ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜

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第57話 三体の王と、三つの戦場

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 前書き失礼します
 57話しとして投稿したのが、もう少し先のはなしを誤って投稿していました。
 こちらが正しい57話です。



「……本気か、お前……」
 ディノッゾの呻きも、子供たちの耳には届かない。
 三体の、オークキングにも劣らないゴブリンキング。絶対的な絶望が、支配する空間。
 だが、その絶望的な沈黙を、最初に破ったのは、恐怖に怯える子供たちの悲鳴ではなかった。
「―――フレイム・ハート! グリーン・リーヴス!」
 リーダー、リオの檄だった。彼は、震える足を大地に縫いつけ、恐怖を、闘志で塗りつぶした。
「一体ずつ、やるぞ! 俺たちで二体、引き受ける!」
「上等じゃない!」
 リオの言葉に、両手剣使いのカミラが応える。彼女の目にもまた、諦めの色はない。
 その言葉が、狼煙だった。
 二つのパーティーは、まるで示し合わせたかのように、左右のゴブリンキングへと同時に駆け出した。
「ボルツ、前に!」「サラ、回り込め!」
 カミラ率いる【フレイム・ハート】が、持ち前の攻撃性を爆発させる。【瞬足】で切り込むカミラ、【剛力】で王の体勢を崩すボルツ、【隠密】で死角から奇襲するサラ。三人が一体となり、嵐のような猛攻を仕掛けた。
「盾役は俺が!」「マヤ、弱点を!」「ゴードン、突け!」
 リオ率いる【グリーン・リーヴス】は、堅牢な連携で王と対峙する。【堅牢】の盾で攻撃を凌ぐリオ、【鷹の目】で急所を射抜くマヤ、【貫通】の槍で着実にダメージを重ねるゴードン。そして、ティナが【小癒】で仲間たちの傷を癒し、戦線を支える。
 二つの戦場で、子供たちは、自分たちが手に入れた力を最大限に発揮していた。
 だが、一体、残っている。
 中央のゴブリンキングが、狙いを定めたのは、戦闘に参加していない、ディノッゾとリリアだった。
「グルルァ!」
 王が、リリアめがけて棍棒を振りかざす。
 だが、その一撃が少女に届くことはなかった。
「―――お前の相手は、こっちだ」
 いつの間にか、王の眼前に【テレポート】で移動していたディノッゾが、その一撃を、槍で軽くいなしていた。
 リリアに課せられた「手出し禁止」のルール。彼は、それを忠実に守っていた。
 攻撃は、一切しない。
 ただ、神業のような槍さばきとテレポートを駆使し、ゴブリンキングの全ての攻撃を逸らし、受け流し、捌いていく。それは、戦闘ではなく、完璧な「時間稼ぎ」。王は、ディノッゾに翻弄され、巨大な隙を晒し続けていた。
「リリア!」
 ディノッゾの声が飛ぶ。
「お前の番だ。お前の、ありったけを、ぶつけてやれ!」
 リリアは、こくりと頷いた。
 彼女は、目の前で繰り広げられるディノッゾの神技から目を逸らし、ただ、がら空きになったゴブリンキングだけを見据える。
 そして、その小さな両手を、ゆっくりと前に突き出した。
「―――【氷槍(アイスランス)】」
 それは、いつもの、か細い氷の槍ではなかった。
 リリアの、規格外の魔力が注ぎ込まれ、圧縮され、練り上げられていく。彼女の目の前に生成されたのは、もはや槍などではない。ゴブリンキングの巨体をも貫くであろう、一本の巨大な氷の柱だった。
 ディノッゾが、最後の攻撃をいなし、テレポートで離脱する。
 完璧に無防備になった王の心臓部へ、リリアが作り出した極大の氷塊が、音速で突き刺さった。
 ゴブリンキングは、断末魔の叫びを上げる間もなく、その身を内側から凍結させ、粉々に砕け散った。
 承知いたしました。ディノッゾが敷いた「手出し禁止」のルールを逆手に取り、子供たちとリリアの成長を促す、素晴らしい展開の指示をありがとうございます。
 絶望的な状況からの反撃、そしてリリアの覚醒。
 ご指示いただいたプロットを元に、第63話を執筆します。
 第63話:三体の王と、三つの戦場
「……本気か、お前……」
 ディノッゾの呻きも、子供たちの耳には届かない。
 三体の、オークキングにも劣らないゴブリンキング。絶対的な絶望が、支配する空間。
 だが、その絶望的な沈黙を、最初に破ったのは、恐怖に怯える子供たちの悲鳴ではなかった。
「―――フレイム・ハート! グリーン・リーヴス!」
 リーダー、リオの檄だった。彼は、震える足を大地に縫いつけ、恐怖を、闘志で塗りつぶした。
「一体ずつ、やるぞ! 俺たちで二体、引き受ける!」
「上等じゃない!」
 リオの言葉に、両手剣使いのカミラが応える。彼女の目にもまた、諦めの色はない。
 その言葉が、狼煙だった。
 二つのパーティーは、まるで示し合わせたかのように、左右のゴブリンキングへと同時に駆け出した。
「ボルツ、前に!」「サラ、回り込め!」
 カミラ率いる【フレイム・ハート】が、持ち前の攻撃性を爆発させる。【瞬足】で切り込むカミラ、【剛力】で王の体勢を崩すボルツ、【隠密】で死角から奇襲するサラ。三人が一体となり、嵐のような猛攻を仕掛けた。
「盾役は俺が!」「マヤ、弱点を!」「ゴードン、突け!」
 リオ率いる【グリーン・リーヴス】は、堅牢な連携で王と対峙する。【堅牢】の盾で攻撃を凌ぐリオ、【鷹の目】で急所を射抜くマヤ、【貫通】の槍で着実にダメージを重ねるゴードン。そして、ティナが【小癒】で仲間たちの傷を癒し、戦線を支える。
 二つの戦場で、子供たちは、自分たちが手に入れた力を最大限に発揮していた。
 だが、一体、残っている。
 中央のゴブリンキングが、狙いを定めたのは、戦闘に参加していない、ディノッゾとリリアだった。
「グルルァ!」
 王が、リリアめがけて棍棒を振りかざす。
 だが、その一撃が少女に届くことはなかった。
「―――お前の相手は、こっちだ」
 いつの間にか、王の眼前に【テレポート】で移動していたディノッゾが、その一撃を、槍で軽くいなしていた。
 リリアに課せられた「手出し禁止」のルール。彼は、それを忠実に守っていた。
 攻撃は、一切しない。
 ただ、神業のような槍さばきとテレポートを駆使し、ゴブリンキングの全ての攻撃を逸らし、受け流し、捌いていく。それは、戦闘ではなく、完璧な「時間稼ぎ」。王は、ディノッゾに翻弄され、巨大な隙を晒し続けていた。
「リリア!」
 ディノッゾの声が飛ぶ。
「お前の番だ。お前の、ありったけを、ぶつけてやれ!」
 リリアは、こくりと頷いた。
 彼女は、目の前で繰り広げられるディノッゾの神技から目を逸らし、ただ、がら空きになったゴブリンキングだけを見据える。
 そして、その小さな両手を、ゆっくりと前に突き出した。
「―――【氷槍(アイスランス)】」
 それは、いつもの、か細い氷の槍ではなかった。
 リリアの、規格外の魔力が注ぎ込まれ、圧縮され、練り上げられていく。彼女の目の前に生成されたのは、もはや槍などではない。ゴブリンキングの巨体をも貫くであろう、一本の巨大な氷の柱だった。
 ディノッゾが、最後の攻撃をいなし、テレポートで離脱する。
 完璧に無防備になった王の心臓部へ、リリアが作り出した極大の氷塊が、音速で突き刺さった。
 ゴブリンキングは、断末魔の叫びを上げる間もなく、その身を内側から凍結させ、粉々に砕け散った。
 他の二体の王も、時を同じくして、子供たちの連携の前に沈む。
 後に残されたのは、息も絶え絶えになりながらも、確かに自分たちの足で立つ、8人の子供たち。
 そして、初めて自分の意志で、その絶大な力の一端を解放した、一人の少女の姿だった。
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