14 / 130
第1章
第14話 絡まれた
しおりを挟む
俺達はそそくさと食堂に繰り出して行き、テーブルを確保した。何を頼むのかについては、俺はメニューが読めないからと、2人にお任せにした。
注文後やはり絡まれたのだが、俺が手を洗う為に離席している時を見計らったかのように絡まれたのだ。
「ようねえちゃん達!さっきはよくも恥をかかせてくれたな!お仕置きが必要だな!?さあこっちへ来いよ!」
いきなりイリアの手を掴み、強引に引っ張ったものだから、彼女は椅子から転げて床に体を打ち付けた。
「キャー!痛い!」
イリアの悲鳴に俺は大いに怒った。
「俺の女に何をする!」
思わず叫び一気に駆け、そいつの背後に回り、腕を捻り上げてテーブルに押し付ける。勿論スキルは全て没収だ。
「イリア大丈夫か?ミリア見てあげてくれ。おい、お前!さっきは我慢したが、流石に俺の女が怪我をさせられてはもう黙ってはいられんぞ!」
「糞があ!いててて離しやがれ!」
そいつの仲間が剣を抜いた。俺は咄嗟に10発程のファイヤーボールを俺の周りに展開した。すると周りが騒然となった。ファイヤーボールを見てそいつらは腰を抜かし、床に尻餅を着き、後ずさりながら「ヒィー」とか「うあぁあ!」と唸っていた。
誰かが俺の肩にそっと手を置いた。俺とほぼ一緒の身長?いや、僅かに低いな?その人は綺麗な若いエルフの女性だ。
「お兄さん?もうその辺でやめてあげられませんか?もうあの者達の戦意は無くなりましてよ」
連れのドワーフのおっさんが呆れていた。
「兄さんや、ちと過剰戦力じゃし過剰な反応じゃて。お前さん達、この兄さんが本気であれを放ったら一瞬で消し炭じゃぞ。相手を見て喧嘩を売らぬと早死にするぞ」
「ヒィーだじげでー!」
叫びながら出ていった。
俺は魔法をキャンセルした。
「イリア大丈夫か?今ヒールを掛けるからな。どこのどなたかは存じ上げませんが、止めて頂きありがとうございました!」
「ほう、お兄さんは2属性持ちなのですね。火と聖とは珍しい組み合わせですわね。そう思いません事?爺や?」
「誰がじじいだ!まだ60代じゃぞ。お主こそ40歳近いおばはんだろうに」
「ふふふ。エルフの女の子の40歳はヒューマンの18歳位よ。いつも言っているでしょ!?」
イリアが自分の体を確かめて大丈夫をアピールし、2人に礼を述べた。
「エルフにドワーフとは珍しい組み合わせですわね。我が主の暴走を抑えて頂きありがとうございました!」
「ふふふ、貴女可愛らしいわね。私と違い大事にされているのね。羨ましいわ」
「儂がおぬしをぞんざいに扱っとると周りが誤解するだろうが!全く口の悪さは治らぬのぉ。どこで育て方を間違えたのやら」
「あのう?良かったら取り敢えず席に着いて一緒にお昼を食べませんか?」
「そうですわね。私はともかく、この爺やは先程から腹が減ったぞ!早く飯だ!と喚いておりましたの。相席宜しくて?」
「はい!お願いします。お姉さま!」
イリアが急に懐いていた。
「申し遅れました。友安と申します。先程暴行を受けた方がイリアで、こちらが妹のミリアです。私達は初心者講習に参加していますが、貴女達は?あと失礼ですがお2人はどういった間柄で?私はドワーフもエルフも初めて見るのですが、エルフとドワーフという組み合わせはよくあるのですか?」
ミリアの様子がおかしかったが、この時は人見知りかな程度と余り気にしていなかった。
「わたくしはサイファスの娘ミザリアで、この爺やはサイファスの友にして、一応わたくしの師匠たるディグラスの息子ゼツエイですわ。宜しくね」
「何が一応じゃ。ぬしのおしめを誰が替えてやったと思っとるんじゃ」
「腐れ縁でしてね、亡き父に代わり私を育ててくれましたの。そう父親代わりなのですわ。それで異種族ではありますが一緒に旅をしておりますの。それとこの2人は奴隷ですわね?でも友安様はそうは扱っていないように見受けられますわね」
「なぜそう思われるのですか?」
「まあそう警戒なさらないで。イリアちゃんが我が主と言ったのですわ。貴方は自分の女だと言いましたけれども、ピンと来たのですわ。でも大事にしているのは分かるわ」
「はい、友安様は私達を奴隷として扱わず、1人の人として見てくださいます。そ、それと私達の体をお求めにならないのです。愛がなきゃ嫌だって。申し遅れました。ミリアと申します」
「貴女達はやはり奴隷なのね。ひょっとして友安様は衆道の気があるのか、不能なのですか?」
俺は飲みかけの水をブーっと吹き出し、イリアに掛けてしまったのであった。
注文後やはり絡まれたのだが、俺が手を洗う為に離席している時を見計らったかのように絡まれたのだ。
「ようねえちゃん達!さっきはよくも恥をかかせてくれたな!お仕置きが必要だな!?さあこっちへ来いよ!」
いきなりイリアの手を掴み、強引に引っ張ったものだから、彼女は椅子から転げて床に体を打ち付けた。
「キャー!痛い!」
イリアの悲鳴に俺は大いに怒った。
「俺の女に何をする!」
思わず叫び一気に駆け、そいつの背後に回り、腕を捻り上げてテーブルに押し付ける。勿論スキルは全て没収だ。
「イリア大丈夫か?ミリア見てあげてくれ。おい、お前!さっきは我慢したが、流石に俺の女が怪我をさせられてはもう黙ってはいられんぞ!」
「糞があ!いててて離しやがれ!」
そいつの仲間が剣を抜いた。俺は咄嗟に10発程のファイヤーボールを俺の周りに展開した。すると周りが騒然となった。ファイヤーボールを見てそいつらは腰を抜かし、床に尻餅を着き、後ずさりながら「ヒィー」とか「うあぁあ!」と唸っていた。
誰かが俺の肩にそっと手を置いた。俺とほぼ一緒の身長?いや、僅かに低いな?その人は綺麗な若いエルフの女性だ。
「お兄さん?もうその辺でやめてあげられませんか?もうあの者達の戦意は無くなりましてよ」
連れのドワーフのおっさんが呆れていた。
「兄さんや、ちと過剰戦力じゃし過剰な反応じゃて。お前さん達、この兄さんが本気であれを放ったら一瞬で消し炭じゃぞ。相手を見て喧嘩を売らぬと早死にするぞ」
「ヒィーだじげでー!」
叫びながら出ていった。
俺は魔法をキャンセルした。
「イリア大丈夫か?今ヒールを掛けるからな。どこのどなたかは存じ上げませんが、止めて頂きありがとうございました!」
「ほう、お兄さんは2属性持ちなのですね。火と聖とは珍しい組み合わせですわね。そう思いません事?爺や?」
「誰がじじいだ!まだ60代じゃぞ。お主こそ40歳近いおばはんだろうに」
「ふふふ。エルフの女の子の40歳はヒューマンの18歳位よ。いつも言っているでしょ!?」
イリアが自分の体を確かめて大丈夫をアピールし、2人に礼を述べた。
「エルフにドワーフとは珍しい組み合わせですわね。我が主の暴走を抑えて頂きありがとうございました!」
「ふふふ、貴女可愛らしいわね。私と違い大事にされているのね。羨ましいわ」
「儂がおぬしをぞんざいに扱っとると周りが誤解するだろうが!全く口の悪さは治らぬのぉ。どこで育て方を間違えたのやら」
「あのう?良かったら取り敢えず席に着いて一緒にお昼を食べませんか?」
「そうですわね。私はともかく、この爺やは先程から腹が減ったぞ!早く飯だ!と喚いておりましたの。相席宜しくて?」
「はい!お願いします。お姉さま!」
イリアが急に懐いていた。
「申し遅れました。友安と申します。先程暴行を受けた方がイリアで、こちらが妹のミリアです。私達は初心者講習に参加していますが、貴女達は?あと失礼ですがお2人はどういった間柄で?私はドワーフもエルフも初めて見るのですが、エルフとドワーフという組み合わせはよくあるのですか?」
ミリアの様子がおかしかったが、この時は人見知りかな程度と余り気にしていなかった。
「わたくしはサイファスの娘ミザリアで、この爺やはサイファスの友にして、一応わたくしの師匠たるディグラスの息子ゼツエイですわ。宜しくね」
「何が一応じゃ。ぬしのおしめを誰が替えてやったと思っとるんじゃ」
「腐れ縁でしてね、亡き父に代わり私を育ててくれましたの。そう父親代わりなのですわ。それで異種族ではありますが一緒に旅をしておりますの。それとこの2人は奴隷ですわね?でも友安様はそうは扱っていないように見受けられますわね」
「なぜそう思われるのですか?」
「まあそう警戒なさらないで。イリアちゃんが我が主と言ったのですわ。貴方は自分の女だと言いましたけれども、ピンと来たのですわ。でも大事にしているのは分かるわ」
「はい、友安様は私達を奴隷として扱わず、1人の人として見てくださいます。そ、それと私達の体をお求めにならないのです。愛がなきゃ嫌だって。申し遅れました。ミリアと申します」
「貴女達はやはり奴隷なのね。ひょっとして友安様は衆道の気があるのか、不能なのですか?」
俺は飲みかけの水をブーっと吹き出し、イリアに掛けてしまったのであった。
12
あなたにおすすめの小説
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした
新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。
「もうオマエはいらん」
勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。
ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。
転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。
勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)
ハズレスキル【地図化(マッピング)】で追放された俺、実は未踏破ダンジョンの隠し通路やギミックを全て見通せる世界で唯一の『攻略神』でした
夏見ナイ
ファンタジー
勇者パーティの荷物持ちだったユキナガは、戦闘に役立たない【地図化】スキルを理由に「無能」と罵られ、追放された。
しかし、孤独の中で己のスキルと向き合った彼は、その真価に覚醒する。彼の脳内に広がるのは、モンスター、トラップ、隠し通路に至るまで、ダンジョンの全てを完璧に映し出す三次元マップだった。これは最強の『攻略神』の眼だ――。
彼はその圧倒的な情報力を武器に、同じく不遇なスキルを持つ仲間たちの才能を見出し、不可能と言われたダンジョンを次々と制覇していく。知略と分析で全てを先読みし、完璧な指示で仲間を導く『指揮官』の成り上がり譚。
一方、彼を失った勇者パーティは迷走を始める……。爽快なダンジョン攻略とカタルシス溢れる英雄譚が、今、始まる!
【コミカライズ決定】勇者学園の西園寺オスカー~実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい~
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
【第5回一二三書房Web小説大賞コミカライズ賞】
~ポルカコミックスでの漫画化(コミカライズ)決定!~
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、カクヨム、pixivにも投稿中。
戦場の英雄、上官の陰謀により死亡扱いにされ、故郷に帰ると許嫁は結婚していた。絶望の中、偶然助けた許嫁の娘に何故か求婚されることに
千石
ファンタジー
「絶対生きて帰ってくる。その時は結婚しよう」
「はい。あなたの帰りをいつまでも待ってます」
許嫁と涙ながらに約束をした20年後、英雄と呼ばれるまでになったルークだったが生還してみると死亡扱いにされていた。
許嫁は既に結婚しており、ルークは絶望の只中に。
上官の陰謀だと知ったルークは激怒し、殴ってしまう。
言い訳をする気もなかったため、全ての功績を抹消され、貰えるはずだった年金もパー。
絶望の中、偶然助けた子が許嫁の娘で、
「ルーク、あなたに惚れたわ。今すぐあたしと結婚しなさい!」
何故か求婚されることに。
困りながらも巻き込まれる騒動を通じて
ルークは失っていた日常を段々と取り戻していく。
こちらは他のウェブ小説にも投稿しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる