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本編
おまけ( ˘ω˘ )
エミリアの死から2年ほど経ったころ、2人は社交界で、『未だ黒い服を纏うウインターソン公爵夫妻』として有名だった。
しかし、なぜ彼らが黒い服を着ているのか、その理由を知るものは少ない。
「喪は明けてるんですけどねぇ」
王宮の舞踏会に参加していたシャロンは、テラスで柵にもたれかかりながら深くため息をついた。
彼らが未だに黒しか着ない理由は、もちろんアルフレッドが原因だ。
「黒を脱いであんなに騒がれるとは思わなかった…」
テラスの隅で膝を抱えて小さくなる夫を、シャロンは可哀想なものを見る目で見下ろす。
実はエミリアの死後、半年ほどで喪が明けた2人は久しぶりに黒い服を脱いだ。
すると、周りが何事かと騒ぎ始めたのだ。
いろんな憶測が憶測を呼び、ついに天災の予兆であるいう記事が新聞の一面に乗った。
更には、『黒を着ていないウィンターソン公爵は最早ウィンターソン公爵ではない』と、偽物扱いされることもしばしば…。
あまりの騒がれように疲れたアルフレッドは再び黒を纏うことにしたのだ。
「そりゃあ、6年も頑なに黒を着続けていたやつがいきなり白を着たらみんな驚くだろう」
ヘンリーは揶揄うようにアルフレッドのおでこを叩きながら笑う。
「だから言っただろ?徐々に色を薄めていけと」
「…周りはそんなに私に興味ないと思ってました」
「奇行が多い公爵として有名だぞ?」
「知らなかった…」
悪い人ではないが、貴族らしくなく、且つ最近は度々庭園で虫を捕まえたりと何かと奇行の多いウィンターソン公爵は割と有名人だ。
おまけに数年前に嫁いできた後妻は、ここ最近みるみる美しくなり、社交界の花とまで言われ始めた。
アルフレッドは密かに『面食いだ』と噂されているらしい。
「しかしシャロンも災難だな、旦那のせいで未だ黒しか着れないんだから」
「私の場合、黒は社交界だけですもの。特に問題ありません」
「まあ、君の白い肌とその艶やかな髪には、黒がよく似合うしね」
今日のドレスも素敵だよ、とヘンリーは微笑んだ。
さすがはヘンリー。褒める時もスマートだ。
アルフレッドは自分と彼の違いに、益々惨めな気持ちになった。
「いつまでいじけているつもりだ?」
「シャロンは何を着ても可愛いです」
「黒しか着せてないくせによく言うよ」
「そうですね!ごもっともです!」
「そんな怒るなよ」
「怒ってないです。情けないだけです」
シャロンはそんなアルフレッドの前にしゃがみ込むと、彼の額にデコピンをかました。
アルフレッドは予想以上に痛かったのか、額を抑える。
「めっちゃ痛いんですが」
「ネイルのせいですかね?」
「何故デコピンされたのでしょう」
「あまり情けない姿を見せないでくださいな、アル」
「…そういうの、ズルくない?」
普段は名前すら呼ばないくせに、こう言う時だけ名前で呼ぶ。
アルフレッドは顔を上げ、ジトッとした目で彼女を見つめた。
「そろそろキスくらいさせてくれても良いと思う」
「誓約書を書かせたのは旦那様です」
「今、それをすごく後悔している」
「あと2年はダメかなぁ」
「嘘だろ…」
「あの夜着はずっと着てあげてるじゃないですか」
「あの夜着を着といて触れちゃダメっていうのは軽く拷問だからね?」
「じゃあ着るのやめます?」
「やめないでください」
「ふふっ。変態ですね」
シャロンはアルフレッドの頬を引っ張りながら破顔した。
単純なアルフレッドはなんだかんだと嬉しそうだ。
そのやり取りを見ていた国王ヘンリーは思う。
烏公爵は完全に後妻の手のひらで転がされているな、と。
しかし、なぜ彼らが黒い服を着ているのか、その理由を知るものは少ない。
「喪は明けてるんですけどねぇ」
王宮の舞踏会に参加していたシャロンは、テラスで柵にもたれかかりながら深くため息をついた。
彼らが未だに黒しか着ない理由は、もちろんアルフレッドが原因だ。
「黒を脱いであんなに騒がれるとは思わなかった…」
テラスの隅で膝を抱えて小さくなる夫を、シャロンは可哀想なものを見る目で見下ろす。
実はエミリアの死後、半年ほどで喪が明けた2人は久しぶりに黒い服を脱いだ。
すると、周りが何事かと騒ぎ始めたのだ。
いろんな憶測が憶測を呼び、ついに天災の予兆であるいう記事が新聞の一面に乗った。
更には、『黒を着ていないウィンターソン公爵は最早ウィンターソン公爵ではない』と、偽物扱いされることもしばしば…。
あまりの騒がれように疲れたアルフレッドは再び黒を纏うことにしたのだ。
「そりゃあ、6年も頑なに黒を着続けていたやつがいきなり白を着たらみんな驚くだろう」
ヘンリーは揶揄うようにアルフレッドのおでこを叩きながら笑う。
「だから言っただろ?徐々に色を薄めていけと」
「…周りはそんなに私に興味ないと思ってました」
「奇行が多い公爵として有名だぞ?」
「知らなかった…」
悪い人ではないが、貴族らしくなく、且つ最近は度々庭園で虫を捕まえたりと何かと奇行の多いウィンターソン公爵は割と有名人だ。
おまけに数年前に嫁いできた後妻は、ここ最近みるみる美しくなり、社交界の花とまで言われ始めた。
アルフレッドは密かに『面食いだ』と噂されているらしい。
「しかしシャロンも災難だな、旦那のせいで未だ黒しか着れないんだから」
「私の場合、黒は社交界だけですもの。特に問題ありません」
「まあ、君の白い肌とその艶やかな髪には、黒がよく似合うしね」
今日のドレスも素敵だよ、とヘンリーは微笑んだ。
さすがはヘンリー。褒める時もスマートだ。
アルフレッドは自分と彼の違いに、益々惨めな気持ちになった。
「いつまでいじけているつもりだ?」
「シャロンは何を着ても可愛いです」
「黒しか着せてないくせによく言うよ」
「そうですね!ごもっともです!」
「そんな怒るなよ」
「怒ってないです。情けないだけです」
シャロンはそんなアルフレッドの前にしゃがみ込むと、彼の額にデコピンをかました。
アルフレッドは予想以上に痛かったのか、額を抑える。
「めっちゃ痛いんですが」
「ネイルのせいですかね?」
「何故デコピンされたのでしょう」
「あまり情けない姿を見せないでくださいな、アル」
「…そういうの、ズルくない?」
普段は名前すら呼ばないくせに、こう言う時だけ名前で呼ぶ。
アルフレッドは顔を上げ、ジトッとした目で彼女を見つめた。
「そろそろキスくらいさせてくれても良いと思う」
「誓約書を書かせたのは旦那様です」
「今、それをすごく後悔している」
「あと2年はダメかなぁ」
「嘘だろ…」
「あの夜着はずっと着てあげてるじゃないですか」
「あの夜着を着といて触れちゃダメっていうのは軽く拷問だからね?」
「じゃあ着るのやめます?」
「やめないでください」
「ふふっ。変態ですね」
シャロンはアルフレッドの頬を引っ張りながら破顔した。
単純なアルフレッドはなんだかんだと嬉しそうだ。
そのやり取りを見ていた国王ヘンリーは思う。
烏公爵は完全に後妻の手のひらで転がされているな、と。
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