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第1章

第51話 もう一度

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 死体をギルドに引き渡した後は仕切り直しとし、昼食を食べてからもう一度上級エリアに向かう。

 助けた奴はギルドで事情聴取を受ける事になった。

 昼食後またもやグリフォンの巣を目指して行動を開始する。

 今度は僅かな戦闘のみで済み、巣の近くに行くと異変が有った。

 先のグリフォンの死体が動き始めたのが遠目で分かる。どうやら先程の奴は理由が分からないが、魔石を抜き取らなかったようだ。

 獲物を横取りするなよ!と息巻いていたが、よりによって放置してくれたようだ。卵を取る為に腹を切り裂いていたのは見たが、普通そのまま魔石を抜き取るのだ。

「くそっ!あいつ魔石を抜かずに放置しやがったぞ!気を付けろ!復活しているぞ!それともう1匹はどこだ?」

 「確かに見当たらないですわね。あのグリフォンはどうやらハイグリフォンに進化してましてよ。S級以上の魔物です!来ました!」

 ミザリアが警告を発した直後、ハイグリフォンが咆哮をあげると共に衝撃波に襲われ、俺達は吹き飛んだ。
 そして回りの木々も倒れた。

 「坊主、お主の魔法で殺れぬか?儂が斬り込んで注意を引くから、その隙に攻め込むのじゃ」

 「何とかやります。ミリア、ミザリアも牽制を!イリア、ミリアの護衛だ!フランカはミザリアを頼む!」

 そして俺は魔法の展開を始めた。アイスアローを準備し、上から攻撃する為にアイスボールをしこたま生成している。

 グリフォンがゼツエイに攻撃をするが、斧で衝撃波を切り裂いている。ミザリアとミリアの魔法は表面に傷を付けるだけで、大したダメージはない。だが、注意を反らす事に成功した。

 ハイグリフォンは俺へ注意をしていないようだ。魔法を放つ準備が整ったが、ゼツエイに一旦引くよう指示を出す直前に彼は攻撃を食らってしまい、吹き飛んで行った。

 そして俺はアイスボールとアイスアローを一斉に放った。

 ハイグリフォンがゼツエイへ追撃をしようとしており、ゼツエイに気を取られていた。その為、俺の魔法に気が付くのが少し遅かったようで避けられず、見事にヒットした。

 そしてミザリアが上位魔法のエアボンバーを放った。

 きのうは避けられたが、今回はちゃんと当たり、ミザリアが止めを差し、決着した。

 俺は魔石の抜き取りを皆に任せ、のたうち回っているゼツエイを治療しに向かった。

 ゼツエイを治療した後はミザリアに魔力チャージを行う。フランカに警戒を任せ、チャージはお互いに照れながら行った。

 魔力チャージが終わると魔石を回収し、もう1匹を探そうとしたタイミングで、何かが割れる「パリーン」というかなり大きな音が響き渡り、直後に振動が伝わって来たのであった。
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