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第3章

第174話 又もやどぴゅー!

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 僕は海洋センターに戻ってからは部屋で1人泣いていた。

 レイラは特別な存在だった。
 何度も命を救われたし、彼女はゴブリンでありながら人間と変わらない見た目をしていた。
 肌は薄緑色だったが、それ以外は人間と同じだった。
 長い緑色の髪に大きな瞳、小さな鼻にふっくらとした唇。
 短かった髪もこの1年で随分伸びた。

 彼女はゴブリンクイーンというカーヴァントで、国民に人気があり、写真集まで出していた。
 彼女は僕のパートナーであり、恋人でもあった。
 勿論プラトニックな関係だよ。
 キスしたり、ちょっとお触りをしたけど、子供ができるような行為はしていないんだ。
 多分それをすると、僕がラビリンス病に罹り、ムミムナが治療してもしばらく苦しむことになるはずだからと。

 そんなレイラが死んでしまった。
 正真正銘の恋人である友里愛、アレクシア、みっちゃんも僕に声をかけてくれなかった。
 いや、僕が慰められるのを拒絶したんだ。
 彼女達も今の僕にかけるべき言葉が思い浮かばなかったんだと思う。
 今はそっとしておこうと。

 1年生とは別の建物に宿泊しているから、その、3人とエッチな事が出来、実際3人はそれしか慰められないと思い誘ってくれた。
 でも何かが引っかかり、彼女達を抱かなかったんだ。

 部屋に戻ってからずっと沈んでいた僕だったけど、偶然にもレイラを蘇生できたんだ。 
 意図しなかったけど、レイラの死亡カードに別のゴブリンのカードを合成できたんだ。 
 本当に偶然だった。

 ランク1のカードは10枚まで重ねられる。

 あのラビリンスの事を考えると、戦力の補充は不可欠だ。
 黒服さんは1年生の研修の為に、ゴブリンのカードを大量に持ってきてくれており、頼んで予備のカードを持ってきてもらったんだ。

 僕の陣営にレイラの代わりとなる新しいカーヴァントを加えて、戦力の補充をしようとしていたんだ。  

「君の代わりを探すよ。もう1度会いたいな・・・ぐすん・・・」

 レイラのカードを見ながらやろうと、机の上に彼女の死亡カードを置いていた。

 新たなカードに掛ける血液を採取しているときに、ドアが急に開いて手元が狂った。
 明日香さんが慌てて何かを話に来たんだ。
 後から聞いたけど、ドアをノックしても反応がないから、首を吊っていないか心配して見に来てくれたんだ。

 ナイフがぐさりと刺さったんだ。
 血がドピューと吹き出し、レイラのカードに血が掛かってしまった。
 カードが倒れ、偶然にも用意していたゴブリンのカードに触れていた。

 そのカードと一緒に血が掛かってしまったんだ。
 それにより知らぬ間に復活していたんだけどすぐには気が付かなかった。

 本来10枚までしか重ねられないカードだけど、新たなラビリンスの進化により11枚以上重ねられるようになっていたんだ。

 服にも血が掛かってしまったから着替えて再開したけど、レイラのカードに掛かった血を拭いて綺麗にした。

 そして予め合成に備えて重ねておいた10枚のカードに、小瓶に入れた血を掛けた。
 そして合成が終わり、カードを拭いている時に10枚のカードに血を掛けて合成したはずが、9枚分のカードになっていた事に気が付いたんだ。

 先程再開する時にもう1度確認していなかったから、間違いなく10枚だったか自身がなかった。

「勘違い・・・かな?」

 呟くともう1枚出し、10枚にしていった。
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