へなちょこ勇者の珍道記〜異世界召喚されたけど極体魔法が使えるのに無能と誤判定で死地へ追放されたんですが!!

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第2章

初心者講習前夜

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 食事と風呂の後にシャロンが太一の部屋を訪れ、ドアをノックしようとすると部屋の中からカエデのガハハハという笑い声や、何やら話し込んでいる声がしてきた。シャロンはえっ?と思いドアをノックし太一の返事を待たず、カエデの開けていいぞの返事で中に入る。

 すると裸同然の楓が太一をからかっていたり、説教をしている真っ最中だった。そのカエデの格好にシャロンは真っ赤になり、太一が取られると焦り、嫉妬してしまった。

 カエデは赤毛のショートカットで身長約160 cmのグラマーな女性だ。年齢ははっきりとは覚えていないが26だったか28だったかなー!とシャロンが太一に言っていたのだ。今は下着のみ、それもかなりセクシーな下着だった。パンティは所謂Tバックで、ブラをせずに薄いアンダーで、半ば乳首が、透けて見える。カエデが太一に話している内容は真っ当な内容だったが、太一はカエデの姿に真赤になり、話を殆ど聞いていなかった。有り余る大人の色気で且つ、魅惑なボディだ。襲い掛かりたい衝動を、雄の衝動を抑えるのに必死だった。

 カエデが部屋を出た後、シャロンはぽつりとカエデの事を

「美人なんだけどね。あの性格が災いして男性と縁がないんですよ。でも悪い人じゃないんだよね」

 と太一にフォローを入れていた。

 今日太一がシャロンにお願いしたのは幼児用のでいいから、文字の書いてある本を見たいと言い、幼児用の本から始めて徐々にステップアップして、読める本を増やして行きたいと言っていた。

 シャロンはまさか1日勉強したからといって読める訳がないでしょう!と思いながら幼児用の本をどうだと言わんばかりに太一に渡していた。

 太一は詰まりながらもその本を読んで見せたものだから、シャロンは驚いていた。

 最初の3冊程で幼児用の本ではなく成人用の本を読むべきだとシャロンは判断し、普通の本を取ってき来た。

 シャロンの役目は時折これは何て読むの?等と聞かれた時に、読み方の分からない単語や意味の分からない単語について答える係になっていた。そしてやはりいつの間にやら、先にテーブルの上に突っ伏してしまったのである。太一は暫く本を読みふけっていて、先程からしていなかった質問を投げかけたが答えが返ってこなかった。それまでシャロンが寝てしまった事に気が付かなかったのだ。

 シャロンの頬を突いたりしてみたが反応がない。ため息をつきながら

「さあて、どうすっかな?カエデさんの話じゃないけど、シャロンって無防備過ぎるよな。俺も一応男なんだけどなー。そーら襲っちゃうぞ?キスしちゃうぞ?じゃあ遠慮しないで胸揉んじゃうぞ!」

 体をいじり回すというも反応が無い。

「やっぱり寝ているのかな。俺って信頼されているのかな?でもなー俺も一応男なんだけどな。男として見られていないのかな?まあ今はいいや。それよりもしまったな。シャロンの部屋が分からないや。しゃーないな、お姫様を俺のベッドで寝かせますか」

 太一はぶつぶつ言いながらシャロンをお姫様抱っこした。実はシャロンは狸寝入りをしていたのだ。自分が寝ている時に太一がどんな事をするのかしないのか。また、どんな事を言うのかを観察しようとしていた。キスするぞと言い始めた時は心臓がバクバクしていたものである。

 そしてお姫様抱っこされた時に思わずきゃっ!と言いそうになったが、耐えきったのた。

 太一はシャロンが狸寝入りしているとはつゆとも思わず、布団に寝かせて掛け布団を掛ける。

 カエデは先程太一に

「いいかい太一君、女はね、男が強引に迫って来るの待っているんだよ。シャロンにしてもそうだ。あの子は君が唇を奪って来るのを、体を求めて来るのを期待して待っているんだぞ。強引に行き、君が欲しい、僕の女になってくれ!そんなふうに強引にかっ攫うんだよ」

 と話をしていたので、シャロンが割って入り

「カエデさん太一様になんて事を言っているんですか!太一様がそんな事をする訳がないでしょう!まったくもう!それはカエデさんの願望でしょ?」

 カエデは頭をボリボリ掻きながら

「ははは、そうとも言うな」

「ところでカエデさんが太一様の部屋に来るなんてどうされたんですか?」

「明日初心者講習が有るって聞いたからな。アドバイスをしに来たんだよ。それと太一君の妾にでもして貰いたくてね。まあそれにしても情けない位のヘタレっぷりだったなぁ。こんなんじゃシャロンを守れないぞ?まあ強引に行くのはともかくとして、魔法使いだろうが剣や拳で戦う事もあるんだ。だから一般冒険者には負けない位の、そうだなせめて B 級冒険者位には太刀打ちできる程度の剣の腕前を付けないとこの先やって行けないぞ」

 太一はかしこまってはいと返事をしていた。

「ああそれとな、女を抱きたくなったらあたいの所に来な。相手してやるよ。それとシャロンを抱く前にあたいで筆下ろししときな。お前童貞だろう?シャロンを優しくリードしてやるんだ」

 太一が俯いてオロオロしているとシャロンが

「か、カエデさんったら全くもう。太一様が困っているじゃないですか!そんなふうにからかうのは太一様がかわいそうです。それに太一様はその、あの・・・」

「あはははは分かっているよ。冗談だよ冗談。でもな太一、一つ言えるのはシャロンを泣かしたらあたいが許さないからね。そうそう今から夜の勉強なんだろう?シャロンを襲って泣かすんじゃないよ。それとな、キスするのはちゃんと雰囲気を作ってからだぞ!」

 太一は

「しませんよ!そんな襲うなんて。今から真面目な勉強の時間なんですからね」

 分かっているよと言わんばかりに手を振っり、お尻をボリボリ掻きながらカエデが出て行った。

 太一はため息をつきながら

「あの人綺麗な人なのに、中身はおっさんだね」

「太一様もやっぱり分かる!?太一様、そうなのよ、あの性格なのであれ程綺麗なのにまだ結婚していないのよね」

 暫く2人でカエデの事を話していた。シャロンによるとああ見えても剣の腕前はピカイチだと言う。シャロンはカエデについて、魔法戦士とはいえ剣の方が秀でているのだと。攻撃魔法を使えず、自己の強化魔法しか使えないと話してくれた。

 時は戻り布団に横たわるシャロンの傍らで太一はキスすをするか!しないか?
 とで暫くの間悶々としていた。結局意気地の無い太一はおでこにキスをし、おやすみと言い暫く本を読んでから、ソファーに横たわり寝るのであった。それが今の太一の精一杯であったのだ。

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