へなちょこ勇者の珍道記〜異世界召喚されたけど極体魔法が使えるのに無能と誤判定で死地へ追放されたんですが!!

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第1章

検査と適正*

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 隣室に一人づつ呼ぶから、呼ばれたら一人目が入り、その後は入れ替わりで次の者が来るように言われ、皆準備が終わるまで待機をしていた。

 王女達がいなくなると皆話し始めた

「おい、俺達はどうなる?兄さん何かあるか?」

「そうですね、私では話がまともにできそうにないですが、君凄いね。堂々と落ちついて話をしていたし」

「あのー、色々探りを入れられていましたよね?」

「あっ、分かっちゃいましたか?うん。嘘を言っていないか確かめてみたんです。残念ながら多分帰れません。あれ嘘ですよ。王女の眉が少しつり上がっていました。しかし、召喚した我々じゃなければ対処できない何かがあるのは本当のようですね。少なく共本気で言っているようですね。多分逆らったら寝込みを襲われたりして囚われてしまうでしょう。我々を直接殺す事が出来ないのは本当のようですが、僕らを始末する術はきっと他にある筈です。頃合いを見て僕なら逃げ出します。但し今は情報が無さ過ぎるのと、力が無いから従順に従い、力を付けなければならないと感じます」

「俺にはわからんが、あんた頭が切れそうだな。確かに言われて見ればそうだよな。で、リーダは誰がする?」

 皆一斉に太一を指差したので太一はため息を付きつつ

「分かりました。でも副リーダーが必要ですよ。年の功で稲垣さんお願いします。それと稲生さんに言われて確かめていたのですが、頭にディスプレイのようなのが出るじゃないですか、情報やステータスを見て自分をまず知ったほうが良いと思います。多分僕が魔法使いです。ただ、何故か攻撃に使わない生活補助の生活魔法と発動に10分も掛かる極大魔法しか使えないっぽいです。それを使わないといけない相手に10分も耐えろって無理ゲーですよね」

 皆笑っていた。太一が自嘲気味に話したからだ。改めて皆を見るとサラリーマン稲垣はどこにでもいそうなタイプだが、現時点で武器があれば一番強い。優男タイプで身長は165cm位だ。

 若者稲生はがっちりして如何にも筋トレしているような感じで刈り上げでザッツスポーツマンだ。170cm前後。強面で一番しぶとそうだ。

 女子高生由美子は腰までの長さの今時珍しい黒髪ストレートでかなりの美人だ。看護師を目指していて、専門学校に行くつもりだという。
 160cm位の闊達な感じで気が強そうだ。顔立ちはキリッとしており、男装すれば男装の麗人と行った感じだった。まず間違いなくヒーラーだ。

 チンピラは拳銃を持っていたから弓使い認定だったのだろうと判断した。

 そうこうしていると一人目が呼ばれ、太一がまず向かう。

 メロン位の大きさのオーブに手をかざすように言われ触れるも一瞬光るが以後は変化しなかった。神官が記録用紙に名前を記入している時に光り、神官が見ているのは手を触れている今の姿だ。水を張ったグラスに手をかざしたが一瞬波紋が出る。しかし神官が落ちた紙を拾い、椅子の位置を戻していて極僅かの間目を離した時に波紋が出たのだ。水面が揺れていたのは椅子を動かした振動だと思われてしまったようだ。

 淡々と記録を付けていた。

 魔法の得意属性を確認したが、生活魔法とユニーク魔法のみで、使える魔法が確認できないから、後日再確認と言われた。スキルも特に無しと。魔法の紙に血を1滴垂らして浮かび上がった数字を見て落胆していた。ちらっと見ると何かの項目に021とあった。数字は同じだが文字は読めなかった。

 他の項目は16とか。力と魔力、反応速度等だと。よく分からないが、神官に聞くと一般人で各項目の補正値が10~30で太一の数値が予測よりかなり低いと唸っていた。ひょっとしたらユニーク魔法の影響かもという。

 太一が終わり、退出したら次の人を呼んで下さいとなり、太一が立つ時にテーブルに体が当たり、少し揺れたのだが、先程一瞬光ったオーブが転げて落下して粉々に砕けた。ばかなと聞こえたが本来この高さから落ちた程度では傷すら入らないのにとぼやいていた。

 しかし、先程太一が手をかざした時に一瞬光ったのだが、その時に太一が持っているスキルの影響と規格外の魔力が流れ込んた影響でオーブの内部が溶けてしまい、中が脆くなっていおり簡単に砕けたのだ。
 神官が書いた記録は太一は無能者だ。

 残り3人も終わり、支度金を渡された。各自金貨100枚で、一般家庭の1年分の給金相当との事だ。城の客間に移動し、割り振られた部屋に行く。太一だけ皆から少し離れていたが、バラバラだったから特に気にしなかった。

 やはり由美子がヒーラーだったようだ。

 明日また集まり、検査結果などを伝え、今後の話をしてくれるが、今日は早目に休む事になった。体内時間は23時なので眠く、明日皆で話し合う事にして皆眠る事にしたのであった。

 太一が案内された部屋は20畳くらいの部屋にダブルベッドと小さな机と椅子。水の入ったポットとグラスと酒が置いてあった。

 内装は上品で貴族の客が泊まる部屋だ。

 机には羊皮紙?初期の紙?のノートがあり、ズボンにあったボールペンでメモをしていた。

 自分のステータスを記録していた。
職業  煌勇者
特性 初期は極端に弱く、生活魔法と極大魔法しか使えないが、終盤は最強になる。

使用可能魔法
生活魔法
アルマゲドン(極大魔法)
 半径10kmの魔物を駆逐する。24時間に一度しか使えない。対人には使えないが発動に10分掛かるとあった。範囲内にいるどんな魔物でも爆散し、魔石やアイテムなどのドロップを残す。
 注意としてその場にドロップが残る。経験値は半径100m以内しか入ってこない。あくびをしながら見ていた。

 スキルを見るとかなりのスキルがあるっぽいのだが、レベル不足で封印中だった。

 詠唱破棄
 無限収納
 言語翻訳
 成長補正極大

 今使えるのはこれだけだった。
 それを記録する。
 残念なが、筋力とか素早さとかは見えなかった。

また初期評価を記録し、城の間取りを書いていた。勿論全て分かる筈はないのだが。

太一が見せて貰えなかったが
神官が記録したステータスだ()は神官が記載した内容
LV        1
STR   34
DEX   43
VIT     16
INT   021(21)
AGI     04(4)
魔力 測定失敗(0)

 着換えが置いてあったが、今まで着ていた服は生活魔法に有ったクリーン魔法を掛けてから全て収納に入れた。皆にも言ってある。奴らを信用するなと。しかし眠気には勝てず太一はベッドに横になると直ぐに眠りに落ちたのであった。信用するなと言った当人も認識が甘く、なんだかんだと言って平和な国の日本人でしかなかったのである。
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