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第2章
義足
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太一は馬車の中で、なんとか義足が作れないものかと思案していた。馬車の中ではみんな押し黙っている以外は小さな町で小休止を入れた後は順調に進んでいた。時折馬を休めながら進んでいた。
港町に向かう分岐路があった。太一はその分岐路に溝を作り、進行方向ではなくそちらを塞ぐ事にした。これで騙せるだろうか?こちらに頭の切れる者がいると分かれば、これがハッタリだろうと思い、溝を無視してそのまま真っ直ぐ来るかもだ。そう思えばそうなるが、そう思わなければ進んだ方の道を壊したと思うだろう。旅人から顰蹙を買うだろうなと唸りながら太一は溝を掘っていったのだ。
ノエルがふと聞いてきた
「ねえ太一、何で溝を向こうにつくったの?こんな事したら向こうに進めないじゃないの?」
「ああそれな。俺達はこっちに行くんだ」
「そんな事したら、敵はそのまま来ちゃうでしょ?」
「どうだろうな。少なくともここで敵は悩むと思うんだ。これはハッタリで俺達が今進もうとする方に進んでいるのか、それとも溝の方に進んだ後にこの溝を掘って通れないようにしたのか?どっちの行動を取ったのかというのを悩むと思うんだ。だから敢えてこちら側は残すんだ。向こうに頭の良い奴がいて、こちらに切れ者がいる、そんな風に思えばこういうくだらないトラップを仕掛けるだろうと思うだろう。少なくとも悩むよ。一番良いのは部隊を半分に分けて各々に進ませる。まあこれが一番楽なんだけどな。まあ俺達はこのまま進もう」
太一は慎重に40m位進んだ後に馬車の痕跡を消していった。そして馬車の中で義足の試作品を作っていた。
しかし試作を重ねていくが、足に装着して体重を掛けてみたが、立てるのは立てたのだが、接合部が痛いという。クッションを当てたり、形状を変えたり色々試していた。十足程作った後でようやく及第点のものができた。
クッション等はどういった種類がいいのかをとりあえず選び、強めに魔力を込めて作った義足を稲生に履かせた。
そして稲生が魔力を流し続ける事である程度の時間は義足が使えるようにしたのだ。稲生はどれだけの魔力を込めればいいかが分からず、最初は魔力を使い過ぎてあっという間に息を切らせていた。
魔力が完全に切れると厄介なので途中でやめさせ、魔力回復のポーションを飲ませた。次第に思うように魔力をコントロールできるようになったのか、少なくとも太一の作った義足を1時間は維持する事ができるようになってきた。
魔力を流さないとやはり10分程で消えてしまうのだ。なので行動開始の時に急ぎ義足を作り、短時間で装着させねばならない。欠損修復ができるまではこうやってある程度使えるようにする。ただしこれをしている間は基本的に魔法が使えなくなる。魔力を流し続けている間は魔法が使えなかったのだ。
尤も稲生が使える魔法は己の体に対し身体能力を上げたり強化をするような補助系魔法しか使えない。もしも補助魔法を使うとすれば魔力を流すのを一時中断しなければならない。もしくは先に補助魔法を掛けてから義足を装着するのだ。ただ、付け焼刃で作った義足である為、かろうじて一人でなんとか歩く、それぐらいのものしか作れなかった。だが、少なくとも誰かの肩を借りなければ歩けないというような状況だけは脱した。
一応靴も履かせられたので、見た目は足を引きずっている、そんな感じにしか見えなくなった。太一は初日の為、まだまだ作るのが下手であった。だが、稲生は感謝し、初めて皆の前で泣いたのであった。
港町に向かう分岐路があった。太一はその分岐路に溝を作り、進行方向ではなくそちらを塞ぐ事にした。これで騙せるだろうか?こちらに頭の切れる者がいると分かれば、これがハッタリだろうと思い、溝を無視してそのまま真っ直ぐ来るかもだ。そう思えばそうなるが、そう思わなければ進んだ方の道を壊したと思うだろう。旅人から顰蹙を買うだろうなと唸りながら太一は溝を掘っていったのだ。
ノエルがふと聞いてきた
「ねえ太一、何で溝を向こうにつくったの?こんな事したら向こうに進めないじゃないの?」
「ああそれな。俺達はこっちに行くんだ」
「そんな事したら、敵はそのまま来ちゃうでしょ?」
「どうだろうな。少なくともここで敵は悩むと思うんだ。これはハッタリで俺達が今進もうとする方に進んでいるのか、それとも溝の方に進んだ後にこの溝を掘って通れないようにしたのか?どっちの行動を取ったのかというのを悩むと思うんだ。だから敢えてこちら側は残すんだ。向こうに頭の良い奴がいて、こちらに切れ者がいる、そんな風に思えばこういうくだらないトラップを仕掛けるだろうと思うだろう。少なくとも悩むよ。一番良いのは部隊を半分に分けて各々に進ませる。まあこれが一番楽なんだけどな。まあ俺達はこのまま進もう」
太一は慎重に40m位進んだ後に馬車の痕跡を消していった。そして馬車の中で義足の試作品を作っていた。
しかし試作を重ねていくが、足に装着して体重を掛けてみたが、立てるのは立てたのだが、接合部が痛いという。クッションを当てたり、形状を変えたり色々試していた。十足程作った後でようやく及第点のものができた。
クッション等はどういった種類がいいのかをとりあえず選び、強めに魔力を込めて作った義足を稲生に履かせた。
そして稲生が魔力を流し続ける事である程度の時間は義足が使えるようにしたのだ。稲生はどれだけの魔力を込めればいいかが分からず、最初は魔力を使い過ぎてあっという間に息を切らせていた。
魔力が完全に切れると厄介なので途中でやめさせ、魔力回復のポーションを飲ませた。次第に思うように魔力をコントロールできるようになったのか、少なくとも太一の作った義足を1時間は維持する事ができるようになってきた。
魔力を流さないとやはり10分程で消えてしまうのだ。なので行動開始の時に急ぎ義足を作り、短時間で装着させねばならない。欠損修復ができるまではこうやってある程度使えるようにする。ただしこれをしている間は基本的に魔法が使えなくなる。魔力を流し続けている間は魔法が使えなかったのだ。
尤も稲生が使える魔法は己の体に対し身体能力を上げたり強化をするような補助系魔法しか使えない。もしも補助魔法を使うとすれば魔力を流すのを一時中断しなければならない。もしくは先に補助魔法を掛けてから義足を装着するのだ。ただ、付け焼刃で作った義足である為、かろうじて一人でなんとか歩く、それぐらいのものしか作れなかった。だが、少なくとも誰かの肩を借りなければ歩けないというような状況だけは脱した。
一応靴も履かせられたので、見た目は足を引きずっている、そんな感じにしか見えなくなった。太一は初日の為、まだまだ作るのが下手であった。だが、稲生は感謝し、初めて皆の前で泣いたのであった。
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