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第2章
野営
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ダンジョンの外に出た後馬の無事を確認し、これからどうしたものか考えた。そう、周りは薄暗がりになっており、間もなく夜が訪れる。
「もうこんな時間になっていたんだね。このまま馬車を進めると流石に危険だよね」
「そうね。王都街から近いとはいえ、夜は盗賊や魔物、獣達が出る時間帯ですから危険ですね」
「そうか。じゃあ今日はここで野営になるな。うーん、しまったなぁ、野営の道具がないぞ。野営する予定がなかったからなぁ。万が一を考えていなかったな」
そう、普通に行けば、朝街を出れば、夕方少し前には十分次の大きな宿場町に着くのだ。
小さい街だが、次の街まで馬車で30分程あると言う。無理に進むと暗がりで馬が怪我をしたりする恐れが出てくるので、やはり無理に進むのは止める事にした。
仕方がないのでこの場で野営をする事になった。馬を木にに繋ぎ直したりするのはノエルにお願いし、シャロンには木の枝をウィンドカッターで切断して貰い、杭を4本作る。野営をするエリアの四方の地面に杭を打ち込み、野営するエリアを積んであったロープにて囲む。
そこに馬車の中にあったベルをぶら下げておいた。ロープに何かが当たるとそれに繋いだベルが鳴り、何者かの接近を知らせてくれるという感じだ。
これを仕掛けたのは、今ある物ではせいぜいこれぐらいしかできないからだ。見張り番とベルの仕掛けの2段構えだ。
収納の中には馬の飼い葉が有った。
これは楓が用意してくれていて、太一の収納の中に入れておいたのだ。
馬車に腰掛けながら残り少ない食料を分け合って食べていた。明日の朝食べる分でなくなってしまう。シャロンもノエルも自分の分の半分を太一に食べてと渡して来た。太一は遠慮したが、体格が違うのだから、分量はこれで丁度良いよと言って聞かなかった。ただただ、太一は有り難うと受け取るしかなかった。残るは未調理の食材ばかりだ。
焚き火を囲いながら暖を取る。季節についてはあまり気にしてなかったが、少し肌寒かった。日本で言うと9月下旬から10月初旬、それ位の気温だ。流石に夜だと多少は冷え込む筈だ。ましてや外は吹きさらしなのだ。太一は四季があるのかな?とふと日本を想う。
見張りが必要だなとなり、話し合って交代交代で見張りをする事になった。
トップバッターはノエル、次はシャロン、そして最後が太一だ。
太一は魔力を大量に使った影響から疲労が激しかったので、先に寝て魔力と体力の回復を図る事になった。獣が現れる可能性は有るが、魔物は周囲10 kmの範囲で駆逐している筈だった。なのでまず大丈夫だとは思っていたが、それでも見張りを立てない訳にはいかない。人が来る可能性が有るからだ。
馬車の中には一組の布団を出した。何かの時の為にと屋敷にあった古い布団を貰っていて、太一の収納に入れていた。
「収納持ちってやっぱり便利ですよね。私が襲われた時に野営していた時も布団は有りませんでしたよ。毛布一枚にくるまっている感じでした。
私はお金を払ったお客様だったから馬車の中でしたが、皆は粗末なテントでした」
「そうなんだね。俺の家族は余りアウトドアには興味がなくてさ、キャンプ自体もした事がないんだ。これからは慣れない事をしていかなきゃいけないんだろうね。食料もそうだけども、今回野営をするつもりがなかったので準備をしてなかったんだ。急な話だったからというのもあるけども、今更だが準備不足は否めないね」
「そうですわね。幸い太一様が生活魔法を使えますので水の心配はいらないのでかなり楽をさせて貰っているんですよ」
「ノエルの話じゃないが、そもそも生活魔法を持っている人が少ないんだよね?」
「そうですね素質や学力やお金の問題でもないので時間の問題なのですから。半年程みっちりと講義を受けないと身に着かないので、実際はお金を持っている人か、親戚中でお金を集め代表に生活魔法を覚えさせ、その人が稼いだお金で親戚一同が養って貰っている等という話を聞きます」
「そうか、それ程人気があるんだね」
「そうですね。商隊などに1人いると旅の荷物が半減します。なので破格の条件で雇われたりしますね。あのー、太一様、私はこの後の見張りがありますので先に失礼させて頂きますね」
「そうだったね。じゃあおやすみなさい」
「はい、おやすみなさいませ!太一様」
動きやすい戦闘服とはいえ、それなりに厚みのある服なのだ。その為ごわごわしており、固くて寝心地が悪かった。それでも眠気には勝てず太一も眠りに落ちるのであった。シャロンとノエルがちゃんと快適に寝れていたのだが、その秘密を太一はまだ知らなかったのであった。
「もうこんな時間になっていたんだね。このまま馬車を進めると流石に危険だよね」
「そうね。王都街から近いとはいえ、夜は盗賊や魔物、獣達が出る時間帯ですから危険ですね」
「そうか。じゃあ今日はここで野営になるな。うーん、しまったなぁ、野営の道具がないぞ。野営する予定がなかったからなぁ。万が一を考えていなかったな」
そう、普通に行けば、朝街を出れば、夕方少し前には十分次の大きな宿場町に着くのだ。
小さい街だが、次の街まで馬車で30分程あると言う。無理に進むと暗がりで馬が怪我をしたりする恐れが出てくるので、やはり無理に進むのは止める事にした。
仕方がないのでこの場で野営をする事になった。馬を木にに繋ぎ直したりするのはノエルにお願いし、シャロンには木の枝をウィンドカッターで切断して貰い、杭を4本作る。野営をするエリアの四方の地面に杭を打ち込み、野営するエリアを積んであったロープにて囲む。
そこに馬車の中にあったベルをぶら下げておいた。ロープに何かが当たるとそれに繋いだベルが鳴り、何者かの接近を知らせてくれるという感じだ。
これを仕掛けたのは、今ある物ではせいぜいこれぐらいしかできないからだ。見張り番とベルの仕掛けの2段構えだ。
収納の中には馬の飼い葉が有った。
これは楓が用意してくれていて、太一の収納の中に入れておいたのだ。
馬車に腰掛けながら残り少ない食料を分け合って食べていた。明日の朝食べる分でなくなってしまう。シャロンもノエルも自分の分の半分を太一に食べてと渡して来た。太一は遠慮したが、体格が違うのだから、分量はこれで丁度良いよと言って聞かなかった。ただただ、太一は有り難うと受け取るしかなかった。残るは未調理の食材ばかりだ。
焚き火を囲いながら暖を取る。季節についてはあまり気にしてなかったが、少し肌寒かった。日本で言うと9月下旬から10月初旬、それ位の気温だ。流石に夜だと多少は冷え込む筈だ。ましてや外は吹きさらしなのだ。太一は四季があるのかな?とふと日本を想う。
見張りが必要だなとなり、話し合って交代交代で見張りをする事になった。
トップバッターはノエル、次はシャロン、そして最後が太一だ。
太一は魔力を大量に使った影響から疲労が激しかったので、先に寝て魔力と体力の回復を図る事になった。獣が現れる可能性は有るが、魔物は周囲10 kmの範囲で駆逐している筈だった。なのでまず大丈夫だとは思っていたが、それでも見張りを立てない訳にはいかない。人が来る可能性が有るからだ。
馬車の中には一組の布団を出した。何かの時の為にと屋敷にあった古い布団を貰っていて、太一の収納に入れていた。
「収納持ちってやっぱり便利ですよね。私が襲われた時に野営していた時も布団は有りませんでしたよ。毛布一枚にくるまっている感じでした。
私はお金を払ったお客様だったから馬車の中でしたが、皆は粗末なテントでした」
「そうなんだね。俺の家族は余りアウトドアには興味がなくてさ、キャンプ自体もした事がないんだ。これからは慣れない事をしていかなきゃいけないんだろうね。食料もそうだけども、今回野営をするつもりがなかったので準備をしてなかったんだ。急な話だったからというのもあるけども、今更だが準備不足は否めないね」
「そうですわね。幸い太一様が生活魔法を使えますので水の心配はいらないのでかなり楽をさせて貰っているんですよ」
「ノエルの話じゃないが、そもそも生活魔法を持っている人が少ないんだよね?」
「そうですね素質や学力やお金の問題でもないので時間の問題なのですから。半年程みっちりと講義を受けないと身に着かないので、実際はお金を持っている人か、親戚中でお金を集め代表に生活魔法を覚えさせ、その人が稼いだお金で親戚一同が養って貰っている等という話を聞きます」
「そうか、それ程人気があるんだね」
「そうですね。商隊などに1人いると旅の荷物が半減します。なので破格の条件で雇われたりしますね。あのー、太一様、私はこの後の見張りがありますので先に失礼させて頂きますね」
「そうだったね。じゃあおやすみなさい」
「はい、おやすみなさいませ!太一様」
動きやすい戦闘服とはいえ、それなりに厚みのある服なのだ。その為ごわごわしており、固くて寝心地が悪かった。それでも眠気には勝てず太一も眠りに落ちるのであった。シャロンとノエルがちゃんと快適に寝れていたのだが、その秘密を太一はまだ知らなかったのであった。
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