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夏休み編 その1
しおりを挟む「今年の会社の創立記念パーティー、来る?」
珍しくパパがそう聞いてきた。
「どうしたの急に?」
「蓮と仲良くなったなら、誘ってみても良いかな~~?って思っただけだよ」
毎年、パパの会社の創立記念パーティーは某老舗ホテルで行われる。いつもはママと二人で参加していたから、子供は参加出来ないのだと思い込んでいた。真相は蓮と険悪だったから……だったとは……なんだか申し訳ない……。
とは言え、一度行ってみたいとは思っていたから、二つ返事でOKした。
そんなわけで夏休み初日の創業記念パーティに向けて、ドレスを選びに百貨店に来た私とママ……と、蓮。
「え?行かないよ?タキシードとか着たくないし」
「南のドレス姿見たくないの?」
「見たいっっ!!!♡♡♡♡」
パパに乗せられ、張り切ってドレス選びにまで着いてきた蓮は、誰よりも目を輝かせてドレスを選んでいる……。
「やっぱりドレスと言えば、ボールガウンだよね~~♡♡♡」
ウエディングドレスみたいな形の派手なドレスをウットリ見つめる蓮。そんな仮装大賞みたいなドレス着れるか!!!
「やっぱり南にはAラインが似合うと思うのよ~~♡♡♡」
「この黄色のドレスも着てみてよ♡♡♡」
次々と渡されるドレスを試着し、10着を超えた辺りから帰りたくなった。あーでもないこーでもないとママと蓮が審議し、桜色のAラインドレスに決まった。
「妖精さんみたいだよ南~~♡♡♡」
店員さんが笑いを堪えている気配を感じながら、気まずい思いでお店を後にした。
「あ……お揃いだね♡♡♡」
せっかくドレスアップしたのだからと、リトリート施設で蓮から貰った指輪を嵌めた。タキシードを着た蓮の指輪にも同じ石で作られた指輪が嵌められている。
「蓮ってカッコいいんだね♡♡♡」
「惚れ直してくれた?♡♡♡」
「もちろん♡♡♡」
「タクシー来たわよ~~♡♡♡」
キス寸前でママの声にハッとした私たちは、両親と一緒にパーティー会場に向かった。
流石老舗ホテル。出される料理のクオリティが高い♡♡♡ 映え~~なスイーツや一品料理を蓮と一緒に頬張っていると、ハタチくらいのゴージャスな雰囲気のお姉さんに声をかけられた。
「あら、初めて見る顔ね」
雰囲気が重役の身内っぽい。パパの名前と役職名を伝え、会釈すると、ゴージャスお姉さんは花が咲くような笑みを浮かべた。
「私は次期社長の婚約者なの。瑠美子って言います。よろしくね」
「パ……父共々よろしくお願い申し上げます」
ひぇぇ……次期社長夫人とは……絶対怒らせないようにしよう……。
「ふふ……あなた方のような人、新鮮だわ」
「恐れ入ります」
もしかして庶民臭いとディスられているのかとも思ったが、ここは当たり障りなく対応しよう。
「因みに次期社長様はどちらに?」
「ああ、あちらで専務と話してる人が彼よ」
瑠美子さんが示した方向を見ると……
「相川……?」
蓮が言葉を漏らした。そう、先月遊覧船やホテルで遭遇した、椿と亜耶が件のご実家で告げられた運命のお相手様その1である、相川君がいたのだ。
『今夜は祝杯だ』
「未成年はお酒飲めませ~~ん」
慌てて会場を出て、パウダールームで椿に電話をすると、明らかに上機嫌な声でそう言われた。
『これが喜ばずにいられるか。婚約者がいたんだぞ?今、私には追い風が吹いている!!』
「ハイハイw で、私たちはこのまま退散した方が良いのかな?縁繋ぎたくないんでしょ?」
『いや……出来れば接触してくれないか?なるべく婚約者と二人でいる時に。そんで、婚約者と別れられないように外堀を埋めてやってほしい』
「うわぁ~~……えぐぅ~~……」
『私は聖人君子じゃねぇw 』
「知ってるw 」
電話を切り、蓮に会話を話すと、難しい顔をされた。
「藪蛇にならないと良いけど……」
ごもっともなご意見だ。だがしかし、せっかくドレスまで着てきたのだ。このままコソコソ帰るのも勿体無い。
「もうしばらく会場にいて、料理楽しもうよ♡♡♡」
「そっちが本音か……」
呆れた様子の蓮を引っ張り、再びパーティー会場に足を踏み入れた。
「あら、先程はどーも♡」
瑠美子さんの声がした方に振り返ると、椿ご希望のシチュエーションがまさしく目の前にあった。
「佐久間さん……」
「あらぁ!?相川君!?ぐーぜんだねぇ?まさか瑠美子さんの婚約者が相川君だったなんて~~!世間は狭いなぁ~~!」
「知り合いだったの?」
「中学の同級生だったんです」
蓮の冷めた視線を感じる……すまん、相変わらず演技が下手で……
「……ちょっと話せないかな……」
「話せるわけないだろ。俺の南に近付くな!」
言い訳の逃げ道を塞いでくれてありがとう蓮……。きっと私だけなら、なんやかんやで言い包められていた。
「そう……ゆっくりしていってくれ」
「ごゆっくり~~♡」
瑠美子さんに腕を組まれ、別の場所へ向かう相川君。ここで取り乱さない辺り、相川君はエリートなんだな、としみじみ思った。焦りを見せず、婚約者の顔も潰さず、次期社長として振る舞おうとしているその姿は、尊敬に値する。先月の遊覧船事件のことを鑑みると、きっと椿の耳に入ることは何がなんでも避けたいだろうに……立派な人だ。かと言って、私はあくまで椿たちの味方だけど。
帰る時、ロビーで小さなメッセージカードを受け取った。そこには綺麗な文字で
『どうしても話がしたい』
と書かれていて、隣にチャットのIDも書かれていた。
「ほら、藪蛇……」
「……コレ、無視できないかな?」
「親父の会社の次期社長だしなぁ~~……放っといたらどんな手を使ってくるか分からないしなぁ~~……最悪俺のスマホから連絡するよ」
悩んだ挙句、家族の食い扶持を優先した結果、蓮のスマホから連絡を取ることにした。
「違うんだ!!!」
翌日、蓮と指定されたホテルのラウンジに行くと、相川君が待っていた。アフタヌーンティーが出てきたのでスコーンをパクついていると、唐突に相川君が叫んだ。
「違うって……何が……?」
「瑠美子さんは、その……暫定婚約者と言うか、正式な婚約者ではないと言うか……」
「ご本人は婚約者って言ってたし、そう振る舞ってらっしゃったけど?」
「いや、うぅ……今瑠美子さんの別の縁談を探してて……」
「え?捨てるってこと?」
「言葉を選んで貰えないか……?」
力なく項垂れる相川君に、怒りが湧いてきた。コイツ、婚約者を切り捨てようとしてやがる!!!
「サイッッテーーーッッ!!!」
「このことはどうか……浅倉さんには……」
「そこまで含めてサイッテーーー!!!うわぁどクズや!!どクズがおるでぇぇーーー!!?」
「……勘弁してくれ……」
とうとう相川君は頭を抱えてしまったが、女の敵にかける情けは無い。
「そもそも椿には、ラブラブな彼氏がいるんだけど。旅行先で話したよね?」
蓮の言葉に、さらに項垂れる相川君。
「年下の彼だろう?……釣り合わないよ……」
「年下って何で知ってるの?私たち言ってないよね?……まさか……調べたの……?あの時船で一緒になったのも……ホテルが被ったのも……偶然じゃない……?」
「ホテルは本当に偶然なんだ!!遊覧船は……追いかけた……実は浅倉さんがいたのも知ってる……」
「ヒィィ~~~~ッッ!!!どクズの上にストーカーやぁぁーーーッッ!!!」
「うるせぇなこの女!!?」
とうとう相川君の化けの皮が剥がれた。
「南を侮辱すんな!!!」
「うるさいっっ!!君なら分かるだろ!!?好きな人に拒絶される辛さが!」
「それは分かる」
ちょっと蓮!?同調しないで!?
「はっきり言って、司君よりも貴方の方がよっぽど椿と釣り合ってませんけど!?」
「うっせぇブス!!」
「ふざけんなテメェ!!?南は超美人だ!!!」
「論点がズレる!!」
高級ラウンジで繰り広げられる低俗な口喧嘩。そろそろ追い出されそうである。私は自分を落ち着かせる為にケーキを口に放り込み、紅茶を啜った。
「相川君が実は面白い人だったということが発覚したところで、結論を申し上げます。婚約者の話はあの日速攻でしました」
「これだから女は!!」
「口に気を付けてください。椿はたいそう喜んでおりました。そういうことです。お察しください。ついでにRYOにも亜耶に近付くなとお伝えください。私からは以上です」
一気に捲し立てると、相川君はポロポロと涙をこぼし始めた。……こんなこと言いたくないけど、蓮と言い、なんでストーカーってすぐ泣くの??情に訴える気マンマンやん。あ、蓮の涙は可愛いけどね?♡♡♡
「簡単に諦められるなら、こんなみっともない真似はしてないよ……」
「相川君って、欲しいおもちゃは全部買って貰ってたタイプの人?」
「おもちゃなんて……買ってもらったこと無いな……毎日毎日勉強、習い事……人の上に立て、弱味を他人に見せるな、常に勝ち続けろとずっと言われて育ってきたんだ……」
「…………」
闇ふけぇぇーーーー!!!うわぁ……どうしよう……ダ◯リーだと思ったら◯フォイでした、みたいな。いや、◯フォイは両親から愛されてるからちょっと違うか。抑圧されたアダルトチルドレンってやつ?……椿がエナジーバンパイアと言うだけある。
「本当は中学の頃、結構限界で……浅倉さんと将棋を指す時間だけが唯一の癒しだったんだ……」
「椿が癒しとか……ウケるw 」
「黙れヤリチン!!」
「はぁーー!!?今は南限定のヤリチンですけどぉ~~??」
「やめなさいアンタたち!!!」
そろそろマジで追い出されそう。その前にケーキ全部食べとこう。
「だから頼む!!僕は浅倉さんがいないと生きていけないんだ!!!どうか仲を取り持ってくれ!!!」
「少なくとも一年以上生きてますよね?」
「君たちのお父さん……ある日突然無職にならないといいけどねぇ……」
「さっ……最低の雇用主や!!!」
パパを人質に取られてしまっては身動きが取れない。上品なボンボンの化けの皮が剥がれた相川君の報告をすべく、椿にアポを取った。
「お前たちは私を殺す気か??」
「誠に申し訳ございません……」
「言ったよな!?奴はエナジーバンパイアだからエネルギー吸われて私が死ぬってよぉ!!」
「返す言葉もありません……」
「ブフッw まぁまぁw ぐふっw 」
亜耶はなりふり構わない相川君がツボったらしく、さっきからずっと吹き出している。
「敢えてストーカー目線で話すけど、頑なに接触さけてたら向こうも躍起になるんじゃないの?あの時のRYOだって、ちょっと常軌を逸してたし」
「接触なんかしてみろ!?ますます執着されるぞ!?」
「逃げられたら追いかけたくなるもんだろ!?」
そうか……蓮は逃げられるのが好きなのか……今度逃げてみよう。
「取り敢えずこう返せ。『椿に説明しましたが、司君という超イケてる彼ピッピがいるので全力でお断りしますとの事です』ってな!!」
蓮がチャットに打ち込むと……
『返事はYES以外認めない』
と、返ってきた。亜耶はヒーヒー言いながら笑い転げている。
「じゃあ次は『瑠美子さんというご立派な婚約者がいる身でぬけぬけと。テメーは大人しく婚約者のおっぱい吸ってな!!との事です』って返しとけ」
チャットに打ち込むと……
『その問題が解決したら結婚してくれ』
と、返ってきた。
「うわうわうわぁぁーーーッッ!!?話通じないんだけど!?うわぁキモい……」
「瑠美子さんのこと問題扱いしとる……サイテー……」
私と蓮がスマホを見ながらドン引きしていると、椿が重い重いため息をついた。
「直接引導を渡してやるしかないのか……」
いくら運命の相手でも、今の相川君は無いと私ですら思う。それ故に椿のことが心配だ。
「心配するな。私は強い」
そう言って笑みを浮かべる椿が痛々しくて、私たちは顔を見合わせた。
椿が指定した店は、私と蓮のバイト先の喫茶店である。店長には事前に話しておいた。心配した亜耶も、奥の席にスタンバイしていた。
「いらっしゃいませ」
店長の声に振り返ると、相川君がそこにいた。キョロキョロと店内を見渡して、椿の顔を確認するなり、蕩けるような笑みを浮かべた。
「浅倉さん♡♡♡ 待たせてごめんね♡♡♡」
「……久しぶり」
温度差がエグいテーブルに相川君が腰掛け、蓮が注文を取りに行った。
「珈琲で。ああっ!!♡♡♡ 目の前に浅倉さんがいるなんて!!夢みたいだ♡♡♡」
「私は君とおしゃべりするために来たんじゃない。引導を渡すつもりで来たんだ」
「……??」
「キョトンとすんな!私には今、大切な彼ピッピがいる。だから相川君の気持ちに応えることは出来ない。以上だ」
「……分かってるよ……」
「分かってるならなんで……」
「だからね……僕の番が来るまで、ずっと待ってるよ……♡♡♡」
「は?」
「中学の時も三年間ずっと待ってたんだ。君の隣が開くのを。十年でも、二十年でも、ずっと待ってる♡♡♡ もちろんいつその時が来ても良いように、身辺は綺麗に整えておくよ♡♡♡ だからいつでも僕のとこにおいで♡♡♡」
ヒィィーーーー~~~ッッ!!!最早ホラーやん!!!震える手で珈琲のカップを置き、チラッと二人を見た。椿が重い重いため息をつくと、相川君の表情が険しくなった。
「婚約者の方、綺麗な人だそうじゃないか……」
「親が勝手に決めた婚約者だ。物心ついた頃には既にそういう関係だった。僕の意思はどこにもないよ」
「それが君の宿命なんだろ。そんな小さな頃からの婚約者なんて、幼馴染ってことだろう。それなりに情が移ったりしないのか?」
「君と小石川君だって幼馴染だけど、ただの友人だろう?」
「瑠美子さんは君に好意があるんだろ?簡単に切り捨てんなって話だよ!」
「ちゃんと根回しはするさ。瑠美子さんが1ミリも疑わないようにね」
「瑠美子さんは君にとって将棋の駒でしかないのか?」
「……?」
「それが分からないうちは、君と分かり合える日は来ない。私は司と幸せになりますので、相川君もどうぞお幸せに」
「待って!!!」
椿が立ち上がると、相川君は咄嗟に椿の手を掴んだ。
「……手を離してくれる?」
「あの頃と同じこと言うんだね……」
「だからそれはお前がッッ…………」
叫びかけた後、椿が目を見開いたまま固まった。
「…………」
「……浅倉さん……?」
流石に様子がおかしいことに気付いたのか、怪訝な顔をする相川君。椿は椅子に座り直すと、頭を抱えて何やら呟き始めた。
「………あ~~……そうか……え?それ言ってもいいの?……う~~ん……」
「俺が審神者やろうか?」
いつの間にか、奥の席でスタンバイしていた亜耶が椿たちのテーブルの前に立っていた。バッグから手帳を取り出し、何やら筆談めいたことをしている。
「え??何?何なの?」
いつぞやの美◯さんと江◯さんみたいな二人に、流石の相川君も状況が理解出来ないみたいだ。
「今から話すことは話半分以下で聞いてくれて良いんだが……相川君……君、少し前からやってみたい事業の青写真があるだろ?」
「えっ……?」
「で、それは大した儲けにならない事業だ」
「…ッッ!!?何でそれを!!?」
「あ~~、君の後ろの人……ネイビーのカーディガン着てて……赤い石……ガーネットかな?の指輪をしている……君にそっくりな女の人が言ってる……」
それを聞いた相川君の目から、一筋の涙が溢れた。
「……母だ……きっと……」
「あ~~……なるほど。あ~~……お母さんがルーターだったのか……」
椿がうんうん唸りながら考え込んでしまって、相川君は不安そうに亜耶を見た。
「うーん、つまり、相川君はその事業を進めるための応援が、宇宙の物凄い場所から来ていて、その膨大なエネルギーを受け取りやすいようにお母さんが仲介してくれてるんだ。あ、もしかしてスピ系の話苦手?」
「いや別に……ちょっと混乱してしまって……」
亜耶からの補足に、困惑した表情を見せる相川君。
「あ~~……今君はお父上や株主の顔色を伺って、その青写真を誰にも言えないでいるだろ?立ち止まってる暇はねーぞ?やれ。今すぐやれ」
「進めても……良いの……?」
「やれ。自分がどうして金持ちの家に生まれてきたのか考えろ。その有り余る金は!!一人でも多くの人を救うためにあるんだよ!!」
「本当に……進めても良いの……?」
「だから迷ってる暇はねーんだって!!いいか!?私も君も、みんなそうだ!!生まれる前に決めてきたことがあるだろう!?今がその時なんだ!!相川家の血筋からも、水門家の血筋からも、今さら逃げられんぞ!?父親の血筋だけじゃなく、母親の血筋からもとんでもなく応援されてんだよ!!!君はその宿命からは逃げられない!!人の顔色伺ってる場合か!?お前が動けば周りも動く!!動け!!お前は八咫烏だ!!!」
椿の剣幕に、店内が静まり返った。相川君も鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしている。
「復興の礎……って言ってる。多分、相川君は歴史に残る偉人になるよ。頑張って!」
亜耶がガッツポーズをして見せると、相川君は真剣な表情になった。
「僕……やるよ。上手くいくかどうか分からないけど、やってみる」
「そうか……私で良ければ、いつでも力になるよ」
「じゃあ結婚してください♡♡♡」
「ビジネスのことならって意味だボケ!!」
何だか明後日な方向で纏まった気がするけど、椿と相川君は固い握手を交わしていた。
「お待たせ椿……って、お取り込み中?」
待ち合わせていたのか、司君が店内に入ってきた。
「ああ、今終わったとこだ」
「え?ちょっと待って……」
「今から彼ピッピとデートなんだ♡♡♡ ってことで、私は行くから。事業頑張れよ!!」
「僕待ってるからね!?ずっとずっと待ってるからね!!?」
「何の話?」
「私たちには関係ない話さ♡♡♡」
司君と腕を組み、颯爽と出て行った椿。残された相川君は、ショボンヌって顔をして肩を落としていた。
「ま、これからはビジネスパートナーとしてよろしくってことだよ☆ ……多分な」
「母さん……ずっと側にいてくれたんだ……」
「そらそうよ。ずっと心配してたみたいだぜ?お父様はちゃんと向き合ってくれる人だから怖がらないで、だってさ」
「~~~~ッッ……」
そのまま静かに泣き始めた相川君の背中を、亜耶はしばらくの間さすっていた。
「生まれる前に決めてきたこと……か。刺さること言うねぇ~~」
店長がお皿を磨きながら噛み締めるように呟いた。
「店長は何を決めてきたんですか?」
「何だろうねぇ~~。お店を持つことかな?結婚することかなぁ?」
「じゃあ達成してるじゃないですか」
「そうだねぇ。僕は幸せ者だよ♡♡♡」
そう言って笑う店長は、とてもカッコよかった。
「俺が決めてきたことは、南と結ばれることだよ♡♡♡」
「そっかぁ~~♡♡♡ じゃあ今夜も、結ばれちゃう?♡♡♡」
「南のエッチ!!♡♡♡♡」
普段寝る前は最後までシない私たちだけど、今日は無性に蓮と繋がりたかった♡♡♡
「あぁぁんっ♡ あぁぁんっ♡ あんっ、あんっ、あぁぁんっ♡ もっとギュッてしてぇ~~♡♡♡」
「こう?これくらい?♡♡♡ 痛くない?♡♡♡」
対面座位で向かい合って繋がる私たち♡♡♡ 背中に回る手の力強さとか、お尻を撫でる手つきの優しさとかが堪らなく気持ち良くて幸せで……おまんこのキュンキュンが止まらない♡♡♡
今夜はパパとママが外泊していて、思いっ切りセックスが出来るのだ♡♡♡ 思いっ切り腰を振って、アンアンと声を出して、擦れるクリもまんこも堪らなく気持ちいい♡♡♡
「蓮~~♡♡♡ 蓮のぎゅー気持ちいいよぉぉ~~♡♡♡ 蓮ありがとね♡♡ 蓮がイクイク我慢してくれてるからぁ~~おまんこいっぱい気持ちいいよぉぉ~~~♡♡♡」
「気持ちいいんだ?♡♡♡ 南のおまんこ気持ちいいんだね♡♡♡ 嬉しいよ南ぃ~~♡♡♡ 俺もっと頑張るね♡♡♡ 南がイクイクたくさん出来るように頑張るからねっっ♡♡♡」
キュンキュンキュンキュンキュンッッ♡♡♡
「あ゛あぁぁぁ~~ん♡♡ いくぅぅ~~~~んっ!!♡♡♡♡♡」
キュパッ…キュパッ…キュパッ…キュパッ…
「はぁぁ~~……♡ はぁぁ~~……♡ イッちゃったぁぁ~~~……♡♡♡ 蓮が健気でぇ……可愛いからぁぁ……♡♡ ついアクメしちゃったぁ~~……♡♡♡」
「ンンンン何なのそれぇぇ~~可愛すぎるんだけどぉぉーー~~!!?♡♡♡♡」
「きゃんっ!?♡♡♡」
ベッドに押し倒されて、私を抱きしめたまま腰を振り始める蓮♡♡♡
ユサッ、ユサッ、ユサッ、ユサッ、ユサッ
「だめぇぇ~~ん♡♡♡ ソレ気持ち良すぎるからダメェェん♡♡♡ あ゛あぁぁんっ♡ ぁぁぁんっ♡ あ゛はぁぁんっ♡ まんこ溶けちゃうっ♡♡ 溶けちゃうよぉぉ~~っっ!!♡♡♡ いくぅぅいくぅぅ~~~あ゛ああぁぁぁんっっ!!♡♡♡♡♡」
「んぐぅぅ~~~~っっ!!♡♡♡♡ ガマン~~~~ッッ!!♡♡♡♡」
ピクッ…ピクッ…ピクッ…ピクッ…ピクッ…
「あ゛あぁぁぁん♡ イイよぉぉ~~まんこイイ~~♡♡♡ 蓮もイクイクしてぇぇ~~♡♡♡ ガマンばっかりしないでぇ……私でたくさんイクイクしてよぉぉ~~~♡♡♡」
「もぉ~~!!♡♡♡ ワガママなんだからッッ!!♡♡♡♡」
ドチュンドチュンドチュンドチュンドチュンドチュンッ!バチュンバチュンバチュンバチュンバチュンバチュンッ!
「あ゛はぁぁん♡ あ゛はぁぁん♡ お゛ッッ♡♡ お゛ッッ♡♡ いぐいぐいぐいぐっっ!!♡♡♡ あ゛あぁぁぁイグぅぅーー~~~ッッ!!!♡♡♡♡♡ お゛ほおぉぉーーー~~ッッ!!!♡♡♡♡♡」
「あ゛あぁぁぁ出る出る出るぅぅーー~~ッッ!!!♡♡♡♡ 南大好きぃぃーー~~ッッ!!♡♡♡♡♡」
ガクンガクンガクンッ…ガクガクガクガクッ…ビクッ…ビクッ…ビクッ…
ビュルビュルビュルッ…ドビュッ…ドプッ…
「はぁーー……っ♡ はぁーー……っ♡ 蓮~~……まだ抜かないでぇぇ~~……♡♡♡」
「うんっ……うんっ……♡♡♡ 南のまんこにずっといたいよぉぉ~~……♡♡♡ もういっそ南の中で暮らしたいよ……♡♡♡」
「蓮かわいい~~~♡♡♡」
甘ったるい事後の余韻に浸りながら、バカップル丸出しの会話を楽しむ♡♡♡ まんこの痙攣止まんない♡♡♡ いつまでも続く余韻が幸せすぎるぅぅ~~♡♡♡
まだまだ足りない私たちは、お互いの性器を舐め合った後、寝バックでもう一度繋がったのだった♡♡♡
ーーーーーーー
あ~~~~……今日も素晴らしい朝だ♡♡♡
昨日は親がいない解放感でお互いハメを外し過ぎてしまった気もするが、幸せなので結果オーライなのだ♡♡♡ 裸のまま俺の隣で眠る南にこっそりチューをしまくって、南の目覚めを待つ♡♡♡ 最高の癒しのひとときだ♡♡♡
「おはよう蓮……♡♡♡」
「おはよう南……って、コラ♡♡♡」
南は起き抜けから、俺の朝勃ちんぽを掴んできたのだ♡♡♡ 俺のちんぽ好き過ぎだろ♡♡♡
「準備万端ですねぇ♡♡♡」
「こーらっ♡ 昨日たくさんシたでしょ?♡♡♡」
「こっちも準備万端なんだよ……?♡♡♡」
ウルウルお目目の南ちゃんは、俺の手を引っ張り、おまんこを触らせてきた♡♡♡
「準備万端だね……♡♡♡」
そのまま朝活セックスに興じてしまったのは、致し方ないことである♡♡♡
創立記念パーティーからの怒涛の出来事は、居た堪れないことの連続だった。何しろ相川の奴が以前の俺そっくりのヤベー奴だったからである。南は大声で非難してたけど、本当は俺のことも許してくれてないのか……?本命に元カノ隠したいとか、今の男と別れさせたいとか、わかりみが深過ぎて気分が悪くなりそうだ。
「南……俺のこと嫌い……?」
「えっ!?何で??さっきまでエッチしてたよね??」
「相川のこと最低って言ってたから……」
「あー……うん。蓮もサイテーだったね」
「うぅ……ごめんなさい……」
「サイテーな過去も含めて、蓮を愛してるんだよ?♡♡♡」
「ゔわぁぁ~~んっ!南大好きぃぃ~~っっ!!♡♡♡♡」
生きてて良かったぁぁ~~♡♡♡♡ やっぱりそうだ、椿も言っていた「生まれる前に決めてきたこと」は、どう考えても南と結婚して、幸せな家庭を築くことだ♡♡♡ 義理のきょうだいになってしまったせいで回り道をしたけど、結果オーライ。終わり良ければすべて良し♡♡♡ 俺は世界一の幸せ者だ♡♡♡
……さて、意図せず相川と繋がってしまったチャットだが、あれ以来毎日のように何かしらのメッセージが届く。正直超ウザい。
『父と腹を割って話したよ。僕の気持ちは分かってもらえたと思う』
『浅倉さんは元気だろうか?彼女は人に弱みを見せないから心配だな』
などと、無碍にも出来ない内容で、毎回取り敢えず南に見せて、南からスクショを椿に送る伝言ゲームみたいな日々だ。
「うっっぜぇ……」
行きつけの紅茶専門店でアイスティーを飲みながら、お洒落な空間に不釣り合いな表情を浮かべる椿。
「半年に一度でもうぜーっつーのに……」
「毎日だもんねぇ……」
口に出すと何倍もの語彙量で返り討ちにされるから言わないけど、正直元々の対応が悪かったと言わざるを得ない。逃げられたと気付いた時のストーカーがどれほど危ない思想を持つのか、我が身を持って体験している。あーー……思い返してたらまた泣きたくなってきた……
とにかく、椿が逃げ隠れすればするほど相手は躍起になって追いかけるし、そんな相手に人生の転機を後押しされたとなれば、相川はもう止まらないだろう。司君は後輩だけど友達だし、俺はもちろん司君の味方だけど、正直司君のように心根も爽やかな人より、相川みたいな仄暗い部分を持ってる奴に共感してしまう。
「蓮には耳の痛い話だろうなw 」
「そっすね~~……」
椿の揶揄いに空返事していたら、南がギュッと手を握ってくれた♡♡♡ はぁーー…女神♡♡♡
「もうブロックしても良いんじゃないか?」
「え……ひど……」
「最後にこれを送ってやれ。ビジネス用のIDだ」
そう言って名刺を差し出す椿。つまり、これは……
「ビジネスのことなら力になると言っちまったからな……私なりのケジメだ」
「相川の奴、尻尾振って喜ぶぞ」
椿のIDを送ったら、大泣きする犬のスタンプが連打で送られてきた。取り敢えず、俺の仕事はこれにて終了だ。
「恋愛にみんなが納得いく結末なんて無いんだろうけどさ……やっぱりみんなが幸せになれたら良いよね……」
帰り道、そんなことを呟く南。もしも南が振り向いてくれなかったら、俺は今頃地獄の底でのたうち回っていただろう。そんな世界線の俺でも救ってくれるのか?もしものことを考えても仕方ないのに、もしもの世界で今でも苦しんでいるかもしれない自分を思うと、やっぱり泣きたくなってしまう。
「どうしたの?何か不安……?」
「ううん……今が幸せ過ぎて泣きたくなるだけ……」
「蓮……良かったら、交換日記しない?」
「えっ!!?♡♡♡♡」
「せっかく蓮にガラスペン貰ったしさ、使いたいんだよね。無理のないペースで良いから、蓮も口に出せないやり切れない気持ちとか、ノートに書き出してみてよ」
「南ぃぃ~~♡♡♡ なんでそんなに天使なのっ!?♡♡♡♡」
南からの最高の提案に、俺は喜びのあまり失禁寸前だった♡♡♡ 子供の頃の俺が聞いたら、大喜びで町中飛び跳ねて回るだろう♡♡♡
こうして始まった交換日記。気持ちを文字にすると頭も整理されて悩みが減る気がするし、俺のどうしようもない悩みに返事をくれる南が愛しくて、心が満たされていくのが分かる♡♡♡ アクアブルーのインクで書かれた南の綺麗な文字を見ているだけで、強力な癒し効果があるのだ♡♡♡
「んっ♡んあっ♡ あんっ、ぁん♡ んあんっ♡ んんんぅぅーー~~っっ!!♡♡♡♡♡」
ほぼ日課になっている寝る前のエッチ♡♡♡ 今日はマンズリだ♡♡♡ 南と身体を重ねる毎に、少しずつだけど俺のちんぽも持つようになってきた♡♡♡ 南限定の早漏ちんぽは、今日も南をアクメさせることが出来て、誇らしい気持ちでいっぱいである♡♡♡
「はぁっ…♡ はぁっ…♡ はぁっ…♡ 気持ち良かったよぉぉ~~……♡♡♡ ありがと蓮♡♡♡ 蓮も好きなタイミングでイッてね?♡♡♡」
「うん♡♡ そろそろ俺もイクね♡♡♡」
南の足を抱えて、腰を早める♡♡♡ 濡れ濡れのアクメまんこが裏筋に擦れて、超気持ちいい♡♡♡
ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…ギシッ…
「あ゛ぁぁイクッ!!イクッ!!♡♡♡ っっ……くぅぅ~~~~ッッ!!♡♡♡♡♡」
射精と同時にビク付くちんぽを凝視する南♡♡♡ 自分の身体でイく俺を見るのが大好きなのだそうだ♡♡♡ 南、俺のこと好き過ぎるだろ♡♡♡
ゴムを外してお掃除フェラをしてくれる南♡♡♡ お礼クンニをするとまたアクメしてくれて、幸せな気怠さに包まれながら、今夜も抱き締め合って眠るのだった♡♡♡
リビングに置いてあるオレンジ色のノートを手に取り、南が書いた日記を読みながら、南の帰宅を待つこの時間が幸せだ。
もうすぐ7月も終わろうとしていた。
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そんな幸せ絶頂の中、両親が馬車の事故で命を落としてしまう。大好きな両親を失い、悲しみに暮れるレティシアを心配したリアムによって、王宮で生活する事になる。
相変わらず自分を大切にしてくれるリアムによって、少しずつ元気を取り戻していくレティシア。そんな中、たまたま王宮で貴族たちが話をしているのを聞いてしまう。その内容と言うのが、そもそもリアムはレティシアの父からの結婚の申し出を断る事が出来ず、仕方なくレティシアと婚約したという事。
トンプソン公爵がいなくなった今、本来婚約する予定だったガルシア侯爵家の、ミランダとの婚約を考えていると言う事。でも心優しいリアムは、その事をレティシアに言い出せずに悩んでいると言う、レティシアにとって衝撃的な内容だった。
あまりのショックに、フラフラと歩くレティシアの目に飛び込んできたのは、楽しそうにお茶をする、リアムとミランダの姿だった。ミランダの髪を優しく撫でるリアムを見た瞬間、先ほど貴族が話していた事が本当だったと理解する。
ずっと自分を支えてくれたリアム。大好きなリアムの為、身を引く事を決意。それと同時に、国を出る準備を始めるレティシア。
そして1ヶ月後、大好きなリアムの為、自ら王宮を後にしたレティシアだったが…
追記:ヒーローが物凄く気持ち悪いです。
今更ですが、閲覧の際はご注意ください。
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