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本編
68:プランBと戦犯(1)
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あっけなく崩れ去った煉瓦の壁の残骸を跨ぎ、騎士団は先を急いだ。
暗い石畳の通路を、小さなランプの灯りだけを頼りにやや早足で進む。
特に隠し扉や別れ道などはなさそうだが、先行した彼らの姿はどこにも見当たらない。
嫌な予感しかしないアルフレッドは小さく舌打ちした。
「…団長、自分はちょっと怖いです」
「僕も、怖いです」
「俺も…」
騎士達は口々に『怖い』言う。
ーーー王太子ヘンリーと彼が重用する魔術師ハディスが二人揃っていない事が。
これには、ハディスの部下である魔術師たちも首がもげそうなくらい激しく頷いた。
「奇遇だな。私もだ」
アルフレドは深くため息をつく。
できれば先を進まずに待っていて欲しかった。
いや、いつ壁が崩せるかわからないため、先に進むのは間違いではないのだが、それでも待っていて欲しかった。
何故なら護衛対象のヘンリーは、昔からこういう時に大人しく守られてくれるタイプではない。むしろ前線に出たがるタイプだ。
それだけでも厄介なのに、今、彼のそばにいるのは割と楽観的な考え方をしているハディス。
2人が揃えば「まあ何とかなるか」と無茶な行動を取りかねない。
(…あの2人は謎に自信家だからな)
アルフレッドは自分のことは棚に上げて、2人の無駄にあふれる自信を非難した。
「団長の奥様って、2人を止めてくれるタイプですか?」
後ろを歩く騎士の一人が尋ねた。きっとシャロンにストッパーの役割を期待しているのだろう。
だが、アルフレッドは彼女がストッパーになってくれるとは断言できなかった。
何故なら彼女は無駄に肝が座っているからだ。確かに彼女は冷静で賢いが、うちに秘めた無駄に溢れる好奇心と、怖いもの知らずな部分が出て来てしまうと正直あまり期待できない。
「…ハディス殿と殿下の2人だけよりはマシだと思う」
アルフレッドの曖昧な答えに、一同は深くため息をついた。
「…急ぎましょう、団長」
「そうだな」
彼らの身も心配だが、それ以上に何か無茶な事をやからしていないかということの方が騎士達は心配でたまらない。
「どうか大人しくしていてくれ…」
そう願い、アルフレッド達は先を急いだ。
暗い石畳の通路を、小さなランプの灯りだけを頼りにやや早足で進む。
特に隠し扉や別れ道などはなさそうだが、先行した彼らの姿はどこにも見当たらない。
嫌な予感しかしないアルフレッドは小さく舌打ちした。
「…団長、自分はちょっと怖いです」
「僕も、怖いです」
「俺も…」
騎士達は口々に『怖い』言う。
ーーー王太子ヘンリーと彼が重用する魔術師ハディスが二人揃っていない事が。
これには、ハディスの部下である魔術師たちも首がもげそうなくらい激しく頷いた。
「奇遇だな。私もだ」
アルフレドは深くため息をつく。
できれば先を進まずに待っていて欲しかった。
いや、いつ壁が崩せるかわからないため、先に進むのは間違いではないのだが、それでも待っていて欲しかった。
何故なら護衛対象のヘンリーは、昔からこういう時に大人しく守られてくれるタイプではない。むしろ前線に出たがるタイプだ。
それだけでも厄介なのに、今、彼のそばにいるのは割と楽観的な考え方をしているハディス。
2人が揃えば「まあ何とかなるか」と無茶な行動を取りかねない。
(…あの2人は謎に自信家だからな)
アルフレッドは自分のことは棚に上げて、2人の無駄にあふれる自信を非難した。
「団長の奥様って、2人を止めてくれるタイプですか?」
後ろを歩く騎士の一人が尋ねた。きっとシャロンにストッパーの役割を期待しているのだろう。
だが、アルフレッドは彼女がストッパーになってくれるとは断言できなかった。
何故なら彼女は無駄に肝が座っているからだ。確かに彼女は冷静で賢いが、うちに秘めた無駄に溢れる好奇心と、怖いもの知らずな部分が出て来てしまうと正直あまり期待できない。
「…ハディス殿と殿下の2人だけよりはマシだと思う」
アルフレッドの曖昧な答えに、一同は深くため息をついた。
「…急ぎましょう、団長」
「そうだな」
彼らの身も心配だが、それ以上に何か無茶な事をやからしていないかということの方が騎士達は心配でたまらない。
「どうか大人しくしていてくれ…」
そう願い、アルフレッド達は先を急いだ。
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