに洋館が新しい気がする。古びた気配が無い。
田口が後ろから話しかけてきた。
「顧問なら、スマホを持っているんじゃないかしら」
四人は一斉に息をしていない顧問が横たわっている部屋にもどった。

大内が顧問の着ていた服のポケットを探ると、折り畳み式の携帯電話を他の三人に見せた。
「顧問には申し訳ないけれど借りるから」
田口が110と指でボタンを押している。スマホではなく古い携帯電話だ。押すと繋がったようだ。
『お掛けになった番号は電波が届かない場所か電源が入っていないため繋がりません』
携帯電話からそのような自動音声が聴こえてくる。
「そんな馬鹿な。ここは圏外なの?」
スカート姿の田口が携帯電話を持って、洋館の外に飛び出した。

美鶴が顧問の顔をじっと見つめている。
「吉川君、今横たわっている男性の髪の毛だけれど全部綺麗な白髪よ。顧問は定年間近だけれど白髪交じりで黒髪も混じったグレーの髪だったような気がするわ。
この人、顧問に似ているけれど、顧問じゃない気がするわ。」

先程から美鶴がとんでもない事を言っている。

じゃあ、この横たわっている人は誰!?
ここは本当にさっき顧問と中学の将棋部メンバーで来た洋館なのか。

田口が戻ってきた。
「外にでてもやっぱり警察に繋がらないわ。吊り橋も落ちたし、どうやって連絡したらいいの」

美鶴が田口から携帯電話を預かると、また奇妙な事を言ってきた。
「携帯電話の日付が2000年8月1日になっているわ。今は2024年のはずなのに」
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