義母の連れ子と結婚したい♡ 追いかけて追いかけて、やっと捕まえた義姉と俺のイチャラブ日記♡

東山 庭子

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梅雨編

「これが山頂で撮った写真だ。で、この動画は鎖場を登ってる時のものだ」

椿からG Wに登った山の写真を見せて貰っていると、亜耶がカメラを持って入ってきた。

「カメラありがとな~~……南も来てたのか。てか、蓮どうしたの?この前会った時、羽根でも生えてんのかってくらいフワフワしてたけど……」
「……お察しください……」
「あっ……あ~~……なるほどね……」

答えるべきか悩んだけど、この二人には結構際どい相談もしてきたのだ。今さらである。

「全然血祭りじゃなかったよ?」
「ほう……そりゃ良かった……」

血祭りの話をした途端、真っ青になる椿。余程思い出したくない過去らしい。

「この前、圭介に会ったぞ……まだ椿に未練タラタラだったぜ……」
「アハw 」

恐ろしい笑顔を見せる椿を見て、圭介?への未練は無いのだと察した。例の巨根恐怖症の原因だろうか?

「そんな話を聞かせて、亜耶は私にどうして欲しいんだ?司と別れて欲しいのか?」
「そんなんじゃないけど……すまん……」
「まあ、圭介は自尊心だけで生きてるような奴だからな。フラれたという事実が耐えられないんだろう」
「う~~ん……チャラ男にも、心はあるんだぞ?って言いたい。でも椿の中に受け皿が無ければ意味ないことだよな……」
「そうだな……まあ、私たちは誰と付き合っても、最終的には決まった相手がいるもんな……それまでせいぜい自由にさせて貰うさ……」
「え?空気読まなくてごめんね?どういうこと??」

椿の言い方だと、まるで二人には政略結婚の相手がいるかのようだ。

「今の当主は前世の我々が生きていた頃に当主になった……。即ち、今はババアなんだが、このババアは一族の者が十五になったら、生涯の伴侶を先に教えちまうんだな。だから私も亜耶も、十五の時に……相手を聞いている……」

色んな意味で信じられない話だ。生涯の相手が決まっていて、既に聞かされているなんて……

「それは無視出来ないの……?」
「俺たち、別に行動は制限されてないんだ……受け入れるのも、拒絶するのも、基本自由……」
「なら無視しちゃえば……」
「親戚連中、誰一人例外無く、聞かされた相手と番ってるんだぞ?どんなに嫌がっても、遅くとも30代前半で結婚する。そんなの見てたら、希望もなくなる……」
「俺たちに出来るのは、のらりくらりとギリギリまで逃げることくらいだ……」

私は言葉を失った……誰よりも自由に見えた椿と、誰よりも愛情深く見えた亜耶は、ずっと見えない鎖に絡め取られていたのだ……。

「……そんなに嫌な相手なんだね……」
「「…………」」

椿と亜耶が顔を見合わせる。

「嫌っつーか……俺、ノンケなんだよね……」
「ん??」
「相手……男……なんだよね……」
「ええーーー!?そういうのアリなの!?」

素人のイメージだけど、そういう予言?って、一族の子孫繁栄のためのものなんじゃないの!?

「家系図遡るとな……結構いるんだよ……同性婚……事実婚だけどな」
「うおお……そっか……もしかして、私も知ってる人……?」
「……俺も椿も……同じ中学に……いた……」
「えっ!?誰ダレ!?」
「……知ったら協力してくれる……?」
「えっ……うん……」
「モデルのRYO……」
「うおおおーーーッッ!!?」

中学の時、学校のイケメン代表みたいな子が同じ学年にいて、えっぐいモテ方をしていた。それがRYOである。

「椿は……?」
「ウチらの学年で生徒会長やってた奴だ……」
「えっ?あーーーっ!!椿とよく将棋やってた人じゃん!!!」

……別にお通夜になるほどの相手か……?

「言いたいことは分かる……亜耶は性別の問題もあるが、私の相手は何が不満だと言われるような相手だ。成績はトップ、イケメンで家は金持ち、本人も表向きは人格者だ。でもなぁ……エナジーバンパイアなんだよ!!」

出たぁ~~~!!!椿の地雷、エナジーバンパイア~~!!エナジーバンパイアとは、他人のエネルギーを奪う人のことだ。

「因みに中学の時の蓮も、南に憑くエナジーバンパイアだった。そんでな……色々お辛いのかもしれんが、エネルギーの盗り方が限度を知らんのだよ……お前殺す気か!?って言いたくなるほど盗るんだよ……あんなんと毎日顔を合わせてたら、死ぬわ」

さらに話を聞くと、中学の時は無尽蔵だった椿のエネルギーも、仕事を始めたことで底が見えてきたとの事だ。そんな状態でエネルギーを吸われまくったら、毎月一回は高熱を出して寝込むだろうと言っていた。

「椿は既に彼から激重片想いされてるから手遅れ感あるんだけど、俺の場合は、まだ知人程度の認識しかされてないんだ……だけど、宿命とは恐ろしいもので、この先の人生で、件の彼等とニアミスすることが多発するだろう……そこでお願いがある。俺たちと彼等の接点が増えそうな局面に遭遇したら、縁切りの方向で動いて欲しいんだ……協力するって言ってくれただろ?」

詰め寄る亜耶が恐ろしくて、思わず首を縦に振ってしまった……。

「私も、まだ司と別れたくない……」

椿の言葉に、胸が締め付けられた。どんなに好きで付き合っても、目の前の恋人は運命の相手じゃないと知っている。それがどれ程の苦痛か、心中察するに余りある……。

「私に出来ることなら何でも言って!私は二人の味方だよ!!」

二人は痛みを堪えるような笑みを浮かべた。

「亜耶が女の子にすぐフラれるのって、そういう理由だったんだね……」
「あ、それはまた別件。前世で俺がやらかしたせい」

コイツは一体、いくつの因縁を抱えてるんだ……。

「中学卒業してから会ってないの?」
「会ってない。会うものか……南、絶対味方してくれよな!?」

亜耶の言葉に、深く頷く椿。前向きな二人がここまで逃げたがる運命とやらの恐ろしさを目の当たりにした日であった……。





「……ってことがあってさ~~、こうなったら蓮も巻き込んでやろうかと思って話したんだけど……」
「いや、協力はするけどさ……俺に話して良かったの?」
「話しても良いって言われたから」
「本当に巻き込む気マンマンなんだね……」
「まぁ言っても、みんな学校バラバラだし、そんなニアミスなんてそうそう遭遇しないよね?」
「それ、フラグにならないといいけど……」
「やだぁ!怖いこと言わないでよ!?」

蓮の言葉にイヤな予感がしつつ、その日は素股で愛し合ってから眠ったのだった♡♡♡






「ふっふふ~~のやまはぁ~~てんかのけん♪」
「フッフフッフフ~~も~~ものならず~~♪」

元演劇部の二人は、事あるごとに歌い出す。


「温泉に行くぞーー!!」

という椿の一声で、山の温泉地にある、会員制のリゾートホテルにお呼ばれした。毎度毎度申し訳ないと一度断ったけれど、どうしてもイヤな予感がするから着いてきてくれと言われ、私と蓮も同行したのだった。

「イヤな予感がするなら、家で大人しくしとけば?」
「うるせぇ!!我々は旅することを止められないんじゃーー!!!」
「旅はじことーーし!!」
「モー◯ーじゃん……」

なかなかのレスポンスを見せる蓮に思わず吹き出す。みんなで遊んでるうちに、蓮にもツッコミ力がついてきたかも♡♡♡

「今回はこちら側が無理を言ったからな、ちゃんと君たちにも部屋を用意したぞ♡」
「あっ……ありがとう……」
「思う存分イチャコラしてくれたまへ」

ニヤニヤ笑う椿に、居た堪れなくなった……。

「椿は一人で泊まるの?」
「いや?亜耶と二人だけど?南が着いて来た旅行も本来そうだったしな」
「あ、そっか」

何でもないことのようにサラッと言う辺り、本当に家族の感覚なんだな……。

「司君は行かないの?」
「友達に誘われたんだと。ちゃんと友達大事にしてるみたいだな。良かった……」
「保護者かw 」

いついかなる時も自分を最優先にして欲しいと言う蓮とは違う、自立したカップルって感じだ。いつか蓮にも身について欲しいな……自立心。


梅雨の時期だと言うのに、超晴れ男晴れ女がいるおかげで、見事な天気になったとある週末、私たちは某温泉地に旅立った。




「すっっごい煙だね~~!!」

ロープウェイで火口付近まで登って来た私たちは、寿命が延びると言われる卵を食べながら見学していた。

「大地の息吹きだね~~……」
「ありがたや~~……」  

椿と亜耶は、何やら柏手を打ったり太陽を見上げたりしていた。お祈りをしてるのかな?



遊覧船に乗るために湖に移動し、チケットを買った。海賊船みたいな船に乗り船内を探索していると、椿と亜耶は咄嗟に手に持っていた上着で顔を隠した。

「すまん南……私たちはトイレにでも避難するわ……」
「え!?は?」

光の速さで居なくなる二人と入れ替わるように視界に入った人たち……

「あれ?君たちもしかして、同じ学校だった子かな?」

やたら上品な声が聞こえて、振り返ると件の生徒会長、そしてその隣には、サングラスをしていても人目を引く容姿の……モデルのRYOがいた……。

うそやろ!!?二人同時に、こんなとこで遭遇するなんてことある!!?

蓮と見つめ合い、当たり障りない対応をしようと目配せした。

「ああ、やっぱり佐久間さんだ。弟さんと一緒なんて、珍しいね」
「俺は弟じゃなくて南の婚約者だけど?」

コラァーーー蓮!!!当たり障りなく対応するって目配せしたやろーーーッッ!!!

「あははw 私たちデートなんだ~~♡ 生徒会長……えーと……相川君たちもデート?なんちゃって~~」

名前を思い出そうと必死になっている私の肩を抱く蓮。私たちを舐めるように見てくる彼等を見事に牽制していた。

「中学の頃の部活のメンバーで集まってね。久しぶりに羽を伸ばそうということになったんだよ」
「そうなんだぁ~~♪」
「それにしても懐かしいな。良かったら君たちも一緒に遊覧しないかい?」
「いっ……良いねぇ~~♪」

何で受けるんだと言いたげな蓮にグループチャットで反論する。

『下手に断ったら余計に怪しまれるでしょ?』
「……そうかなぁ……」

あの目は腹に一物も二物も抱えてる目だ。

「絶対二人きりで来てる、で通すよ」
「りょ……」

グループチャットに

『只今船首に移動中』と入れ、相川君たちに着いていく。

つ『只今2階の女子トイレに避難中。船尾に向かう』
あ『俺も!』

船首の客席には、知ってる顔がちらほらいた。みんな同じ学校だった子たちだ。

「君たちとは一度ゆっくり話してみたいと思ってたんだ」
「あらぁ~~……生徒会長に覚えてて貰えるなんて、光栄だなぁ~~……」
「佐久間さんが、助けてと浅倉さんに縋ってた時……僕も側にいたの、覚えてないかな?」
「……え??」

浅倉さんとは、椿のことだ。蓮と同じ学校に行きたくないと椿に泣き付いた時……あっ!思い出した!相川君と椿、将棋さしてた!!

「やっぱり覚えてないか。あの時の佐久間さん、顔色真っ青だったもんね」
「……その節はどうも……お見苦しいところを……」

私の肩を抱く手が強くなった。見上げると、眉間に皺を寄せた蓮がいた。

「それに……去年の文化祭も見に行ったんだよ、観音高校の」
「えっ!?」
「友人に誘われてね。おかげで面白いものが見れた」
「……ああ~~……」
「壇上の大告白、感動したよ」
「…………」

蓮は黙って相川君を睨み付けている。

「だから意外だったな。君たちがデートをする仲になるなんて……」
「何?ケンカ売ってんの!?」
「ひぇぇ……蓮、落ち着いて……」

当たり障りなくって言ってるでしょーが!?

「いや……真っ直ぐな想いが報われることもあるんだなって感心してるんだよ。……僕も頑張ってみようかな……」

ヒィィーーーッッ……何か最後に不穏な言葉が!?

「佐久間君たち、今でも小石川君たちとよく遊んでるの?」
「……ん?」
「だからぁ、小石川君!彼、俺の目から見てもかなりのイケメンなんだよね~~♪あ、佐久間君もイケメンだよ♪」

無言で湖を眺めていたRYOが、唐突に口を開いた。小石川君とは、亜耶のことだ……。何か喋るとイメージより人懐こい感じだな……。

「卒業してから疎遠になったけど?」

ナイスフォロー蓮!!ありがとう♡ つーか亜耶、ただの知人どころじゃないよ……あのモデルのRYOに、知人以上の興味持たれてるよ……。

「ふーん……ま、いいや。二人とも連絡先教えてよ」

スマホを出してそう言うRYOに、変な声が出そうになった。

「何でだよ!?大事な南の連絡先を、他の男に教えるわけないだろ!!?つか、何で俺なんかの連絡先知りてーの!?」
「ん~~……強いて言えば、俺のお眼鏡に適ったイケメンだから?佐久間君も、小石川君もね」

どこか勝ち誇ったように笑うRYOを睨み付ける蓮……。コレどーすればいいの?

つ『遊覧が終わったら私たちは一番乗りで降りるから、南たちは彼らを見張っててくれ』
あ『只今船尾で待機中。頼んだぞ』

チラッとスマホを確認すると、椿たちからチャットが来ていた。ひぇ……責任重大だぁ……

「さっきからスマホ気にしてるけど、どうしたの?」
「ヒッ!?……別に?何も?」
「そう……それならいいけど……文化祭でさ、浅倉さん見かけたんだよね……仲、良いんだね……」

おおおーーーーい!!椿ーーーっっ!!!相川君めっちゃ探り入れてくるぅぅーーーッッ!!

「あ、そうだ。ついでだから連絡先教えてくれる?」
「ああ、うん……え??」

相川君まで!!?しかも心理的に揺さぶりをかけた直後に!?つい頷いちゃったじゃん!!?策士かよ!!?

「ダメ!!男には絶対教えない!!」

ありがとう蓮~~♡♡♡ ポンコツなお姉ちゃんでごめんね?

「……手強いな……手放すんじゃなかったのかい?」
「アンタに関係ないだろ!!?」
「いや、揶揄ってごめん。あの時は本当に色々考えさせられたから……聞いてくれる?中学の時、ずっと浅倉さんのことが好きだったんだ」
「そっ……そうなんだぁ……知らなかったなぁ~~……相川君ほどの人なら、よりどりみどりだろうに~~……」

とうとう来た……決定的なカミングアウトが……確か亜耶が、激重片想いって言ってたな……

「椿はやめとけ。アイツはチンピラだ。そもそも今は司君っていうイケメンの彼氏が……」
「蓮っっ!!?」

アンタさっき、RYOに疎遠になったって言ってたでしょうが!!?

「へぇ……今でも仲が良いんだぁ……」

おああああごめん椿ーーーーッッ!!!

「そっ……それなりだよぉ~~……」

いい加減気分が悪くなってきた頃、ようやく船は遊覧が終わった。椿からの

『脱出成功』

というチャットを確認してから、私たちも船を降りたのだった。




「いや~~すまんすまんw お詫びに好きなだけ食べてくれ」

歴史的建造物をリフォームして作られたカフェの半個室でランチをいただく。船内の会話を二人に話すと、げんなりした顔をしていた。

「乗る前は気付かなかったんだよな~~……もしかして、わざと同じ船に乗った……?」

直感が鋭い二人は、普段危機回避能力が高いことを自慢していたが、今は少し自信を無くした様子だった。

「俺たちから二人と繋がりたいって思いが透けて見えて不快だった」
「つくづくすまん……」
「こういった局面に、半年に一度は遭遇するんだよ……毎回直前に察知して、何とか回避してるんだけど……な?因縁って怖いだろ?」

縁というものが必ずしも良いものだけではないということは知ってるけど、この二人の縁はとにかく重い……相川君の全てを見透かすような目を思い出し、思わずブルッと震えた。

「南ったら、嘘が下手過ぎるよ」
「ごめんってば~~!!蓮だって口滑らしてたけどね?」
「ごめん……」
「いやいや、二人ともマジでありがとな~~♡ 俺たちだって、何も喧嘩を売りたいわけじゃない。ただ、今は縁を繋ぎたくないんだ……」
「右に同じ……」

ふと、司君のことを思い浮かべた。あんなにも一途で良い子なのに、いつか椿と離れ離れになっちゃうのかな……私と蓮は、これからも一緒にいられるんだろうか……

「俺たちは離れないよ」
「蓮……」
「俺たちは離れないから……だから、不安にならないで……」
「うん……」

私の不安を察して、そう言ってくれる蓮を愛しく思いながら、ゆっくり食事をした。



ケーブルカーに乗って、宿泊先の会員制ホテルに向かう。

「選ばれたのは、エ◯◯ブでした」
「綾◯みてーに言うな」

すっかりいつもの調子を取り戻した二人を見ながら、電車を降り、送迎車に乗り換える。


大理石の重厚なエントランスを抜け、チェックインをする。それぞれ部屋に荷物を置いてから、またロビーで集まろうという話をした。


「広~~い♡♡ 和モダンだね~~♡♡♡」

畳敷きのエリアと奥にはベッドルーム。大きな窓からは庭園が眺められて、サイコーのリフレッシュが出来そう♡♡♡

「夜に貸し切り露天風呂の予約したんだ……♡♡♡」
「蓮君~~?やる気まんまんですなぁ~~♡♡♡」
「当然だよ~~♡♡♡」

部屋でイチャイチャしてると、スマホに着信があった。椿からだ。

『すまん……部屋から出られなくなった。南たちだけで買い物に行ってきてくれ』

そう言われて、私たちだけで部屋を出た。

ホテル内のショップを見てから、外のお土産屋さんを見に行くつもりで歩いていたら……

「佐久間さん?」

……なるほどね!!そりゃ椿たちが部屋から出てこれないワケだわ!!

なんと相川君御一行も、同じホテルに宿泊していたのだ。ゾロゾロとお付きの者を従える王様みたいな出たちの相川君と、RYOはじめデカい男たち……怖……

「うわぁ~~……ぐうぜ~~ん……」

本当に偶然か?と怪しく思いながら、本日二回目の挨拶を交わす。

「僕たち、今夜は隣の棟に泊まるんだ」

スイートルームがある棟じゃん……流石、リッチだ……

「夕食はどちらで?」
「……アレェ?どこのレストラン?だったかな?」
「僕たちは鉄板焼きのレストランなんだ。良かったら、僕たちと一緒に食べない?招待するよ」
「いやぁ~~……ホテルの方にご迷惑だから……今日は、いいかな……」
「デートだって言ってんじゃん!!二人っきりでいたいの!!邪魔すんな!!」

ナイス蓮~~~!!!本当にありがとう~~!!!

気まずいまま御一行様と別れ、お土産を物色するべく外に出た。

『やっぱりかい……』
「もう先回りされてるとしか……夕食どうする?」
『それは大丈夫だろ。こっちは日本料理だし、あっちは鉄板焼きなんだろ?個室だから人払いすれば良いだけだしな』

我を通して旅行に来た椿としては、夕食を諦めたくないという思いもあるのだろう。その気持ちは痛いほど分かる。まあ、別の棟ならそうそう顔を合わさないよね?


念のためなのか、フードを目深に被り、夕食会場まで移動する椿と亜耶。まるで夜逃げでもするように個室に入り、誰も個室に入れないで欲しいとお願いしてから料理を運んで貰った。

「伊勢海老うめぇぇ~~♡♡♡」
「鮑うめぇぇ~~♡♡♡」
「刺身も新鮮だぜ♡♡♡」
「ステーキもうまぁぁ~~♡♡♡」

豪華な夕食に、すっかり上機嫌になった私たち。デザートが運ばれて来た直後、外が少し騒がしいことに気付いた。

「申し訳ありませんお客様。こちらの個室は別のお客様が……」
「だから~~友達なんだって!!通してよ」

……これ、RYOの声じゃね……?

「俺が行ってくる」

青筋を立てて個室を出て行く蓮。ごめんのポーズを取る私たち。恐る恐る外を見ると、会話が聞こえてきた。

「デートの邪魔すんなって言ったよね?」
「デート?四人で食事することをデートって言うんだ、佐久間君は」

ひぇぇーーーッッ!!!見られてたぁぁーーー!!?

「ッッ……だったら何!?君には関係ない話だよね!?」
「やっぱり……船の中から様子が変だったもんね!!」
「てか、周りの迷惑考えろよ。もう戻れよお前……人様に迷惑かけてるって分かれよ」

しばらく言い合っていた蓮は、しばらくしてから個室に戻ってきた。

「惚れ直したよ蓮~~♡♡♡」
「え?そう?♡♡♡」
「今回はマジで助かった。ありがとう」
「椿にお礼言われた……」

激レア現象を生み出したけれど、問題は無事部屋に戻れるのか……。あの様子じゃ、見張っててもおかしくないよね……。


「本当はこのようなサービスはしておりませんが……お帰りはこちらの非常階段をお使いください」

蓮たちの言い合いを見ていたスタッフさんが、逃げ道を用意してくれていた。
無事部屋まで辿り着いた私たちは、そのままソファーにダイブした。何か一気に疲れたな……。



食後ゆっくりしてから、蓮が予約してくれたプライベートスパに二人で入った。デイベッドやソファーもあり、温まったら外でイチャイチャ出来る仕様である。二人でインフィニティ風呂に浸かりながら、頸を吸ったり身体を触ったりやりたい放題な蓮♡♡♡

「いいお湯だね~~♡♡♡」
「ん……そうだね♡♡♡ 南……お股ぬるぬる……♡♡♡」
「蓮が触るからじゃんっ♡♡♡ あ…♡ んっ…♡ んふふ……気持ちいい……♡♡♡」

お返しに蓮のおちんぽに触れると、ビクビクし始めた♡♡♡

「ダメ……温泉の中に出しちゃう……♡♡♡」
「ソレはダメ……ソファーに行こう♡♡♡」

丸いソファーに座り、お互いの気持ちいいところを触り合っていたら、一時間なんてあっという間だった♡♡♡




「直感をフル活用した……」

どうしても露天風呂に行きたかった二人は、コソ泥さながらに全神経を使いながら、夜中、温泉に入ったそうだ。チャレンジャーだな……。

こちらの夜中は絶賛イチャラブ真っ最中だった為、そのことには触れずに個室で朝食をいただいた。

スタッフさんにご迷惑をおかけしながらチェックアウトし、何度も頭を下げてホテルを後にした。



「お帰りなさい♡♡♡」

最寄りの駅に着くと、待っていた司君が出迎えてくれた。

「ただいま……司……」

目に涙を浮かべた椿は、司君の腕に飛び込んで行き、そのまま二人は熱い抱擁を交わしていた。こんなにも想い合ってる二人が……いつか離れ離れになっちゃうのかな……





ーーーーーーー


南は気付いていなかったけど、俺と亜耶は気付いてた。椿と抱き合う司君……二人を見つめる、鋭い視線を……




「……ってことがあってさ~~、こうなったら蓮も巻き込んでやろうかと思って話したんだけど……」
「いや、協力はするけどさ……俺に話して良かったの?」
「話しても良いって言われたから」
「本当に巻き込む気マンマンなんだね……」
「まぁ言っても、みんな学校バラバラだし、そんなニアミスなんてそうそう遭遇しないよね?」
「それ、フラグにならないといいけど……」
「やだぁ!怖いこと言わないでよ!?」

南は亜耶たち視点で話をしていたけど、状況的には相川君たちの方に感情移入出来てしまう。俺たちは同じ穴の狢なのだ。とは言え、二人には多大な恩があるのは事実。南が二人を助けたいのなら、もちろん全力で応援する。



南から二人の話を聞いた日の夜、中学の時の夢を見た。

あれは中3の初秋……廊下を歩いていたら、椿と相川君が話しているところに遭遇したのだ。

『先週演劇部のみんなが応援に来てくれてたんだね。マネージャーに聞いて知ったよ』
『ああ……理事長の指示らしいから。義務で行っただけだよ』
『……ちょっと待って。何か怒ってる……?』
『……手……離してくれない?』
『あっ!ごめん……そうだ!この間の続きだけど……』
『将棋のこと?ああ、あれもう分かった。聞かなくてもいい……てゆーか、この先君に教わることなど、何もないわ』

氷のように冷たい目で相川君を一瞥すると、踵を返した椿。あまりの恐ろしさ故に記憶の底に沈めていたことを、今さら思い出した……。


翌日、南に夢の話をした。

「あーー……思い出した!ほら、あの頃演劇部ってダンスとかチアリーディングみたいなこともやってたじゃん。それで相川君たちの部活の決勝戦に駆り出されてたんだけど、その試合が対戦相手を侮辱するような、悲惨な試合内容でさぁ。それ以来部活単位で犬猿の仲になってたんだよ」
「なるほどね……正義感が強い椿がキレるわけだ……」

どっちが正しいよりも、椿の中で許せない出来事があった。それは繋がりを絶ってでも押し通したい正義だったのだろう。

「亜耶はRYOと同じクラスになった時、たまに『いい子ぶるな』ってバカにされてたしね……二人にも、思うところはあるよね……」
「嫌いな相手に好かれる辛さが分かるってこと……?」
「えっ!?あ~~蓮、泣かないの~~」
「ぐすっ……俺のこと好きって言って……」
「好き好き好きーーっ!!♡♡♡ 大好きだよ~~?♡♡♡」
「グス……ありがとう……無理矢理言わせてごめんね……」
「もぉ~~~よしよしよ~~し♡♡♡」

俺が不安になったら間髪入れずフォローしてくれる南。そんな彼女にしがみ付きながら、あの頃の自分の傷を癒した。




椿の計らいで俺と南は同室になった♡♡♡ 初体験以降、家では殆ど本番が出来ない状況が続いている俺としては、千載一遇のチャンスである♡♡♡ 

「あんなの家でシたら、大声出しちゃうから……♡♡♡」

そんな超絶可愛いことを言う南♡♡♡ 確かに最中の声が家中に響き渡るのは避けたい。何しろ俺たちのカラダの相性は宇宙一ピッタリだからな♡♡♡ そんなわけで、今回ばかりは神様椿様なのである。


ケーブルカーとロープウェイを乗り継いで、煙が立ち登る谷を見学したり、遊覧船に乗ったりと旅先を楽しんでいたら、亜耶たちがいきなり消えた……と思ったら……

「あれ?君たちもしかして、同じ学校だった子かな?」

……肝が冷えるとはこう言うことか……。話題の二人が目の前にいる。この広い世界で、学校が別れた同級生と旅先で遭遇する確率って、どのくらいなんだろう……。横で笑顔を引き攣らせている南の肩を抱き、嘘が下手な南をフォローしようと身構えた。

相川君はめちゃくちゃ探り入れてくるし、RYOは見下した態度を取ってくるし、何なんだコイツら、と思ったら、相川君から自己開示という先制攻撃を喰らった。好きだから協力してくれとでも言いたげな彼を見て、何で人は好意には好意で返さないといけないみたいな圧力かけてくるんだろう?と、割とブーメランなことを考えていた。
そもそも有名な観光地でデートするなんてどのカップルでもやってる普通のことなのに、コイツらは何でそんなに疑うんだ?まるで亜耶と椿がここにいることを分かってるような…………おっと、これ以上は恐ろしくて考えたくない。南を守ることだけ考えよう。

二人が無事船から降りたと知り、俺たちも船を出る。少し離れた場所で合流し、昼飯を奢ってもらった。

「いやいや、二人ともマジでありがとな~~♡ 俺たちだって、何も喧嘩を売りたいわけじゃない。ただ、今は縁を繋ぎたくないんだ……」
「右に同じ……」

辛そうな顔をする二人に、胸が締め付けられた。椿は司君と順調にお付き合いしている。亜耶だって、好きな人を守りたいと思ったことくらいあるはずだ。目の前の大好きな人と、先の人生を歩めないと知りながら付き合うのって、やっぱり辛いよな……俺だったら耐えられない……。

「俺たちは離れないよ」
「蓮……」
「俺たちは離れないから……だから、不安にならないで……」
「うん……」

本当に不安なのは俺なのに、それを誤魔化して南を励ました。絶対同じ墓に入ってやると決意を新たに、南の手を握り締めた。



十分な広さのツインベッドルームだけど、俺たちにはベッド一台で十分だ♡♡♡ 

「夜に貸し切り露天風呂の予約したんだ……♡♡♡」
「蓮君~~?やる気まんまんですなぁ~~♡♡♡」
「当然だよ~~♡♡♡」

貸切風呂でエロいことする気満々の南とちちくり合っていると、椿から「部屋から出れなくなった」と電話が来て、嫌な予感がした。

「佐久間さん?」

ハイ当たったーーー!!!案の定、そこにいたのは相川君と愉快な家来たちだ。みんなでけーな、クソが。

どうやら別棟の、おそらくスイートルームに宿泊するらしい。夕食を一緒にと言われてテンパる南に助け舟を出す。つーか何だアイツら、グイグイ来るな。




ビクビクしながら移動していた二人も、目の前の料理にすっかり元気を取り戻していた。みんなで美味い美味いと食事を楽しんでいると……

「申し訳ありませんお客様。こちらの個室は別のお客様が……」
「だから~~友達なんだって!!通してよ」

あのクソモデル……常識無いんか!!?

このメンツなら消去法で俺が出て行くしか無い。ムカつきながら店の外に行くと、なんと相川もいた。手下にギャンギャン言わせて自分は高みの見物かい!?小狡いな!!

「デートの邪魔すんなって言ったよね?」
「デート?四人で食事することをデートって言うんだ、佐久間君は」

コイツめちゃくちゃ必死だな!?そんなに亜耶に会いたいのか!?スタッフさんに迷惑かけてまで!?

相川はともかく、どうやらRYOは俺とどっこいどっこいの知能らしく、俺でも言い負かせることが出来た。個室に戻ると南が惚れ直してくれていて、クソ共と喧嘩になって良かったとすら思った♡♡♡


気を取り直してプライベートスパでチルタイムだ♡♡♡ 全裸の南を前にしたら、全然チル出来なくて、温泉の中でも、ソファーの上でも、お互いの性器を愛し合った♡♡♡ あーーめっちゃ幸せ~~♡♡♡

「蓮~~♡♡♡ このまま挿れちゃお?♡♡♡」
「ゴム持って来てないからダメ……」
「何で持って来てないのぉ~~!?」
「アオカンはまだ早いって!!!♡♡♡♡」

そんなイケナイ南ちゃんに、今夜はオシオキだぁ~~♡♡♡




「あんっ!♡ あんっ!♡ あんっ!♡ あんっ!♡ あぁん!♡ あぁん!♡ あぁん!♡ あぁん!♡ あぁん!♡ あぁん!♡ あっ、あっ、あっ、あっ♡ あぁぁ~~~~んっ!!♡♡♡」

ゆっさゆっさゆっさゆっさゆっさゆっさっ…

目の前でおっぱいゆさゆさ揺らしながら腰を前後に振りまくっているのは、何を隠そう南である♡♡♡

「騎乗位……シてみたいな……♡♡♡」

なーんて可愛いオネダリを聞いてあげたら、俺の上でちんぽオナニーを始めてしまったエッチで可愛い南♡♡♡ 自分勝手な腰振りのお返しにクリを擦ってあげると、首をブンブン振って悶えていた♡♡♡

「いぐぅぅっっ!!♡♡♡♡ あ゛あああッッ!!♡♡♡♡♡」

ぐぃーーん…ビクンビクンビクンビクンッ…

下から眺める仰け反りアクメもまた最高である♡♡♡

「はぁっ…はぁっ…はぁっ…♡ やっぱり蓮のおちんぽ最高だよぉぉ~~♡♡♡ すっごくすっごく気持ちいいのぉぉ……♡♡♡」
「南のまんこも最高だよ~~♡♡♡ めっちゃ上手に絡み付いてくるよぉぉ~~♡♡♡」
「だって大好きなんだもん♡♡♡ 好きで好きで堪んないんだもんっっ♡♡♡ 忘れないでね……私と蓮は運命の恋人だからね♡♡♡」
「ゔんっ……ゔぇぇ~~……♡♡♡」
「泣かないで~~~♡♡♡」

ちょっとしたことでもすぐに不安になってしまう俺ごと愛してくれる。愛しい愛しい南と一生離れたくない♡♡♡

上に乗ったまま抱き締められて、南の髪を頬に感じながら、再び揺れ始めた腰に翻弄される♡♡♡

ギシッ…ギシッ…ギシッ…ぐいんぐいんぐいんぐいんぐいんっ…

「あ゛んっ♡ あ゛んっ♡ あ゛んっ♡ あ゛んっ♡ あ゛んっ♡あ゛ぁぁんっ♡ あ゛ぁぁんっ♡ あ゛ぁぁんっ♡ あ゛ぁぁんっ♡ まんこイイッ…まんこイイ~~ッッ!!♡♡♡ あ゛ぁぁあああぁぁぁんっ!!♡♡♡ イクぅぅーーー~~ッッ!!♡♡♡♡♡」

ぐぱぁ…ぐぱぁ…ぐちゅうぅ…ぐちゅうぅ…

「あ゛ぁぁあぁぁぁ喰われるッッ!!♡♡♡ 南のまんこに喰われちゃうッッ!!♡♡♡♡ 出るよぉぉーー~~~ッッ!!♡♡♡♡♡」

ビュルルッ!ビュルビュルビュルッ…ビュルッ…

「はぁーー…♡ はぁーー…♡ はぁーー…♡ きもちぃ~~……♡♡♡」
「南ぃぃ~~…♡♡♡ ちんぽ溶けるよぉぉ~~…♡♡♡」

まるで口でセックスするみたいにめちゃくちゃなキスをして、愛情を確認し合った俺たちは、そのまま抱き合って眠りについた……♡♡♡




「どうぞ、こちらのお席なら外から見えませんから」
「申し訳ありません」

昨日のスタッフさんが奥の目立たない席を案内してくれたおかげで、ゆっくり朝食を摂ることが出来た。

「ここだけの話、先程チェックアウトされたそうですよ」

誰がとは言われなかったけど、スタッフさん的にはこの辺が限界なのだろう。何度も何度もお礼を言い、多めにチップを渡して朝食会場を後にした。

「多分あのスタッフさん、ストーカーの被害に遭ったとか、そういう過去がありそうだな……」

ホテルを出てから、椿がポツリと呟いた。俺はストーカー側の人間だけど、受け入れてくれた南を絶対大切にしようと誓ったのだった。



駅で鋭い視線を感じつつ、遊覧船やホテルで出会った彼等を思い出した。アレは……アイツらは……かつての俺と同じ人種だ。隠し切れない執着心を第三者目線で見てしまうと、過去の自分の首を絞めたくなってしまう。なのに奴らの、どうにもならない気持ちも分かるのだ。

亜耶と椿の身の安全を願いつつ、南と手を繋いで歩く帰り道。そろそろ夏至だなと思いながら、いつまでも明るい空を二人で見上げた。
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