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第71話 スキルオーブの発見と議論
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「あっ!」
浅香が突然声を上げた。
「なんだよ、びっくりさせるな!」
俺が警戒して振り返ると、浅香がポケットから何かを取り出した。
「いや、これ拾ってたのを思い出したんだよね。腕がくっつくとかいう大騒ぎで忘れてたけど、これって役に立つ物かな?」
彼女が差し出したのは淡い光を放つ不思議な玉だった。表面は滑らかで、内部には虹色の模様が渦巻いている。
「それ、スキルオーブじゃねえか…!」
俺は思わず息をのんだ。
「スキルオーブ?」
友理奈が興味津々で覗き込む。
「ああ、これを割ると、割った人間に新しいスキルが宿るんだ。」
俺は玉をじっと見つめながら説明を続けた。
「ただし、中にどんなスキルがあるかは割ってみないと分からない。運次第で役立つものが手に入るかもしれないし、全然戦闘向けじゃないスキルが出る可能性もある。でも、害はない。得たスキルが無駄でも体に悪影響を及ぼすことはない。」
スルメイラが頷く。
「とはいえ、スキルオーブはかなりの価値があるわ。普通はどんなスキルでも戦力が上がるから、慎重に使うのが一般的ね。」
「でも、この状況だとそんな悠長なこと言ってられないよね。でもこれがそうなんだ!」浅香が玉を見つめながらつぶやく。
---
誰が使うか?
俺は考えた。誰がこれを使うべきか。スキルオーブは拾った者の手に宿るとよく言われるが、こういうのは運命の巡り合わせだと思う。
「…これは浅香、お前が使うべきだ。」
そう言って、俺は浅香の手にスキルオーブをそっと押し戻した。
「えっ、私が?なんで?」
「拾った者が惹かれたからさ。こういうのは運命を信じるしかない。」
俺は少しキザに言いながら、真剣な目で彼女を見つめた。
浅香は一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに目をそらした。
「は、はぁ?そんなこと言われても…でも、銀治先輩がどうしてもって言うなら仕方ないわね!」
そう言いつつも、顔は真っ赤で、どこか嬉しそうな様子が見え隠れしている。
「け、けど、ちゃんと役に立つ戦闘向けのスキルじゃないと怒るんだから!」
俺は小さく笑い、彼女を励ますように言った。
「大丈夫だ。お前ならきっといいスキルを引けるさ。」
---
スキルオーブの使用
浅香は緊張した面持ちでスキルオーブを握りしめた。そして、ゆっくりと力を込める。
「いくよ…!」
オーブが浅香の手の中で眩い光を放ち始め、まるで生きているかのように彼女に応えるかのようだった。ピシッと音を立てて亀裂が走り、オーブが砕けると同時に虹色の光が彼女の体に吸い込まれる。
「うっ…!」浅香は一瞬膝をついたが、すぐに立ち上がった。
「どうだ?何か感じるか?」俺が問いかけると、彼女は目を閉じ、しばらく静かに集中した。そして目を開けた瞬間、驚きと興奮が混じった声で叫んだ。
「すごい!これ、『ライトスピア』っていうスキルみたい!」
「ライトスピア?」
「ええと…たぶん、光の槍を作り出して攻撃できるみたい!試してみる!」
浅香が手を伸ばすと、彼女の前に眩い光が集まり、鋭く輝く槍の形を成した。それはまるで聖なる武器のような威厳を持っていた。
「これなら戦える!」浅香は槍を握りしめ、興奮気味に笑った。
「やるじゃねえか!」俺は思わず感嘆の声を上げた。
「ふふん、私を誰だと思ってんのよ!」浅香は得意げに槍を振り回すが、その姿にはこれまで以上に自信が宿っていた。
浅香が突然声を上げた。
「なんだよ、びっくりさせるな!」
俺が警戒して振り返ると、浅香がポケットから何かを取り出した。
「いや、これ拾ってたのを思い出したんだよね。腕がくっつくとかいう大騒ぎで忘れてたけど、これって役に立つ物かな?」
彼女が差し出したのは淡い光を放つ不思議な玉だった。表面は滑らかで、内部には虹色の模様が渦巻いている。
「それ、スキルオーブじゃねえか…!」
俺は思わず息をのんだ。
「スキルオーブ?」
友理奈が興味津々で覗き込む。
「ああ、これを割ると、割った人間に新しいスキルが宿るんだ。」
俺は玉をじっと見つめながら説明を続けた。
「ただし、中にどんなスキルがあるかは割ってみないと分からない。運次第で役立つものが手に入るかもしれないし、全然戦闘向けじゃないスキルが出る可能性もある。でも、害はない。得たスキルが無駄でも体に悪影響を及ぼすことはない。」
スルメイラが頷く。
「とはいえ、スキルオーブはかなりの価値があるわ。普通はどんなスキルでも戦力が上がるから、慎重に使うのが一般的ね。」
「でも、この状況だとそんな悠長なこと言ってられないよね。でもこれがそうなんだ!」浅香が玉を見つめながらつぶやく。
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誰が使うか?
俺は考えた。誰がこれを使うべきか。スキルオーブは拾った者の手に宿るとよく言われるが、こういうのは運命の巡り合わせだと思う。
「…これは浅香、お前が使うべきだ。」
そう言って、俺は浅香の手にスキルオーブをそっと押し戻した。
「えっ、私が?なんで?」
「拾った者が惹かれたからさ。こういうのは運命を信じるしかない。」
俺は少しキザに言いながら、真剣な目で彼女を見つめた。
浅香は一瞬驚いたような表情を浮かべたが、すぐに目をそらした。
「は、はぁ?そんなこと言われても…でも、銀治先輩がどうしてもって言うなら仕方ないわね!」
そう言いつつも、顔は真っ赤で、どこか嬉しそうな様子が見え隠れしている。
「け、けど、ちゃんと役に立つ戦闘向けのスキルじゃないと怒るんだから!」
俺は小さく笑い、彼女を励ますように言った。
「大丈夫だ。お前ならきっといいスキルを引けるさ。」
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スキルオーブの使用
浅香は緊張した面持ちでスキルオーブを握りしめた。そして、ゆっくりと力を込める。
「いくよ…!」
オーブが浅香の手の中で眩い光を放ち始め、まるで生きているかのように彼女に応えるかのようだった。ピシッと音を立てて亀裂が走り、オーブが砕けると同時に虹色の光が彼女の体に吸い込まれる。
「うっ…!」浅香は一瞬膝をついたが、すぐに立ち上がった。
「どうだ?何か感じるか?」俺が問いかけると、彼女は目を閉じ、しばらく静かに集中した。そして目を開けた瞬間、驚きと興奮が混じった声で叫んだ。
「すごい!これ、『ライトスピア』っていうスキルみたい!」
「ライトスピア?」
「ええと…たぶん、光の槍を作り出して攻撃できるみたい!試してみる!」
浅香が手を伸ばすと、彼女の前に眩い光が集まり、鋭く輝く槍の形を成した。それはまるで聖なる武器のような威厳を持っていた。
「これなら戦える!」浅香は槍を握りしめ、興奮気味に笑った。
「やるじゃねえか!」俺は思わず感嘆の声を上げた。
「ふふん、私を誰だと思ってんのよ!」浅香は得意げに槍を振り回すが、その姿にはこれまで以上に自信が宿っていた。
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