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第2章
街へ
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段々と朝日が登って来たので太一は朝食の準備をしようと考えていた。ドロップ品の中に何か使えるような食材や調理道具として使える物がないかと考えを巡らせていた。
そこで収納から出してみたのは身の丈を超えるような大剣だった。刀身の長さは1.5 m 位、幅は40cm程もある巨人が使うのかよ!と思うような超ビッグな物があったのだ。おまけにほぼ平らなので、鉄板の代わりに使えそうだった。勿論未使用なので、何かを殺した武器ではない。そういった何かを殺した物で料理を作るのは流石に精神衛生上宜しく無いのだ。
取り敢えずクリーンを掛け、生活魔法でカマドみたいな物を作り、そこの上に剣改め鉄板を置き、ファイヤーで鉄板を熱してみた。すると中々に良い感じに熱くなるのが分かった。
これならいけるかな?となり、収納の中にある生の食材からなんとか料理が作れないものかと考えていた。調味料が皆無なので味付け等は出来ないが、さてどうしたものかと頭を撚る。
異世界から持ってきたジャガイモとサツマイモは当然使えない。これらは今となっては食べるものではなく、こちらの世界で腰を落ち着けた時にジャガイモとサツマイモを広めようと考えていたのだ。種芋、苗取りの芋になる貴重品だ。
ジャガイモの育て方は分かる。昔おじいちゃんの所に遊びに行った時に散々畑仕事を手伝わされたからだ。サツマイモの植え方は分かる。ただしさつまいもから苗を取り出す方法は、昔おじいちゃんに聞いていた。そのやり方が正しい事を祈るしかない。勿論やった事がないので知識として知っているに過ぎないのである。
とりあえず料理は収納の中にあった買い置きしていた食材の中にある物で料理をしようと思った。料理と言っても焼くしかない。
卵と何かの肉、そして僅かなパンだ。とりあえず、今回で手持ちの食材を全部使い切っても良いのだ。次の街が近いので、そこで買えば良い。
次の町に着いたらそれなりの量を買おうと思っている。
ただ、大量に購入してしまうと目立ってしまうので、3人で各々持てるだけの食材を買おうと思っている。徐々に、そう徐々に食材を増やし、収納の中を食材で一杯にしようと思っていた。
それはともかく太一は熱した鉄板に食材を並べ焼いて行く。油はごく僅かだが収納に入れていたのだが、なけなしの油も使い切ってしまった。
調理道具がなかったので、調理道具も欲しいなと太一は思っていた。
太一はまともに料理ができる訳ではないが、焼く位は流石にできる。調味料がないのでただ焼いただけになるのだが、日が昇った頃にシャロンとノエルが眠い目をこすりながら
「おばよゔ」
などと寝ぼけた状態で挨拶をしてきた。おはようと太一も挨拶を返すが、寝起きの女というのは妙に色っぽいものである。
「お腹減ったよう」
というノエルの色気の欠片のない声に、のほほんとしつつ
「ただ焼いただけだから、あまり美味くないかもだけど、とりあえず温かいうちにこれでも食べて。熱いから気をつけてな」
と言ったそばからあちちとノエルが唸っていた。
そんな様子を見ていたシャロンはほっこりしながら、太一は立ったまま食べていた。
やっぱり味が薄いな、せめて塩があればなと思う太一であった。
是が非でも次の町か次の大きな街で絶対に買うぞと心に決め、馬を馬車に繋ぎ、リスタートしようとしていた。
シャロンとノエルに言われ、ここにダンジョンがあるというのをまずもって他の人達が分からないという事で、街道からダンジョンまでの間の道が有ればなとなった。
太一の生活魔法で強引にいかにもな通路を作る事にした。両脇に溝を彫り、人の手の入っていて、あたかもここに何かがありますというのをアピールするように道を切り開いていた。
そして街道に出てあと30分から1時間程で着くであろう街を目指すのであった。
そこで収納から出してみたのは身の丈を超えるような大剣だった。刀身の長さは1.5 m 位、幅は40cm程もある巨人が使うのかよ!と思うような超ビッグな物があったのだ。おまけにほぼ平らなので、鉄板の代わりに使えそうだった。勿論未使用なので、何かを殺した武器ではない。そういった何かを殺した物で料理を作るのは流石に精神衛生上宜しく無いのだ。
取り敢えずクリーンを掛け、生活魔法でカマドみたいな物を作り、そこの上に剣改め鉄板を置き、ファイヤーで鉄板を熱してみた。すると中々に良い感じに熱くなるのが分かった。
これならいけるかな?となり、収納の中にある生の食材からなんとか料理が作れないものかと考えていた。調味料が皆無なので味付け等は出来ないが、さてどうしたものかと頭を撚る。
異世界から持ってきたジャガイモとサツマイモは当然使えない。これらは今となっては食べるものではなく、こちらの世界で腰を落ち着けた時にジャガイモとサツマイモを広めようと考えていたのだ。種芋、苗取りの芋になる貴重品だ。
ジャガイモの育て方は分かる。昔おじいちゃんの所に遊びに行った時に散々畑仕事を手伝わされたからだ。サツマイモの植え方は分かる。ただしさつまいもから苗を取り出す方法は、昔おじいちゃんに聞いていた。そのやり方が正しい事を祈るしかない。勿論やった事がないので知識として知っているに過ぎないのである。
とりあえず料理は収納の中にあった買い置きしていた食材の中にある物で料理をしようと思った。料理と言っても焼くしかない。
卵と何かの肉、そして僅かなパンだ。とりあえず、今回で手持ちの食材を全部使い切っても良いのだ。次の街が近いので、そこで買えば良い。
次の町に着いたらそれなりの量を買おうと思っている。
ただ、大量に購入してしまうと目立ってしまうので、3人で各々持てるだけの食材を買おうと思っている。徐々に、そう徐々に食材を増やし、収納の中を食材で一杯にしようと思っていた。
それはともかく太一は熱した鉄板に食材を並べ焼いて行く。油はごく僅かだが収納に入れていたのだが、なけなしの油も使い切ってしまった。
調理道具がなかったので、調理道具も欲しいなと太一は思っていた。
太一はまともに料理ができる訳ではないが、焼く位は流石にできる。調味料がないのでただ焼いただけになるのだが、日が昇った頃にシャロンとノエルが眠い目をこすりながら
「おばよゔ」
などと寝ぼけた状態で挨拶をしてきた。おはようと太一も挨拶を返すが、寝起きの女というのは妙に色っぽいものである。
「お腹減ったよう」
というノエルの色気の欠片のない声に、のほほんとしつつ
「ただ焼いただけだから、あまり美味くないかもだけど、とりあえず温かいうちにこれでも食べて。熱いから気をつけてな」
と言ったそばからあちちとノエルが唸っていた。
そんな様子を見ていたシャロンはほっこりしながら、太一は立ったまま食べていた。
やっぱり味が薄いな、せめて塩があればなと思う太一であった。
是が非でも次の町か次の大きな街で絶対に買うぞと心に決め、馬を馬車に繋ぎ、リスタートしようとしていた。
シャロンとノエルに言われ、ここにダンジョンがあるというのをまずもって他の人達が分からないという事で、街道からダンジョンまでの間の道が有ればなとなった。
太一の生活魔法で強引にいかにもな通路を作る事にした。両脇に溝を彫り、人の手の入っていて、あたかもここに何かがありますというのをアピールするように道を切り開いていた。
そして街道に出てあと30分から1時間程で着くであろう街を目指すのであった。
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