93 / 197
第1章(高校生入学編)
第93話 集合写真
しおりを挟む
「せーんろはつづくーよー!どーこまーでーもー!」
「妙にテンションが高いわね!」
今の僕はと言うと、隣に友里愛、向かいにみーことアレクシアが座っている。
目的の場所はよりによって同じ県内とは言え、端から端への正反対だった。
電車に揺られ、2時間半を擁するが今はその電車の中。
お昼に約束をしたから、9時頃の電車、それも特急に揺られている。
長閑な電影風景や山の中を進み、景色を愉しんでいるんだ。
それと・・・密着している友里愛の感触。
良い!非常に良い!
「何ニヤニヤしているの?あっ!エッチな事考えていたんでしょ?」
「そりゃあそんなふうにグイッとされると胸の感触が伝わってきてさ、柔らかいなーって思うさ!君が行けないんだ。ムラムラしてきたよ!」
何て言えれば良いけど、実際は・・・
「えっ?その、電車の旅って良いなあって景色を見ていてつい笑みがこぼれたのかな?」
そんなしょうもない事しか言えないんだ。
美少女と一緒にいても気の利いたセリフや踏み込んだ関係になる為の言葉も出ない。
ここで、君の事を考えていた。
キスをしたらとろけるかなって?
君の唇が欲しい!
等と言えば、ファーストキスが出来たろうに言えなかった。
ネットで勉強したんだよ!
でも言えないのはやはり僕がモブだからくさいセリフを言えないんだろうな。
その、僕は胸の心地良さと隣に座る友里愛の温もりからウトウトし、体を預けてしまい首が完全に彼女の肩にあったんだ。
頭を撫でられたのもあり、熟睡してしまった。
目が覚めた時に気が付いて体を起こそうとしたらガッチリホールドされていたよ。
「ごめんね。皆の事を考えなきゃいけないから疲れたよね。私の肩でよ、良かったらいつでも貸すわ」
そんな言葉を掛けられた。
途中車掌さんが座席に座っている人のチェックに来たり、停車駅で通路を通る人がいると恥ずかしかったけど、嬉しかったな。
「そう言えばきのう何を買ったの?」
「ちょっと何女の買い物をチェックしてんのよ?」
「ご、ごめん」
僕がみーこのひと言に狼狽えているとアレクシアが珍しく口を開いた。
「セクシーなランジェリー」
「えっ?」
「あれあれー?斗升君?ひょっとして想像しちゃった?」
僕はいぢられていると分かっていても顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「か、可愛い!」
友里愛は自らの果実に僕の頭を抱え込みグリグリしていた。
「ずるい。次やる」
「あっ!いいなぁ!」
僕は至福のひと時を過ごした。
そこからタクシーで揺られる事25分程で目的の家に着いた。
家の写真とかを予め貰っていたからスムーズに辿り着いたよ。
約束の時間の10分程前に着いたけど、玄関先に家の方がいた。
老婆とその横に孫?がいる。
孫は多分大学生位?の女性で、足腰の衰えた祖母の介添え?かと思ったんだ。
「ようこそおいでくださったね。遠かったでしょう?ささ、中に入ってくださいな。挨拶は中に入ってからね」
僕等はか細い声にも関わらず、気迫?から従った。
介添えの人の腕に掴まりながら歩いていたけど、妙に余所余所しい。
和室に通されると仏壇が目についた。
壁の上を見ると色々な人の写真が飾られており、一際目を引いたのは40代か50代の1人の自衛隊の制服姿の写真だ。
僕は迷わず仏壇の前に座り、手を合わせた。
「はじめまして。僕は淺沼斗升と言い、父は自衛隊の隊員としてラビリンスが現れたその時からラビリンスに入っていました。それと彼女達は・・・」
軽くこちら側の自己紹介をした。
「若いのにご丁寧にどうも。私は中居の妻の千代子です。夫は陸曹というのが最後の階級だったようです。これをどうぞ。初期のラビリンスに入った時の集合写真だそうです。有名な0号と呼ばれた方もいらっしゃったようですよ」
僕はその写真に父の姿を見が、その時奥さんは介添えの人に告げた。
「楓さん、悪いけど1時間位外してもらえるかしら?」
「はい。それでは少し外しますね」
僕達にペコリとして出ていった。
「家政婦さんなの」
僕ははぁと気の抜けた返事をしてから写真を見ていた。
全員隣の者と肩を組んでにこやかにしている。
「あの、この人が僕の父です」
「あらまあ。あの人の隣にいらしたのね。貴方のお父さんは健在なのかしら?」
「いえ。ランク9のラビリンスへ0号さんを引き連れて入り、ラビリンスのランクアップを阻止したのと引き換えに戻らなかったんです」
「これは悪い事を聞いたわね」
「いえ。これが父のカードなんですが、カラーなんです。主人が死んだらカードは白黒になるんですが、そうじゃないんです。つまり生きているんです。だから僕は父を救うのに強くならなきゃいけないんです」
「失礼ですが、その方は皆裏と言う方のはずですよ」
アルバムから写真を出し、その裏に誰か名前が書いてあり、50人程が写っているのにひとりひとりの名前を覚えていたようだ。
「はい。皆裏 栃郎は僕の父で、有名な人だったらしく、静かに暮らしたい母の要望で母の旧姓を名乗っているんです」
「これは驚きました。あの人と貴方のお父さんは仲が良かったようよ。あの人の手記に時折一緒に飲んだとあるの。元々知り合いだったようね」
中居陸曹の手記によると、僕のお父さんとはラビリンスに入る時の即席訓練からの仲で、この写真のメンバーもこの写真を撮った次の探査で3割死んだそうだ。
そして今も生きているのは2割だとか。
ただ、この人は引退するまで生き延びたようだ。
昔話等がひと通り終わり、本題のカードについて話をする事になった。
「妙にテンションが高いわね!」
今の僕はと言うと、隣に友里愛、向かいにみーことアレクシアが座っている。
目的の場所はよりによって同じ県内とは言え、端から端への正反対だった。
電車に揺られ、2時間半を擁するが今はその電車の中。
お昼に約束をしたから、9時頃の電車、それも特急に揺られている。
長閑な電影風景や山の中を進み、景色を愉しんでいるんだ。
それと・・・密着している友里愛の感触。
良い!非常に良い!
「何ニヤニヤしているの?あっ!エッチな事考えていたんでしょ?」
「そりゃあそんなふうにグイッとされると胸の感触が伝わってきてさ、柔らかいなーって思うさ!君が行けないんだ。ムラムラしてきたよ!」
何て言えれば良いけど、実際は・・・
「えっ?その、電車の旅って良いなあって景色を見ていてつい笑みがこぼれたのかな?」
そんなしょうもない事しか言えないんだ。
美少女と一緒にいても気の利いたセリフや踏み込んだ関係になる為の言葉も出ない。
ここで、君の事を考えていた。
キスをしたらとろけるかなって?
君の唇が欲しい!
等と言えば、ファーストキスが出来たろうに言えなかった。
ネットで勉強したんだよ!
でも言えないのはやはり僕がモブだからくさいセリフを言えないんだろうな。
その、僕は胸の心地良さと隣に座る友里愛の温もりからウトウトし、体を預けてしまい首が完全に彼女の肩にあったんだ。
頭を撫でられたのもあり、熟睡してしまった。
目が覚めた時に気が付いて体を起こそうとしたらガッチリホールドされていたよ。
「ごめんね。皆の事を考えなきゃいけないから疲れたよね。私の肩でよ、良かったらいつでも貸すわ」
そんな言葉を掛けられた。
途中車掌さんが座席に座っている人のチェックに来たり、停車駅で通路を通る人がいると恥ずかしかったけど、嬉しかったな。
「そう言えばきのう何を買ったの?」
「ちょっと何女の買い物をチェックしてんのよ?」
「ご、ごめん」
僕がみーこのひと言に狼狽えているとアレクシアが珍しく口を開いた。
「セクシーなランジェリー」
「えっ?」
「あれあれー?斗升君?ひょっとして想像しちゃった?」
僕はいぢられていると分かっていても顔を真っ赤にして俯いてしまう。
「か、可愛い!」
友里愛は自らの果実に僕の頭を抱え込みグリグリしていた。
「ずるい。次やる」
「あっ!いいなぁ!」
僕は至福のひと時を過ごした。
そこからタクシーで揺られる事25分程で目的の家に着いた。
家の写真とかを予め貰っていたからスムーズに辿り着いたよ。
約束の時間の10分程前に着いたけど、玄関先に家の方がいた。
老婆とその横に孫?がいる。
孫は多分大学生位?の女性で、足腰の衰えた祖母の介添え?かと思ったんだ。
「ようこそおいでくださったね。遠かったでしょう?ささ、中に入ってくださいな。挨拶は中に入ってからね」
僕等はか細い声にも関わらず、気迫?から従った。
介添えの人の腕に掴まりながら歩いていたけど、妙に余所余所しい。
和室に通されると仏壇が目についた。
壁の上を見ると色々な人の写真が飾られており、一際目を引いたのは40代か50代の1人の自衛隊の制服姿の写真だ。
僕は迷わず仏壇の前に座り、手を合わせた。
「はじめまして。僕は淺沼斗升と言い、父は自衛隊の隊員としてラビリンスが現れたその時からラビリンスに入っていました。それと彼女達は・・・」
軽くこちら側の自己紹介をした。
「若いのにご丁寧にどうも。私は中居の妻の千代子です。夫は陸曹というのが最後の階級だったようです。これをどうぞ。初期のラビリンスに入った時の集合写真だそうです。有名な0号と呼ばれた方もいらっしゃったようですよ」
僕はその写真に父の姿を見が、その時奥さんは介添えの人に告げた。
「楓さん、悪いけど1時間位外してもらえるかしら?」
「はい。それでは少し外しますね」
僕達にペコリとして出ていった。
「家政婦さんなの」
僕ははぁと気の抜けた返事をしてから写真を見ていた。
全員隣の者と肩を組んでにこやかにしている。
「あの、この人が僕の父です」
「あらまあ。あの人の隣にいらしたのね。貴方のお父さんは健在なのかしら?」
「いえ。ランク9のラビリンスへ0号さんを引き連れて入り、ラビリンスのランクアップを阻止したのと引き換えに戻らなかったんです」
「これは悪い事を聞いたわね」
「いえ。これが父のカードなんですが、カラーなんです。主人が死んだらカードは白黒になるんですが、そうじゃないんです。つまり生きているんです。だから僕は父を救うのに強くならなきゃいけないんです」
「失礼ですが、その方は皆裏と言う方のはずですよ」
アルバムから写真を出し、その裏に誰か名前が書いてあり、50人程が写っているのにひとりひとりの名前を覚えていたようだ。
「はい。皆裏 栃郎は僕の父で、有名な人だったらしく、静かに暮らしたい母の要望で母の旧姓を名乗っているんです」
「これは驚きました。あの人と貴方のお父さんは仲が良かったようよ。あの人の手記に時折一緒に飲んだとあるの。元々知り合いだったようね」
中居陸曹の手記によると、僕のお父さんとはラビリンスに入る時の即席訓練からの仲で、この写真のメンバーもこの写真を撮った次の探査で3割死んだそうだ。
そして今も生きているのは2割だとか。
ただ、この人は引退するまで生き延びたようだ。
昔話等がひと通り終わり、本題のカードについて話をする事になった。
2
あなたにおすすめの小説
転生したら遊び人だったが遊ばず修行をしていたら何故か最強の遊び人になっていた
ぐうのすけ
ファンタジー
カクヨムで先行投稿中。
遊戯遊太(25)は会社帰りにふらっとゲームセンターに入った。昔遊んだユーフォーキャッチャーを見つめながらつぶやく。
「遊んで暮らしたい」その瞬間に頭に声が響き時間が止まる。
「異世界転生に興味はありますか?」
こうして遊太は異世界転生を選択する。
異世界に転生すると最弱と言われるジョブ、遊び人に転生していた。
「最弱なんだから努力は必要だよな!」
こうして雄太は修行を開始するのだが……
異世界転生、防御特化能力で彼女たちを英雄にしようと思ったが、そんな彼女たちには俺が英雄のようだ。
Mです。
ファンタジー
異世界学園バトル。
現世で惨めなサラリーマンをしていた……
そんな会社からの帰り道、「転生屋」という見慣れない怪しげな店を見つける。
その転生屋で新たな世界で生きる為の能力を受け取る。
それを自由イメージして良いと言われた為、せめて、新しい世界では苦しまないようにと防御に突出した能力をイメージする。
目を覚ますと見知らぬ世界に居て……学生くらいの年齢に若返っていて……
現実か夢かわからなくて……そんな世界で出会うヒロイン達に……
特殊な能力が当然のように存在するその世界で……
自分の存在も、手に入れた能力も……異世界に来たって俺の人生はそんなもん。
俺は俺の出来ること……
彼女たちを守り……そして俺はその能力を駆使して彼女たちを英雄にする。
だけど、そんな彼女たちにとっては俺が英雄のようだ……。
※※多少意識はしていますが、主人公最強で無双はなく、普通に苦戦します……流行ではないのは承知ですが、登場人物の個性を持たせるためそのキャラの物語(エピソード)や回想のような場面が多いです……後一応理由はありますが、主人公の年上に対する態度がなってません……、後、私(さくしゃ)の変な癖で「……」が凄く多いです。その変ご了承の上で楽しんで頂けると……Mです。の本望です(どうでもいいですよね…)※※
※※楽しかった……続きが気になると思って頂けた場合、お気に入り登録……このエピソード好みだなとか思ったらコメントを貰えたりすると軽い絶頂を覚えるくらいには喜びます……メンタル弱めなので、誹謗中傷てきなものには怯えていますが、気軽に頂けると嬉しいです。※※
出戻り勇者は自重しない ~異世界に行ったら帰って来てからが本番だよね~
TB
ファンタジー
中2の夏休み、異世界召喚に巻き込まれた俺は14年の歳月を費やして魔王を倒した。討伐報酬で元の世界に戻った俺は、異世界召喚をされた瞬間に戻れた。28歳の意識と異世界能力で、失われた青春を取り戻すぜ!
東京五輪応援します!
色々な国やスポーツ、競技会など登場しますが、どんなに似てる感じがしても、あくまでも架空の設定でご都合主義の塊です!だってファンタジーですから!!
素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。
~最弱のスキルコレクター~ スキルを無限に獲得できるようになった元落ちこぼれは、レベル1のまま世界最強まで成り上がる
僧侶A
ファンタジー
沢山のスキルさえあれば、レベルが無くても最強になれる。
スキルは5つしか獲得できないのに、どのスキルも補正値は5%以下。
だからレベルを上げる以外に強くなる方法はない。
それなのにレベルが1から上がらない如月飛鳥は当然のように落ちこぼれた。
色々と試行錯誤をしたものの、強くなれる見込みがないため、探索者になるという目標を諦め一般人として生きる道を歩んでいた。
しかしある日、5つしか獲得できないはずのスキルをいくらでも獲得できることに気づく。
ここで如月飛鳥は考えた。いくらスキルの一つ一つが大したことが無くても、100個、200個と大量に集めたのならレベルを上げるのと同様に強くなれるのではないかと。
一つの光明を見出した主人公は、最強への道を一直線に突き進む。
土曜日以外は毎日投稿してます。
荷物持ちの代名詞『カード収納スキル』を極めたら異世界最強の運び屋になりました
夢幻の翼
ファンタジー
使い勝手が悪くて虐げられている『カード収納スキル』をメインスキルとして与えられた転生系主人公の成り上がり物語になります。
スキルがレベルアップする度に出来る事が増えて周りを巻き込んで世の中の発展に貢献します。
ハーレムものではなく正ヒロインとのイチャラブシーンもあるかも。
驚きあり感動ありニヤニヤありの物語、是非一読ください。
※カクヨムで先行配信をしています。
レベルが上がらない【無駄骨】スキルのせいで両親に殺されかけたむっつりスケベがスキルを奪って世界を救う話。
玉ねぎサーモン
ファンタジー
絶望スキル× 害悪スキル=限界突破のユニークスキル…!?
成長できない主人公と存在するだけで周りを傷つける美少女が出会ったら、激レアユニークスキルに!
故郷を魔王に滅ぼされたむっつりスケベな主人公。
この世界ではおよそ1000人に1人がスキルを覚醒する。
持てるスキルは人によって決まっており、1つから最大5つまで。
主人公のロックは世界最高5つのスキルを持てるため将来を期待されたが、覚醒したのはハズレスキルばかり。レベルアップ時のステータス上昇値が半減する「成長抑制」を覚えたかと思えば、その次には経験値が一切入らなくなる「無駄骨」…。
期待を裏切ったため育ての親に殺されかける。
その後最高レア度のユニークスキル「スキルスナッチ」スキルを覚醒。
仲間と出会いさらに強力なユニークスキルを手に入れて世界最強へ…!?
美少女たちと冒険する主人公は、仇をとり、故郷を取り戻すことができるのか。
この作品はカクヨム・小説家になろう・Youtubeにも掲載しています。
痩せる為に不人気のゴブリン狩りを始めたら人生が変わりすぎた件~痩せたらお金もハーレムも色々手に入りました~
ぐうのすけ
ファンタジー
主人公(太田太志)は高校デビューと同時に体重130キロに到達した。
食事制限とハザマ(ダンジョン)ダイエットを勧めれるが、太志は食事制限を後回しにし、ハザマダイエットを開始する。
最初は甘えていた大志だったが、人とのかかわりによって徐々に考えや行動を変えていく。
それによりスキルや人間関係が変化していき、ヒロインとの関係も変わっていくのだった。
※最初は成長メインで描かれますが、徐々にヒロインの展開が多めになっていく……予定です。
カクヨムで先行投稿中!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる