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第67話 鑑定大詰め
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セスティーナは、ディノッゾの手を、まるで繊細な芸術品を扱うかのように、優しく揉みほぐしていた。その瞳は、彼の固く、少し傷ついた掌に注がれている。
「……セスティーナさん」
ディノッゾは、周囲の子供たちからの視線に耐えかねたように、静かに言った。
「お陰で手の疲れがすっかりとれたから、もういいよ。セスティーナさんの手って意外と小さいんだな」
そう言うと、優しく自分の手を引き抜いた。
多分素早く引き抜くと、かなりの力が掛かる。
そうなると怪我をさせてしまうから、慎重になっている。
「ちょっと恥ずかしいしな。でも気持ちよかったよ。ありがとう!」
セスティーナは顔を赤くしたが、すぐに手を放し、優雅に立ち上がった。
「い、いえ。当然のことをしたまでです。私の聖騎士としての使命ですから」
彼女はそう言ったが、その瞳の奥には、明らかに私的な感情が揺れていた。
ディノッゾは、周囲の子供たちを一瞥し、改めて切り出した。
「それより、この後、時間取れるかな?」
セスティーナは姿勢を正した。
「はい。大丈夫です」
「少し込み入った話をしたい。今はアイツら(子供たち)がいるからな」
「かしこまりました」
セスティーナは、顔を赤くしながらも、聖騎士らしく応じた。
「よし、お前ら。次は加護玉だ」
ディノッゾは、リリアに例の【アイテム鑑定の虫眼鏡】を渡した。彼らの中では単に【虫眼鏡】と言うこともある。
「リリア、君がやってくれ。魔力の消耗はデカいが、ここにいる中では一番魔力がある」
リリアは、自信に満ちた笑顔で頷き、虫眼鏡に魔力を流し込む。輝く光が、部屋全体を照らした。
「リリア。この玉に番号札を振り、中身を鑑定してくれ。割って能力が宿るまで分からないからな。誰に宿るか推測して盛り上げてくれ」
ディノッゾの指示に、子供たちは一斉に頷き、身を乗り出した。
リリアは、七色の玉に番号を振り、慎重に紙の上に並べ直すと、その中身を順に読み上げた。セスティーナは、その結果を番号と結びつけて、羊皮紙に書き記す。
「一番の玉は……【守護騎士の加護】です!」
「よしっ!リオ、お前のだ!」カミラが叫ぶ。
「いや、待て!カミラかもしれないだろ!盾役は二人いる!」
リオが反論する。
「二番の玉は……【狂戦士の加護】です!」
「イェーイ!私のだ!絶対私のだ!」
カミラが興奮して跳ね回り、その玉を掴む。
「三番目の玉は……【氷雪の女神の加護】です!」
「リリアちゃん、それあなたのよ!間違いない!」
他の子供たちがリリアを指さす。リリアは頬を赤らめながら、自分の玉を大事そうに抱えた。
興奮は高まり続けたが、四番目の玉が鑑定された瞬間、潮目が変わった。
「四番目の玉は……【斧聖の加護】です!」
「おおお!ボルツ!お前だぞ!」リオが叫ぶ。
「五番目の玉は……【槍聖の加護】です!」
「ゴードンか先生のだ!先生の武器も槍だ!どっちだ?」
子供たちが一斉にゴードンを指さす。
つまり、ディノッゾではなく、ゴードンの加護と皆が推測した。
誰もが自分の役割に沿った加護を予測し歓喜の声を上げるが、その興奮は、最初の二つをピークに、次第に感覚の麻痺へと変わっていった。セスティーナは、この国の英雄団全てを上回る規格外のリストを書き記していた。
加護の鑑定が続く中、リリアの顔から血の気が失われていく。
「ごめんディノ。もう、魔力が…」
リリアは虫眼鏡をディノッゾに渡し、その場に座り込んだ。
「ああ、よくやった。十分すぎる」
ディノッゾはリリアの頭を優しく撫でた。
彼は、虫眼鏡を、次に魔力増幅(マナ・ブースト)のギフトを得たティナに渡した。
「ティナ。お前なら2つか3つ位なんとかできるか?」
ティナは緊張しながらも頷き、虫眼鏡を受け取った。魔力増幅のギフトにより、彼女の魔力は一時的に底上げされていた。
「六番目の玉は……【賢者の加護】です!」
ティナが叫ぶ。
「賢者!マヤかリオだ!どっちだ!」
リオが騒ぐ。
「七番目の玉は……【聖女の加護】です!」
「聖女!ティナに決まってるだろ!」
カミラが叫ぶ。
「八番目の玉は……【疾風の加護】です!」
「疾風!サラだ!」ボルツが叫ぶ。
「まだ行けそうか?」
「はい。次が限界だと思いますが、やります」
「九番目の玉は……【弓聖の加護】です!」
「弓聖!誰の?マヤは弓少し使えるけど、マヤのは別よね?」
子供たちの推測は止まらない。
ティナは四つを鑑定し終えると、顔を真っ青にして虫眼鏡をディノッゾに返した。
「よし。残りは竜のオブジェが握っていた玉だな。これは俺がやるよ。ティナ、頑張ったな」
ディノッゾは虫眼鏡を受け取ると、ゆっくりと身を起こした。そしてティナの頭をワシャワシャと撫でた。
髪型がとかぼやいたが、顔を赤くして、褒められたことを嬉しそうにしていた。
そしてディノッゾは床に並んだ玉の最後に残された、竜のオブジェが握っていた最後の玉に、自らレンズを向けた。
そして次の瞬間驚愕に目を見開いた。
「……な、なんだ、これ……」
彼は、その能力名をはっきりと口にした。
「おい、セスティーナさん、【プロフェッサー】ってのは、知ってるか?」
セスティーナは、能力の内容を書き留める準備をしていたため、その質問に即座に反応した。
「プロフェッサー……? いえ、聞いたことがありません。 加護で『プロフェッサー』などという名は……」
彼女の言葉は、ディノッゾが鑑定した加護の規格外の予感と、それがこの世界の常識にないことを暗に示していた。
「……セスティーナさん」
ディノッゾは、周囲の子供たちからの視線に耐えかねたように、静かに言った。
「お陰で手の疲れがすっかりとれたから、もういいよ。セスティーナさんの手って意外と小さいんだな」
そう言うと、優しく自分の手を引き抜いた。
多分素早く引き抜くと、かなりの力が掛かる。
そうなると怪我をさせてしまうから、慎重になっている。
「ちょっと恥ずかしいしな。でも気持ちよかったよ。ありがとう!」
セスティーナは顔を赤くしたが、すぐに手を放し、優雅に立ち上がった。
「い、いえ。当然のことをしたまでです。私の聖騎士としての使命ですから」
彼女はそう言ったが、その瞳の奥には、明らかに私的な感情が揺れていた。
ディノッゾは、周囲の子供たちを一瞥し、改めて切り出した。
「それより、この後、時間取れるかな?」
セスティーナは姿勢を正した。
「はい。大丈夫です」
「少し込み入った話をしたい。今はアイツら(子供たち)がいるからな」
「かしこまりました」
セスティーナは、顔を赤くしながらも、聖騎士らしく応じた。
「よし、お前ら。次は加護玉だ」
ディノッゾは、リリアに例の【アイテム鑑定の虫眼鏡】を渡した。彼らの中では単に【虫眼鏡】と言うこともある。
「リリア、君がやってくれ。魔力の消耗はデカいが、ここにいる中では一番魔力がある」
リリアは、自信に満ちた笑顔で頷き、虫眼鏡に魔力を流し込む。輝く光が、部屋全体を照らした。
「リリア。この玉に番号札を振り、中身を鑑定してくれ。割って能力が宿るまで分からないからな。誰に宿るか推測して盛り上げてくれ」
ディノッゾの指示に、子供たちは一斉に頷き、身を乗り出した。
リリアは、七色の玉に番号を振り、慎重に紙の上に並べ直すと、その中身を順に読み上げた。セスティーナは、その結果を番号と結びつけて、羊皮紙に書き記す。
「一番の玉は……【守護騎士の加護】です!」
「よしっ!リオ、お前のだ!」カミラが叫ぶ。
「いや、待て!カミラかもしれないだろ!盾役は二人いる!」
リオが反論する。
「二番の玉は……【狂戦士の加護】です!」
「イェーイ!私のだ!絶対私のだ!」
カミラが興奮して跳ね回り、その玉を掴む。
「三番目の玉は……【氷雪の女神の加護】です!」
「リリアちゃん、それあなたのよ!間違いない!」
他の子供たちがリリアを指さす。リリアは頬を赤らめながら、自分の玉を大事そうに抱えた。
興奮は高まり続けたが、四番目の玉が鑑定された瞬間、潮目が変わった。
「四番目の玉は……【斧聖の加護】です!」
「おおお!ボルツ!お前だぞ!」リオが叫ぶ。
「五番目の玉は……【槍聖の加護】です!」
「ゴードンか先生のだ!先生の武器も槍だ!どっちだ?」
子供たちが一斉にゴードンを指さす。
つまり、ディノッゾではなく、ゴードンの加護と皆が推測した。
誰もが自分の役割に沿った加護を予測し歓喜の声を上げるが、その興奮は、最初の二つをピークに、次第に感覚の麻痺へと変わっていった。セスティーナは、この国の英雄団全てを上回る規格外のリストを書き記していた。
加護の鑑定が続く中、リリアの顔から血の気が失われていく。
「ごめんディノ。もう、魔力が…」
リリアは虫眼鏡をディノッゾに渡し、その場に座り込んだ。
「ああ、よくやった。十分すぎる」
ディノッゾはリリアの頭を優しく撫でた。
彼は、虫眼鏡を、次に魔力増幅(マナ・ブースト)のギフトを得たティナに渡した。
「ティナ。お前なら2つか3つ位なんとかできるか?」
ティナは緊張しながらも頷き、虫眼鏡を受け取った。魔力増幅のギフトにより、彼女の魔力は一時的に底上げされていた。
「六番目の玉は……【賢者の加護】です!」
ティナが叫ぶ。
「賢者!マヤかリオだ!どっちだ!」
リオが騒ぐ。
「七番目の玉は……【聖女の加護】です!」
「聖女!ティナに決まってるだろ!」
カミラが叫ぶ。
「八番目の玉は……【疾風の加護】です!」
「疾風!サラだ!」ボルツが叫ぶ。
「まだ行けそうか?」
「はい。次が限界だと思いますが、やります」
「九番目の玉は……【弓聖の加護】です!」
「弓聖!誰の?マヤは弓少し使えるけど、マヤのは別よね?」
子供たちの推測は止まらない。
ティナは四つを鑑定し終えると、顔を真っ青にして虫眼鏡をディノッゾに返した。
「よし。残りは竜のオブジェが握っていた玉だな。これは俺がやるよ。ティナ、頑張ったな」
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そしてディノッゾは床に並んだ玉の最後に残された、竜のオブジェが握っていた最後の玉に、自らレンズを向けた。
そして次の瞬間驚愕に目を見開いた。
「……な、なんだ、これ……」
彼は、その能力名をはっきりと口にした。
「おい、セスティーナさん、【プロフェッサー】ってのは、知ってるか?」
セスティーナは、能力の内容を書き留める準備をしていたため、その質問に即座に反応した。
「プロフェッサー……? いえ、聞いたことがありません。 加護で『プロフェッサー』などという名は……」
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