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夫婦鼓
言霊
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奏楽の宴など、催し事のための舞台が庭に組まれることになった。
黒雲を晴らす儀式には然るべき場を設けて臨もう、などと刀自が言い出したからだ。
美葛にしてみればありがた迷惑な話だった。上手く運ぶとはまず思えない。心は不安でいっぱい。それなのに、周りの支度は着々と進んでいく。
刀自の指図の下、戌の刻も半ばを過ぎた夜の庭を篝火に照らされながら行ったり来たり――。そんな材木を担いで働く下男たちに対しても、今から何だか申し訳なかった。いいですよもうざっとで、と勝手に声をかけたいくらいだ。
「離れろ。しつこいぞ、もゆら」
真咲だった。振り向いた美葛はそろそろと伸び上がってそちらを盗み見た。
縁と庭とを繋ぐ短い階からは、今は蔀戸を上げている蔵の奥まですっかり見通すことができた。
「放っておけ、頼むから。いいだろう別に、ただの炭焼きが歌を詠もうが踊ろうが」
「どうしてそう嫌がるのです。ただの炭焼きではありますまいというのは、これは褒め言葉ですよ」
「死んだお袋が、歌が好きで、何かにつけて詠んだんだ。それを子守歌代わりに聞かされて育ったから」
「いやいやいや、それにしたって出来過ぎな詠み出し振りじゃありませんか」
もゆらはまだまだ納得できない様子だった。母屋の真ん中で真咲の袖を掴んで離さない。
「本当に、さらっとあんなの、なかなか詠めないと思います。同じような題でもう一首作れと言われても、私にはまずできません。炭焼きに身をやつしたどこぞの若君では絶対にないんですね?」
「くどい。もしも俺が大家の生まれだったら何か困ることでもあるのか」
「いえ別に。田舎者扱いして散々からかったから、その意趣返しをされるかも、なんて少しも考えていませんけど」
もゆらではないが、美葛にとってもかなり意外なことだった。
庭を向いて座り直して、琴音に手ずからしたためてもらった一葉の短冊を見つめる。
樫の実の ひとり寝がたき 春の夜 雲な隔てそ 望月の影
こんな歌が詠めたなんて。半年も一緒に旅をしてきたのに、美葛は真咲に歌才があることなどちっとも知らなかった。
どかどかと荒っぽい足音が近付いてきた。盛大な溜息を漏らして濡縁に胡坐をかいたのは、当の真咲だった。階の下の段に美葛の姿を認めて、彼はひょいと眉を上げた。
「そんな所にいたのか。どうだ美葛、その歌の心、腑に落ちたか」
「……あんまり。正直、初めの『樫の実の』から訳が分からないんだけど」
「おいおい。せっかく詠んだのに。そんなんじゃ、いくら声に出してみたって何の霊験も見込めないんじゃないか」
「真咲は、歌の霊験を信じてるの?」
改めて問われるとは思いもしなかった、という顔になった真咲は、ちらりと夜空を見上げた。
「信じてるというか……、何だろうな。歌で何かが起きても不思議じゃない、とは思ってるな」
「何か起きても、不思議じゃない」
誰かが歌を詠むことで、何かが起きても不思議じゃない。
真咲は下りてきて美葛の隣に腰掛けた。死んだお袋からの受け売りだけどな、と苦笑いで前置きをした。
「誰が詠んだどんな歌も、それが目に見えるほど違いのはっきりしたものかそうでないかは別として、必ずこの世に何かを起こしているんだと。歌に宿る言霊が働かずにはいないせいでな」
「言霊って、言ったことが本当になるっていう、あれのこと?」
「そうだ。うちのお袋は、言霊ってものを、言葉がこの世に働きかける力そのものだと思ってた節がある。何しろ力だから、強かったり弱かったりする。働きかける相手との縁の深さだったり結び付きの強さだったり、他にもいろんなものに左右される。例えば……」
と、真咲は篝火の庭、木槌で板や柱を叩いている下男たちの方へと顎をしゃくった。
「仰々しいのは御免だから舞台なんぞ作るのは止してくれと俺が言っても、きっとあいつらは知らんぷりで仕事を続けるだろう。美葛が一緒に頭を下げたら、少しは手を休めるかもしれないが、まあでも止めはしないな。じゃあ、止せと言ったのが琴音様だったら?」
「さっさと切り上げると思う」
「俺もそう思う。琴音様の言葉に宿る力は、ここの連中にとって、他の誰のものよりも強い。俺たちが言葉を尽くしてもなかなかできそうにないことを、姫様はきっと一言で成し遂げる」
「そっか。『止せ』の重みが違うんだね」
真咲は深くゆっくりと頷いた。
「その重みを増したいなら、つまり言霊をもっと強めたいと思うなら、俺たちはよほど念入りに言葉を選ばないといけない。言い方を変えてみたり、並びを入れ替えてみたり、もっとその場に相応しいものに改めてみたりして、相手が聞き流せないような言葉の連なりを拵え上げるんだ。『姫様が 夜もすっかり 遅いから 止めて帰れと 仰せですけど』とかな」
「それって……!」
五七五七七の言葉の連なりに、美葛はすぐに気が付いた。
三十一文字の音の響きはなぜこれほど聞く者の耳に残るのだろう。
目を輝かせる美葛に真咲が微笑んだ。
「考えに考えて、選びに選んで、思いを凝らし抜くこと。そうすることで言霊は強くなる。だらだらと垂れ流すみたいに連ねられたものより、誰かが歌のかたちに整えた言葉の方がずっと力を持つことがあるのは、だから、それほど不思議じゃない。俺はそう思ってる」
「翻ってその短冊の歌ですよ」
もゆらが、いつの間にかすぐ後ろに来て美葛のことを見下ろしていた。
「黒雲とやらを見て取れるのは美葛殿だけ。しかしその雲を晴らすための歌は真咲殿の詠。美葛殿がその歌の心をよくよく分かり切って臨むのでなければ、言霊の力は弱いまま、何も起こらず、《望月》が戻ることもないでしょう。あんな舞台まで作っといて何やってんの、なんて言われますよ絶対」
「私が頼んだわけじゃないんだけど……」
「それが嫌なら、歌を我が物とするのですね。どのような気持ちでどう詠み出したのかを深く知ったなら、より強く心を込めることができて、言霊もその強さを増すに違いありません」
もゆらは、ぴょんと跳ねるように下りてきて真咲の隣に腰掛けた。それまでの冷やかな眼差しもどこへやら、袖を取って甘える仕種はまるで兄に物をねだる妹のようだ。
「なんて言ってる私も実は詳しく知りたいんです。ねえ真咲殿、その歌、何をどう考えてどんなふうに詠み出したんですか? 教えて教えて」
何かしら負けてはならないような気持ちが湧いてきて、美葛も反対側から真咲の袖を強く掴んだ。
ううん、と唸った真咲はしばらく雲がちな夜空を見上げていたが、やがて、水の玉だな、と呟いた。
「大きな大きな、果ても見えないほど大きな、澄んだ水の玉の真ん中に、俺が浮かんでいて……」
美葛も、もゆらも、思いもよらない話の始まりにぽかーんとした。
黒雲を晴らす儀式には然るべき場を設けて臨もう、などと刀自が言い出したからだ。
美葛にしてみればありがた迷惑な話だった。上手く運ぶとはまず思えない。心は不安でいっぱい。それなのに、周りの支度は着々と進んでいく。
刀自の指図の下、戌の刻も半ばを過ぎた夜の庭を篝火に照らされながら行ったり来たり――。そんな材木を担いで働く下男たちに対しても、今から何だか申し訳なかった。いいですよもうざっとで、と勝手に声をかけたいくらいだ。
「離れろ。しつこいぞ、もゆら」
真咲だった。振り向いた美葛はそろそろと伸び上がってそちらを盗み見た。
縁と庭とを繋ぐ短い階からは、今は蔀戸を上げている蔵の奥まですっかり見通すことができた。
「放っておけ、頼むから。いいだろう別に、ただの炭焼きが歌を詠もうが踊ろうが」
「どうしてそう嫌がるのです。ただの炭焼きではありますまいというのは、これは褒め言葉ですよ」
「死んだお袋が、歌が好きで、何かにつけて詠んだんだ。それを子守歌代わりに聞かされて育ったから」
「いやいやいや、それにしたって出来過ぎな詠み出し振りじゃありませんか」
もゆらはまだまだ納得できない様子だった。母屋の真ん中で真咲の袖を掴んで離さない。
「本当に、さらっとあんなの、なかなか詠めないと思います。同じような題でもう一首作れと言われても、私にはまずできません。炭焼きに身をやつしたどこぞの若君では絶対にないんですね?」
「くどい。もしも俺が大家の生まれだったら何か困ることでもあるのか」
「いえ別に。田舎者扱いして散々からかったから、その意趣返しをされるかも、なんて少しも考えていませんけど」
もゆらではないが、美葛にとってもかなり意外なことだった。
庭を向いて座り直して、琴音に手ずからしたためてもらった一葉の短冊を見つめる。
樫の実の ひとり寝がたき 春の夜 雲な隔てそ 望月の影
こんな歌が詠めたなんて。半年も一緒に旅をしてきたのに、美葛は真咲に歌才があることなどちっとも知らなかった。
どかどかと荒っぽい足音が近付いてきた。盛大な溜息を漏らして濡縁に胡坐をかいたのは、当の真咲だった。階の下の段に美葛の姿を認めて、彼はひょいと眉を上げた。
「そんな所にいたのか。どうだ美葛、その歌の心、腑に落ちたか」
「……あんまり。正直、初めの『樫の実の』から訳が分からないんだけど」
「おいおい。せっかく詠んだのに。そんなんじゃ、いくら声に出してみたって何の霊験も見込めないんじゃないか」
「真咲は、歌の霊験を信じてるの?」
改めて問われるとは思いもしなかった、という顔になった真咲は、ちらりと夜空を見上げた。
「信じてるというか……、何だろうな。歌で何かが起きても不思議じゃない、とは思ってるな」
「何か起きても、不思議じゃない」
誰かが歌を詠むことで、何かが起きても不思議じゃない。
真咲は下りてきて美葛の隣に腰掛けた。死んだお袋からの受け売りだけどな、と苦笑いで前置きをした。
「誰が詠んだどんな歌も、それが目に見えるほど違いのはっきりしたものかそうでないかは別として、必ずこの世に何かを起こしているんだと。歌に宿る言霊が働かずにはいないせいでな」
「言霊って、言ったことが本当になるっていう、あれのこと?」
「そうだ。うちのお袋は、言霊ってものを、言葉がこの世に働きかける力そのものだと思ってた節がある。何しろ力だから、強かったり弱かったりする。働きかける相手との縁の深さだったり結び付きの強さだったり、他にもいろんなものに左右される。例えば……」
と、真咲は篝火の庭、木槌で板や柱を叩いている下男たちの方へと顎をしゃくった。
「仰々しいのは御免だから舞台なんぞ作るのは止してくれと俺が言っても、きっとあいつらは知らんぷりで仕事を続けるだろう。美葛が一緒に頭を下げたら、少しは手を休めるかもしれないが、まあでも止めはしないな。じゃあ、止せと言ったのが琴音様だったら?」
「さっさと切り上げると思う」
「俺もそう思う。琴音様の言葉に宿る力は、ここの連中にとって、他の誰のものよりも強い。俺たちが言葉を尽くしてもなかなかできそうにないことを、姫様はきっと一言で成し遂げる」
「そっか。『止せ』の重みが違うんだね」
真咲は深くゆっくりと頷いた。
「その重みを増したいなら、つまり言霊をもっと強めたいと思うなら、俺たちはよほど念入りに言葉を選ばないといけない。言い方を変えてみたり、並びを入れ替えてみたり、もっとその場に相応しいものに改めてみたりして、相手が聞き流せないような言葉の連なりを拵え上げるんだ。『姫様が 夜もすっかり 遅いから 止めて帰れと 仰せですけど』とかな」
「それって……!」
五七五七七の言葉の連なりに、美葛はすぐに気が付いた。
三十一文字の音の響きはなぜこれほど聞く者の耳に残るのだろう。
目を輝かせる美葛に真咲が微笑んだ。
「考えに考えて、選びに選んで、思いを凝らし抜くこと。そうすることで言霊は強くなる。だらだらと垂れ流すみたいに連ねられたものより、誰かが歌のかたちに整えた言葉の方がずっと力を持つことがあるのは、だから、それほど不思議じゃない。俺はそう思ってる」
「翻ってその短冊の歌ですよ」
もゆらが、いつの間にかすぐ後ろに来て美葛のことを見下ろしていた。
「黒雲とやらを見て取れるのは美葛殿だけ。しかしその雲を晴らすための歌は真咲殿の詠。美葛殿がその歌の心をよくよく分かり切って臨むのでなければ、言霊の力は弱いまま、何も起こらず、《望月》が戻ることもないでしょう。あんな舞台まで作っといて何やってんの、なんて言われますよ絶対」
「私が頼んだわけじゃないんだけど……」
「それが嫌なら、歌を我が物とするのですね。どのような気持ちでどう詠み出したのかを深く知ったなら、より強く心を込めることができて、言霊もその強さを増すに違いありません」
もゆらは、ぴょんと跳ねるように下りてきて真咲の隣に腰掛けた。それまでの冷やかな眼差しもどこへやら、袖を取って甘える仕種はまるで兄に物をねだる妹のようだ。
「なんて言ってる私も実は詳しく知りたいんです。ねえ真咲殿、その歌、何をどう考えてどんなふうに詠み出したんですか? 教えて教えて」
何かしら負けてはならないような気持ちが湧いてきて、美葛も反対側から真咲の袖を強く掴んだ。
ううん、と唸った真咲はしばらく雲がちな夜空を見上げていたが、やがて、水の玉だな、と呟いた。
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美葛も、もゆらも、思いもよらない話の始まりにぽかーんとした。
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