へなちょこ勇者の珍道記〜異世界召喚されたけど極体魔法が使えるのに無能と誤判定で死地へ追放されたんですが！！

第２章

首都へ

　太一は後始末をしていたが、先の戦いの疲労が激しく、後始末の途中でかなりバテてしまい一人ではまともに歩けなくなっていた。

　その為に皆に後始末をするのを止められて、宿に半ば連行されるようにして戻っていったのだ。そして宿の部屋では相変わらずシャロンとノエルに添い寝をされて悶々とした夜を過ごす太一であったが、彼女達に手を出したかったが、それができる体力がなかった。胸すら触る気力が無く、爆睡していた。

　翌朝にはきちんと回復できており、旅を再開する事になった。

　皆から暫くは休んで欲しいと言われ、稲垣の判断で御者から外し、中でまったりさせていた。

　しかし、その後は何も無く、弱い魔物が数匹出ただけだ。

　順調に進んでいた。翌日には首都に入るのではと言う感じで最後の街に着き、とりあえず宿に向かおうとしていた。
　
　一旦宿に入り、馬車を置いたりしていたのだが、まだ少し時間がある為に街を少し見て歩こうとなった。

　そして何気なく街を散策していると、ふと何かが近付いて来ているなと太一は感じたが、気の所為かなと無視していた。だがしかし、いきなりラリアットを喰らい吹き飛んでいった。

「ぐぱぴべぼええばえおえ」

　へんな叫びを発していた。由美子が唖然となり太一の吹き飛ぶ様が漫画だなあと感じたが、次の瞬間目を疑う光景がそこにはあった。


　いきなり見も知らぬ女が太一にキスをしているではないか。ビキニアーマでかなりのプロポーションの持ち主で、何より美人だ。

　シャロンは口を押さえ、ノエルは呆れていた。

「いきなりあんたは何やってんだよ。歳を考えれよ」

「久し振りだな。久しぶり２アタイを見て欲情したか？」

　太一はぎゅっと抱きしめて

「なんでこんな所にいるんだよ。屋敷はどうしたんだよ？」

「あははは。あのあと数日後にフローラ様の書簡が見付かってね。屋敷の管理はアタイじゃなくてさ、存命している中で一番年上の者に命ずると有ったから屋敷を出たのさ」

「じゃあ、ほっぽり出したんじゃないんだな？」

「当たり前じゃないか。それよりも道がひ酷くてな。誰だよ穴を掘ったり水浸しにしたバカは！」

　皆が一斉に太一を指差した。

　太一は頭をぐりぐりされていた

「お前の仕業か？アタイがどれだけ苦労したと思うんだよ。全く。あの国の兵士に囲まれた時の方が余程楽だったんだよ」

「あいつらとやり合ったんだ」

「知ってるのか？アタイほどじゃないが、一人一人がかなり強かったな」

「あの、太一さん！この今にもポロリしそうな方はどなたですか？」

「アタイかい？アタイは太一の初めての相手にして、妻の一人だけど、お嬢ちゃんは太一の何？」

　由美子はそれを聞いた瞬間か頭の中が真っ白になり、手に持っていた杖を落としたのであった。