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1984年、中3
あんな学校行きたくねぇよ!
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一週間後、合格発表の為再びF高校に来た。
案の定、掲示板には僕の受験番号は載っていなかった…
「小野っち、どうだった?アタシ不合格だったよ、どうしよう…」
波多野が今にも泣きそうな顔で、不合格を告げた。
「オレもなかった。とにかく帰ろう」
僕と波多野はF高校を後にした。
帰りのバスの中で、波多野は肩を震わせて泣いていた。
試験には自信があったのだろう。
僕は話しかける事も出来ずに、ただ波多野を見守るしかなかった。
受験って残酷だよね…
僕と波多野は学校に着くと、教室で待機している先生に報告した。
「二人ともダメだったか…でもよくやった!これで終わりじゃないんだからな、まだ次が残ってるから頑張れ!」
先生は二次募集の受験にまだ間に合うといって励ましてくれたのだろうが、目標校に入れなかったから、じゃあ次はこの学校にします、なんて言えるか?
ドラフトじゃないけど、自分の入りたい所じゃない所に入って、何の意味があるんだろうか?
まぁ、ドラフトと違うところはクジ運と学力だからね。
要因は勉強不足なんだし、やっぱり悪いのは自分って事になるんだけども…
ただ今も当時も、志望校に落ちたから他の学校行きますっ、てな考えはどうなんだろうか?
大学へ入るのに浪人する人は多いけど、高校へ入るのに浪人するって人はなかなかいないよね?
それでもいいから、志望校に行きたい!
でも世間の目もあるし、中学浪人なんて難しい…
ちょっと話が逸れすぎたかな…
F高校に落ちた僕は、S学院に行く事しか進学の道は無い…
いや、S学院を蹴って二次募集で他の都立校に受けるという手もあったが、受験が終わり、もう勉強する気力も残ってない僕に、また受験するという気持ちは無かった。
もう受験は懲り懲りだし。
波多野はF高校一本に絞っていたから、落ちた時のショックはかなりのものだろう。
それに懸けていたんだから、落ちた時のショックってのは計り知れない。
波多野はずっと泣いていた。
他の女子に慰められながら帰って行った。
反対に僕は、F高校に落ちたショックはそれほど無かった。
当日、多分落ちるだろうと半ば覚悟していたからだけど、いざ掲示板に自分の受験番号が載ってないってのを見た時はガッカリしたけど…
それより、僕はS学院に入学するのを止めて、働きながら定時制にでも行こうかと考えていた。
場所は池袋という、繁華街なのが魅力的だ。
何せ、下町育ちの僕にしてみれば、池袋なんて都会も都会、大都会だから。
サンシャインがそびえ立つ街、池袋。
洗練されたシャレオツな街ってな感じで、僕の心は多少揺れ動いた。
しかも、憧れの電車通学だしね。
でも、卒業するまで3年間通えるか?って事になると話しは別だ。
ウチに着いて、母親に不合格だという事を告げ、自分の思った事を正直に言った。
「オレ、S学院に行くの止めるよ。働きながら定時制に行くわ」
勿論、母親は猛反対。
「何言ってるの!アンタはS学院には受かったんでしょ?定時制に行って働く?アンタにそんな事、出来っこ無いでしょ!」
うん、正直働くなんて考えは無い。
でも、S学院には行きたくない。
それに、もう授業は懲り懲りだ。
そんなワガママな事しか頭に浮かばない。
ワガママが服着て歩いているような人間だったから、当時の僕は。
「貴久、落ちたの?だから、もっと前から勉強しないとダメって言ったじゃん!」
姉にも散々言われるわで。
「こうなったら、S学院に行くしかないんだから!定時制って4年通うのよ?働きながら4年も学校に通えるの?」
こんな事を言われ、渋々S学院に入学する事になった…
行きたくない学校に無理矢理行かされるのって…苦痛だよね。
それもこれも、僕が頭は良い天才だ!と言って、1学期にシカト食らった事など忘れる程、余裕ぶっこいて落ちたんだから。
アリとキリギリスに例えるならば、僕は完全なキリギリスだったという事だ…
案の定、掲示板には僕の受験番号は載っていなかった…
「小野っち、どうだった?アタシ不合格だったよ、どうしよう…」
波多野が今にも泣きそうな顔で、不合格を告げた。
「オレもなかった。とにかく帰ろう」
僕と波多野はF高校を後にした。
帰りのバスの中で、波多野は肩を震わせて泣いていた。
試験には自信があったのだろう。
僕は話しかける事も出来ずに、ただ波多野を見守るしかなかった。
受験って残酷だよね…
僕と波多野は学校に着くと、教室で待機している先生に報告した。
「二人ともダメだったか…でもよくやった!これで終わりじゃないんだからな、まだ次が残ってるから頑張れ!」
先生は二次募集の受験にまだ間に合うといって励ましてくれたのだろうが、目標校に入れなかったから、じゃあ次はこの学校にします、なんて言えるか?
ドラフトじゃないけど、自分の入りたい所じゃない所に入って、何の意味があるんだろうか?
まぁ、ドラフトと違うところはクジ運と学力だからね。
要因は勉強不足なんだし、やっぱり悪いのは自分って事になるんだけども…
ただ今も当時も、志望校に落ちたから他の学校行きますっ、てな考えはどうなんだろうか?
大学へ入るのに浪人する人は多いけど、高校へ入るのに浪人するって人はなかなかいないよね?
それでもいいから、志望校に行きたい!
でも世間の目もあるし、中学浪人なんて難しい…
ちょっと話が逸れすぎたかな…
F高校に落ちた僕は、S学院に行く事しか進学の道は無い…
いや、S学院を蹴って二次募集で他の都立校に受けるという手もあったが、受験が終わり、もう勉強する気力も残ってない僕に、また受験するという気持ちは無かった。
もう受験は懲り懲りだし。
波多野はF高校一本に絞っていたから、落ちた時のショックはかなりのものだろう。
それに懸けていたんだから、落ちた時のショックってのは計り知れない。
波多野はずっと泣いていた。
他の女子に慰められながら帰って行った。
反対に僕は、F高校に落ちたショックはそれほど無かった。
当日、多分落ちるだろうと半ば覚悟していたからだけど、いざ掲示板に自分の受験番号が載ってないってのを見た時はガッカリしたけど…
それより、僕はS学院に入学するのを止めて、働きながら定時制にでも行こうかと考えていた。
場所は池袋という、繁華街なのが魅力的だ。
何せ、下町育ちの僕にしてみれば、池袋なんて都会も都会、大都会だから。
サンシャインがそびえ立つ街、池袋。
洗練されたシャレオツな街ってな感じで、僕の心は多少揺れ動いた。
しかも、憧れの電車通学だしね。
でも、卒業するまで3年間通えるか?って事になると話しは別だ。
ウチに着いて、母親に不合格だという事を告げ、自分の思った事を正直に言った。
「オレ、S学院に行くの止めるよ。働きながら定時制に行くわ」
勿論、母親は猛反対。
「何言ってるの!アンタはS学院には受かったんでしょ?定時制に行って働く?アンタにそんな事、出来っこ無いでしょ!」
うん、正直働くなんて考えは無い。
でも、S学院には行きたくない。
それに、もう授業は懲り懲りだ。
そんなワガママな事しか頭に浮かばない。
ワガママが服着て歩いているような人間だったから、当時の僕は。
「貴久、落ちたの?だから、もっと前から勉強しないとダメって言ったじゃん!」
姉にも散々言われるわで。
「こうなったら、S学院に行くしかないんだから!定時制って4年通うのよ?働きながら4年も学校に通えるの?」
こんな事を言われ、渋々S学院に入学する事になった…
行きたくない学校に無理矢理行かされるのって…苦痛だよね。
それもこれも、僕が頭は良い天才だ!と言って、1学期にシカト食らった事など忘れる程、余裕ぶっこいて落ちたんだから。
アリとキリギリスに例えるならば、僕は完全なキリギリスだったという事だ…
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