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退屈な高校の授業

追っかけ

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フラれたからといって、ドラマやマンガのように絶望感になる、なんて事は無かった。

あぁ、フラレるってのはこういう風になるのか、って事しか感じなかった。

翌日は学校に行き、いつものように授業を聞いているフリをして居眠りしたり、マンガを読んで放課後は園田と一緒に後楽園に行ってバイトをする。

ただ、駅のホームで波多野に告白した場面が何度もフラッシュバックする。

それは朝起きて、夜寝るまでの間に何度も何度も頭をよぎる。

(人間て、めんどくせー生き物だな…)


そう思いながら、また退屈な日々を過ごした。

僕は空を見上げる機会が多くなった。

いつ見ても空は蒼い。

青ではなく、蒼なのだ。

眩しくて、太陽がジリジリと皮膚に突き刺さるような紫外線を浴びつつも、僕は空を見上げた。

もうすぐで夏だ。

夏休みになったら海でも行こう。

そこで水着姿の可愛い子と知り合いになって、さっさと初体験を済ませよう、と。

妄想だけは人一倍だ。

だが、実行には移せないチキンである…

今年の夏は誰と海に行こうか?
そんな事を考え、また空を見上げると夕陽は落ちて1日が終わっていく。

この頃になると、僕はバイトを続けるのがキツくなってきた。

試合終了の時間が読めないし、長引くと終電で帰る事が多々あったので、他のバイトにしようとフロム・エーやan(当時は日刊アルバイトニュース)等を見て、どこかいいトコはないかと探していた。

なるべく時給が良い所を選び、最終的には赤坂にあるビル清掃のバイトに決めた。

ここのバイトは、同じクラスの橋本というヤツがやっていて、彼に頼んで採用された。

清掃といっても、ビルの各階フロアーをくまなく掃除をするので、ケッコー体力を使う。

そこのバイトは僕らの他に数名の高校生がいて、顔を合わせるうちに親しくなっていった。

バイトが終わり、僕らは赤坂の街を歩いた。

丁度その頃、赤坂にあるTBSで木曜の9時に放映していた

【ザ・ベストテン】が生放送中で、TBSの入り口には追っかけと呼ばれるファンが、目当ての歌手の姿を一目見ようと待ち構えていた。

追っかけのほとんどは、女子高生だったような気がする。

僕らはバイトの帰りにこの場所を通っていたので、毎週木曜日に集まる追っかけを見ながら

「そんな事したって、アイドルなんて見れないだろ、暇なヤツラだな」

なんて事を言いながら、追っかけのヤツラを時には【追っかけ】した事もあった。

早い話がナンパってヤツだ。

まぁ芸能人を追っかけてる女が、バイトしてる高校生なんて相手にしなかったのだが。

これも青春の1ページってヤツで…



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