転部したら先輩が神だった

神河 斉

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なんで食べなかったんだろ?

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「ふぅ~。すばらしい世界旅行をありがとう。後輩クン。」
「そりゃどうも。でも、中東から南米、東南アジアって順番やばいっすよね。すんごい大変ですよ。」
「そんなこと気にしないっ!次は・・・青椒肉絲!」
「あ、近くに行きましたね。どうです?」

「ほんとに呆れるほどおいしいなぁ・・・作り方教えてよっ!」
「いいですよ。えーと、材料切って、炒めて、醤油とオイスターソースと塩こしょう、後花椒をいれて出来上がりです。」

「なんというか・・・適当だなぁ。」
「えぇ、適当です。普段は味見すらしませんからね。今回はちゃんとしましたけど。結局味は一切変えてませんが。

「才能って恐ろしいものだなぁ・・・」
「いや、料理に関しては経験だと思いますよ?4歳のときから毎日1食は作っていましたから。少なくとも4000食は作ってる計算ですね。」

「コウにこんな特技があったとは・・・なんで知らなかったんだろう?」
「そういえば先輩って僕のこと結構知ってますよね。この前も両親が家にあんまり居ない事を知ってましたし。なんで知ってるんですか?」

「む!こ、こちらには色々あるんだよ!あ、もう時間がないよ!早く食べちゃおう!」
「先輩、棒読みですよ・・・もう、そんな顔しないでくださいよ。分かりました、この件は追及しないでおきます。」

そういった瞬間に曇っていた先輩の顔が晴れる。

「けど、ほんとに時間ないですよ!急いで食べてください。」
「了解にゃ!ボクの弁当はどうだった?」
「おいしかったですよ。ちゃんと完食しましたし。卵焼きめちゃふわふわしてましたし!」
「良かった!ほいこれ弁当箱。言うまでもなくおいしかったよ~。またよろしくね~。」

渡された弁当箱はずっしりと重かった。ふたを開けてみると、クロがそのまま残っていた。
「ご飯食べないんですか?」
「かわいそうで食べられなくて・・・後輩クンが食べてよ!成長期の男子高校生はいっぱい食べなきゃだからにゃ~。」
少し悲しそうな顔でそう答える先輩。

「分かりました。これからは普通のにします。先輩ならがっつくと思ったのになぁ・・・」
「どういう意味だよ~、後輩クン。」
「楓牧先輩なんか食いしん坊のイメージがあったので。」
「そんなことないぞ~。乙女だぞ~。」

思わず笑ってしまう。やっぱりこの人は笑顔が似合う。
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