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(シューベルトがいないっ――)
どこを探しても彼がいない、おじさんに尋ねてみたが家にもいないようだ。体が細い彼は大型の狼の魔物にアッサリ食べられてしまいそうな気配さえする。
(まさか森に――)
最近、魔法がうまくいかないと思い詰めていたとおじさんも言っていた。妹のゾネちゃんにも魔力操作で負けているため、少し劣等感も抱いていたとも、おじさんは言っていた。
思い詰めた結果、無茶をして森の中に入っていったんじゃないか、そんな気さえする。
無事でいて欲しい。
そう願っていると建物の影からひょっこり彼が出てきた。ビックリしすぎて心臓が飛び出るかと思った。
「――っ! なにしてたの!?」
ずっと探していたのにいなくて、焦っていたためそんなセリフになる。
「……別になにもしていない」
うそ!
何か隠している顔をしている。そして何より、その右手に巻かれた包帯が何かあったことを物語っている。強引に右手を掴む。
「いたっ」
「これは何?」
「――っ」
気まずそうに彼は目線を逸らす。それから彼は決意を決めたようで話し出す。
「俺は右手に魔物を飼っている。これ以上は踏み込むな」
なっ! 魔物を飼っているって何!? 森で何かあったことは明白だ、もしや魔物に何か埋め込まれたり、魔法で何かされたのではないか!?
「……私に何かできることは……」
「ない、とにかく俺に構わないでくれ」
そういって彼は私のもとから去っていった。そして何もできない自分が歯がゆくなる。あなたは一体、何を隠しているの……?
どこを探しても彼がいない、おじさんに尋ねてみたが家にもいないようだ。体が細い彼は大型の狼の魔物にアッサリ食べられてしまいそうな気配さえする。
(まさか森に――)
最近、魔法がうまくいかないと思い詰めていたとおじさんも言っていた。妹のゾネちゃんにも魔力操作で負けているため、少し劣等感も抱いていたとも、おじさんは言っていた。
思い詰めた結果、無茶をして森の中に入っていったんじゃないか、そんな気さえする。
無事でいて欲しい。
そう願っていると建物の影からひょっこり彼が出てきた。ビックリしすぎて心臓が飛び出るかと思った。
「――っ! なにしてたの!?」
ずっと探していたのにいなくて、焦っていたためそんなセリフになる。
「……別になにもしていない」
うそ!
何か隠している顔をしている。そして何より、その右手に巻かれた包帯が何かあったことを物語っている。強引に右手を掴む。
「いたっ」
「これは何?」
「――っ」
気まずそうに彼は目線を逸らす。それから彼は決意を決めたようで話し出す。
「俺は右手に魔物を飼っている。これ以上は踏み込むな」
なっ! 魔物を飼っているって何!? 森で何かあったことは明白だ、もしや魔物に何か埋め込まれたり、魔法で何かされたのではないか!?
「……私に何かできることは……」
「ない、とにかく俺に構わないでくれ」
そういって彼は私のもとから去っていった。そして何もできない自分が歯がゆくなる。あなたは一体、何を隠しているの……?
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