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退屈な高校の授業
タバコ吸っちゃダメでしょ!
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当日、僕らは駅で待ち合わせた。
波多野は薄いグリーンのサマーセーターにジーンズ、ローファーの靴を履き、リュックを背負っていた
僕はタンガリーシャツにジーンズという、尾崎豊を意識したような、今では考えられない上下デニムという出で立ちだ。
「んじゃ行こっか」
僕らは電車に乗り込んだ。
隣に座ると、横顔が中学の頃に比べ、ややシャープな顔立ちになり、胸の膨らみが大きめになった波多野に、大人な部分を感じた。
(あぁ~、誰もいなけりゃここで抱きつきたい!)
アホ丸出しな妄想を頭に浮かべ、僕は横目で波多野をチラ見していた。
「小野っち、原宿行くの初めて?」
波多野の声で我にかえる。
「えっ、あれ?明治神宮って原宿じゃなかったっけ?」
「あそこはホコ天の前でしょ。原宿の竹下通りは行った事あるの?」
当時は歩行者天国と呼ばれ、休日になるとラジカセをフルボリュームでガンガンかけて踊る人が大勢いて、一世風靡セピアもホコ天出身のパフォーマンス集団だった。
「竹下通りはないなぁ…あそこ人がウヨウヨいて、ちゃんと歩けるのか?ってテレビ観ながらいつも思ってたよ」
僕は繁華街というのがあまり好きではない。
何故、あんなゴミゴミした場所に好んで行くのだろう、と理解できない。
そう言いながら、あの学校に決めた理由の一つは繁華街にあるからって事だから僕もかなりいい加減だ。
だが通っているうちに、何でこんな人でごった返してるんだ?ってな感じで、すぐに嫌気がさしたんだけど…
「アタシ、中3の夏休みに何人かで行ったのが初めてで、やっぱり人が多くて途中ではぐれそうになってさぁ、でも何かいいんだよね、竹下通りって」
何だ、単なるミーハーなのか波多野は…
ああいう所がいいんなんて、都会に憧れる地方の女子高生じゃんかよ!
あぁ、今はJKって言うんだっけ?
僕らは原宿に着き、竹下通りに向かう。
「小野っち、はぐれそうになるから手握って行こう」
えっ、手を握る?マジで?
僕は手汗を、ゴシゴシとジーンズで拭いて波多野の手を握った
(オイオイ、オレ波多野と手握ってるよ、こりゃ楽しいなっ!)
浮かれながら手を繋ぎ、僕らは竹下通りを歩いた。
「あ!あの美容室、キョンキョンが行き付けのとこなんだって」
「へー、キョンキョンがここの美容室に来るんだ」
「そうそう、であの店はね…」
詳しいな波多野は。
っていうか、超ミーハーじゃねえかっ!
「あ、小野っちクレープ食べよう」
僕らは屋台でクレープを買った。
「これ食いながら歩いてて、よくぶつからないよな」
僕はクリームをこぼさないよう、人にぶつからないように慎重に歩いた。
歩きながら食べるってのも難しいよなぁ。
「小野っち、どっかで休憩しようよ」
僕らは竹下通りを抜けたところにある、喫茶店を見つけ入った。
「小野っち何頼む?アタシ、喉乾いたからレモンスカッシュ」
「あ、えーとアイスコーヒーとレモンスカッシュを」
店員に注文して、氷の入った水を飲んだ
「あぁ~あ、タバコがグシャグシャだよ」
僕はポケットからラークマイルドの箱を出した。
竹下通りを歩いてる時、人とぶつかって箱が潰れてしまった。
「小野っちタバコ止めなよ!まだ吸うのは早いってば」
「いや、吸っても大丈夫じゃん?今までこういうとこで吸ってて、何も言われた事なかったし」
「そういう問題じゃないでしょ!まだ未成年だから吸っちゃダメ!」
(あぁ、無性にタバコが吸いたい!ヤニパワーをオレにくれ!)
そんな事を思いつつ、タバコを我慢していた
「いつから吸ってるの?」
「んー、中2?うん、確か中2かな」
「えっ!じゃあ、サッカー部のほとんどの人が吸ってるの見つかったあの頃から?」
あの頃とは、中2の終わりにサッカー部の部員が集まり、校舎の裏でタバコを吸っていたところを女子に見つかり、先生にチクられた挙げ句、物凄い剣幕で怒られ、ブン殴られた事があった。
僕はその連中とタバコを吸った事はなく、もっぱら康司の部屋や、ゲーセンで煙を吹かしていた。
「んー、まぁでもオレ学校には絶対タバコを持っていかなかったからね」
「小野っち、もう吸わないでよ!ハタチになってから吸えばいいじゃん?」
波多野が悲しげな表情で僕を見る。
「わかったよ、じゃこれ捨てるゎ」
僕はルパン三世の次元大介が吸うような、曲がったタバコをゴミ箱に捨てた。
(あぁ、タバコ吸いてーっ!)
波多野は薄いグリーンのサマーセーターにジーンズ、ローファーの靴を履き、リュックを背負っていた
僕はタンガリーシャツにジーンズという、尾崎豊を意識したような、今では考えられない上下デニムという出で立ちだ。
「んじゃ行こっか」
僕らは電車に乗り込んだ。
隣に座ると、横顔が中学の頃に比べ、ややシャープな顔立ちになり、胸の膨らみが大きめになった波多野に、大人な部分を感じた。
(あぁ~、誰もいなけりゃここで抱きつきたい!)
アホ丸出しな妄想を頭に浮かべ、僕は横目で波多野をチラ見していた。
「小野っち、原宿行くの初めて?」
波多野の声で我にかえる。
「えっ、あれ?明治神宮って原宿じゃなかったっけ?」
「あそこはホコ天の前でしょ。原宿の竹下通りは行った事あるの?」
当時は歩行者天国と呼ばれ、休日になるとラジカセをフルボリュームでガンガンかけて踊る人が大勢いて、一世風靡セピアもホコ天出身のパフォーマンス集団だった。
「竹下通りはないなぁ…あそこ人がウヨウヨいて、ちゃんと歩けるのか?ってテレビ観ながらいつも思ってたよ」
僕は繁華街というのがあまり好きではない。
何故、あんなゴミゴミした場所に好んで行くのだろう、と理解できない。
そう言いながら、あの学校に決めた理由の一つは繁華街にあるからって事だから僕もかなりいい加減だ。
だが通っているうちに、何でこんな人でごった返してるんだ?ってな感じで、すぐに嫌気がさしたんだけど…
「アタシ、中3の夏休みに何人かで行ったのが初めてで、やっぱり人が多くて途中ではぐれそうになってさぁ、でも何かいいんだよね、竹下通りって」
何だ、単なるミーハーなのか波多野は…
ああいう所がいいんなんて、都会に憧れる地方の女子高生じゃんかよ!
あぁ、今はJKって言うんだっけ?
僕らは原宿に着き、竹下通りに向かう。
「小野っち、はぐれそうになるから手握って行こう」
えっ、手を握る?マジで?
僕は手汗を、ゴシゴシとジーンズで拭いて波多野の手を握った
(オイオイ、オレ波多野と手握ってるよ、こりゃ楽しいなっ!)
浮かれながら手を繋ぎ、僕らは竹下通りを歩いた。
「あ!あの美容室、キョンキョンが行き付けのとこなんだって」
「へー、キョンキョンがここの美容室に来るんだ」
「そうそう、であの店はね…」
詳しいな波多野は。
っていうか、超ミーハーじゃねえかっ!
「あ、小野っちクレープ食べよう」
僕らは屋台でクレープを買った。
「これ食いながら歩いてて、よくぶつからないよな」
僕はクリームをこぼさないよう、人にぶつからないように慎重に歩いた。
歩きながら食べるってのも難しいよなぁ。
「小野っち、どっかで休憩しようよ」
僕らは竹下通りを抜けたところにある、喫茶店を見つけ入った。
「小野っち何頼む?アタシ、喉乾いたからレモンスカッシュ」
「あ、えーとアイスコーヒーとレモンスカッシュを」
店員に注文して、氷の入った水を飲んだ
「あぁ~あ、タバコがグシャグシャだよ」
僕はポケットからラークマイルドの箱を出した。
竹下通りを歩いてる時、人とぶつかって箱が潰れてしまった。
「小野っちタバコ止めなよ!まだ吸うのは早いってば」
「いや、吸っても大丈夫じゃん?今までこういうとこで吸ってて、何も言われた事なかったし」
「そういう問題じゃないでしょ!まだ未成年だから吸っちゃダメ!」
(あぁ、無性にタバコが吸いたい!ヤニパワーをオレにくれ!)
そんな事を思いつつ、タバコを我慢していた
「いつから吸ってるの?」
「んー、中2?うん、確か中2かな」
「えっ!じゃあ、サッカー部のほとんどの人が吸ってるの見つかったあの頃から?」
あの頃とは、中2の終わりにサッカー部の部員が集まり、校舎の裏でタバコを吸っていたところを女子に見つかり、先生にチクられた挙げ句、物凄い剣幕で怒られ、ブン殴られた事があった。
僕はその連中とタバコを吸った事はなく、もっぱら康司の部屋や、ゲーセンで煙を吹かしていた。
「んー、まぁでもオレ学校には絶対タバコを持っていかなかったからね」
「小野っち、もう吸わないでよ!ハタチになってから吸えばいいじゃん?」
波多野が悲しげな表情で僕を見る。
「わかったよ、じゃこれ捨てるゎ」
僕はルパン三世の次元大介が吸うような、曲がったタバコをゴミ箱に捨てた。
(あぁ、タバコ吸いてーっ!)
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